家族や大切な人が亡くなられたとき、その遺品を整理するのは心情的につらいものです。しかし、いつかは遺品の整理が必要になるでしょう。葬儀後すぐなのか、四十九日前後なのか? 分からないことが多いものです。
そこでこの記事では、いつから遺品整理を行うべきか、その開始時期について解説します。また、事前に準備しておきたいポイントや気を付けたいこと、よくある質問も紹介しているので、遺品整理の進め方が分からない人は、ぜひ参考にしてください。
目次
遺品整理はいつから始めるのが良い?適切な処分時期4つ
遺品整理をいつから始めるか迷っているのなら、以下に示す4つのタイミングで実施するのがおすすめです。
- お葬式の後
- 四十九日の前後
- 10ヵ月以内
- すべての手続きが完了した後
なぜこのタイミングが良いのか、詳しく見ていきましょう。
いつから始める?遺品整理のベストなタイミング①:お葬儀の後
遺品整理をいつからやるべきか迷っているのなら、お葬式を終えた後に実施するのも一つの方法です。お葬式は親族全員が集まるタイミングです。親族一同で集まる機会はそうそうないため、そのまま遺品整理に進みやすいと覚えておきましょう。
また、お葬式の後には親族で食事するケースも多いので、遺品整理の話題を出しやすいのが特徴です。ただし、お葬式を行う時間によっては、遺品整理を夜遅くに実施しなければならない場合も…。スムーズに遺品整理を行いたいのなら、お葬式前に親族のスケジュールを確認しておきましょう。
いつから始める?遺品整理のベストなタイミング➁:四十九日の前後
お葬式の次に親族が集まりやすいのは、四十九日の前後となります。四十九日は故人の魂が天に昇っていく日ですので、遺族で集まり法要を行うのが一般的です。
また、四十九日およびその前後は、短時間で法要が終わるほか、食事の場を用意する必要があります。親族との時間を確保しやすいタイミングですので、いつから開始すべきかお悩みなら、ぜひ遺品整理のタイミングとしてスケジュールを組んでみてください
>>遺品整理を49日前に始めても良い?メリットと注意点を解説
いつから始める?遺品整理のベストなタイミング③:10カ月以内
もし、お葬式後や四十九日前後に遺品整理を行えないのなら、親族で集まりやすいタイミングを見つけて、スケジュールを組んでください。ただし、その集まりは、必ず故人が亡くなってから10カ月以内に決めましょう。
その理由は、相続税の申告・納付が10カ月以内と決められているからです。期限内に収められない場合、追加徴税が課せられるので「いつから遺品整理を行うべき?」とお悩みなら、必ず10カ月以内に行ってください。
いつから始める?遺品整理のベストなタイミング④:すべての手続きが完了した後
もし、精神的に余裕がなく遺品整理に踏み出せないのなら、すべての手続きが完了した後に遺品整理を行うのが良いでしょう。深い関わりのある人物が亡くなってすぐに、遺品整理へと踏み切れる人は多くありません。
確かにルールなどを守ることも大切ですが、一番は遺族が立ち直れるタイミングに遺品整理を始めることです。精神的に余裕がないのなら、まずはひとつずつ、時間をかけて動き始めてみてください。
>>遺品整理のベストな時期は?急を要するケースもある遺品整理の適切なタイミングを詳しくご紹介!
いつから遺品整理すべきか考えるのがつらい・捨てられないなら遺品整理業者に相談しよう
「なるべく早く遺品整理を行いたい」「考える余裕がないけど、すぐに遺品整理したい」「いつから遺品整理すべきか考えられない」そうお考えなら、遺品整理業者を利用するのがおすすめです。
遺品整理業者は、ただ遺品整理の品をまとめてくれるだけではなく、遺品の供養や遺族へのサポート、手続き処理など、幅広い部分で遺品整理をサポートしてくれます。いつから遺品整理すべきか自分で考えられない、つらい、捨てられないとお悩みなら、まずは遺品整理のプロに相談してみましょう。経験豊富なプロの力によって、無理なく安心して遺品整理をスタートできます。
>>遺品整理の優良業者の見極め方!優良業者と分かるポイントをご紹介
いつから遺品整理する?決定前に準備しておきたい2つのポイント
いつから遺品整理を行うべきか考えているのなら、事前準備も重要だと覚えておきましょう。中でも重要なのが以下の2ポイントです。
- 遺族から合意を得る
- 遺品整理の計画を立てておく
事前準備で実施する内容を、詳しく見ていきましょう。
ポイント①:遺族から合意を得る
遺品整理を行うのなら、事前に遺族から合意を得ておきましょう。遺品整理は相続や処分を目的に行うため、関係者である遺族を無視して進められません。もし無視して進めてしまうと、相続トラブル等に発展するケースもあるので、関係者一同に連絡を取ってみてはいかがでしょうか。
ただし、口頭での回答をもらうだけでは、後から「言った・言っていない」の問題が起こることも…。その問題を回避するためにも、メールを通じたやり取りや、本人から合意サインをもらうことをおすすめします。
また、合意をもらうことによって、遺品整理に参加できる人などを把握できるのがポイントです。全員がスケジュールどおりに動いてくれるわけではないため「あの人が来ていない!」といった問題を回避できます。
ポイント②:遺品整理の計画を立てておく
遺品整理をスムーズに進めたいのなら、あらかじめ遺品整理の計画を立てておきましょう。例えば、次のポイントを計画しておくと作業が円滑に進みます。
- いつから遺品整理を行うか決める
- どの部屋から遺品整理を行うか決める
- 遺品整理で見つける品のチェックリストを作る
- 遺品整理の仕分けボックスを作る
遺品整理では書類や重要な品、価値のある品などを仕分けしながらまとめていきます。遺品整理当日に計画を立てると、作業に漏れや抜けが出てしまう場合もあるので、遺品整理を行う前に計画しておくのがおすすめです。
いつから遺品整理?気を付けたいこと
いつから遺品整理を行うべきか考えるのなら、以下のポイントに気を付けてください。
- 自力・業者のどちらの方法で動くか決める
- 空き家・火災のリスクに注意する
- 盗難や治安問題に注意する
注意事項を気にせず動いてしまうと、後々大きな問題に発展することも…。安全かつスムーズに遺品整理を行うためにも、気を付けるべき3点を理解しておきましょう。
気を付けたいこと①:自力・業者のどちらの方法で動くか決める
遺品整理は、自力・業者のどちらの方法で整理を行うか決めておくのがおすすめです。自力で行う場合、遺族で集まって自宅の整理を行っていくため、日程や時間など、いつから動き出すべきか判断できます。
また業者を利用する場合には、いつから業者に相談しだすか検討できるのがポイントです。自力・業者の選択によって、必要な人数や対応する内容、分担作業の量などが大きく変化します。遺品整理の知識の有無も含めて、どういった体制で整理を行いたいのか、検討しておきましょう。
気を付けたいこと②:空き巣・火災のリスクに注意する
故人が亡くなって遺品整理するまでの期間は、故人が住んでいた住宅の管理に注意してください。特に注意しなければならないのが、空き巣・火災のリスクです。いつから遺品整理を行うべきか決まっていないのなら、ぜひ把握しておきましょう。
【空き巣リスク】
まず、遺品が残った状態の住宅を長期間放置した場合、住宅の持ち主が亡くなったと知った人物が、空き巣に入る恐れがあります。相続の品をまるごと盗まれてしまうことはもちろん、住宅を荒らされるため、遺族は大きな喪失をこうむってしまうでしょう。
もしリスクを避けたいのなら、住宅の周りに監視カメラを設置したり、定期的に住宅を訪問したりと、放置せず管理状態を維持することが大切です。「いつからやるべき?」とお悩みなら、故人が亡くなってすぐに準備してはいかがでしょうか。
【火災リスク】
また、住宅のゴミ・ホコリ・化学薬品等を放置することによって、火災発生のリスクがあります。火災が発生すると、住宅の品をすべて失うほか、周辺家屋にも影響が及ぶ恐れも…。
火災リスクを避けるためにも、住宅のブレーカーを落としたり、定期的な掃除・整理を行ったりと、維持管理を徹底しましょう。「いつからやるべき?」とお悩みなら、空き巣リスクと同じく、故人が亡くなってすぐに準備してはいかがでしょうか。
気を付けたいこと③:盗難や治安問題に注意する
いつから遺品整理を行うべきか決まっていないのなら、盗難そして治安問題にも注意しましょう。
【盗難問題】
盗難問題は主に、遺族・知り合いによって発生します。これは「部屋を片付けるから」「故人の部屋を見ておきたいから」と訪問した際に、遺品を盗んでしまうというトラブルです。
場合によっては重要な品が紛失するケースもあるので、訪問した人物の名前や連絡先を聞き出すなど、管理体制を整えておくと良いでしょう。また、管理者本人以外は立ち入らないというルールを決めておけば、不要なトラブルを避けられます。
【治安問題】
治安問題は、落書きや不法侵入など無関係の第三者によって発生します。いつから遺品整理を行うべきか考えている間に、住宅を荒らされることがあるので注意しましょう。
また、治安問題を放置すると、将来物件を売却する際の価値が下がる場合も。住宅の価値を下げないためにも、治安対策として、監視カメラの設置等に力を入れましょう。
遺品整理の前に相続放棄について確認しよう
いつから遺品整理を始めるか考えることも大切ですが、その前に相続放棄について理解しておくことも大切です。相続放棄とは、手続した本人が相続の対象者から外れるというもの。
疎遠だったり借金の相続だったりと、相続がマイナスに働くケースもあるので、事前に遺族確認を行うことが重要です。遺品整理をいつから始めるかを考える前準備として重要なポイントなので、その詳細を詳しく解説します。
相続放棄すると遺品を処分できなくなる
相続放棄を行うと、相続に関するすべての権利・義務を放棄することとなります。例えば、次の要素を含めて、放棄した本人は遺品整理を行えません。
- 借金・税金の支払い
- 葬儀費用の支払い
- 入院費の支払い
- 故人の賃貸住宅の解約・片付け
- 故人が貸していたお金の請求
「いつから遺品整理を行うか」という話に参加できないことも含め、すべてを放棄するという意味なので、必ず遺品整理前に遺族に確認を取りましょう。
相続人が決定するまで遺品管理義務が発生する
相続放棄を行った場合、次の相続人が相続するまで、遺品管理を行わなければなりません。放棄したからといって、相続の作業を無視して良いわけではないので、間違えないようにお気を付けください。管理が不十分だと、大家から賠償請求される恐れもあるので、いつから相続人が変わるのか把握しながら住宅を管理しましょう。
例外|相続放棄しても遺品整理が必要なケース
実は、相続放棄を行っても、遺品整理に参加せざるを得ない場合があります。それは主に、次のケースです。
- 故人が孤独死して発見が遅れた場合
- 故人の住んでいた住宅がゴミ屋敷化している場合
つまり、放置したままでいると悪臭や害虫問題に発展し、周辺住民に影響が及ぶケースを指します。いつから遺品整理をすべきか、いつから相続放棄に取りかかるのかを考える前に動き出さなければならないポイントです。すぐ動く必要があるので、上記のような例外があると覚えておきましょう。
遺品整理をいつからやるか決めるときによくある4つの質問
「遺品整理をいつからやるか決められない」「いつからやるか、それよりもほかに気になることが多すぎる!」
そうお悩みの方向けに、よくある質問を4つおまとめしました。いつから遺品整理を行うか決めることに合わせて、数多く寄せられる疑問もチェックしてみてください。
質問①:遺品整理で捨ててはいけないものってある?
以下に示す重要な品は、捨てないように気を付けましょう。
- 遺言書
- 現金・通帳
- 身分証明書・印鑑
- 年金手帳
- 土地の権利書・ローン明細・契約書
- 仕事関連の資料
- 鍵
- 価値のある品(骨董品、ブランド品、金品など)
- 請求書・支払通知書
- 返却が必要な品
誤って捨ててしまうと、後から相続問題につながる場合も…。いつから遺品整理を始めるか計画する際には、捨ててはいけないもののチェックリストを作成しましょう。
質問②:遺品整理するとき布団はどのように扱うの?
布団の処理にお悩みなら、次の方法を検討してみてください。
- 粗大ゴミ、可燃ごみとして処分する
- 再利用する(打ち直し・寄付)
- 供養する
中には、不用品の処分に対応してくれる遺品整理業者もいるので、いつから遺品整理を行うか決める際に、相談してみてはいかがでしょうか。
質問③:遺品整理するとき衣類はどのように扱うの?
衣類の処理にお悩みなら、次の方法を検討してみてください。
- 可燃ごみとして処分する
- 再利用する(打ち直し・寄付)
- 供養する
また、ブランド品などによっては、リサイクルショップ等で売却してもらえることも。遺品整理いつから行うか決めながら、衣類の処分についても検討してみてください。
質問④:亡くなった人のものは必ず処分した方がいいの?
故人の品は、必ず処分すべきというわけではありません。もし、家族との思い出の品や捨てたくない品があるのなら、保管しておくのもひとつの方法です。
ただし、人が亡くなると相続問題が必ず発生します。処分の有無に関わらず整理が必要なこと、必ず自分の手元に残るわけではないことを理解して、いつから遺品整理を行うか検討してください。
遺品整理をいつから始めるかのまとめ
遺品整理をいつから始めるかお悩みなら、遺族が集まりやすいお葬式後、四十九日前後、また法律にある相続の期限「10カ月以内」などを考慮して、日付を設定するのがおすすめです。また、いつから遺品整理を行う決める際には、事前準備や住宅の維持にも意識を向けましょう。
場合によっては「いつから遺品整理しようか」と考えている間に、盗難や空き巣、火災といったトラブルが起きてしまうかもしれません。もし遺品整理をお願いできる業者を探しているのなら「遺品整理の七福神」にご相談ください。いつから遺品整理を行うべきか決めることを含めて、ご遺族をサポートいたします。