死亡した親のNHK受信料は誰が払う?解約方法は?

亡くなった親のNHK受信料、解約する方法は?

2022年、ツイッターで、「すでに亡くなった親あてに、NHK受信料の請求書が届き続ける」という投稿が大きな話題になりました。
NHKと受信契約を結んでいる契約者が死亡した場合、NHKの受信契約(受信料)はどのような扱いになるのでしょうか。
また、この料金は支払わなくてはならないのでしょうか。
NHKと受信契約を結んでいる人が亡くなった場合、遺族または相続人がどのような処理・対応をすればよいか、見ていきましょう。

親が死亡したあとのNHK受信料の名義変更の方法

親が死亡したあとのNHK受信料の名義変更の方法

親が死亡したあとにNHKの受信料は名義変更できるのでしょうか?ここでは名義変更の方法を詳しく解説していきます。

電話による名義変更

電話でNHK契約の名義変更を行いたい場合は、NHKの「受信料関係のお問い合わせ先」のフリーダイヤルに電話をします。

フリーダイヤル:0120-15-1515(受付は9時から20時まで)

インターネットによる名義変更

インターネットで名義変更のお手続きを行う場合はNHKホームページにある「放送受信料 契約者氏名変更のお手続き」という欄から手続きを行いましょう。

親が死亡した場合のNHK受信料の解約方法は?

空き家になった家

自宅が空き家になったり、今後は誰もテレビを見ない、使わないという場合は「解約」の手続きをします

NHKに「放送受信契約解約届」を提出する

日本放送協会受信規約によれば、NHKの受信契約を解約する場合、その理由を含めた届け出をNHKに提出し、受理された日に解約が認められます。
例外として「契約者が非常災害により前項の届け出をすることができなかったものと認めるときは、当該非常災害の発生の日に解約されたものとすることがある」とも記されています。
しかし、契約者が死去した場合については特に書かれていません。

それでは、一人暮らしの人が亡くなった場合、契約はどうなるのでしょうか。
NHK広報部によれば、受信契約を解約する場合は、日本放送協会放送受信規約に基づき、NHKへ「放送受信契約解約届」を出すことになっています。
一人暮らしの受信契約者が亡くなった場合は、ご家族や親族の方などからの届け出で解約の手続きができるようです。

「放送受信契約解約届け」は、NHKに電話をして、送付してもらわなくてはなりません。
インターネットでの解約はできないので注意しましょう。
連絡先は、NHKの受信料窓口「0120-15-1515」です。

電話をかけると音声ガイダンスが流れるので、指示に従い「その他の手続き」を選びましょう。
オペレーターに繋がったら、解約をしたいと申し出します。
この時、オペレーターから解約の理由を訊かれます。
この「理由」に問題がなければ、「放送受信契約解約届け」を送ってもらうことができます。
この際、お客様番号を聞かれるので、あらかじめ準備しておきましょう。

ポイントは「一人暮らし」と「死亡」

一人暮らし

故人が一人暮らしだったか精査するのは、NHKの受信契約が世帯ごとになっているためです。
契約者が亡くなっても、その家庭に受信機(テレビなど)があり、他に誰か住んでいる場合は、契約の主体はその同居人へと変更されます
そのため、受信料は請求され続けます。

しかし、契約者が死亡したこと、一人暮らしであったことを確認できた場合は、死亡した当月で解約扱いとなるのです。
この場合、亡くなってから届け出るまでの間の受信料は発生しません。
また、生前、契約者が銀行口座からの自動引き落としで支払っており、亡くなってからも引き落とされていたような場合は、その分は過払い扱いとして、後日、返金してもらえます。

インターネットでは、「死後の分まで払え」と言われたという書き込みが話題になりましたが、原則として、上記のような対応をすることになっているようです。
以上から、一人暮らしの契約者が亡くなった場合は、一人暮らしであったこと、死亡したことの2点をしっかり証明できれば、亡くなった月で解約することができます。
名義変更の場合も、解約の場合も、NHKに対して故人の死亡通知を提出することが必要になります。

料金を滞納したらどうなる?

故人のNHK受信料を払いたくない、解約手続きをするのも面倒だといって、滞納を続けているとどうなるのでしょうか。
何度も振り込み用紙などが送られているにも関わらず支払わないでいると、「訴訟予告通知」が届くことがあります。
NHKでは、「放送受信契約の未契約世帯への訴訟予告通知の発送について」において、「テレビ受信機を設置しているにもかかわらず、放送受信契約を結んでいただけない世帯や事業所に対し、公共放送の役割や受信料制度の意義などについて誠心誠意説明を行っていますが、それでもなおご契約いただけない場合、受信料の公平負担を徹底するため民事訴訟を提起することとしています」という見解を述べています。

受信料を支払わず、さらにこの予告通知を無視していると、簡易裁判所に起訴されることになってしまいます。
最悪の場合、強制執行がなされ、財産を差し押さえられる可能性もあるのです。
NHKと契約していた人が亡くなったら、できるだけ早く、故人の死亡を通知し、名義変更や解約の手続きをとりましょう。

死亡した親のNHK受信料が未払いの場合の対応方法

死亡した親のNHK受信料が未払いの場合の対応方法

NHKの受信料を支払っていなかった故人の場合、相続人は相続放棄によって支払いの義務が免除されます。しかし、相続放棄すると、もし財産があった場合、その財産の相続も放棄されることになります。
したがって、NHK受信料や故人の債務などがある場合は、相続予定の財産を全て現金化して返済するか、相続放棄するかを検討し、どちらが有利か慎重に考えた上で判断してください。

死亡した親のNHK受信料を相続放棄する際の注意点

死亡した親のNHK受信料を相続放棄する際の注意点

もし親が死亡した場合、NHKの受信料を相続放棄する場合にはどのような点に注意するべきでしょうか。ここでは相続放棄する際の注意点について解説していきます。

基本的に未払いの場合は相続債務として相続人が引き継ぐ

遺産相続において、遺族が支払うべき負債の一つとなり得るのは、NHKの受信料など滞納された費用です。「相続債務」は、相続すべき負債の一部を指します。亡くなった方の負債も、NHKの未払受信料のようなものを含め、相続債務の一つとなります。

相続人は、負の財産(負債)と正の財産を統合し、相続財産とします。

相続財産がプラスの場合は相続財産から支払い可能

相続財産の総額がプラスとなる場合、未払いの受信料は相続財産から支払うことができます。他にも未払いの料金がある場合は、なるべく早く支払いましょう。未払いの料金を放置すると、遅延損害金を請求されたり訴えられたりするリスクが高まります。

NHKでは、未払いの受信料がある方には督促状が郵送されます。未払い分の支払いは、督促状の指示に従って行いましょう。相続人が負担するのではなく、亡くなった方の財産から直接支払うことで、遺産の分割を円滑に進めることができます。

もし立て替える場合は証明書類をとっておく

亡くなった方の口座が凍結された場合、相続人は一時的に支払いを行う必要があります。これにより後の遺産分割が円滑に進められるよう、領収書を保管しておくことが重要です。
また、未払い分は債務控除の対象となります。債務控除は、相続人が負担した故人の債務や葬儀費用を差し引いて、相続税を算定する制度です。

まとめ

NHKを楽しむ

高齢者の一人暮らしは今後も増加する見込みです。これに伴い、NHKの解約手続きを遺族が行うケースも増えるでしょう。正確な解約手続きを知り、故人の死亡後は速やかに手続きを行ってください

遺品整理だけでなく、生前整理を含めた整理や買取、供養など、幅広くサポートしているのが「七福神」です。生前整理を行うことで、親が死亡したあとに「知らなかった」というトラブルを未然に防ぐことにも繋がります。

未払いなどの事態は時に大きな金額が必要になることもありますので、業者も頼りながら生前に1度話し合うことをおすすめします。

この記事の監修をしたゴミ屋敷の専門家

氏名:新家 喜夫

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長。