家族や親族が亡くなった後に必要となる遺品整理。
精神的にもつらく、毎日慌ただしい日々を過ごさなければなりません。
このとき気になるのが、遺品整理をいつ始めていいのかということでしょう。
例えば、49日前なのに、遺品整理をしていいのでしょうか?
そこでこの記事では、49日前に遺品整理をやってもいいか気になっている方に、遺品整理をして良い理由について詳しくご紹介します。
49日前に実施するメリットや注意点も解説しているので、遺品整理の参考にしてみてください。
目次
【結論】遺品整理は49日前に始めても良い
結論として、遺品整理は49日前に始めて問題ありません。
なぜなら、故人をとむらうことと、遺品整理を行うことは別物だからです。
基本的に、遺品整理は遺族が集まりやすいタイミングなら、いつでも実施して問題ありません。
もし遺品整理する時期にお困りなら、次のタイミングで遺品整理を行ってみてはいかがでしょうか。
- お葬式の準備が落ち着いたとき
- 親族とのスケジュールが合うとき
遺品整理は、遺族の予定を優先することをおすすめします。
ドタバタして遺品整理の時期が延びてしまうと、金銭的な問題が発生するので、49日前など、早めに動き始めてみてはいかがでしょうか。
>>世帯主が亡くなったらどうすればいい?遺族が行う必要な手続きとは
49日前に遺品整理を行う3つのメリット
49日前に遺品整理することには、心を落ち着かせ、スムーズに整理を進められるメリットがあります。
3つのポイントに分けてご紹介するので、早めに遺品整理を行うべき理由を見ていきましょう。
メリット①:法要の際に形見分けできる
法要のタイミングに合わせて遺品整理を行えば、遺族全員のスケジュールを合わせやすくなります。
故人が亡くなられた際には、次のタイミングで故人の供養として法要を行うのが一般的です。
- 初七日法要(7日ごとに実施)
- 忌明け法要(49日目に実施)
それぞれの法要では、遺族で集まり故人の供養を行いますが、遺族にも仕事やプライベートの予定があるため、スケジュールを合わせて集まるのは難しいといえます。
よって、法要と遺品整理のタイミングを分ける場合には、新たにスケジュールを組み直さなければなりません。
一方、49日前の法要という遺族で集まるタイミングを利用すれば、遺品整理が先送りになってしまうことを防止できます。
49日よりも前に遺品整理がしたいなら、ぜひ法要のタイミングに合わせて遺品整理の形見分けを行いましょう。
メリット②:故人が住んでいた賃貸物件の費用を減らせる
故人が賃貸物件に住んでいた場合、遺品整理を行わなければ、その分だけ賃貸契約が続いてしまいます。
一方、49日前など、早めに遺品整理を行えば、賃貸物件に支払う費用を抑えることが可能です。
賃貸物件の種類によっては、家賃や共益費、駐車場代がかかる場合もあるでしょう。
また、時期によって更新費用が発生します。
つまり、なるべく早めに遺品整理を行えば、余計な費用を削減できるのです。
費用を抑えたいなら、49日前、遅くとも家賃などが発生する30日以内に遺品整理をしてみてはいかがでしょうか。
メリット③:遺品の処分トラブルを防止できる
49日前に遺品整理を行うようにすれば、遺品の処分トラブルを防止できます。
中には、少しずつ遺品を片付けようと、親族の許可を得ずに貴重品や不用品を処分してしまう人もいるでしょう。
ただ、処分した本人にとっては要らないものでも、他の親族にとっては大切なものが紛れていることも。
全員が集まっている状態で遺品をチェックしていくことが、一番トラブルを回避できるので、親族が忘れてしまわない49日前に遺品整理を行いましょう。
遺品整理を行うまでの期間が長ければ長くなるほど、処分トラブルが発生しやすく、親族との関係が険悪になってしまうこともあるので、トラブル防止を目的として早めの遺品整理がおすすめです。
49日前に遺品整理を行う際の3つの注意点
49日前に遺品整理を行うことには、遺族と集まるタイミングで整理できること、そして故人の賃貸維持費を抑えられるというメリットがあります。
ただし、遺品整理を行う際には、親族とのトラブルが発生する場合があるので注意が必要です
スムーズに遺品整理を行うためにも、こちらで紹介する3つのポイントを押さえてから動き始めましょう。
注意点①:遺品整理前に遺族の合意を得ておこう
遺品整理する日が決まったのなら、事前に遺族から遺品整理の合意を得ておきましょう。
もし事前に合意を得ていなければ「自分は遺品整理のことを知らなかった」と、後からトラブルが起きる場合もあります。
トラブルを起こさずに遺品整理を開始するためにも、事前に次のことを電話やメールなどで連絡してください。
- 遺品整理を行う日付
- 遺品整理の手順
- 整理した品の取り扱い
遺品整理はデリケートな作業ですので、必ず連絡・報告を行いましょう。
また、遺言や贈与といったお金が関わる事柄なので、独自で動き出さないように注意してください。
注意点②:「相続」を検討したうえで動き出そう
遺品整理を行う前に注意しておきたいのが相続問題です。
例えば、「相続放棄」をする場合です。
相続放棄とは、遺族を含む相続人が被相続人(故人)から、権利や義務を受け継がないことを指します。
借金といったマイナスの遺産がある場合には、相続放棄を考える場合もあるでしょう。
このとき、相続放棄を行うなら、価値のある品を形見分けできなくなります。
相続放棄については、遺品整理前に話し合っておく必要があるでしょう。
不要な物以外は、遺品整理自体できなくなる場合もあるので、安易に遺品を扱うのではなく、今後の動き方について遺品整理のプロに相談するといいでしょう。
注意点③:書類を1箇所にまとめておこう
遺品整理では、遺言書や契約書など、故人が生前残した書類を整理し、遺族に形見分けしていくのが一般的です。
もし遺品整理を行う予定があるなら、書類関連の遺品は重要度を問わず、ひとつの場所にまとめるようにしてください。
書類をバラバラにまとめてしまうと、処分品の中に書類が紛れ込んだり、どこに移動させたのか分からなくなったりします。
一方、1箇所にまとめてしまえば、後から必要書類と処分していい書類が分かります。
重要書類を全て揃えるためにも、見つけた書類をまとめる場所を決めたうえで動き始めましょう。
49日までに起こること・やるべきこととは?
49日前に遺品整理を行う際、気をつけなければならないのが、タイミングを検討することです。
故人が亡くなると、いろんな準備・連絡が発生するので、49日までに起こること・やるべきことを把握して、遺品整理の日を決めていきましょう。
法要を執り行う
全国で共通する内容として、お葬式の後は、亡くなられた方をとむらう「法要」を行うのが一般的です。
初七日に実施する「初七日法要」や49日に実施する「忌明け法要」などを執り行う必要があります。
また法要は、遺族が集まりやすいタイミングです。
49日前に実施する法要までに遺品整理を予定しておけば、スムーズに遺品整理に取り掛かれるでしょう。
毎日の供養
故人が亡くなったら、毎日仏壇に手を合わせて供養を行います。
供養を行う際には、花瓶の水を変えたり果物をお供えしたりと、準備などに時間を使うため、供養の時間を決めたうえで遺品整理のタイミングを検討しましょう。
お坊さんの手配・関係者への連絡
49日を迎えるまでには、法要や遺族の訪問があるため、次の準備・連絡が必要です。
- お坊さんの手配
- 関係者への連絡
いつもお願いしているお坊さんがいるなら、スケジュールや今後の予定を確認しておきましょう。
また、遺族や職場の関係者など、お葬式や法要に呼ぶ必要があるなら、住所録や連絡帳を準備し、漏れなく連絡してください。
少し時間のかかる準備ですが、遺族に遺品整理を行う旨を伝えやすいタイミングです。
連絡を取ることとあわせて、49日前に遺品整理の時間を取れるか確認してみてはいかがでしょうか。
49日までにしてはいけないこととは?
故人が亡くなって49日までは、故人のことをとむらうのが一般的です。
このとき、遺族のマナーとして49日まで「やってはいけないこと」があるのをご存知でしょうか。
代表的な項目を3つ紹介します。
マナーを守るため、それぞれのNG行動をチェックしていきましょう。
お祝い事
49日が済むまでは、なるべく次のようなお祝い事を控えるべきだといわれています。
- 結婚式
- 七五三
- 年始の挨拶
- お中元・お歳暮
故人が亡くなって49日前までは、故人のことを思い過ごすことが一般的です。
また親族が亡くなった際には、喪中はがきを出し、古くから自宅に閉じこもるものだといわれています。
可能であれば、お祝い事を控えてみてはいかがでしょうか。
旅行や飲み会
49日前に旅行や飲み会を行うことも、NG行動だといわれています。
賑やかな席や楽しいイベントなど、緊急性がない行動は、避けておくのがいいでしょう。
もちろん、49日前に旅行や飲み会に参加する人もいます。
ただし、マナーに詳しい人から「人が亡くなったのに」「忌中なのに不謹慎だ」といわれることも否めません。
旅行や飲み会は、周囲の様子や遺族の考え方などを確認しつつ、49日後に旅行や飲み会を行うようにしてはいかがでしょうか。
大きな買い物
49日前に、次のような大きな買い物をするのは良くないといわれています。
- 自動車
- 住宅
- 貴金属
ただし、タイミングによっては大きな買い物も必要な場合もあるでしょう。
個人の趣味や見せびらかすようなことをしなければ、忌中に買い物をしても問題ありません。
「なんとなく欲しかったから」「高いものが欲しいと思ったから」といった理由で買い物をする際には、49日前を避け、49日よりも後に買い物をすることをおすすめします。
遺品整理を49日前に始めても大丈夫?気になるQ&Aを紹介
49日前の遺品整理。
他にも不安なポイントがたくさんあるはずです。
最後に、49日前の遺品整理で気になるポイントをQ&Aとして整理しました。
不安に感じている項目をチェックしてみてください。
Q1:遺品整理で捨ててはいけないものはなに?
遺品整理では、相続などで必要となる次のような品を捨ててはいけません。
- 遺言書
- 遺書
- 現金
- 通帳
- 印鑑
- 故人の仕事に関する資料
- 身分証明書
- 年金手帳(年金証書)
これ以外にも、契約に係る書類などは、必ず捨てないように注意してください。
中には影響の大きな品が隠れている場合もあるので、遺品整理はプロに任せることを視野に入れておきましょう。
Q2:亡くなった人の荷物は処分した方がいい?
亡くなった人の荷物を遺品整理した後、不用品が出たのなら、買取サービスやフリマアプリを利用して現金化してみてはいかがでしょうか。
インテリア、家電といった不用品は、買取サービスやフリマアプリで現金化しやすいのが特徴です。
また、骨董品やレアなアイテムが混じっていれば、高額買取に対応してもらえる可能性もあるので、処分する前に利用してみてください。
Q3:亡くなった人の衣類の処分時期は?
故人の衣類は、49日など遺族で集まりやすい時期にあわせて処分しましょう。
処分方法としては、フリマアプリや買取サービスを利用することをおすすめします。
また、衣類を寄付するという方法もあります。
遺族の同意を得たうえで、どういった処分方法を選ぶか話し合ってみてください。
Q4:遺品整理はいつからいつまでにやるべき?
遺品整理は、初七日〜49日前に行うことをおすすめします。
49日を迎えるまでは、遺族で集まる機会も多く、遺品整理を始めやすいのが特徴です。
一方、49日後に遺品整理を行うと、故人の賃貸維持費や遺族の集まりが悪くなるので、遺品整理にコストがかかりやすくなります。
Q5:49日前に旅行したらダメ?
49日前に旅行するのは、あまりおすすめしません。
遺族の中にマナーを重視する方がいる場合、トラブルに発展することもあるので、旅行は49日後に行いましょう。
まとめ
遺品整理を行うことは、大変な労力がかかってしまいますが、相続人全員に故人の残した品やお金を移すために大切な行動です。
このとき覚えておきたいのが、遺品整理は49日前に行っていくことで、コストを抑えやすく、親族との予定を合わせやすいということ。
また、遺品整理前には、必ず遺族の同意を取ることを意識すれば、遺品整理をスムーズに実施できるでしょう。
もし49日前の遺品整理に自分で対応できない、分からないことが多いとお悩みなら、遺品整理に精通した弊社「七福神の遺品整理サービス」にご相談ください。
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