楽器の処分方法とは?トランペット・フルート・サックスなど管楽器の捨て方

楽器の処分方法とは?トランペット・フルート・サックスなど管楽器の捨て方

遺品整理で出て処分に困るものはいろいろありますが、楽器もそのうちのひとつではないでしょうか。

家具のように大きくはありませんが、楽器は高価なものが多く、使っていた人はその楽器に強い愛着を持っていることがほとんどです。

また、楽器を「捨てる」という行為そのものをする機会は非常に少なく、「どのように捨てたらいいか分からない」という人もいるはずです。

しかも楽器は、素人にはどのくらいの価値があるのか見当もつきません。

  • 使わない楽器を手放したい
  • 処分したいけれど、ゴミに捨てるのは惜しい

この記事では、捨て方に困る楽器のうち、とくに悩みやすい「管楽器の処分方法」について詳しく紹介します。

予算は状況を踏まえて、自分に合う管楽器の処分方法を選択してください。

管楽器とは?

管楽器とは?

そもそも「管楽器」の定義とはどんなものなのでしょうか。

まずは管楽器に含まれる楽器の種類や特徴について、簡単に紹介していきます。

楽器には大きく分けて3つの種類があります。

  • ギターや琴など、張られた弦を引っ張って音を出す「弦楽器」
  • 太鼓やカスタネット、ピアノも該当する、叩いたり振ったりして音を鳴らす「打楽器」
  • 吹き口を吹いて管内の空気を振動させて音を出す楽器の総称「管楽器」

管楽器の形は様々で、更に「金管楽器」と「木管楽器」の2種類に分けられます。

金管楽器

金管楽器は、いわゆる「ラッパ」の仲間です。

元々金管楽器は、真鍮で作られることに由来しますが、実はあまり関係ありません。

金管楽器には、管に吹き込んだ息の通り道を変えるピストンやレバーが付いています。

これを押すことで空気を入れる管を調整し、音階を変えることができます

代表的な楽器には、以下のようなものがあります。

楽器特徴
トランペット金管楽器の中では一番お馴染みな楽器ではないでしょうか。 華やかで明るい音色は、演奏後も耳に残りやすく、さまざまなジャンルで活躍します。
トロンボーンスライドを伸縮させて音程を変える楽器です。 役割はいろいろで、ハーモニーを奏でることもあれば、ソロ・パートを担当することもあります。 多彩な音色を出すことができ、演奏している様子もダイナミックです。
ホルンハーモニーの役割を担当することが多い楽器です。 金管楽器と木管楽器の中間の音色を持ち、木管五重奏の標準編成で使用されます。
チューバ金管楽器の中で最大の楽器です。 低音での伴奏を担当します。重みのある音色でしっかりと音楽の土台を固め、音に厚みを持たせてくれます。

トランペットには、ピストンが3つ(または4つ)あります。

このピストンを押し、その組み合わせで空気の通り道を変えることで、さまざま音程を出すことができる仕組みです。

また、唇の使い方により、同じピストンを押しても違う音が出せるようになります。

トロンボーンにはピストンやレバーが付いていませんが、管をスライドすることにより音程を変化させます。

木管楽器

木管楽器の特徴は、金管楽器と違い、“唇の振動で音を出さない”ということです。

リコーダーや尺八のように息を吹き込むだけのものや、サックス、クラリネット、オーボエなどのように「リード」を震動させて音を出すものもあります。

代表的な楽器には、以下のようなものがあります。

楽器特徴
フルート歴史は古く、柔らかくゆったりとした歌のような表現から鋭く速いメロディーまで多彩な音色を奏でることができます。

サキソフォン (サックス)
木管楽器の中では、フルートと並びおなじみの楽器ではないでしょうか。ソプラノ、アルト、テナー、バリトンなど種類も豊富で、幅広い音域をカバーすることができます。同じ指遣いで演奏できるのも魅力です。
クラリネット木管楽器の中でも広い音域を持ち、軽やかで飛び跳ねるような音色から、深く響き渡る音色まで、さまざまな音色を出すことができます。
オーボエオーケストラの演奏会が始まる時、最初に聴こえるチューニングの音がオーボエです。主に高音域で旋律を担当します。

また、木管楽器の特徴は、穴を塞いで音程を変えることです。

元はリコーダーのように、音孔と呼ばれる穴を指で直接塞いでいました。

しかし、楽器の進化に伴い、フルートやサックスのように「キー」を使って穴を塞ぎ、より広い音域を演奏することが可能になりました。

管楽器がどんなものなのかざっくりと分かったところで、本題の処分方法に移ります。

管楽器を処分する方法8選

管楽器を処分する方法8選

さて、さまざまな管楽器があることがわかりましたが、これらを処分したいとき、どのようにすれば良いのでしょうか?

管楽器を処分する8つの方法について、ひとつずつ見ていきましょう。

1.家庭ごみとして処分する

管楽器は、大型ピアノやギターと比べるとサイズが小さいものも多いです。

処分したい方は、できるだけ処分費用を抑えて手放したいのが本音でしょう。

無料でできる手軽な手段は、「自治体のゴミ回収に出す」方法です。

事前予約も不要で、回収日の当日朝に収集場所へ出しておくだけで処分できます。

楽器も、基本的には規定サイズであれば「家庭ごみ」として捨てても問題ありません。

家庭ゴミとして出せる大きさは自治体ごとに異なりますが、一般的には以下条件が該当します。

  • おおむね30cm立方体以上のもの
  • 縦、横、高さのいずれかが30cm以内のもの

リコーダーやハーモニカなど比較的小さな楽器は、家庭ごみで処分できるものもあります。

大きな楽器でも、解体して小さくすれば、家庭ごみとして処分可能です。

ただし、楽器はパーツによって「可燃ごみ」「不燃ごみ」に分別する必要があります。

繰り返しになりますが、自治体によってゴミ出しルールも異なります。

まずはお住まいの地域のゴミの出しルールを必ず調べておきましょう。

2.粗大ゴミ回収に出す

一部の管楽器を除き、ほとんどは30cmを超えます。

そのため、自治体の回収を利用し「粗大ごみ」に出すのが、管楽器の一般的な処分方法と言えるでしょう。

ただし、家庭ごみとは違い、粗大ゴミ回収を利用する場合は、事前に受付を済ませるなどの手続きが必要です。

自治体によって手続き方法は異なりますが、基本的には次の流れで行います。

  1. 粗大ゴミ受付センターに電話、Web、LINEなどで受付を済ませる
  2. 収集日・指定場所・処分費用をメモしておく
  3. 処分費用分のリサイクル処理券を、コンビニなどの販売店で購入する
  4. リサイクル処理券に氏名などの必要事項を記入する
  5. 処分する楽器の見やすいところに処理券を貼り、指定された日時・場所へ運び出す

少し手間はかかりますが、粗大ゴミには処分費用が安いメリットがあります。

自治体によって異なりますが、相場は400~1,000円程度と決して高額ではありません。

ただし、自治体によってはケースと楽器本体それぞれ処分費用が掛かる場合もあります。

詳しいルールについては、自治体の公式サイトで確認可能です。

粗大ゴミに出す場合は、必ず地域ごとのルールに従って処分してください。

3.クリーンセンター(清掃事務所)へ持ち込む

自治体によっては、粗大ゴミの処分方法が2つあります。

ひとつは先ほど解説した「回収処分」、もうひとつはクリーンセンターへ直接搬入する「持ち込み処分」です。

回収よりも処分費用を安く抑えたい方は、クリーンセンターへ自己搬入するのがおすすめです。

自分でクリーンセンターへ運搬する手間がかかる分、処分費用の減免措置がある自治体が多いです。

〈減免措置の例〉

  • 東京都板橋区:回収の半額(1回につき10個まで持ち込み可)
  • 東京都練馬区:回収の半額(1回につき15個まで・年度3回まで持ち込み可)
  • 東京都足立区:処分料免除(1回につき10個まで・一世帯あたり年2回まで持ち込み可)

粗大ゴミを自己搬入する場合も、回収同様に事前申し込みが必要です。

申し込みは、電話・Webの他、LINE等で申し込める自治体もあります。

処分費用の支払い方法についても同一ではなく、リサイクル券を購入する場合もあれば、その場で現金払いの自治体もありますので注意が必要です。

また、クリーンセンターへ持ち込む場合、自家用車や軽トラックは自分で用意しなくてはなりませんし、積み込み・積み下ろし作業も自力です。

大型の管楽器の場合は、1人で作業を行うのが困難な場合もあります。

処分費用が安いメリットはありますが、人手・車両・ガソリン代などのコスト面は問題ないか確認の上、申し込みを検討しましょう。

4.不用品回収業者に依頼する

4.不用品回収業者に依頼する

粗大ごみに出す場合、回収・持ち込みどちらにしても、労力と時間が必要です。

混み具合にもよりますが、受付から回収までは2週間程度かかりますし、自宅からの搬出や指定の回収場所までの移動は、自力で行わなくてはなりません。

急な引っ越し等でできるだけ早く処分したい方や、楽器が大きく自力で運び出すことが困難な方は、粗大ゴミに出すことが難しい場合もあります。

そんな方におすすめしたいのが、不用品回収業者に依頼する方法です。

自宅からの搬出やトラックへの積み込みもスタッフが行ってくれるため、手間がかかりません。

早ければ問い合わせた当日中の回収も可能なので、手間と労力がかからない楽さとスピーディーさは、不用品回収業者を利用するメリットと言えます。

しかし、手間がかからない分、費用は粗大ゴミより高額になり、管楽器1台の処分でも費用は1万円を超える場合もあります。

回収費用やサービス内容については業者によって異なりますので、いくつかの業者に無料見積もりをとって比較しましょう。

業者を見比べることは、悪質な不用品回収業者を選ばない防止策にもなります。

また、管楽器だけの処分で不用品回収業者を利用するのは割高になるので、業者に依頼する際は、家中の要らないものをまとめて回収してもらうことも検討しましょう。

5.遺品整理業者に回収を依頼する

故人が残した楽器であれば、遺品整理の際にまとめて回収してもらうのが効率的です。

遺品整理業者でも不用品回収業者と同じように、幅広いジャンルの不用品(遺品)の回収に対応しています。

6.フリマアプリやオークションに出品する

不要になった管楽器を手放す方法は、「捨てる」ことに限りません。

処分するのではなく、「売る」手段もあります。

そのひとつが、インターネットのオークションやフリマアプリに出品して売る方法です。

出品や取引自体は、スマートフォンもしくはパソコンで簡単に行え、状態が良く価値のあるものであるほど高値で売れる可能性があります。

出品に際しては、出したい管楽器の写真を撮影し、商品を登録します。

商品が落札されたら、手数料を運営会社に支払い、梱包して落札者に発送するという流れです。

注意点としては、現金化できるメリットがありますが、必ず売れるとは限りません。

手間や時間がかかったり、希望する価格で落札されなかったりすることもあります。

そのため、早く手放したい人には向いていません。

重くサイズの大きい楽器であるほど送料もかさむため、値段設定にも注意が必要です。

また、インターネットのオークションでは、配送の際、氏名や住所などの個人情報を相手に伝えなければなりません。

フリマアプリの場合は、アプリの運営会社を通じて取り引きされるため、個人情報を伝える必要がない場合もあります。

出品する場合は、売れるまで気長に待つことを前提に利用しましょう。

7.楽器店の査定に出す

7.楽器店の査定に出す

中古楽器の買い取りや販売を行っている楽器店へ売ることも、ひとつの方法です。

楽器店の数はそう多くありませんので、楽器の買い取り業者も併せて調べてみましょう。

ほとんどの業者は、ホームページまたは電話で簡単な無料査定を行っています。

キズや汚れがある、付属品がない、年式が古いなどのワケあり品でも査定は可能です

査定の申し込みは、インターネット上から受け付けていることがほとんどです。

前もって、処分したい楽器の商品名や型番、キズや汚れの状態、ケースなど付属品の有無などを確認しておきましょう。

早い場合は、即日で査定価格をメールや電話で知ることができます。

査定後、買い取りに進む場合は、家まで引き取りに来てもらえる出張買取、業者から送られてくる宅配キットに楽器を梱包して送る宅配買い取り、店頭での持ち込み買い取りなど、方法はさまざまです。

8.楽器を探している人に譲る

壊れておらず、まだ音が出る楽器であれば、売る他に「人に譲る」のも良いでしょう。

お金にはなりませんが、故人の愛用していた楽器が、また別の形で生きると考えれば幸せなことです。

身内で譲り先が見つからない場合は、地元の人に譲ることができる掲示板「ジモティ」等で、楽器が欲しい人を探すこともできます。

基本的に地元での直接取引を目的としているので、近所でサックスが欲しいという人を見つけることができ、費用をかけずに管楽器を処分することができますよ。

まとめ

遺品の中でも、楽器は気持ち的に処分しにくい品物です。

また、高価なものでもあるので、ゴミとして捨てるよりは楽器を演奏したい人に使ってもらう方が故人も喜ぶかもしれません。

地元の学校に寄付するなどの方法もありますので、できれば楽器を生かす方向で処分できるといいですね。

この記事の監修をしたゴミ屋敷の専門家

氏名:新家 喜夫

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長。