遠方に住んでいても遺品整理は可能?手順やポイントを解説

遠方に住んでいても遺品整理は可能?手順やポイントを解説

家族が亡くなると、遺品整理が必要になります。

でも、故人が遠方に住んでいる場合、どうすればよいのでしょうか。

新幹線や飛行機の距離では、遺品整理の立ち会うことも難しいですね。

今回は、遠方に住んでいる場合に行う遺品整理について見ていきましょう。

遠方に住んでいる場合に行う遺品整理

遠方に住んでいる場合の遺品整理とは?

就職したり、結婚したりして実家を離れている人は少なくありません。

中には、新幹線や飛行機に乗らなければならないほど、実家から遠方に住んでいる場合もありますね。

そんな中、親が亡くなってしまったら、遺品整理をしなくてはならなくなります。

こんな場合、どうすればよいのでしょうか。

自分で遺品整理する

実家まで遠くて頻繁には行けないため、遺品整理は何度かに分けて行うしかありません。

大型連休や夏休み・冬休みなどを利用して、遺品整理を行いましょう。

自分で遺品整理を行う際に気をつけたいのは、遺産相続についてです。

遺品の中には、相続に関する書類があったり、相続税が課せられる市場価値のあるものがある可能性があります。

その場合、自分1人で遺品整理をしてしまうのは危険です。

相続放棄をしたい場合に、できなくなる可能性があります。

そのリスクを回避するためにも、自分たちで遺品整理を行う場合は、法定相続人全員が集まって、整理しましょう。

相続の際に争いが起きるリスクを低くできますし、人数がいればいるほど作業が早く済みます。

相続人のスケジュールを合わせるのは大変ですが、検討してみましょう。

遺品整理業者に依頼する

仕事が忙しかったり、子どもが小さかったりと、なかなか遺品整理に集中できない事情がある場合や、故人の住まいが賃貸で、早めに退去したい場合は、遺品整理を専門に行うプロに依頼しましょう。

遺品整理業者は、故人の遺した遺品を1つ1つ丁寧に扱い、必要なものと不用品に仕分けしてくれます。

部屋にあるものは、どんな小さな紙切れや封筒も確認し、必要なものかどうかをチェックしてくれます。

探してほしいものを伝えておけば、遺品の中からそれを探し出してくれます。

また、遺品の仕分けで出たゴミや不用品を運び出して処分してくれるので、依頼主は何もすることがありません。

さらには、不用品の中にまだ使えるものがあれば買い取ってくれたり、必要に応じて遺品の供養をしてくれたり、形見分け郵送のサポートまでしてくれます。

遺品を整理した後は、室内のクリーニングも行ってくれるので、全て任せて安心です。

遠方から遺品整理を依頼する際の流れとは?

遠方から遺品整理を依頼する際の流れ

では、遠方の遺品整理業者に作業を依頼する際の流れを見ていきましょう。

業者を選び、見積もりを依頼する

まずは、インターネットで現地近くの業者を探しましょう。

良さそうな業者を見つけたら、自分が遠方に住んでいて、立ち会いが難しいことを伝えます。

立ち会いなしでの作業がOKであるかを確認し、写真や動画での作業確認が可能かどうかも聞いておきましょう。

現地での見積もり

戸建の場合は、事前に整理したい部屋の鍵を郵送しておきます。

賃貸物件の場合は、大家さんや管理会社に部屋の鍵を借りて室内に入ります。

この場合、業者によっては、事前見積もりの同意書を求められることもあります。

鍵を借りる際に依頼者の同意があることを証明したり、近隣の人や警察に尋ねられた場合、提示するために同意書が必要となるからです。

業者は、部屋の広さや間取り、遺品の量や必要な作業から料金を算出し、見積書を作成し、郵送してくれます。

業者は1社だけでなく、2〜3社選びましょう。

それぞれに現地見積もりを依頼し、サービス内容や料金を比較し、納得できる業者に依頼するのがベストです。

作業の際にしてほしいことを伝えておく

作業当日、部屋の壁や廊下などに養生をしたあと、仕分け作業を開始します。

探してほしいものがある場合、前日までに伝えておきましょう。

特に注意して見てもらえます。

リアルタイム動画などで作業を見られる場合は、その場で指示してもよいでしょう。

作業後の確認・料金の支払い

作業が終わると、業者から連絡が入ります。

写真や動画などで作業の報告がありますので、部屋の状態や仕分けした遺品を確認しましょう。

また、特に希望していたものがあれば、それが見つかったかも確認します。

確認の結果、問題がなければ料金を支払います。

後日、仕分けした遺品や貴重品が郵送されてきます。

部屋の鍵は、戸建の場合は仕分けした遺品と一緒に郵送されます。

賃貸の場合は、作業終了後に大谷さんや管理会社に返却されます。

遠方から遺品整理を依頼する場合のポイントとは?

遠方から遺品整理を依頼する場合のポイント

立ち会いについて

通常、遺品整理は、依頼主が立ち会うことが多いです。

その場で、遺品の要不要を確認しながら作業できるため、お互いに安心だからです。

しかし近年は、立ち会いなしでの遺品整理も増えてきました。

新型コロナウィルスの影響もありますし、また、今回のテーマのように遠方から依頼したい人が増えているため、現地での立ち会いなしで作業を行う業者が増えています。

作業が完了したら、その様子を写真で送ってくれる業者がほとんどですが、中には、スマホのカメラで作業の様子を動画として見られるようにし、遠隔地でも作業を確認したり、相談できたりする業者も出てきています。

依頼の際には、立ち会いができない旨を説明しておきましょう。

立ち会いをしない場合は・・・

依頼者が作業の当日に立ち会いができず、業者が動画などでのリアルタイム確認を行っていない場合は、事前に作業の内容や希望を細かく伝えておきましょう。

業者は遺品整理のプロですが、遺品はさまざま。

遺族にとっては大切なものでも、業者にとっては不用品に見えてしまうモノもあります。

探してほしいものや、絶対に捨てないでほしいものがあれば、作業の前日までに必ず伝えましょう。

仕分けしたものはどうなる?

作業が終わると、不用品やゴミは運び出し、処分してもらえます。

処分するとわかっている不用品でも、仏壇や神棚など捨てにくいものは、供養を依頼することもできます。

必要なものや貴重品はいったん保管し、郵送してもらえます。

特に気をつけたいポイントは?

遠方から立ち会いなしで行う遺品整理の場合、必ず確認したいのは、「打ち合わせ」と「郵送」についてです。

打ち合わせ

業者と実際に会うことがないため、事前の「打ち合わせ」は特に大切です。

繰り返しになりますが、探してほしいものがある場合は、必ず詳しく伝えましょう。

打ち合わせには、スマートフォンやパソコンも活用しましょう。

スマートフォンのテレビ電話機能を使って打ち合わせをしたり、Zoomなどのアプリで現地に行かなくても打ち合わせができます。

遠方での作業を依頼するため、一度くらいは現地に行かないと・・・と思っても、往復の時間や交通費などを考えると、二の足を踏んでしまうこともあるでしょう。

これらを使えば簡単に直接打ち合わせができるので、業者側で対応できるか聞いてみましょう。

郵送

「郵送」については、戸建の場合、見積もりのために鍵を郵送しなくてはなりません。

普通郵便では紛失が不安な場合は、特定記録郵便(郵便局が引き受けた時間と配達状況を記録してくれる配達方法)を利用したり、宅配便を利用すると安心でしょう。

また、仕分けしたものは送ってもらえますが、郵送なのか、宅配なのか、どの方法が使えるのかも確認しておくとよいでしょう。

遺品整理業者を選ぶ際に気をつけたいポイントは?

遺品整理業者を選ぶ際に気をつけたいポイント

業者を選ぶには、ホームページを見る人が多いのではないでしょうか。

その際、その業者がどんな資格を持っているかをチェックしておきましょう。

遺品整理に関する資格としては「遺品整理士」が有名です。

民間の資格ですが、遺品整理という仕事の質の向上を願って作られました。

この資格を持っていなくては遺品整理の作業ができない訳ではありませんが、資格を持っているということは、遺品整理に関する知識を勉強しているということになります。

また、近年では遺品整理士、遺品査定士、遺品整理指導士、管理遺品整理士、特定遺品整理士、遺品供養士など、さまざまな資格が作られているようです。

このほか、まだ使える不用品を買い取るには「古物商許可」という許可が必要です。

まとめ

遠方の遺品整理をする場合でも、遺品整理を行うことは可能

遠方の遺品整理をする場合でも、遺品整理を行うことは可能です。

立ち会いも必要ありません。

インターネットで業者を探し、複数の業者から見積もりをとって比較検討しましょう。

遠方での遺品整理をスムーズに行うには、事前の打ち合わせが大切です。

可能であれば、スマートフォンのテレビ電話機能や、Zoomなどのアプリを使い、綿密に打ち合わせを行いましょう。

サービス内容の確認や、探してほしいものの依頼もしておきます。

作業終了後は、仕分けした遺品や貴重品が送られてきます。

良い業者を見つけて、スムーズに遺品整理を行いましょう。

この記事の監修をしたゴミ屋敷の専門家

氏名:新家 喜夫

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長。