故人が遺していく趣味用品にはさまざまなものがあります。
ガーデニングが趣味で、庭だけでなく、ベランダなどでいろいろな植物を育てていたという人は少なくありません。
故人が丹精した植物を全て引き継げればいいのですが、枯れてしまっていたり、世話をできず処分しなくてはならない場合も多いようです。
枯れた植物をそのまま放置するのは、風水的に良くなく、運気を逃してしまうそうです。また、意外かもしれませんが、土はごみとして捨てることができません。
植木鉢やプランター、大型の観葉植物などはどのように処分したら良いのでしょうか。
今回は、植物の捨て方についてご紹介します。
目次
鉢植えは何ごみ?〜自治体に回収してもらう
植物は、植木鉢に植えてあるそのままを丸ごと捨てることはできません。
なぜなら、植木鉢、植物そのもの、土と、それぞれ処理の方法が違うからです。そのため、植物を自治体のごみ回収に出す場合、パーツごとに処分する必要があります。
では、それぞれ方法について見ていきましょう。
植物そのもの
植えてある植物を鉢やプランターから抜きます。
植物がパンジーのような小さな草花であれば、まとめてごみ袋に入れて出せばOKです。ユリなどサイズの大きい草花は、ごみ袋に入る大きさにカットします。
ただし、一度に出せる量が決まっている自治体も多いので、大量に出したい場合は何度かに分けるか、処理センターに持ち込みましょう。
観葉植物は、植木ばさみなど丈夫なはさみか、のこぎりを使ってカットします。
カットしたら、薪のように束ねて、ひもでまとめます。このとき気をつけたいのが、サイズです。
たとえば東京都目黒区では「長さを50cm程度に切り、直径30cm以内にまとめて出す」と決められています。
植物がカットできたら、自治体の指定している方法で処分しましょう。
カットするサイズやまとめる大きさ、何ごみに出すかは自治体によって異なります。事前に確認しておきましょう。
植木鉢・プランター
植木鉢やプランターは、ガーデニングに欠かせないアイテムですね。季節ごとに植え替えをして、何十個もの植木鉢やプランターを持っている人も少なくないようです。
植木鉢やプランターは、どのように捨てればいいのでしょうか。
植木鉢には、陶器、プラスチックなどさまざまな素材のものがあります。自治体で処分する場合、素材によって捨て方が異なります。
陶器製や金属製のものは、おおむね燃えないごみ(不燃ごみ)、プラスチックや木製のものは燃えるごみ(可燃ごみ)が一般的ですが、自治体によっては名称や分類が違う場合がありますので、処分前に確認しましょう。
また、大きなものは粗大ごみ扱いとなる自治体、小さくても大量に処分する場合は処理センターに自己搬入するか、何度かに分けて出さなくてはならない自治体などがあります。
こちらも居住地域の自治体に確認しましょう。
土
空のプランターならば処分するのにそれほど手間はかかりませんが、中に土が入っている場合は少し面倒です。
土は、多くの自治体でごみとして出すことができません。
なぜなら、土は自然のものなので「ごみではない」とされているからです。このため、ほとんどの自治体では土の回収や処分を行っていません。
中には、大阪市のように土を可燃ごみとして回収してくれる自治体もあります。ただし、鉢植え程度の少量を小分けにして出すなどルールが決められています。
また、札幌市、横浜市、福岡市などでは、土を不燃ごみとして回収しています。
札幌市では有料での回収、横浜市は小分けにしての回収となっています。福岡市では、大量の土を埋め立て施設に持ち込むこともできます。
東京都では、ほとんどの地域で土を回収していませんが、品川区、台東区、武蔵野市では、決められた日に指定場所まで土を持ち込めば回収・処理してもらえます。
土の処分は地域によって異なりますので、自治体に確認してみましょう。
また、基本的には土を回収していなくても、状況により少量なら回収してくれる自治体もあります。困ったら相談してみるとよいでしょう。
土を処分するときは、植えられていた花や野菜などの根や茎、石などを取除いておきます。その上で、ビニール袋に少量ずつ分けて出します。
自治体によっては、袋が指定されているので注意しましょう。
一度植物を育てた土には栄養がなくなり、そのまま使っても植物は元気に育ちません。
土の中に植物の根や茎が残っていると、細菌が繁殖し、土壌を汚染する原因になることもあります。
また、許可なく他人の使用する土地に不要な土を捨てるという行為は「不法投棄」です。廃棄物処理法違反で処罰の対象となる犯罪なのです。
土が自然のものだからといって、公園や植え込みなどに安易に土を捨てるのは絶対にやめましょう。
人にあげる、売る
故人が大切にしていた植物です。誰か大切にしてくれる人に引き継げたらいいですね。
人にあげる
近所に、植物が好きな人がいたら、引き取ってもらうのも良い方法です。丹精込めた植物は育てるのにも手間と時間がかかるので、好きな人には貴重なものである場合も少なくありません。
また、インターネットで、近所の人にあげたいものを書き込める掲示板があります。この書き込みを見て、欲しい人がコンタクトを取ってくるわけです。
引き取りを指定すれば、もらい手が取りに来てくれるので、手間がかかりません。
オークションやフリマアプリで売る
インターネットのオークションや、フリマアプリで売る方法もあります。
オークションは、欲しい人が多ければ価格が上がる可能性がありますが、売れるまでに時間がかかることもあります。この点では、フリマアプリの方が短時間で売れる傾向があるようです。
もし、遺品の中に価値のありそうな植物があれば、出品してみるのもよいでしょう。
業者に依頼する
あまりにも大量に鉢植えがある場合や、遠方に住んでいて処理する手間も時間もかけられないとう場合は、業者に依頼するのがよいでしょう。
植物の買取業者に引き取ってもらう
観葉植物や、まだ花が咲いている胡蝶蘭などは、専門の業者に買い取ってもらえる場合があります。
買取金額は、植物の大きさや状態、種類によって違います。良さそうなものがあれば、問い合わせてみましょう。
下取りサービスを利用する
近年、インターネットで観葉植物などの通販をするサイトが増えています。こういったお店では、新しく植物を購入する際に、古い植物を下取りしてくれます。
自宅に引き取りに来てもらえるため、自分で新たに植物を購入したい場合は、便利な方法と言えるでしょう。
また、土に関しても専門の引き取り業者が存在します。
基本的には、レジ袋やごみ袋などに小分けにして出しますが、袋に入れるのが大変な場合は、鉢やプランターに入ったままでも回収してもらえます。
料金は重さできまりますが、植物や根、小石などを取り除いてある場合と取り除いていない場合、土のみの回収と鉢・プランターごと回収する場合でも異なります。
土以外にも、水槽の底石・底砂、砂場の砂、庭から出てきた石、水害防止用の土のうなどや、タイル、庭の石灯籠、レンガ、コンクリートブロックなどの撤去・処分も行っています。
不用品回収業者に依頼する
故人宅が賃貸で、速やかに明け渡さなくてはならなかったり、遺品整理に時間をかけられなかったりする場合は、不用品回収業者を利用するとよいでしょう。
希望日に自宅まで引き取りに来てくれるため、手間がかかりません。
しかし、無料回収と宣伝しているにもかかわらず、実際は料金を請求されたり、不法投棄されたりするなどのトラブルも多発しています。
業者を選ぶ際には、地域の「古物商許可」や「産業廃棄物収集運搬許可」を持っているかどうかを確認しましょう。
遺品整理業者に依頼する
遺品整理業者に依頼すれば、他の遺品と一緒に一度で処分できるという大きなメリットがあります。
近年、遺品整理業者は、さまざまなニーズに応えられるように変化してきています。
ただ物をより分けて処分するだけでなく、不要な品の処分やリサイクル、遺品の供養まで行う業者が増えています。また、自社で行えないことも、多数多方面の専門業者と提携し、代行している業者も多くなって来ています。
遺品整理業者に依頼すれば、全てを遺品として丁寧に扱ってもらうことができるのが最も大きなメリットです。さらに、遺品の中に市場価値のあるものが見つかれば、結果として遺品整理費用が安くなるかもしれません。
困ったときは、遺品整理業者に相談してみるとよいでしょう。
枯れてしまって売れないものや、大量にあって処分しきれないときは、業者に依頼するのが安心でしょう。
その際は、複数の業者から相見積もりを取り、比較検討するのがおすすめです。