供養につい

遺品整理とペットの供養

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かつて文豪・三島由紀夫は「みていてごらん。やがてペット時代がやってくるから」と予言しています。
それから40数年後、日本では核家族化・少子化が進み、三島の予言通り、ペットを家族の一員として迎える家庭が急増し、まさに「ペット時代」となっています。

昔は、犬と言えば庭や玄関先で飼うのが当たり前でしたが、今は室内で一緒に生活するのが普通になっていますよね。
一般社団法人ペットフード協会の調べでは、2016年のペット飼育数は犬が987万8000頭、猫が984万7000頭で、合わせると1972万5000頭にものぼります。
これは同年の15歳以下の子供の数1605万人(総務省調べ)をはるかに上回る数で、登録されていないペットを含めれば、さらに膨大な数になるでしょう。

ペットの供養

「コンパニオン・アニマル」という言葉に象徴されるように、いまやペットは人間同様、いや、人間以上の待遇を受けているかも知れません。ペットの葬儀やペット保険、ペットシッターに始まり、ペット用のファッションやアロマテラピー、マッサージ、サプリメントまで百花繚乱状態です。
ペットを飼う人にとって、ペットは人間に等しい存在です。お別れがきた時の供養の方法を知っておきましょう。

ペットの葬儀

ペットの葬儀

実は、ペットの供養自体は古くから行われています。
日本では、縄文時代からイヌが出現し、狩猟犬として働いていました。人とともに生きたイヌたちは、人の居住区の近くに丁寧に土葬されていました。貝塚からも、イヌの骨がたくさん出土しています。
また、古代エジプトでは、ネコのミイラが発見されています。可愛がった動物や役に立った動物を丁寧に葬る習慣は、世界各地で見出されているのです。

  • ペットの遺体に関する法律は?
  • ペットの火葬
  • 火葬までの安置方法

ペットの遺体に関する法律は?

残念ながら、ペットの遺体は「一般廃棄物」とされています(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第2条第1項、第2項)。
そのため、ペットを埋葬する場合は、一般廃棄物の焼却処分や埋め立て処分の基準を満たさなくてはなりません。
もし、河原や公園などの公有地や他人の土地にペットの遺体を埋めた場合、「廃棄物の不法投棄」に当たり、法律によって罰せられてしまいます。また、海に投棄することもできません。

ペットの火葬

現在の日本では、一般的に、火葬または埋葬することを「葬儀」といいます。

ペット霊園

ペット霊園

ペットも人間と同じように火葬したい場合、ペット用の霊園に持ち込み焼いてもらいます。
以前は人間用の霊園の一部でペットを火葬していましたが、ペットを飼育する家庭が増え、霊園の需要も増加してきたため、ペット専用の霊園も登場しました。
最近では、飼い主と同じ墓に入れる霊園も出て来ています。

自治体へ処分を依頼する

統一された処分法はなく、自治体によって異なり、指定場所への持ち込む地域、生ゴミとして扱い清掃局が引き取る地域など様々です。
ペット専用の火葬炉を持ち、他のペットと合同で火葬する自治体もあります。この場合は、骨を識別することができないため、共同墓地に遺骨を納める形となり、遺骨は持ち帰れません。
自治体のなかには、個別に火葬したうえ、遺骨も返してくれる自治体もありますが、その地域の住民のみの利用となります。

ペット葬業者に依頼する

ペット葬を請け負う業者のなかには、火葬炉を搭載した移動火葬車を持っているところが出て来ています。処理の方法はさまざまで、内容によって料金が異なります。

  • 合同火葬……ペットの遺体を預かって保管し、一定量集まったら、他のペットと一緒に業者が提携している火葬場などで火葬します。業者が自宅に遺体を引き取りに来てくれますが、火葬に関して立ち会いはできません。遺骨は他のペットと一緒に共同墓地に埋葬され、返してもらえません。
  • 一任火葬……火葬は個別にしますが、立ち会いはできません。遺骨は業者が拾い、返してもらうことができます。
  • 個別火葬……移動火葬車が自宅または指定場所まで来ます。遺体を引き渡すと、火葬炉に入れ、家族が立ち合いと骨上げをすることができます。僧侶による読経、棺などのオプションを加えたプランもあります。

火葬までの安置方法

ペットが亡くなったら、火葬までの間、どう安置すればよいのでしょうか?
適切な状態に保ち、ゆっくりお別れするための処置のやり方を紹介します。

遺体をきれいにする

遺体の下にペット用シートを敷いて、そっと寝かせます。
お湯で湿らせたガーゼや布などで、全身を優しく拭き取り、きれいにします。口のまわりや肛門周辺は、タオルやガーゼなどで拭き取ります。
ブラシで毛並みや尻尾をきれいに整えてあげましょう。

遺体を入れる箱を準備する

遺体を入れる箱

そのまま安置していると、体液がしみ出したりすることがあるため、遺体を箱に入れます。

床にペット用シートやビニールを敷いて、その上にペットの体に合うサイズの丈夫な箱を置きましょう。
箱の中に毛布やバスタオルを敷き、遺体を優しく寝かせます。

遺体を冷やす

保冷剤や氷をタオルにくるみ、頭とお腹のあたりに入れて十分に冷やしましょう。
夏場に2~3日、遺体を安置する必要がある場合は、エアコンをなるべく低めの温度に設定し、遺体を保管します。

ペットの埋葬

ペットをそのまま、または火葬したあとに、土に埋めて自然に還すこともあります。

  • 自宅での土葬
  • お花葬、樹木葬

自宅での土葬

ペット自宅での土葬

ペットの遺体を埋葬する場合、庭など私有地である敷地内であればOKです。ただし、できれば焼却してから埋めることが望ましいでしょう。

また、土に還る過程で不衛生になったり、腐敗臭で近隣に迷惑をかけたりしないよう、埋める穴はかなり深く掘ることが必要です。

お花葬、樹木葬

最近、「ガーデニング霊園」といって、花や樹木を植えるペットのお墓が出て来ています。
また、自宅の庭先やベランダ等のプランターに遺骨を埋めて、その上に花や木を植えるといった方法も行われるようになってきています。これらの葬儀は、花や木の成長とともに、亡くなったペットの生命を感じられるというものです。
最近注目されている「樹木葬」は、山林の中などにある樹木のもとに、ペットの遺骨を埋葬する葬儀です。特定の場所に埋めるため「墓地、埋葬等に関する法律」の管理下におかれます。

新しいペット葬儀

ペットの新しい葬儀・供養の形として、遺骨を海や山などに撒き、生命の生まれた海や大地に還してあげる「散骨」が注目されるようになってきています。
決まったお墓に入れるわけではないので後々の手間がかからないのがメリットです。飼い主本人以外に面倒をみてくれる人がいない場合、選択する人が多いようです。

  • 海洋葬
  • 山林葬
  • 宇宙葬
  • 空中葬

海洋葬

海洋葬とは、海にペットの遺骨をまく葬儀のことです。
人間の葬儀の方法として認知されてきている散骨ですが、近年ではペットの葬儀としても行われるようになりました。ペット霊園やペット葬儀社、また散骨を専門に扱う散骨業者が取り扱っています。

ペットの海洋葬

複数のペットを一緒に撒く合同散骨と、1頭だけで行なう個別散骨があります。個別散骨のなかには、飼い主とペットを一緒に散骨してくれる業者もあります。
散骨するためには、遺骨の粒の大きさを2ミリ以下にしなければなりません。骨をパウダー状にする「粉骨」します。
海洋葬では、クルーザーなどで海上沖合いに出て、水溶性の紙に包んだ遺骨を海上に散骨します。

山林葬

山林に遺骨を散骨する葬儀を山林葬といいます。山林葬の場合も粉骨しますが、紙にくるまず、パウダー状の遺骨をそのまま撒くことが多いようです。
野山への散骨は、現在のところ法的規制はありませんが、マナーを守り、近隣の迷惑にならないように行うことが大前提です。散骨する場所は他人に迷惑のかからないところを選び、農業や林業などにおいて風評被害が起こらないように配慮しなくてはなりません。

ペットの山林葬

散骨は、所有者がハッキリしていて、なおかつ散骨の許可が取れるところで行いましょう。お寺が所有している山林や、数は少ないですが、個人所有の山林で散骨を認めているところがあります。
自治体によっては散骨を規制する条例がありますので、各自治体に確認しましょう。
また、あくまで「撒く」のが散骨であり、埋めてしまうと「埋葬」になるので、「墓地・埋葬等に関する法律」の規制対象となります。

宇宙葬

文字通り、遺骨を宇宙に散骨する葬儀です。ペットにいつも空から見ていてもらいたい人にはよい葬儀でしょう。

ロケット宇宙葬

ペットのロケット宇宙葬

カプセルに入れた遺骨をロケットで打ち上げます。アメリカの商業用ロケットを利用し、複数の遺骨と合同で打ち上げられます。

遺骨は成層圏に散骨され、宇宙を漂います。

バルーン宇宙葬

大きなバルーンに遺骨を取り付け、大空に向けてバルーンを上げます。バルーンは、地上30kmくらいまで上がったところで内部の圧力が高まり破裂します。遺骨はそのまま成層圏へ散骨されます。

空中葬

セスナなど小型航空機やヘリコプターをチャーターし、海の上空で散骨する葬儀です。
船で行なう海洋葬と違い、海域や海況に左右されず、眼下に広がる大海原に散骨できます。
ヘリコプターの場合は、散骨した地点で一定時間ホバリングし、祈りを捧げることができます。

ペットの遺品整理

大切な家族であるペットが旅立ったあと、いつも使っていたお皿や首輪、リード、くしやブラシなど、何を見ても思い出がよみがえるものです。
ペットが亡くなったからといって、すぐに遺品を処分する気になれない人の方が多いでしょう。まずは、気持ちが落ち着くのを待ってからでよいのではないでしょうか。

  • 人に差し上げる
  • 思い出として保管しておく
  • 処分する

人に差し上げる

落ち着いたら、キャリーやベッド、ケージ、カートなどは使ってくれる人を探し、きれいに掃除してから差し上げるとよいでしょう。特に、キャリーやカートなどは高額なものも多いので、もらってくれる人は多いようです。
カートなどに限らず、犬・猫用品は、意外に嫌がられることが少なく、使ってくれる人が見つかるものです。ペットを通して知り合った人、亡きペットを知っていた人、可愛がってくれていた人に使ってもらえるとよいですね。

思い出として保管しておく

首輪やリードなどは、場所を取るものではないので、“思い出のよすが”として、クリーニングして保管しておくのもよいでしょう。
亡くなった当初は悲しくて何も手につかなくても、何年か後には正常な気持ちになり、ペットの遺したどれもこれもを、懐かしく手に取ることができるようになるものです。

ペットの遺品整理

そのとき、もしかしたら「あれを捨てずに置いておけばよかった」と思わないとは限りません。あまり急いで処分しないほうが、後悔が少なくて済むかもしれません。
ペットの遺影などと一緒に飾っておく人も多いようです。

処分する

処分する場合は、遺品をきれいにし、手を合わせてから地域のルールに従って廃棄しましょう。ペットの遺品の場合、材質が様々なので、神社などでのお焚き上げはできないケースが多いようです。
残ったフードやオヤツは中身を出して紙にくるむか、袋に入れた状態で可燃ごみに出しましょう。空いた缶などは、ルールに従って出します。
もし自分で祈るだけでは不安なら、神社で祈祷してもらいましょう。
最近では、ペットのさまざまな祈願をしてくれる寺社が増えています。そういった寺社に問い合わせてみるとよいでしょう。
祈祷していただき、ペットの魂を慰めた上で廃棄すると安心ですね。

ペットは、人間のように多くは遺していきません。残すにしても捨てるにしても、遺品整理はあまり急がず、気持ちの整理がついてから、飼い主さんそれぞれのタイミングで行うのが一番よいのではないでしょうか。

ペットの葬儀・供養はしっかりと・・・

ペットの遺品処分

遺品整理の仕事を行うなかで、ペットにまつわる話は少なくありません。
あるお宅では、飼い主さんが孤独死してしまい、愛犬が残されました。犬は、しばらくは部屋にある食べ物を食べて生きていたようですが、最後は餓死……。

しかし、飼い主が横たわるそばにピッタリとくっついて亡くなっていたといいます。きっと、生きている間も、動かぬ飼い主さんのそばを離れず、守っていたのでしょう。
また、別のお宅では、病気から生きて行く気力を失った飼い主さんが、愛猫を道連れに自殺していたという話もあります。

ペットと人間の関わりは、とても深いもの。それだけに、葬儀や供養はしっかりとしてあげたいものです。
遺品整理業者としても、楽しい日々を過ごしたであろう飼い主さんとペットたちが、天国で再び一緒に暮らしているよう祈らずにはいられません。

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