遺品で残された服はリメイクで形見分け

遺品で残された服はリメイクで形見分け

遺品整理で大量に出てくるものといえば、洋服や着物など衣類ではないでしょうか。
サイズや趣味が合うものであれば、形見としてもらい、着るのも故人の供養になるでしょう。
しかし、ほとんどの場合、サイズが合わなかったり流行遅れだったりして、そのまま着るのは厳しいことが多いようです。
捨ててしまうにはしのびないけれど、実際には着る機会がない・・・。
それならば、何か違うものにリメイクしてはいかがでしょうか。
今回は、故人の衣類のリメイクについて見ていきましょう。

故人の衣類のリメイク

遺品の衣類をリメイクするメリットとは?

遺品の衣類をリメイクするメリット

衣類の保管で一番困るのは、場所を取ることではないでしょうか。
価値のある着物やまだ着られる衣類であっても、実際には活用が難しく、売却したり処分したりするしかなくなってしまう場合もあります。
そこで、遺品の衣類をリメイクして引き継ぐという方法が注目されています。
なぜなのでしょうか。

思い出をとっておける

家の中で場所をふさぎやすい衣類ですが、故人との思い出が詰まった衣類を手放すのは心苦しいものです。
保管場所がないために仕方なく処分する人は多いでしょう。
でも、処分してしまったあとで後悔するケースもあるようです。
そこで、衣類をリメイクすれば、思い出を別の形で活用できます。
リメイクされた衣類は、遺族の暮らしに寄り添う身近なものとして新しい命を与えられ受け継がれていくのです。

需要の幅が広がる

たとえば、亡くなったお父さんのコートやスーツをぬいぐるみにしたり、おばあちゃんの着物を小物入れに作り変えたりすれば、衣類としては身につけられなかった衣類も違う形で持つことができます。
特に着物は着る習慣や機会が少なくて困っている方も多いようです。
形を変えることによって着物に興味がない娘や孫にも譲り渡すことができ、需要の幅が広がります。

小物がたくさん作れる

小さなものなら、たくさん作ることができます。
特に着物は一枚の大きな布からできているので、同じものを複数作って家族・親族でお揃いの品を持つことができます。
また、同じ柄でいろいろなものを作り、セットものにするのも楽しいですね。

遺品の衣類をリメイクしよう!〜自分でリメイク編

遺品の衣類を自分でリメイクしてみましょう。
簡単にできるものをご紹介します。

テディベア

テデイベアは、アメリカ発祥のクマのぬいぐるみです。
たとえば、お父さまやおじいさまの古いコートやスーツでテデイベアを作ってみてはいかがでしょうか。
ツイードなどの生地なら豪華になります。

さらに、スーツなどの名前の縫い取りを上手に利用すれば、故人の名前入りのメモリアル・ベアにもできます。
故人がスーツなどをたくさん持っていたら、複数作ってきょうだいでおそろいとして持ったり、大小のサイズを作って飾っても可愛いですね。
着物の生地で作れば、素敵な和風のベアになります。
こだわる人は型紙を自分で引いてもいいですが、市販の型紙を使うと簡単です。

ブックカバー

薄めの生地なら、ブックカバーはいかがでしょうか。
以下の手順で比較的簡単に作れます。

  1. 本のカバーの大きさを測る
  2. 本のカバーより少し大きめに生地をカットする
  3. 周りにロックミシン(縁かがり縫い)をかけ、1回折って縫う
  4. 手縫いの場合は三つ折りにして縫っておきましょう。
  5. カバーと同じように左右を折り返して、折り返し部分の上下の端を縫う
  6. 表紙が入るように縫えば出来上がり

文庫本にカバーをかけて持ち歩けば、故人と一緒に出かけているような気分になれるかもしれません。

パッチワークでインテリア

パッチワークは、さまざまな生地を同じサイズの正方形にカットし、つなぎ合わせていき1枚の布にすることです。
以下手順のように、基本的にまっすぐ縫うだけなので簡単ですよ。

  1. 厚紙を作りたいサイズの正方形にカットして型紙を用意する
  2. 生地の裏に型紙を置き、鉛筆やチャコペンシルで印をつける
    0.7cmの縫いしろの印を付ける
  3. 印に合わせて布をカットする
  4. 2枚のカットした布の表同士を合わせ、両端と真ん中に待ち針を打つ
    端から針を入れ、ひと針返し縫いをする
  5. 反対の端に向かって縫って行く
  6. 最後は返し縫いをする
    上記を2組作ります。
  7. 1組は縫いしろを上に向けて返し、もう1組は下に向けて返しアイロンをかける
  8. 2組の表同士を中にして合わせる
  9. 待ち針を打って端から縫っていく
    両端は返し縫いをしましょう。
  10. 縫いしろを片側に倒し、アイロンをかければ完成

手持ちのフレームの中に入れれば、思い出の衣類が可愛いインテリアに変身します。
たくさん縫い合わせて大きなサイズのタペストリーにするのも素敵ですね。

巾着袋・ペットボトルカバー

巾着袋やペットボトルカバーは、まっすぐ縫うだけでできる簡単な袋ものです。

  1. 入れたいものの大きさを決める
  2. 縦は4.5cm、横は2cm縫いしろをブラスして布をカットする
  3. 両脇と底になる部分をジグザグ縫いかロックミシン(縁かがり縫い)をかけておく
  4. 布の表を中にして合わせ、縫いしろ1cmで両脇と底を縫う
    ヒモを通す部分として、脇は上から7cm残しておきます。
  5. 縫いしろを割り、アイロンをかけます。
  6. 上から1cmを折り、両脇のヒモの通し口をコの字型に縫う
  7. さらに上から2.5cm折り、折った下端から5mm上を端から端まで縫う
  8. 2枚とも縫えたら、ヒモの通し口にヒモを通せば完成

入れたいものの大きさに合わせて作ることができ、まっすぐ縫うだけなので簡単ですよ。
生地のサイズを変えれば、同じ作り方でペットボトルカバーにも応用できます。

手提げバッグ

簡単にできる手提げバッグを作ってみましょう。
まず、以下手順で持ち手部分を作っておきます。

  1. 生地10cm幅×33cmを持ち手用にカットする
  2. 外表で左右を2.5cmずつ折り、さらに半分に折ると2.5cm幅の持ち手になるので、両端から0.2cm内側を縫う
    上記を2本作っておきます。
    次はバッグ本体を縫います。
  3. 45cm×30cmの本体用生地を2枚カットする
  4. 2枚を中表に合わせ、0.7cmの縫いしろを取って両端と底を縫う
    縫えたら表に返しておきましょう。
  5. 持ち手をバッグ本体の表側に、Uの字になるように置き仮縫いをする
  6. もう一度裏返しにし、持ち手がUの字になるように置く
  7. バッグの入れ口を2cm幅の三つ折りにする
  8. 上記折り返しの下から0.2cmの位置を一周ぐるっと縫う
  9. 持ち手を上に折り上げ、入れ口から0.2cmのところを一周縫う
    こうすると、持ち手を2箇所縫いとめることになるのでしっかりします。
  10. 表に返せば出来上がり

着物など、柄を生かしたい生地を使うと良いでしょう。
持ち手を違う布に変えてみたりしてもいいですね。

メガネケース

他の使い道がなかなかないネクタイを使って簡単にメガネケースを作れます。

  1. ネクタイの先+2cmをふた部分にします。
  2. ふた部分を残し、入れたいメガネの大きさに合わせて長さを決める
  3. 上記の必要な長さの2倍+1cmを残してカットする
  4. 切り口の端は内側に折って縫う
  5. メガネを入れる部分を折り、両脇5mmのところを縫います。
  6. ネクタイの先にボタンループ、本体に好みのボタンをつければ完成

ふたの部分にボタン穴を開けてもよいでしょう。

遺品の衣類をリメイクしよう!〜専門業者に依頼編

遺品の衣類リメイクを専門業者に依頼

衣類のリメイクを自分でするのは楽しいですが、裁縫があまり得意でない人、ミシンを持っていない人には手が出しにくいかもしれません。
そんな時は、専門の業者に依頼する方法もあります。

着物

着物をリメイクしてくれる業者は多いので、インターネットで検索してみましょう。
着物をコートやジャケット、ワンピースなどに作り変えてくれます。
ほかにも以下のように意外に思えるさまざまな形で古い着物を生まれ変わらせてくれるでしょう。

  • 日傘
  • 座布団カバー
  • バッグ
  • クッションカバー
  • 扇子
  • タブレットケース
  • 造花

その他の衣類

シャツやパジャマ、ポロシャツ、トレーニングウェアなどは捨てるしかないと思うかもしれません。
でも、これらの日常的な衣類もリメイクしてくれる専門店があります。
薄い生地は、他のものに作り変えて長く使い続けるのは簡単ではありません。しかし、ぬいぐるみや人形の衣装素材としてなら十分です。
お父さまのズボンとシャツ、ベストを作り変えて、ぬいぐるみにお父さまと同じファッションを着せたり、お母様のブラウスを作り変えて人形に着せるなど、故人の洋服がスモールサイズでよみがえります。

また、ぬいぐるみ用の衣装としてだけにとどまりません。
小さく作り直した衣装を小さなトルソーに着せて飾ったり、ミニサイズのハンガーにかけて飾るといったリメイクもできます。
故人をより身近に感じたい人は、相談してみると良いでしょう。

まとめ

遺品整理で大量に出ることが多い衣類のリメイクは自分でも簡単にできますし、複雑なものは専門業者に依頼することもできます。
全ての衣類をリメイクしなくても、故人が気に入っていたもの、よく来ていたものだけでも作り変えれば、いつでも故人を思い出せるのではないでしょうか。
故人も喜んでくれるようなリメイクができたらいいですね。

この記事の監修をしたゴミ屋敷の専門家

氏名:新家 喜夫

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長。