供養につい

開眼供養とは~準備や流れについて解説~

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「開眼供養」という言葉を聞いたことがありますか?
日本の葬儀は、さまざまな形が話題になっているとはいえ、まだまだ仏式で行う人がほとんどです。
そこで、供養に関するしきたりも、自然と仏式の決まりに従うことが多くなります。
その一つ、開眼供養について見ていきましょう。

開眼供養について

開眼供養とは?

開眼供養とは?

「開眼供養」とは、新しくお墓を建てたときや仏壇を購入したときなどに、僧侶を招いて読経してもらい、お墓や仏壇などに仏様の魂を入れる儀式です。
お墓や仏壇に、儀式を通して魂を宿らせることによって、単なる「モノ」だったものが、礼拝の対象となるのです。

開眼供養の始まりは?

開眼供養は、仏像を造る際に行われた「点睛」が始まりだといわれています。
仏像が完成し、最後に眼を描き込むのが「点睛」です。
人の手で作られた仏像は、最初は単なる「もの」でしかありません。
しかし、点睛を行うことにより、像に尊い魂が入って本当に完成すると考えられました。
現在の「開眼法要」は、この「点睛」が儀式化したものといわれています。

日本の開眼供養の歴史は古く、約1300年前、奈良の東大寺の大仏が完成したときには、すでに行われていました。
752(天平勝宝4)年、大仏殿の前で執り行われた開眼供養は、聖武上皇によって開催されたと「続日本紀」などの書物に記されています。
天竺から唐を経て来日した僧侶・菩提僊那が実際に眼を入れました。
この時、五色のひもを開眼の筆につけて1万人もの参列者に持たせ、ご利益が行き渡るようにした盛大な供養だったそうです。

「開眼供養」以外の呼び方は?

開眼供養は、ほかに「開眼法要」「お性根入れ」「魂入れ」などとも呼ばれます。

「開眼供養」や「開眼法要」の「開眼」とは、仏像を作る際の点睛が由来です。

「性根」とは「しっかりした心」のことで、「お性根入れ」は、お墓などの対象物に故人の心を入れるという意味になります。
「お精根入れ」と書くこともあるようです。

このほかにも「御魂入れ」「御霊入れ」と書いて「みたまいれ」と読むなど、地域によってさまざまです。

仏教なら、必ず開眼供養を行うの?

浄土真宗では、宗派の考えから位牌を準備することはありません。
そのため、開眼供養も行いません。
その代わりに「御移徙」と呼ばれる法要を行います。

開眼供養は、どんな時に行うの?

開眼供養は、どんな時に行うの?

開眼供養は、基本的に仏壇やお墓などを新しく購入したときに行いますが、ほかにもさまざまな場面があります。
どんなとき、何に対して行うのでしょうか。

仏壇の場合

仏壇の開眼供養は、新しく購入したときのほか、仏壇を移動させたときにも行います。
たとえば、引っ越しなどで仏壇を移動させる場合、動かす前にまず「閉眼供養」といって、仏壇から魂を抜く儀式を行います。
仏壇が単なる「モノ」になってから、移動させます。
その後、新しい位置に仏壇を安置したら開眼供養を行って魂を入れます。
引っ越しでなくても、移動で家の外に出さなくてはならない場合は、必ず行いましょう。

位牌の場合

葬儀時に使用する位牌は白木製のもので、これは仮の位牌です。
仏壇にずっと置く本位牌を作ったら、白木位牌から本位牌へ故人の魂を移さなくてはなりません。
この時に開眼供養を行います。
通常は、四十九日法要の際に行うことが多いようです。
また、本位牌を新調したり修繕したりした時にも開眼供養を行います。

お墓の場合

お墓を新しく建てたら、開眼供養が必要です。
また、親族が亡くなって墓石に戒名を追加彫刻する(もとからあるお墓に入ることになった)際にも開眼供養を行います。
仏壇と同様、改葬・リフォーム、移転や引っ越しなどを行う場合には、いったん閉眼供養をしましょう。
それぞれが終わったら、開眼供養をして魂を戻します。

開眼供養を行うのはいつ?

開眼供養を行う時期に、特に決まりはありません。
ですが、一般的に納骨の際に開眼法要と納骨法要を一緒に行うことが多いようです。

納骨は、四十九日の忌明けか年回忌、百か日、一周忌などの法要の時に行うことが多いため、このタイミングで納骨式とあわせて行います。
ここなら、親族・親戚も参列者も出席しやすいタイミングと言えるでしょう。

新しくお墓を建てる場合、節目の期日ではなく、墓石が整ったところで、開眼供養を行うのもよいでしょう。
また、お彼岸やお盆といったタイミングもよいでしょう。

生前にお墓を建てた場合も、開眼供養を行います。
時期について決まりはありませんが、できれば完成時に行うのがよいでしょう。この場合も、最初の納骨の際に行うこともあるようです。
生前墓の開眼供養については、菩提寺とも相談して決めましょう。

開眼供養の準備と流れは?

開眼供養の準備と流れ

開眼供養を行う際、どのように準備すればよいのでしょうか。
新しくお墓を建てた場合を例にとってみましょう。

僧侶の日程調整

開眼供養では、僧侶に読経を行ってもらいます。
通常、読経は菩提寺に依頼しますが、お墓が遠方にあるなど菩提寺に依頼するのが難しい場合には、菩提寺に相談してみましょう。

最近では菩提寺との関わりが少ない人も多く、インターネットで僧侶を手配するサービスも登場しています。
依頼できるお寺がない場合は、利用するとよいでしょう。

会場・食事などの予約

開眼供養の終了後、会食を行うのが一般的です。
おおよその参列人数に合わせて、会場を予約しておきましょう。
霊園や墓地によっては専用のスペースが併設されていることもあります。
事前に大まかな参加人数を把握しておき、管理者に相談しましょう。
お墓から遠い会場に移動する場合は、タクシーやバスも用意しておきます。

参列者への連絡

具体的な日程が決まったら、参列してほしい人になるべく早く連絡をします。
招待する人に決まりはありませんが、親族や生前親しかった友人をお招きすることがほとんどです。
案内状には、開始日時と大体の所要時間、住所に加えて地図を添付しておくと親切です。
納骨式もあわせて行う場合には、その旨も記載します。
納骨式があるかないかで、参列者の服装が違ってくるからです。

当日の服装は?

開眼供養当日は、礼服を着るのが一般的です。
男性は黒服に白ネクタイ、女性は略礼服や柄のない着物などを着用します。
仏壇を新調したり、お墓を建てたりすることは「慶事」です。
そのため、葬儀や法事のときのように黒ネクタイを締める必要はありません。
また、黒やグレーの地味な色の服装や、普通の地味な色のスーツでも大丈夫です。
ただし、貴金属類・アクセサリーは着けないようにしましょう。

納骨式を一緒に行う場合は、慶事にはならないため注意が必要です。
男性は黒服に黒いネクタイ、黒の靴を選びましょう。
女性も略礼服や黒のスーツを着用し、バッグや靴も黒、アクセサリーは着けても真珠の一連のものにとどめておきましょう。
参列する場合は、お祝い事かお悔やみ事かを担当者やお寺の住職に確認しておくと安心です。

墓地

開眼供養当日、墓地とその周辺きれいに掃除をし、祭壇と必要な道具を用意します。
また、お供え物の手配をしておきましょう。
地域によっては両隣のお墓にもお供え物をする地域もあるようです。
事前に墓地管理者や石材店に相談しておくと安心です。

会場への案内

開眼供養をおこなったあとは、一般的にそのまま会食を行います。
会食には、法要を行ってくださった僧侶も同席します。
もし辞退された場合は、お食事代をお渡しする必要があります。

お布施の準備

僧侶にお礼としてお布施を包みます。
お布施の額に決まりはありませんが、3万円~5万円が相場だと言われています。
お布施の額に迷ったら、僧侶に相談しましょう。
具体的な答えが得られなかった場合は、同じ菩提寺の親戚などに相談するか、年忌法要の際のお布施額を目安にするとよいでしょう。
また、開眼法要と納骨法要を一緒に行うなら、開眼供養のみの場合の1.5倍~2倍程度の金額を包むのが一般的とされています。

また、開眼供養のみか、納骨式も行うかで、お布施の袋や表書きが変わってきます。

開眼供養のみを行う場合

新しいお墓を建てたことに対するお祝いとなります。
そのため、お祝い用の祝儀袋にお布施を入れて、「内祝」、「開眼御礼」などと表書きします。

納骨式も行う場合

納骨式もあわせて行う場合は、お祝いの意味は示しません。
白い封筒に入れて、お布施としてお渡しします。

浄土真宗の場合は、死後、魂は極楽浄土に往生するため、どちらの場合も白い封筒に入れてお布施としてお渡しします。
これに関しても、地域によって異なる部分も多いため、あらかじめ菩提寺や石材店、墓地管理者に確認しておきましょう。

まとめ

開眼供養には、さまざまな準備が必要です。
また、宗派や地域、墓地によってもしきたりやルールが異なります。
「開眼供養を行いたいけどどのようにすればよいかわからない」、「開眼供養の費用はどのくらいなのだろうか」など、分からないことは、まずは菩提寺に相談してみましょう。

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