遺品整理業

形見になるもの・ならないものの違いと分別方法

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遺品整理の際によく行われることに「形見分け」があります。
亡くなった親御さんや親族から、形見の品を受け取った経験がある人もいるかもしれませんね。
遺品はどれも故人の使っていた大切なものですが、かといって、受け取る側からすれば必ずしももらいたいものとは限りません。
今回は、形見として適切なもの・そうでないものについて見ていきましょう。

形見のカメラ

形見とは?

「形見」とは、亡くなった人や別れてしまった人が残したもの、また、その人からもらったもののことをいいます。
形見は、それがどんな品物であっても、個人を偲ぶよすがとなるものであり、受け取った人の心の拠りどころとなるものです。
贈られた形見を大切にすることが、故人への供養ともなります。

故人の形見を分け合うのは、日本独特の風習です。
平安時代の書物「栄華物語」に『あはれなる御形見の衣は』(悲しみを誘う形見の衣は)という記述があり、形見分けが非常に古くから行われていたことがわかります。
昔は衣類を形見とするのが一般的だったため、今でも「袖分け」「裾分け」などと呼ぶ地域もあります。
現代においては、形見となるものにはいろいろありますが、特に故人の愛着が強く、大切にされていたものを分けることが多いようです。

形見分けのタイミングは?

形見分けのタイミングを計る女性

形見は、持ち主が亡くなったあと、故人の親族や、ゆかりのある人たちが故人の遺品の中からもらいます。
形見分けは、一般的に、お葬式を終えてひと段落ついたタイミングで親族が集まり、遺品整理をしながら形見分けを行います。
しかし、近年では葬儀が簡素化され、親族が集まる機会が少なくなっています。
また、新型コロナによる影響から、人が集まって遺品整理をすることが難しくなっています。
そのため、葬儀が終わってすぐに遺品を整理したり、遺品整理業者に形見分けの捜索や配送を依頼するようなケースも増えています。

形見を贈る相手は?

形見分けは、通常の贈り物とは違い、「立場が上の人から下の人に」贈るものとされています。
そのため、原則として、子が残したものを親が形見としてもらうことはありません。
とはいえ、あくまで原則であり、現在は上下関係に関係なく形見分けを行うこともあります。

形見の贈り方は?

形見は、相手に大切にしてもらいたいもの。
それには、きれいな状態でなければなりません。
相手に渡す前に、汚れやほこりを取り除いておきましょう。
形見は、包装したり箱に入れたりしません。
むき出しで渡すのが気になる場合は、半紙などで軽く包みましょう。
また、形見の品は、相手に直接渡すのが基本です。
しかし、渡したい人が遠方に住んでいたり、新型コロナの影響で直接渡すのが難しいという理由から、郵送や宅配で送るケースも増えています。
最近では、遺品整理業者のサービスにも形見分けの配送があるため、利用するとよいでしょう。

形見分けは必ずすべき?

形見分けは、義務ではありません。
家族や親族の負担が大きいようであれば、あえて形見分けをしないというケースもあります。
形見分けは古くからの習慣なので、年配者であるほど「形見分けするのは当たり前」と考える人が多いようです。
また逆に、若い世代は、もらっても困ると感じる人も少なくありません。
このように、形見分けに対する考え方はさまざまです。
故人が遺言書やエンディングノートなどで形見の行き先を指定した場合は、できるだけ遺志を尊重すべきですが、相手が拒否したら無理強いはできません。
受け取る側の気持ちを尊重し、柔軟に行うようにしましょう。

形見に適しているもの

では、形見として渡すのに適切なのはどのようなものか、見ていきましょう。

故人の日用品

故人が生前愛用していた万年筆や時計など、身近で使っていたもの。
日用品には、故人の思い出がしみ込んでいます。
遺品の中でも人に渡しやすく、形見分けの基本と言えるでしょう。

アクセサリー

アクセサリーの形見分け

指輪やネックレスなど、日常使いのアクセサリーも形見に向いています。
たとえば、母が身につけていた結婚指輪を娘がもらうなど、女性に分けることが多いようです。

衣服・服飾雑貨

衣服は、必ずクリーニングしてから渡しましょう。
特別な事情や理由がない限り、汚れたものは避けます。
着物などの場合、そのまま渡すほか、洋服に仕立て直したり、リメイク小物などにして渡す方法もあります。
また、バッグや髪飾りなどの服飾雑貨も形見として渡しやすいでしょう。

数珠

故人が使っていた数珠は、葬儀の際、棺に入れるのが基本です。
しかし、故人が数珠を複数持っていた場合、残ったものを形見として子どもが受け継ぐことがあります。

写真

故人の写真も形見として分けるのに適しています。
特に、故人とその人が一緒に写っている思い出の写真があれば、差し上げるとよいでしょう。
デジカメやパソコンに入っている写真は、紙焼きにしましょう。

趣味のコレクション

フィギュアや書籍、食器など、故人が収集していたコレクションも形見分けの対象となります。
コレクションは、そのジャンルに興味のある人やコレクターに持っていてもらうのがベターです。
家族ではなくても、故人と共通の趣味を持つ友人に受け取ってもらえば、故人も喜ぶのではないでしょうか。

美術品・骨董品

茶道具や壺、お皿などの骨董品、掛け軸や絵画などの美術品やアンティークものも形見として適切でしょう。
興味がある人がいなければ、専門店で査定してもらい、買い取ってもらうのもよいでしょう。

家具・家電

故人の遺した家具や家電がまだ使える状態であれば、家族や親族が引き継いで使用するとよいでしょう。
人に差し上げる場合は、必ず事前に動作確認をしておきます。

形見に適していないもの

次に、形見として渡すのに向いていないものも見ていきます。

衣服

使用済みの部屋着や肌着、靴下などは、家族であっても形見に向きません。
また、昔の着物やスーツなどはサイズが合わなかったり、デザインや柄などが古すぎたりすることがあります。
特に着物や帯はクリーニングにも手間や費用がかかるため、お渡しするとかえって迷惑になることもあります。

趣味のコレクション

趣味関係のコレクションは、そのジャンルに興味があればお宝ですが、興味がなければガラクタと同じです。
価値の分からない人に譲ってしまえば、故人も悲しむかもしれません。

生き物

形見のペット

ペットなど生き物は、受け取った人が困る恐れがあります。
生前に引き取ってもらう約束をしていない限り、避けましょう。

現金・金券

現金や金券は、形見として分けることはできません。
現金や金券、それに準ずるものを贈ることは財産分与にあたります。

あまりに高価なもの

あまりにも高価な品物は、贈られた側が負担に感じる場合や金銭トラブルに発展する可能性があります。
また、相続税や贈与税の対象になる可能性があるので注意が必要です。

形見分けの際に注意したいポイントは?

形見分けをする際に注意したい点について見ていきましょう。

市場価値の高いものに注意

形見の掛け軸

美術品や貴金属、ブランド品など市場価値の高いものは、他のものに比べて財産的価値を持つ可能性が比較的高いと考えられます。
このような遺品は、事前に専門家に鑑定依頼をしましょう。
価値が高い場合は形見としてでなく、財産として相続する必要があります。
一般的に、5万円を超える品は相続税の課税対象となります。
市場価値の高いものは、鑑定後の換価金額も合わせて、遺産分割協議書に記載しなくてはなりません。
故人に負の遺産があった場合など、相続放棄したい人もいるでしょう。
このような人が形見分けのために遺品整理をしたり、形見をもらったりした場合、故人の財産を消費したと見なされ、相続放棄できなくなることがあります。
相続放棄をしたい人は、基本的に形見分けにも関わらない方がよいでしょう。

意外な場所も忘れずに

庭に設置している物置など、つい忘れてしまいがちな場所もきちんと遺品整理をしましょう。
賃貸マンションやアパートなどで、物置が別のフロアにあるところもあります。
故人の家について詳しいことが分からない場合は、管理会社や大家さんに確認して、遺品を残さないようにしましょう。

まとめ

遺品の中でも高価なものや価値のあるものは、遺産として財産分割の対象になります。
あらかじめ別に分けておき、形見に含めないよう注意しましょう。
形見として分けるものは、日常使いしていたものが基本です。
会えなくなっても、故人の存在をいつまでも感じられるような形見分けができたらいいですね。

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