遺品整理とは、遺族にとっての責務です。
全員が全員、遺品を整理した状態で亡くなることはありません。
むしろ不慮の死では、部屋の状態がやばいケースも珍しくありません。
また、部屋の状態ではなく、やばい業者に依頼してしまったことでトラブルやアクシンデントに発展するケースもあります。
そこで遺品整理は何がやばいのかや、やばい業者の特徴、さらにはやばい業者を回避するための方法等についてをお伝えしましょう。
遺品整理がやばいと言われている理由
遺品整理そのものは決してやばいものではないのですが、しばしば「やばい」と囁かれています。
その理由をまずは大まかにご紹介しましょう。
遺品整理がやばい理由①不意に訪れる
遺品整理は基本的に「急に」訪れるものです。
冒頭でもお伝えしましたが、遺品整理とは故人が残した物品の整理です。
大往生であればある程度準備はできるかもしれませんが、急に亡くなってしまうことで、葬儀、手続き等を行い、さらには遺品整理を行わなければならないのです。
このように、残された人間に、予期せぬ形で降りかかる点が、遺品整理がやばいと囁かれている理由の一つです。
遺品整理がやばい理由②遺品の価値が分からない
遺品整理とは故人の残した物を整理することですが、故人と連絡を取っていなかったり、故人が急に亡くなってしまった場合、遺品の重要性が分かりません。
故人にとって大切なものだったのか、捨てようと思っていたものなのかが分からない中で遺品整理を行わなければなりませんので、焦りからやばいという気持ちが生まれてしまうのです。
遺品整理がやばい理由③遺品整理の方法が分からない
遺品整理の経験が豊富な人は少数派でしょう。
頻繁に行われているサービスではありませんので、実際に自らで遺品整理を行わなければならないシチュエーションとなった時、遺品整理業者の手配を含め、何から手を付ければよいのか分かりません。
慣れている人であれば、遺品整理業者を手配したり、あるいは掃除道具を揃えたりすることでしょう。
しかし慣れていないと、何をするのか分からずに時間だけが過ぎていくことから、やばいとの思いが膨らんでしまうのです。
遺品整理がやばい理由④遺品整理業者をよく知らない
遺品整理は遺品整理の専門業者に任せればよいと思ったとして、先にもお伝えしたように遺品整理を行うシチュエーションがそうそうありませんので、実際に遺品整理を行う状況となった時、業者に依頼しようとは思っても、どのような遺品整理業者を選べばよいのか分からないのでやばいと感じる人もいます。
ノウハウがないので、選択基準が分からず、依頼する遺品整理業者を選べなかったり、選んだ遺品整理業者が真っ当な業者ではなく、アクシンデントやトラブルを引き越してしまうケースもあります。
やばい遺品整理業者に気を付けよう!
遺品整理業者は信頼できる健全な業者もいれば、やばい業者もいます。
スピード感を求められていると、ゆっくりと判断することができないのでやばい業者を選んでしまう人も多いのですが、やばり遺品業者を選ばないためのポイントをいくつかお伝えしましょう。
公式ホームページの情報が充実している
遺品整理業者が公式ホームページを持っているか、さらには情報が充実しているのかを確認することでやばい遺品整理業者を回避できます。
やばい遺品整理業者は住所がなかったり、相場よりも大幅に安かったり、あるいは住所の記載がない業者は控えた方が良いでしょう。
逆に実績が掲載されており、住所や電話番号もしっかり記載されている業者であれば安心感があります。
公式ホームページが簡素な業者は注意
公式ホームページが簡素な遺品整理業者はやばい可能性があります。
なぜなら、問題を指摘された公式ホームページを削除し、行方をくらまそうと考えているのです。
そして沈静化したら、再び同じファイルをアップロードして公式ホームページとします。
削除を考えているので手間をかけて充実した公式ホームページを作ろうとしないのです。
記録を残さない
遺品整理業者の中には、見積もりや領収書などを出さない業者がいます。
大したことではないと思うかもしれませんが、このような業者こそやばいです。
なぜなら、記録を残さないと後から指摘ができません。
証拠の重要性
高いのではないか、内訳を知りたい等、後からの指摘に対し、「記録がない」「証拠がない」を理由に断る業者もいます。
もちろんそのようなトラブル・アクシデントを見越して記録になるものを発行していないので、依頼する遺品整理業者は見積もりや領収書を発行するのかを確認しておきましょう。
作業中に罵倒する
作業中に依頼者を罵倒する遺品整理業者もいます。あまりにも部屋が汚く、作業が捗らない場合や、イライラしている中で依頼主が何らかのアクションを起こしたことに腹を立てて暴言を吐いてくるやばい遺品整理業者もいます。
遺品整理に慣れていなかったり、あるいは想定外の事態が起きてイライラしたりといった原因が考えられるのですが、いずれにせよ作業に慣れている信頼できる遺品整理業者であればこのようなことは起こりません。
高額請求してくる
作業中に高額請求をしてくるやばい遺品整理業者もいます。
想定外に荷物が多く、作業に時間がかかってしまったので当初の予定費用よりも高額な作業費用を請求してくる遺品整理業者もいます。
このようなやばい遺品整理業者に依頼しないためには、事前に確度の高い見積もりを受け、さらには作業中に費用の増額を要求しないと明文化している遺品整理業者を選ぶことが大切です。
盗難
遺品整理はすべての遺品を捨てるのではなく、残すものと処分するものを分ける作業です。
残すものの中には価値のあるものもあることでしょう。そのような高価値の物を盗んでしまう遺品整理業者もいます。
また、「処分した方が良い」と処分を勧めてきたり、あるいは強引に「処分しておく」と告げて持ち去るケースもあります。
遺品整理で捨てたらやばいもの
遺品整理を自らで行う人もいることでしょう。
いわば故人との最後の別れとなるので、思い出に浸りながらゆっくり遺品整理を行う人も多いです。
しかし、捨てたらやばいものがいくつかあります。
自らで遺品整理を行うのであればそれらに注意しましょう。
捨てたらやばい遺品①遺書
遺言書・遺書は法的拘束力のある大切なものなので捨てるとやばいです。
故人が自分の財産等をどうして欲しいのかなどが記載されている可能性がありますので、遺言書・遺書は必ず保管しておきましょう。
捨てたらやばい遺品②通帳・証券
故人が残していた証券や通帳等の金融関連アイテムも捨ててしまうとやばいです。
なぜならそれらを捨ててしまうと、故人が残した金融資産に手を付けることができなくなります。
遺族ではあっても、通帳や証券がなければ何もできません。
ましてや再発行の権限もありません。場合によってはそれらの遺産を諦めなければならないケースもありますので、通帳や証券等の金融関連品は遺品整理で捨てないよう気を付けましょう。
捨てたらやばい遺品③身分証明書
故人の身分証明書を捨ててしまうとサービスの解約ができなくなりますのでやばいです。
生前に加入していたクレジットカード、公共サービス等は故人が死亡しても勝手に解約されないものもあります。
その場合、身分証明書を持って遺族が解約しなければならないのですが、遺品整理で捨ててしまうと再発行ができませんので、解約のハードルが高くなってしまいます。
捨てたらやばい遺品④レンタル品
故人がレンタル・リースしていたものを捨てるとやばいです。
それらは当然ですが返却義務があります。亡くなったからといって譲渡される性質のものではありません。
遺族が返却しなければなりませんので遺品整理の際、レンタルやリース品があれば必ず残し、後で遺族が返却しておきましょう。
もしも捨ててしまうと、返却していないので損害金や遅延金が発生します。
捨てたらやばい遺品⑤デジタル遺品
近年増えているデジタル遺品も捨ててしまうとやばいです。
デジタル遺品とは、スマートフォンやPCの中にあるデータです。
写真だけではなく、暗号資産、ネット証券等も含まれますので、捨ててしまうと何もできなくなります。
遺品整理の際、故人のスマートフォンやパソコンはデジタル遺品を確認するまで処分を控えましょう。
スマートフォンやPCの普及によってデジタル遺品の問題が増えているので慎重に扱いましょう。
参考:総務省「遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査」
【合わせて読みたい記事】
捨てたらやばい遺品⑥公共・行政関連書類
年金や保険証といった公共・行政関連の書類も捨てるとやばいです。
故人が年金受給者であれば年金を停止しなければなりませんし、故人の保険証は行政に返還しなければなりません。
それらの書類を遺品整理だからと捨ててしまうと、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。
遺品整理をやばい業者に依頼してしまった場合の対処法
遺品整理には「やばい」が多々潜んでいることが分かっていただけたのではないでしょうか。
しかし、既に依頼してしまったり、あるいは作業を終えてからやばいことに気付かされるケースもあります。
その場合の対処法もいくつかご紹介しましょう。
遺品整理を依頼したけど作業は始まっていない場合
遺品整理を依頼したものの、やばい業者だと気付いた場合です。
実際には作業が行われていない段階であれば、対処方法は多々あります。
キャンセルの意志を告げる
遺品整理をキャンセルする意志を伝えましょう。
その際、相手業者は「キャンセル料」「違約金」といった言葉を使う可能性が高いです。
そこで消費者センターに相談すると告げましょう。
あるいは弁護士を交えて会話すると告げるのもよいでしょう。
やばい悪徳業者は消費者センターや弁護士に正論を突きつけられることを嫌いますので、無事にキャンセルできるはずです。
記録を要求する
遺品整理の見積もりや領収書を要求してみましょう。
「発行できない」と告げてくるようなやばい業者はそこでキャンセルを告げても良いでしょう。
そもそも、遺品整理に限らず金銭の授受を伴うサービスで領収書の発行は法律で定められている義務です。
領収書を発行しない業者は違法なので、その点を告げることでキャンセルできることでしょう。
既に遺品整理を行った後
既に遺品整理を行った後にやばい業者なのではの疑惑・懸念が発生した場合の対処法としては下記が挙げられます。
国民生活センターに相談する
遺品整理の不審点を国民生活センターに相談してみましょう。
解決に尽力してくれる訳ではないのですが、解決のためのヒントを授けてくれる可能性があります。
ただし、あくまでも助言であって、やばい業者に直接的な制裁を下してくれる訳ではありません。
警察に相談する
遺品整理にておかしい、やばいと感じた場合、警察に相談するのも手です。
物を盗まれていたり、金銭が絡んでいる場合には状況によっては窃盗や詐欺で立件できる可能性があります。
ただし、警察はあくまでも中立です。
やばい業者だとは分かっていても、証拠等がなければ動いてくれないので警察に相談する時には「やばい」と分かる証拠を揃えておきましょう。
遺品整理がなぜやばいのかについてのまとめ
遺品整理がやばいと思われているのは悲しい点や捨てられないものがあること、費用など様々な要素があるのですが、遺品整理に慣れていない点に尽きます。
そのため、何をすべきなのかや、どの業者に依頼すべきなのかなどが分かりません。
裏を返せば、どの業者に依頼すべきなのか、何をするのか、捨てたらやばいものは何かなどを把握しておけば決して難しいものではありません。
知識・情報を深め、やばい遺品整理業者を回避し、安心できる業者に依頼しましょう。