両親が集めていた骨董品の処分はどうする?知っておきたいポイント

両親が集めていた骨董品の処分はどうする?知っておきたいポイント

遺品整理で、親が集めていた骨董品が出てくることがあります。

骨董品は、場所を取って困ることが多い遺品です。

また、価値判断が難しく、処分も面倒なのが悩みどころですね。

今回は、骨董品に関するトラブルを避けるための注意点や、良い業者を見分けるポイントなどについて見ていきましょう。

骨董品とは?

一口に骨董品と言っても、品目はさまざまです。どんなものがあるのでしょうか。

陶器

骨董品と言ってまず浮かぶのが、壺やお皿、カップなどの焼き物ではないでしょうか。

産地によってさまざまな違いがあり、人気のある品目となっています。

日本製では伊万里焼、備前焼、有田焼、益子焼、九谷焼などが有名で、国内のものでは、有名作家の作品であるか、作者が人間国宝に認定されたかどうかも評価の対象となります。

海外製ではウェッジウッド(イギリス)、オールドマイセン(ドイツ)、リチャードジノリ(イタリア)、ロイヤルコペンハーゲン(デンマーク)などが人気です。

掛け軸

こちらも、骨董品のイメージが強い品ですね。

書や日本画などを巻物に仕立て、床の間などに飾ります。

茶道においては、その茶席の趣旨や、茶人からのメッセージを伝える役割があるそうです。

蓮如上人、山口華楊、田能村竹田、沈周、松林桂月などの作品が人気です。

金・銀製品

価値の高い金や銀で作られたもの。

食器、香炉、杯などさまざまな品があります。

茶道具

茶道に使う道具です。

茶碗をはじめ、茶釜、茶入、棗、茶筅、茶巾、急須、水指など、お茶を点てるためのもので、有名作家の作品は非常に高く売買されます。

刀剣・武具

刀や脇差などの刀剣類や、兜・鎧など、戦いに使用する道具です。

歴史や刀剣のブームによって、注目されています。

鉄瓶

鉄製のやかんです。

繊細な彫金細工が施されていたり、金銀象嵌の装飾を施されているものも。

国内のみならず、海外でも人気があり、需要が高まっている品です。

香木

変わったところでは、香りを楽しむための香木も骨董品に含まれます。

香木は、細かく削って火であぶり、その香りを楽しむものです。

沈香、白檀などがありますが、中でも伽羅という香木は希少性が高く、高値がつくことがあります。

処分は損!? 骨董品の価値を知るには?

処分は損!? 骨董品の価値を知るには?

親が亡くなったあと、残された骨董品。

自分はそのような趣味がないし、邪魔なので処分したい人も多いのではないでしょうか。

でも、処分はちょっと待ってください。

素人には価値がわからなくても、実は市場価値の高いものだったというケースがあります。

また、このような場合、この品は親の遺産として相続の対象になるため、勝手に処分したり売却したりすることは禁物です。

また、骨董品は自治体によって処分のルールが異なり、処分するのも大変です。

であれば、処分を急がず、査定に出してみましょう。

骨董品を査定するには?

近年は、さまざまなジャンルの専門買取業者が増え、以前のように骨董商や美術商を探して査定してもらう必要がなくなりました。

インターネットを検索すれば、多くの買取業者が出てきます。

これらの業者は、持ち込み、郵送、自宅訪問、メールやLINEなど、さまざまな方法を用意しています。

まずは、メールやLINE査定を利用してみましょう。

スマホで骨董品を撮影し、メールやLINEで送信するだけなので非常に簡単で、もちろん無料です。

このとき、いくつかの角度から写真を撮り、作者のサインや箱などがあれば、一緒に撮影して送りましょう。

メールやLINEで簡易査定を行った上で、価値がありそうと判断されたら、実際に業者に見てもらいましょう。

その場合も、出張鑑定を依頼すれば、自分でお店まで品物を持っていく必要はなく、出張料や査定手数料もかかりません。

また、価値があるとわかった場合でも、査定後に売却するかどうかは自由です。

骨董品価格とは?

骨董品の価格は、有名な作家の作品であるかどうか、保存状態が良いかどうか、署名や箱などが残っているかどうかなどで決まります。

もし箱や説明書があったら、関係ないと処分してしまわず、とっておきましょう。

骨董品の価格は、そのときの流行や、需要と供給のバランスによってもかなり変動します。

有名作家作の本物であっても、そのとき人気がなかったり、大量に市場に出ている時は安くなってしまいます。

つまり、骨董品の価値は「時価」であると言えるでしょう。

とはいえ、実際に鑑定してもらうと、大量にある骨董品が二束三文の価値しかなかったというケースも多いようです。

その品を購入した際の価格や経緯がはっきりしており、有名作家の作品であることが確実であるという場合でない限り、あまり期待しない方がよいかもしれません。

とはいえ、いったん処分してしまえば取り戻すことはできません。

急いで処分せず、まずは査定に出してみましょう。

骨董品を処分・売却する前に・・・

骨董品を処分・売却する前に

骨董品の査定を依頼する人の多くは、その品の価値を知りたいと同時に、早く整理・処分したいと思っています。

少しでも価値があれば売りたいし、価値がないなら、さっさと処分したい。

そのため、査定額が期待したほどでなくても、引き取ってもらえるなら処分の手間もないし、少しでもお金が入るし・・・と売却してしまうこともあるようです。

しかし、繰り返しになりますが、市場価値のある品は、相続の対象となります。

そのため、勝手な処分や売却は相続トラブルを引き起こすケースも少なくありません。

親族に「あの品は私が欲しかった」と骨董品を売却したことを責められたり、「あの品はもっと価値があるはず」と、買取価格にクレームをつけられるといったことが起こることがあります。

このため、遺品の中に骨董品があった場合、1人で動かず、まず相続人や親族など、関係者と話し合いましょう。

この場合は、最初にメールやLINE査定を行っておいて「これぐらいの価値があるらしいんだけど・・・」と話を持っていくとスムーズでしょう。

査定を依頼することになったら、買取業者に出張してもらい、関係者全員の前で査定してもらうのもよいでしょう。

その上で、全員が合意したものだけ売却すれば、のちのちトラブルになることもありません。

また、これは処分に関しても同様で、親が残した遺品を勝手に処分してしまうと、なぜ相談なしに処分したのかとトラブルになってしまいます。

査定にしても処分にしても、まずは話し合うことが大切です。

良い業者を見分けるポイントとは?

良い業者を見分けるポイント

趣味の人でない限り、骨董品を査定してもらう機会はなかなかないでしょう。

そこで、査定や買い取りを依頼する際、良い業者を見分けるポイントについて見ておきましょう。

無料査定をしているか

まず、骨董品の査定を無料で行っているかを確認しましょう。

査定にはさまざまな方法がありますが、中には料金がかかる業者もゼロではありません。

特に遺産相続に関わるものであれば、出費は抑えたいところ。

無料査定を行っているかチェックしましょう。

実店舗があるか

近年、オンライン上で骨董品の査定を行う業者が増えていますが、どのようなお店なのかを知るのは難しいですね。

そこで、その業者が実店舗を持っているかどうかを確認しましょう。

実店舗を構え、地域で長く営業してきたお店は、信頼されていると考えられます。

必ず売却しなくてはならないか

骨董品を査定してもらっても、査定額に納得がいかない場合も出てきます。

このようなとき、無理に買おうとしてくる業者には気をつけましょう。

きちんとした業者は、無理やり売却させようとはしません。

書面がきちんとしているか

売却が決まった場合には、契約書などの書面をきちんと交わす業者を選びましょう。

相続の際は、全ての遺産の金額を規定の割合で分割しなくてはなりません。

遺品の骨董品が相続の対象となる価値があった場合、この書面によって、その品の評価額が決まります。

この評価額によって相続財産の総額が決まるため、きちんとした書面を出してくれる業者を選びましょう。

クーリングオフ制度を導入しているか

クーリングオフは、消費者を守るための法律です。

契約の申し込みや契約の締結をしても、契約を再考でき、一定の期間であれば無条件で契約を解除できる制度です。

この制度を導入している業者は良心的であると言えるでしょう。

クーリングオフを使うには、契約を結ぶ際に、事業者から商品やサービスなどの質や用途に関する内容や、対価などの取引条件などを記載した書面が必要です。

この点からも、書面をきちんと出す業者を選びたいところです。

まとめ

骨董品は、素人には価値の分かりにくい品物

骨董品は、素人には価値の分かりにくい品物です。

また、処分には手間がかかるため、厄介な遺品とも言えます。

しかし、市場価値の高いものは相続に関わってくるので、トラブルを避けるためすぐに処分せず、査定を受けましょう。

業者に査定を依頼する際は、無料査定をしているか、実店舗があるか、書面をきちんと出してくれるか、などを確認しましょう。

また、査定に出す場合も処分する場合も、あらかじめ相続人や親族と話し合い、トラブルを避けましょう。

この記事の監修をしたゴミ屋敷の専門家

氏名:新家 喜夫

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長。