ペットボトル・缶・びんの処分方法~エコ生活を送りましょう

ペットボトル・缶・びんの処分方法~エコ生活を送りましょう

年末年始は、自宅でゆっくり過ごす人も多いことでしょう。
家族や友人と楽しく過ごしたあと、出るのが飲料の空き容器です。
ジュースのペットボトルやビールの空き缶、お酒のガラスびんなど、年明けに処分するのが大変ですね。

また、お歳暮で缶詰の食品やビン詰の飲料などをもらう場合も多いでしょう。
ありがたいことですが、こちらも容器が空けば処分しなくてはなりません。

これらの空き容器は、リサイクルできるものがたくさんあります。
正しい処分の仕方を知って、エコな生活を送りましょう。

ペットボトルの処分

  • ペットボトルとは?
  • ペットボトルの捨て方は?
  • ペットボトルを捨てる際のポイントは?
  • 食用油のペットボトルの捨て方は?

ペットボトルとは?

飲料をはじめとして、お酒、しょう油やみりん、お酢、ドレッシングなどに使われているペットボトルは、『ポリエチレンテレフタレート』という樹脂が原料です。
「ペットボトル」のPETとは、「PolyEthylene Terephthalate」の頭文字を取ったものなのです。

ポリエチレンテレフタレートは、石油から作られるテレフタル酸とエチレングリコールを、高温・高真空のもとで化学反応させてつくられる樹脂です。
ちなみに、ポリエチレンテレフタレートからは、ボトルだけでなく繊維や食品包装フィルムなども作られています。

ペットボトルの捨て方は?

ペットボトルの捨て方には2通りの方法があります。

資源ごみとして自治体の回収に出す

自治体で決められている回収場所へ出します。日時を必ず守るようにしましょう。

ペットボトル 処分 資源ごみ

回収ボックスに入れる

スーパーなどに設置してある、ペットボトル専用の回収ボックスに入れます。
お店の営業時間内であれば、いつでも捨てることができるので便利です。

ペットボトルを捨てる際のポイントは?

PETマークを確認する

透明なプラスチック容器でも、全てがペットボトルというわけではありません。
ペットボトルとして回収されるのは、「PET」のマークがついているものだけです。

ペットボトル マーク

こちらがペットボトルのマークです。
このマークが表示されていないものは、「容器包装プラスチック」として、別に処分しなくてはなりません。

外観だけでは区別がつきにくいので、必ずこのマークを確認しましょう。

汚れを除く

ペットボトルの中に異物があると、作業員が怪我をしたり、リサイクル作業の機械がダメージを受けてしまったりする可能性があります。
また、ジュースなどの飲み残しがあると、保管場所や集積場で悪臭、虫などが発生し、不衛生です。処分する前には必ず中をすすぎましょう。

汚れがひどく、落ちない場合は、ペットボトルとして回収できません。
自治体によって違いますが、燃えるごみ、またはプラスチックごみとして処分します。

ペットボトル 処分方法

パーツに分ける

ラベル

ラベルは剥がして別に捨てます。剥がしたラベルの処分(燃えるごみか、包装プラスチックか)は自治体によって違います。
また、ラベルを剥がさなくてよい自治体もあります。ホームページなどで確認しておきましょう。

キャップ

ペットボトルのキャップは本体と材質が違うため、違うルートで処理されます。
外したキャップは容器包装プラスチックのごみとして出しましょう。
キャップリングはリサイクルの工程で除くことができるので、無理に外さなくてもOKです。

食用油のペットボトルの捨て方は?

ペットボトルのリサイクル工程では、一般的に、水で洗って汚れを落としています。
そのため、水で汚れが落ちないものはリサイクルできません。

油やソースなど、水での洗浄が難しいものは「その他のプラスチック容器」に区分され、リサイクル対象のPET容器とは別の扱いとなります。

缶の処分

  • アルミ缶とスチール缶の違いは?
  • なぜアルミ缶とスチール缶を分けるの?
  • 空き缶の捨て方は?
  • タバコの吸い殻が入った空き缶は捨てられる?
  • 食品の空き缶の捨て方は?

アルミ缶とスチール缶の違いは?

見た目ではわかりにくいですが、空き缶には「アルミ缶」と「スチール缶」、2種類がありますね。
アルミとスチールを比べると、アルミは軽くて柔らかく、変形しやすいという特性があります。

スチール缶の特徴

スチール缶を使用している商品に多いのは、コーヒーやお茶などの飲料です。

これらは高温のまま缶に注入しています。
時間が経って中身の温度が下がると、飲料が収縮して缶の圧力が下がり、柔らかいアルミ製だと缶が変形してしまうのです。
このため、強度のあるスチール缶を使用しています。

アルミ缶の特徴

これに対し、ビールなどの炭酸飲料には、アルミ製が多く使われています。
炭酸飲料は、炭酸ガスの膨張作用によって缶の内側から外側に対して圧力がかかるため、外からの衝撃に耐えることができるので、アルミ缶でも変形しづらいからです。

さらに、炭酸飲料は冷やして飲むものがほとんどですよね。
アルミには冷えやすいという特性があるため、ビールや炭酸飲料、スポーツドリンクなどに使用されていることが多いようです。

また、温度の問題でいうと、スチールは、アルミとは逆に温まりやすいという特性があります。
そのため、冬季にはホットで販売する缶コーヒーには、スチール製が適しているのです。

なぜアルミ缶とスチール缶を分けるの?

アルミ缶はアルミニウム、スチール缶は鉄からできており、一緒にリサイクル処理することはできません。
リサイクルされたアルミの地金は、もう一度アルミ缶へと生まれ変わります。
また、品質の良い鉄を造るために脱酸剤として利用されたり、自動車の部品などになったりします。

アルミ缶 スチール缶 分別

スチール缶は、製鉄所で再生スチールとして生まれ変わります。
再生スチールからは、スチール缶はじめ、自動車や家電、鉄道・船舶の材料、建設資材などが作られます。

ちなみに、アルミニウムはボーキサイトという鉱石から作られます。
生産する時には大量の電力が必要ですが、リサイクルする場合は3%しかエネルギーを必要としないため、リサイクル性に優れています。

このような理由から、スチール缶からアルミ缶への切り替えが進んでいます。

空き缶の捨て方は?

素材の違うアルミ缶とスチール缶ですが、処分の際には分ける必要はなく、一緒に資源ごみとして回収する自治体がほとんどです。

中身をきれいにする

出す前に、飲料などが残さないよう、水ですすぎます。

缶を潰す? 潰さない?

回収に出す前に缶を潰すべきかは、自治体によって違います。
お住まいの自治体のホームページなどで事前に確認しておきましょう。

空き缶 潰す

袋にまとめる

自治体によっては、収集場所に専用ケースが置かれますが、大量だったり、まとめられる場合は、中身の見えるビニール袋にまとめて出しましょう。
お菓子やお茶の葉の空き缶なども一緒に捨てることができますよ。

タバコの吸い殻が入った空き缶は捨てられる?

よく、空き缶を灰皿代わりにして、中にタバコの吸い殻を捨てる人がいます。
こうした空き缶は、資源ごみとして捨ててよいのでしょうか?

空き缶を処理するには、中身を完全に取り除き、中を洗浄しなければなりません。
空き缶の場合、口が小さく、さらに本体を切ることも難しいため、中身を取り出すことが非常に難しくなります。

そうなると、資源として再利用することができず、燃やして処分するしかなくなってしまいます。
灰皿なら、溜まった吸い殻をゴミ箱に捨てて処理するだけで済みます。
エコの観点からも、空き缶を灰皿代わりにするのはやめましょう。

食品の空き缶の捨て方は?

中にソースやタレが残った空き缶、賞味期限が切れてしまった缶詰などは、どうやって捨てたらよいのでしょうか?

缶詰や調味料などは、中身を取り出してきれいにしておきましょう。
そのあと、缶は洗っておきます。

取り出した中身は可燃ごみとして捨てます。
タレやソース、調味料などは、新聞紙や古い布などに吸い取らせから、可燃ごみとして捨てましょう。

びんの処分

  • 空きビンの捨て方は?
  • びんを捨てる際の注意点は?

空きビンの捨て方は?

ガラス製のびんは、資源ごみとして自治体の回収に出しましょう。

ふたを取り外す

ふたは素材が違うので外し、素材に合わせて処分します。

びん 処分 ふた

中身を取り除く

ジャムや佃煮などのびん詰めや、果物などの缶詰は、全て開封して中身を出し、分別します。
水分の多いものは、キッチンペーパーや新聞紙などを袋の中に敷いてから空け、まとめて可燃ごみに出しましょう。

飲料は流しに流しても大丈夫ですが、あとでよく水を流してパイプの内部をきれいにしておきましょう。
空いたびんは水ですすいで、きれいにしておきます。

袋にまとめる

自治体によっては、収集場所に専用ケースが置かれますが、大量だったり、まとめられる場合は、中身の見えるビニール袋にまとめましょう。
飲料や調味料のびん以外にも、化粧品の空きびんや飲み薬の空きびんも同様にして捨てます。

びんを捨てる際の注意点は?

びん 処分 資源ごみ

たとえば、愛知県名古屋市のように、ガラス食器など、飲料用・食品用・化粧品用以外のものは資源ごみに出せない自治体があります。

食器など耐熱ガラスが使用されているものはリサイクルに適さないため、資源ごみの対象外となり、不燃ごみに分別されます。

食器などのガラスを捨てたいときは、自治体のホームページなどで確認しておきましょう。

まとめ

生活の中で、どうしても出てしまうごみ。
でも、ペットボトルや缶、びんなどは、上手に処分すれば、また新しい製品として生まれ変わることができます。
おいしく食べたり飲んだりしたあとは、正しい方法で気持ちよく処分したいですね。

この記事の監修をしたゴミ屋敷の専門家

氏名:新家 喜夫

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長。