生前の遺影撮影について~メリットや撮影プランを紹介~

生前の遺影撮影について~メリットや撮影プランを紹介~

遺影について考えたこと、ありますか?
遺影は、葬儀の際に祭壇に掲げられたり、葬儀後は仏間などに飾られたりする写真です。
つまり、自分の最後に残すイメージとなるものです。
と考えると、間に合わせのものではなく、自分のお気に入りの写真や綺麗な写りのものを残したいですね。
最近では、終活の一環として、生前に遺影の撮影をしておく人も増えているようです。
今回は、生前の遺影写真撮影について見ていきましょう。

これまでの遺影写真とは?

遺影の撮影


これまで、遺影写真はどのように作られてきたのでしょうか。

スナップ写真を加工

葬儀の日程が決まると、家族が遺影用の写真を探すことになります。
多くは過去に撮ったスナップ写真から良い表情のものを探し、それを遺影用に加工していました。
スナップ写真は、故人以外の人が写っていたり、服装がカジュアル過ぎたりと、そのままでは遺影として使えない場合がほとんどです。
そこで、加工によって背景を入れ替えたり、服装を替えたりして遺影写真として完成させます。
加工は葬儀社のプランに入っていることが多く、葬儀社や提携の写真館で加工をして遺影として飾られていました。

葬儀まで時間がある場合は、家族が写真館にスナップ写真を持ち込み、遺影写真用に加工してもらうこともありました。
サイズはもちろん、背景や着せ替えの有無なども選択できます。

スマホやデジカメのデータを遺影写真に加工

時代が下ると、多くの人がデジカメを使うようになり、またスマホが普及したことによって、遺影写真もデジタルデータを扱うことが増えました。
現在も、遺影用に加工するなら扱いやすいデジタルデータを用意する方がよいでしょう。
ただし、遺影写真にするには200万画素以上が必要です。
最近のスマホやデジカメはスペックの高いものがほとんどなので大丈夫ですが、古い機種の場合は画素数が低く、荒い写真になってしまいます。
その場合は、スナップ写真をスキャナで取り込み、デジタルデータとして加工する方がよいでしょう。

遺影の生前撮影のススメ

生前遺影のススメ


現在は技術が進み、ソフトでさまざまな加工をし、遺影としてふさわしく、自然な写真を作ることができるようになりました。
しかし、遺影写真は、何十年も飾られ、家族や子孫が毎日対面するものです。
できるだけ良い写真を残したいですよね。
そのためには、元気なうちに撮っておくのがおすすめです。
遺影を生前に撮影しておくメリットとは、どんなところにあるのでしょうか。

納得いく写真が選べる

高齢になり、もし病気になってしまうと、写真を撮ることが難しくなったり、容姿も変わってしまうことがあります。
そのため、健康で元気なうちに写真撮影をしておけば、納得のいく遺影を撮ることができます。
写真館やスタジオでは、プロのメイクやスタイリストなどがおり、ヘアメイクやメイクなどのオプションが選べ、プロのアドバイスがもらえます。
自分の好みやイメージを伝えてアドバイスをもらうことで、とっておきの1枚が撮れることでしょう。
また、スタジオによっては出張撮影も行っているので、公園などお気に入りの場所や、自宅での撮影も可能です。
そして、一番大きなポイントは、自分の目で見てお気に入りの1枚を選べることでしょう。

良い印象・思い出を残せる

遺影は生前の姿や、その人柄を伝えるものです。
葬儀に参列してくれた人に「いい写真だ」「あの人らしいね」と思ってもらえる写真を飾りたいものです。
また、良い遺影写真には、悲しみを癒す効果があるといわれています。
生前に良い写真を撮っておけば、その写真は見るたびに家族を優しい気持ちにさせてくれるでしょう。
このような理由から、良い遺影写真は、自分だけでなく家族や周りの人のためにもなるのです。

家族の負担が軽くなる

一般的に遺影は、お通夜までに家族が選びます。
家族は、故人を失った悲しみの中、遺影にふさわしい写真を探さなくてはなりません。
その際、写りの良い写真がなかったり、最近の写真がみつからなかったり、苦労することが多いようです。
生前に遺影用の写真を撮ってあれば、家族の負担を軽くすることができます。

費用を抑えられる

遺影写真の加工は、葬儀プランに含まれていることがほとんどです。
業者に遺影を加工してもらうと、加工費用や人件費、プリントアウト費などがかかります。
しかし、生前に遺影写真を撮影しておけば、この分、少しでも葬儀費用を抑えることができます。
葬儀は家族が出すことが多いので、費用という点でも生前撮影は遺族の負担を軽減します。

遺影写真はいつ撮るべき?

生前の遺影写真撮影は、特にいつ撮るものという決まりはありません。
たとえば古希を迎えた、会社を退職したなど人生の節目を迎えた日に撮って見るのもよいでしょう。
そのほか、結婚記念日や誕生日など、自分にとっての記念日に毎年撮っていくのはいかがでしょうか。

また、何となく写真を撮っておきたくなった日や、ふと人生を振り返りたくなった日など、写真をとるのはいつでもいいのです。
構えずに撮るほど、自然な表情が撮れるはず。
デジタルデータは気軽に撮れるので、時間があるときスマホで撮って表情の練習をするのもよいでしょう。
とにかく構えず、気が向いたときに撮ればよいのです。

お気に入りの1枚を撮るには?

遺影の撮影


生前に遺影を撮っておくのはメリットがたくさんありますが、「写真を撮るのは、どうも苦手で・・・」という人もいるかもしれませんね。
ここでは、良い遺影写真を撮るためのポイントについて見ていきましょう。

服装

遺影写真だからといって、地味な服装にする必要はありません。
礼服や紋付袴、ドレスや着物などで着飾るのもいいですね。
また、お気に入りの服で撮るのもいいものです。
普段の自分らしい服装なら、自然な表情が生まれやすくなります。

ポーズ

体を少し右か左に向けて、顔を自然な感じでカメラに向けましょう。
証明写真などのように体を真正面に向けるのではなく、ちょっと顔や体を傾けるだけで、生き生きとした雰囲気が出せます。

視線

写真を撮るときはカメラ目線がいいと思われがちですが、あまりレンズを凝視すると、にらみつけているような印象の写真になってしまいます。
写真を撮るときは、レンズの少し上か下を見るようにしましょう。
レンズそのものを見ないことで、撮影中であるというプレッシャーが薄れ、笑顔もしやすくなります。

表情

カメラを見ると顔がこわばってしまい、笑っているつもりでも、片方の口角だけが上がっているような表情になっていることがあります。
表情が左右非対称だと、写真になったときに不自然な印象を与えてしまいます。
不自然な笑顔にならないよう、鏡の前で笑顔の練習をしてみましょう。
鏡の前で「イー」と言いながら笑顔を作ります。
できるだけ口角を上げ、目を細めて笑います。
口元の筋肉は少しゆるめ、歯が少し見えるぐらい口を開けてみます。
笑顔を練習しておくと、いざ撮影に臨んだとき心に余裕ができ、自然な笑顔ができるようになります。

撮影前にはストレッチを

緊張して体がこわばる人は、撮影前に体を伸ばしたり曲げたりといったストレッチをしましょう。
軽く体を動かすと血行が良くなり、筋肉のこわばりがほどけてリラックスできます。
また、椅子に座ってつま先を伸ばしたり曲げたりする、ふくらはぎのストレッチも効果的です。

遺影写真の生前撮影のプランとは?

生前に遺影写真を撮影する場合は、プロに依頼するのがおすすめです。
どんなプランや料金があるのでしょうか。

写真館や葬儀社

遺影の生前撮影は、写真館・撮影スタジオや葬儀社で行えます。
撮影料金は1万円〜2万円ほどが目安となります。
大抵のスタジオで、撮影したカットはCDに焼いてもらえます。
内容によって料金は変わってくるので、写真の加工があるか、紙焼き付きか、額装付きか、スタジオでデータを保管してもらえるかなど、内容を詳しく問い合わせましょう。

個人カメラマン

遺影の生前撮影は、個人で活動しているプロカメラマンに依頼することもできます。
個人カメラマンの場合、スタジオ撮影だけでなく、戸外での撮影や、自宅への出張撮影も依頼することができます。
ただし、出張料金が別途必要となる場合がありますので、事前に確認しましょう。
自由度が高い分、撮影料金は2 万円〜3万円ほどとやや高めですが、相談はできます。

遺影撮影会

全国で、プロのカメラマンによる遺影写真撮影会が行われています。
主催は、葬儀社や個人カメラマン・メイクアップアーティスト、終活関係企業などさまざまです。
料金設定はさまざまで、企業が行うものは1000円とリーズナブルな場合も。

また、デイサービスや老人ホームなどで、小規模な撮影会を行ってもらえるところもあります。
こちらの場合、人数3人以上の場合1人1万円ほど、10人以上で申し込むと1人8千円ほどとリーズナブルになるところがあります。

まとめ

生前の遺影撮影


理想的な遺影写真を残すには、生前撮影がおすすめです。
遺影の生前撮影には、さまざまなプランやオプションがありますので、内容を事前に確認し、納得いくプランを選びましょう。
また、遺影と長く対面するのは家族です。
どのような写真にするか、家族と相談しながら行うことも大切でしょう。

この記事の監修をしたゴミ屋敷の専門家

氏名:新家 喜夫

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長。