余命宣告されたら…家族が最優先にするべきこと

余命宣告されたら…家族が最優先にするべきこと

人間は、誰でも必ず死を迎えます。
でも、それは「いつか来るもの」であり、「まだ先のこと」と思っている人がほとんどではないでしょうか。
でも、人生は、いつ何が起きるかわからないものです。
ある日突然、病気で余命宣告を受ける人は少なくありません。
もし、大切な家族が「あなたの命はあと〇年です」と余命宣告を受けたら、どうしますか。
できれば、その時までに、できるだけのことをしておきたいですね。
今回は、余命宣告をされたら家族は何をすべきかについて見ていきましょう。

余命宣告とは?

ドラマなどでよく登場する余命宣告のシーン。
ガンなどの治療では必ず行われるもののようなイメージがありますね。
しかし、実際には、治療の上で余命宣告は全員にされているわけではありません。
なぜなら、余命宣告されたら生き残る可能性がほとんどないと患者が勘違いしてしまったり、余命宣告というあまりに重い言葉が患者に与える精神的なダメージが大きな問題となるからです。

実は、医療の現場において、余命宣告をするにあたっての明確なルールはありません。
医師が行っている方法もさまざまで、誤解を生むため好ましくないという考えから余命宣告をしない医師もいれば、治療の厳しさを理解してもらうという意味で、必ず伝えている医師もいるようです。
その数字も、8ヵ月など限定的な数字を言う医師、2〜3年などと幅をもたせて伝える医師などさまざまです。

また、余命を推定する方法もさまざまです。
一般的には、同じ治療を数百人に行ったデータなどをもとにして、生存曲線の中央値(50%の人が亡くなる時期)を挙げて説明する方法や、自身の経験から大体の期間を言う方法をとる医師もいます。
しかし、押さえておきたいのは、医師自身も余命として話した期間が正確とは思っていないということです。
つまり、余命宣告は、あくまで大体の目安でしかないのです。
実際には、体力・年齢・そのほかの持病などその患者の状態や、治療方針、治療の反応によって余命は変わります。
また、治療の途中で方針を変える場合もあり、正確に言えば、余命とは予測ができないものなのです。
余命はあくまで統計であり、「寿命」ではありません。
宣告された期間以上に長生きをする人もいれば、それ以下で最期を迎えてしまう人もいるということを知っておきましょう。

余命宣告をされたら

医師は、患者本人にではなく、家族に余命宣告をすることがあります。
その時、家族はどうするべきなのでしょうか。

まずは、患者本人に伝えるかどうかを考えましょう。
本人の性格や、理解できる年齢かどうかを考えて、家族みんなで話し合いましょう。

病気になった本人はとても辛く、不安で、孤独感を感じるものです。
しかし、戦っているのは本人だけではないこと、家族が支え、ともに戦っていることを伝えましょう。
時には、患者が自暴自棄になり、嫌な思いをすることもあるかもしれません。
しかし、患者の受けた大きなショックを思い、見捨てたり怒ったりせずに受け入れてあげましょう。
医療は日進月歩です。生きていれば、新しい治療法が誕生する可能性もあるのです。
患者を励ますとともに、その病気を理解し、積極的に治療にあたっていくという姿勢を伝えることが大切です。

家族がするべき準備

万が一に備えて、家族がやっておくべき事柄をチェックしておきましょう。

セカンドオピニオンを受ける

余命宣告後に探すセカンドオピニオン

余命宣告されても、信じられない、信じたくないのが当たり前です。
そこで、本人と家族が納得するために考えたいのは、他の医師に別の視点から診断してもらう「セカンドオピニオン」を受けることです。
主治医に対して失礼なのではないかと心配する必要はありません。
今やセカンドオピニオンを受けるのは当たり前のことになっています。

セカンドオピニオンを受けるときは、最初に診断した医師から検査結果やデータをもらって、次の医師に提出しましょう。
申し訳ないからと既に診断を受けていることを伏せて別の病院を受診すると、同じ検査を再び受けることになるため、体に負担がかかり、費用もかさみます。

加入している保険を確認する

患者が加入している生命保険の内容を確認しましょう。
生命保険では、加入者の余命が6ヶ月以内と判断された場合、生前に死亡保険金などの一部、または全部を受け取ることができる「リビング・ニーズ特約」というものがあります。
この特約をつけていれば、保険金が下り、治療に専念するために必要な医療費として使うことができます。
保険金の使い道に決まりはないため、家族での思い出つくりや、充実した時間を過ごすために使うことも可能です。
リビング・ニーズ特約が自動的に付いている保険もありますが、そうでないものもあります。
患者が加入している保険の契約内容を確認し、有効に使いましょう。
ただし、リビングニーズ特約を使うと、受け取った金額分は死亡後に支払われる死亡保険金から差し引かれます。
また、保険料を払い終えていない場合は、患者が亡くなるまで毎月支払う必要があるので注意しましょう。

希望をかなえる

患者にやってみたいと思っていることがあるか聞いてみましょう。
会いたい人はいるか、行ってみたい場所や食べたいものはないか、なども。
体調や治療によって全ては難しいかもしれませんが、少しでも元気なうちに、本人が望むことはできるかぎりやらせてあげるようにしましょう。

臓器提供や検体などの希望を聞いておく

臓器提供の意思表示

死後に眼球や内臓などの臓器を必要とする人に提供する臓器提供や、医学の発展のため死後の体を解剖などに役立ててもらう献体について話し合っておきましょう。
どちらも、本人が希望していても、家族の承諾が得られなければ行われません。そのため、希望を聞いておかないと、死後に本人が望んでいなかった結果になってしまう場合があります。
もしも、本人が自分の死を他の人のために役立てたいと考えているのであれば、それを手助けしてあげましょう。
逆の場合も同様です。
なかなか聞きにくいことではありますが、可能な限り希望を聞いておきましょう。

連絡したい人、持ち物のことなどについて確認する

患者が最期を迎えた時、残された家族がまず困るのが、誰に連絡すればいいのか、持ち物の処分はどうすればいいのかという問題です。
家族も知らない交友関係を持つ人は少なくありませんし、最後にお別れをしたいと思っている人がいるかもしれません。
また、趣味のコレクションなどを持っている患者については、どのように処分するのか希望を聞いておくほうがよいでしょう。
誰かに譲りたいもの、持っていてほしいものがある場合もあります。
死期の迫った家族に対して言い出しにくい話ですが、本人が死後に気がかりを残さないよう、話し合っておきましょう。

葬儀に備える

患者が病院で亡くなった場合、悲しみのただ中でさまざまな手続きに追われます。
そのため、落ち着いて葬儀社を決めることが難しく、病院に出入りしている葬儀社を紹介され、そこを使うというケースが多いようです。
しかし、近年、規模や宗教、形式など、葬儀の形が変わってきています。
それぞれの家庭の事情がある中で、故人の意向に沿うようにするためには、事前準備しておかなくてはなりません。
まだ家族が存命なのに、葬儀について話し合うなんて、不謹慎な気がするかもしれません。
しかし、話をせずに患者が亡くなり、あわてて葬儀を行うと、のちのち「あれで良かったんだろうか」と長く後悔する人もいるようです。
事前に葬儀社を決め、葬儀の規模や形式、予算、会場などの決め、準備を進めておきましょう。
患者本人の希望をかなえることができ、家族も慌てずに済みます。
費用についても話し合いましょう。
本人が葬儀費用を積み立てしていた李、互助会に入っていたりする場合もあります。

相続に備える

余命宣告後の相続準備

家族が亡くなると、相続が発生します。
相続税を納付するか否かにかかわらず、相続自体は遺族に関係してきます。
相続では、プラスの試算もマイナスの試算も全て相続することになります。
預貯金や不動産などプラスの資産だけならいいのですが、ローンや借金などマイナスの資産があった場合、借金を返済しなくてはならなくなります。
これを事前に知っていれば、相続放棄などの手続きが可能です。
まずは、すべての財産を把握しておきましょう。
家族が知らない財産はないか、遺言を用意してもらう必要はないか、また、オンラインでの投資など、家族にわかりにくい資産はないかなど、存命の間に確認しておきましょう。

まとめ

家族が余命宣告を受けてしまった場合、家族も苦しむことになります。
しかし、最後まで明るく患者を励まし、支えてあげましょう。
生前に話し合っておかなくてならないことも山積みです。
デリケートな問題を闘病中の人と話し合うのは気が引けるものですが、より良い最期を迎えるためにも、確認しておきましょう。
遺品整理業者では、遺品整理の相談のほか、生前にやっておくべきことや、抑えておくべきポイントもアドバイスしてもらえます。
困ったときは相談してみるとよいでしょう。

この記事の監修をしたゴミ屋敷の専門家

氏名:新家 喜夫

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長。