最近、「生前整理」を始める人が増えています。 早い人では、30代、40代から取り組む人もいるようです。 生前整理とは、老後や死後に関することを元気な内に考え、準備をしておくこと。 身辺をスッキリと整理して、軽やかに生きて行くために行います。 でも、忙しい毎日。生前整理をしたい、しなくてはと思っていても、なかなか取りかかれない人もいるかもしれませんね。 そんな時、頼りになるのが生前整理をサポートしてくれる業者です。 今回は、生前整理業者を選ぶ際のポイントや注意点について見ていきましょう。
目次
生前整理とは?
「生前整理」は終活のひとつで、自分の身のまわりや家の中を整理することです。 片付けるという意味では「遺品整理」と似ていますが、遺品整理は本人が片付けを行うのではなく、家族が行います。 それに対して「生前整理」は、自分自身が生きている間に自分で行う片付けのことです。 生前整理は、様々な物を仕分けして行く中でこれまでの人生を振り返り、より良い未来を考える大きなきっかけとなります。 さらに、身の周りをスッキリさせておくことで、死後の様々な処理をスムーズにしてくれるという利点があります。 自分のためだけでなく、周りの人たちのためにもなることから、30代や40代で始める人もいます。 生前整理は、全部自分で行う人もいます。 しかし、物の量が多かったり、運び出しが大変な大型の家具や家電がある場合は、専門業者に任せるのも良いでしょう。
生前整理を行うメリットとは
自分にとっても、周りの人にとってもメリットの多い生前整理。 どのようなメリットがあるのか、見ていきましょう。
死後、自分の希望を叶えやすい
死後に必要な様々なことは、自分自身では行えません。 そのため、残された家族などに託すことになります。 生前整理をしておけば、自分の希望を整理することができます。 財産は誰に、どのように引き継いでもらいたいのか。 医療や介護について、どのような方針や希望があるのか。 また、どんな形で葬儀を行い、どのようなお墓に入りたいのか。 希望を家族に伝えておけば、自分の希望を叶えてもらうことができます。
後悔を少なくできる
生前整理は、相続や葬儀など大きな事柄だけでなく、日常生活のことや交友関係、将来したいことなど、残りの人生をどう過ごすかを考えるきっかけになります。 自分は、どのような人生を生きたいのか。 最後をどのように迎えたいのか。 自分の理想を考え、それを実現するために必要なことを意識し実行することで、後悔が少なくなります。
もしもの時に備えられる
遺族は、ああしてあげれば良かった、これもしてあげたかったと後悔することが多いものです。 でも、故人が生前整理で希望を残しておいてくれれば、もしものことがあった時、悩んだり迷ったりすることがありません。 また、精神面のみならず、実務においても負担が軽くなります。
健康面において判断しやすい
生前整理で、持病や健康上の注意点、服用中の薬、かかりつけ医などの情報がわかっていれば、適切な医療をより早く受けることに繋がります。 また、病名や余命の告知、延命措置など、家族が判断しなければならない場面になった時、本人の希望を叶えることができます。
相続がスムーズになる
財政全整理によって産目録や遺言書を残しておくと、遺産分割協議がスムーズに進み、無用な争いを避けることができます。 財産の情報がオープンになっていれば、親族間に「隠し財産があるのではないか」といったような疑心暗鬼を生みません。
遺品整理がスムーズになる
持ち物を整理しておくことや、遺品に対しての希望を残しておくことで、死後、家族らの遺品整理の負担も軽減されます。
業者が行う生前整理サポートとは?
生前整理を業者に依頼する場合、どのようなサポートをしてくれるのでしょうか。 業者は、身の回りの品の整理、家財の移動、不用品の処分をはじめ、生前整理に関するさまざまなことに対応してくれます。
- 身の回りの日用品・家財の整理整頓
- 不用品の処分・買い取り
- デジタル整理
- 財産目録の作成
- 遺言書の作成
- エンディングノートの作成指導
など。 業者によって異なりますが、生前整理に関するあらゆるサポートをしてもらえます。 上に挙げた全てのことを依頼する必要はなく、特定の作業のみを依頼することも可能です。 もし、1人で始めて行き詰まってしまったら、生前整理業者に相談してみましょう。 また、始める前に、予め相談することもできます。
生前整理業者の上手な選び方とは?
生前整理が知られるにつれて、残念ながら優良とは言えない業者も存在するようになりました。 業者を選ぶ際に気をつけるべきポイントについて見ていきましょう。
ホームページの有無
今や、誰でもパソコンやスマホで閲覧することができるホームページは、ほとんどの業者が持っています。 その業者の方針や料金、作業例など、業者を選ぶ際に判断する材料は、ほとんどがホームページで公開されています。 そのため、ホームページを公開しているかは、判断の第一歩となります。 ただ、小さな業者の場合、ホームページでなく、Facebookやブログのような手軽に利用できるSNSでの発信しかしていない場合もあります。 どちらにせよ、インターネットに情報が全く上がっていない業者、検索できないような業者は避けるのが無難です。 また、ホームページ上に会社の所在地や固定電話の番号が記載されているかも確認しておきましょう。 所在地がなく、携帯電話の番号しか記載されていないところは、きちんとした母体を持たない業者であり、避けたほうが無難です。
サービス内容・料金体系
業者のホームページやSNSには、その業者がどのようなサービスを行っているかの記載があります。 自分の希望するサポートをしてもらえるか確認しておきましょう。 また、料金についても記載されているので、どのようなサービスに対してどのくらいの料金がかかるのかなど、料金体系も確認しましょう。
相談や見積り
生前整理をするにあたっては、整理したいものがどの程度あるのか、どのような整理が必要なのかは、現状を見る必要があります。 その上ではっきりした料金を出すことになりますが、この見積もりを無料で行ってくれる業者を選びましょう。 見積りの際には、どのような場合に追加の料金が発生するかなどを細かく訊いて、疑問が残らないようにしておくのが大切です。 質問をされたとき、回答を面倒がったり、曖昧な回答をする業者には要注意です。 面倒がらず、分かりやすい説明をしてくれる業者なら信頼できます。 また、「格安」を謳っている業者には注意が必要です。 残念ながら、当日になって「思っていたより荷物が多かった」などと料金を上乗せし、不当な追加料金を請求する悪質な業者も存在します。 見積もりの段階で、安すぎるのではないか? と感じたら、明細を聞き、追加料金が発生しないかなどをしっかりと確認しましょう。 もう一つ、大切なのは、見積もりは2〜3社ほどの業者から相見積もりを取り、その中から信頼できる業者を選ぶことです。 見積書をよく見てみましょう。 作業内容と内訳が分かりやすく、追加料金の発生の有無なども明確になっているでしょうか。 見積りを比較して、最も信頼できる業者を選択しましょう。
必要な資格や許可の有無
生前整理では、不要になったものの処分は主要なサービスとなります。 家庭から出る廃棄物の収集・運搬には「一般廃棄物収集運搬業」という許可が必要になります。 この許可を持っていない業者は、正規の手段で廃棄物を処分することができないため、不法投棄などを行う可能性があります。 生前整理では、まだ使える不用品を買い取るサービスをしているところも増えています。 不用品を買い取ってもらえれば、結果的に生前整理の費用を抑えることに繋がるので、買い取りをしてくれる業者を選ぶと良いでしょう。 ただし、不用品の買い取りを行うには「古物商許可」が必要です。 不用品を売却した場合は、この許可を持っているかを事前に確認しておきましょう。 また「遺品整理士」などの資格を持つスタッフが在職していると安心です。 この他、
- 生前整理アドバイザー
- 整理収納アドバイザー
- ライフオーガナイザー
などの資格もあります。 このような資格を持つスタッフは、生前整理に関して的確なアドバイスをすることができます。
ホームページのクチコミ
ホームページに依頼者の口コミの記載があれば見てみましょう。 実際に依頼をした人の感想は、その業者が信頼できるかどうかの判断材料になります。 もちろん100%信頼できるとは限りませんが、ある程度の目安にはなります。 写真が掲載されているところは分かりやすいでしょう。 また、クチコミサイトなどを見てみるのも良いでしょう。
まとめ
生前整理は、もちろん自分でもできますが、業者に依頼すると計画的に進めることができ、1人で行うより負担も軽くなります。 とはいえ、業者に依頼すれば費用がかかります。 納得・満足のいく生前整理をするためにも、チェックポイントを意識して、信頼できる業者を探しましょう。