一人暮らしのおひとりさまがするべき終活とは

一人暮らしのおひとりさまがするべき終活とは

配偶者や子どものいない一人暮らしの人が増えています。
「誰にも気を使わないし、気楽でいいわ」
「自分のためだけに時間を使えるのが最高」
と思っている人もいるかもしれません。
しかし、年齢を重ねるにつれ、おひとりさまには、さまざまな問題が起きてきます。
今回は、おひとりさまがなぜ終活をすべきか、また、どのようなことを行えばよいのか見ていきましょう。

「おひとりさま」とは?

ここ最近、「おひとりさま」という言葉がすっかり定着してきました。
特に、女性が自立した人間として人生を楽しむ新しい姿としてよくつかわれているようです。
昔は、女性が一人で行動できる機会が現在より少なかったため、一人で自由に自分の生き方を決める様は多くの方にとって憧れでしょう。

最近は男女を問わず、離婚したり、配偶者に先立たれたなどの理由から一人で人生を過ごされている人も「おひとりさま」と呼ばれるようになっています。
生き方、人生の過ごし方が多様化している現代、生涯、一人で生きることを選ぶ人も増えてきています。

おひとりさまに終活が必要な3つの理由とは?

おひとりさまには、老後さまざまな問題が起きる可能性があります。
そのために、老後の生活も死後の手続きも準備しておく終活が必要なのです。
おひとりさまには終活が必要だと言われる理由を3つ説明します。

孤独死の危険性がある

多くのおひとりさまが最も不安に感じているのが、誰にも看取られずに亡くなる「孤独死」の危険性です。
確かに一人暮らしは気楽でしょう。
しかし、風邪でちょっと寝込んだ時などに「もしかしたら自分も孤独死してしまうかもしれない・・・」と感じる人は多いようです。
毎日顔を合わせる家族がいない、または定期的に見守りをしてくれる人がいないと、年令を重ねるにつれて孤独死を迎えるリスクが高くなります。
おひとりさまにまず必要なのは、孤独死対策だと言えるでしょう。

介護で頼れる相手がいない

心身ともに健康なうちは、一人暮らしで何か大きな問題を感じることはないでしょう。
しかし、高齢になるほど、生活に支障をきたす心身の問題が起きやすくなります。
体力が落ちたり、病気にかかったりして、思うように身体が動かなくなることがあります。
また、高齢者には認知症の心配もあります。
いざという時、介護や財産管理を頼める人を確保しておかなくてはなりません。
病気にかかってから、認知症になってからでは、探すのは非常に困難です。

遺産の行き先がない

「自分には大した財産がないから」と言う人は多いようです。
しかし、財産がまったくゼロの状態で亡くなる人は実はそう多くありません。
法定相続人がいない場合、故人の財産は国に入ることになります。
しかし、遺言書を書いておけば、生前にお世話になった人などに対して遺産を残すことができるのです。
たとえ金額が少なくても、遺産を譲りたい人を指定しておくとよいでしょう。

おひとりさまが終活を行うメリットとは?

おひとりさまが終活を行うメリット

おひとりさまが終活を行うと、どのようなメリットがあるのでしょうか。

孤独死のリスクを減らせる

おひとりさまで一番心配なのが「孤独死」です。
高齢でひとり暮らしをしている人の数は増え、それに伴って孤独死の件数も年々増加しています。
孤独死とはいかないまでも、以下のような事態は誰にでも起こりえます。
家の中で転んでその場から動けなくなる
風呂などで急に倒れて誰にも発見されない
ひとり暮らしの高齢者で、上記のような事態は致命的事態につながりかねません。
終活を行うことで、不測の事態に備えておくことができます。

死後の不安が軽くなる

終活は、死後のためだけに行うのではありません。
おひとりさまには、葬儀はどうしよう、お墓はどうすればいいか、と悩みは尽きないものです。
このような不安感や焦燥感に駆られて生きるのはつらいものです。
終活を行い、問題を解決すれば不安が軽くなり、セカンドライフを充実させることができるでしょう。

おひとりさまの終活、何をすればいいの?

おひとりさまの終活、何をすればいいの?

家族がいれば、家族が自分の世話をしてくれる老後が想像できます。
しかし、同居して世話をしてくれる家族のいないおひとりさまには終活が重要です。
では、おひとりさまがすぐにでも始められる終活について具体的に説明します。

老後資金の確保

楽しく健康で老後を過ごし、希望通りの最期を迎えるためにはお金が必要です。
自分が老後に使えるお金がいくらあるか把握していますか?
働けなくなったときや、介護や看護が必要になったとき、金銭的に困ることがないでしょうか。
財産の棚卸しをしておきましょう。
また、年金や生命保険や医療保険などで入ってくるお金がありますか?
事前の確認が必要です。

生前整理

体が元気に動くうちにやっておきたいのが生前整理です。
必要なものと不要なものを仕分けし、物を減らして家の中を整理します。
物を減らせば、家の中の風通しが良くなり、ホコリがたまったりカビが生えたりすることがなくなり、健康的な生活を送れるようになります。
また、ものにつまずいたり、ぶつかったりしにくくなるので、ケガのリスクも抑えられます。

必要なものを整理し、どこに何があるかを把握しておきましょう。
そうすることで生活がスムーズになり、ストレスのない生活を送ることができます。
物を減らすことは、本当に必要なものが何なのか気付くきっかけにもなります。大切なもの、必要なものだけと一緒に暮らすシンプルライフを目指しましょう。
ものを片付けておけば、死後に遺品整理をしてくれる人の負担を減らすことにもなります。

葬儀・お墓の生前予約

終活で葬儀やお墓の生前予約を行う人が増えています。
葬儀社では、自分の葬儀について相談し、規模や内容を決めて葬儀の予約できます。
また、おひとりさまの場合、お墓のお世話をしてくれる人がいないでしょう。
ですから、永代供養付きのお墓を予約する人も増えているようです。
葬儀やお墓について決めておけば、死後の不安もなくなります。

孤独死対策

ひとり暮らしの場合、もし自宅で突然倒れても、救急車を呼んでくれる人がいません。
孤独死を回避するためにも、安否確認サービスや見守りサービスを契約して不測の事態に備えましょう。

地域で人のつながりを作っておくのも大切です。
自治体が運営している地域のコミュニティや、趣味のサークルなどに顔を出しましょう。
いざという時に「今日はあの人来ていないね、どうしたんだろう?」と安否確認をしてくれます。
また、役所に自分がひとり暮らしであることを伝えておくと、より安心です。

任意後見人制度を利用する

もし認知症などで判断能力がなくなってしまったら、どうなるのでしょうか。
「任意後見人制度」は、認知症などで自己判断ができなくなった時、後見人に以下のような作業を代行してもらう制度です。

  • 財産管理
  • 介護・福祉サービスの手配
  • 税金の納付手続き

後見人は、親しい友人・司法書士・法人など信頼できる人なら誰でも指名することができます。
自分に判断能力があるうちに決めておきましょう。

死後事務委託契約を利用する

人が亡くなると、さまざまな手続きが必要になります。
通常は家族がそれらの事務手続きを行います。
しかし家族がいない場合、生前から第三者に頼んでおきましょう。
これが「死後事務委託契約」です。
代行人は、信頼できる友人・知人のほか、弁護士や司法書士・行政書士などの法律の専門家にも依頼することができます。

遺言書の作成

故人の相続財産は、遺言書がない限り、法定相続人か、生前親しい関係にあった特別縁故者にしか相続できません。
身寄りのないひとり暮らしの場合、家庭裁判所で同居していない人は特別縁故者として認められにくいようです。
そのため、特定の人に財産を遺したい場合は必ず遺言書を作成しておきましょう。
遺言書がない場合は、現金・預金だけでなく、土地や不動産、自動車、生命保険などすべての財産が、最終的に国に納められることになります。
もし、生前よくしてくれた人に譲りたい、団体に寄付したいという希望がある場合は遺言書を作っておきましょう。

終活はいつ始めればいいの?

終活はいつ始めればいいの?

終活は、いつ始めるものという決まりはありません。
また、始めるべき年齢も決まっていません。
ただ、終活はやるべきことがたくさんあるため、早いうちに始めるのがおすすめです。
実際に、30代、40代から始めている人もいるようです。

終活は死後のための準備ではありますが、同時に残りの人生をより良くするためのものでもあります。
いつまでにやらなければいけないという決まりはありませんが、逆に考えれば、いつ始められるか分からなくなりがちです。
残りの人生を無駄なく豊かに過ごしたいなら、元気なうちに始めるのが良いでしょう。

まとめ

老後の人生をよりよく生きるために行うのが終活

老後の人生をよりよく生きるために行うのが終活です。
これからの人生を不安なく有意義に過ごすため、しっかりとした計画を立てましょう。
終活は、片付け一つとっても時間がかかります。
セカンドライフを充実させるために、今から終活を始めてみませんか。

この記事の監修をしたゴミ屋敷の専門家

氏名:新家 喜夫

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長。