遺品整理で、タンスから着物が出てきたら、どうしますか?
着物が好きで、普段から着る人ならよいですが、そうでない人には「どうしよう・・・」と困るものの一つではないでしょうか。
母や祖母が気に入って着ていたものを簡単に処分してしまうのは、何となく罪悪感を感じるものです。
また、着たくても、昔のものはサイズが合わない場合も多いようです。
さらに、収納に場所を取ること、手入れが大変であることも、自分で引き取るには躊躇してしまうところですね。
そこで今回は、不要な着物を有効活用する方法について見ていきましょう。
目次
売る
まずは、不要な着物を売る方法から見ていきましょう。
ネットオークション、フリマアプリ
着物を売るには、ネットオークションやフリマアプリなどを利用する方法があります。
着物は、そのまま着るだけではなく、手芸用の素材として使う人もいます。
古い着物には、現在では作っていないような、柄ゆきや色のものがあるため、需要が高いのです。
出品方法は簡単で、スマホなどで写真を撮り、価格をつけ、その着物に関する情報と一緒にアップするだけです。
その着物の価値をわかってくれる人の目に留まれば、高額で売れる可能性があります。
最近では、和装に興味のある外国人が購入することも多いようです。
帯留めや和装用のバッグ、ショールや草履などの小物と組み合わせて写真を撮ったり、セットで売ったりするとよいでしょう。
出品する際は、着物の状態がよくわかるような写真を掲載し、着物のサイズなど買う側が知りたい情報を掲載しましょう。
また、汚れやシミなどの情報を隠すのはNGです。トラブルを回避するため、写真や文章で細かく説明しておきましょう。
簡単に出品できて便利なオークションやフリマアプリですが、必ず売れるわけではなく、また売れるまでに時間がかかる可能性もあります。
自分で梱包や発送をする手間もかかるので、処分を急いでいる人にはあまりお勧めできません。
フリマで売る
公園などで開かれるフリーマーケットで売る方法もあります。
フリマでは。自分が売りたいと思う価格をつけて売ることができます。
値切るお客さまとの会話や交流を楽しむのもいいでしょう。
ただし、売り上げにかかわらず、出店料が必要になります。
また、商品は自分で会場に持って行き、陳列しなくてはなりません。
その際に使う車のガソリン代や駐車場代、商品を陳列するためのディスプレイ用品も必要です。
リサイクルショップに売る
リサイクルショップは持ち込みが基本ですが、最近は出張や宅配での買い取りサービスを行うお店も増えてきました。
自宅まで来てくれるリサイクルショップであれば、着物が入っていたタンスなど大型家具なども一緒に査定してもらうとよいでしょう。
特に遺品整理の場合は、古い着物のほかにもたくさんの不用品が出てきます。
着物と一緒に不要なものを引き取ってもらえば、一度にスッキリ片付きます。
ただし、必ずしも着物に関する専門知識を持っているとは限らないこと、全てを引き取ってはもらえない場合もあるので注意が必要です。
着物専門の買い取り業者に売る
近年、さまざまなジャンルの専門業者が増えていますが、もちろん着物専門の買い取り業者もあります。
遺品整理で出た着物を少しでもお金に換えたい場合は、専門店に相談してみましょう。
着物の価値は素人にはわかりにくいものですが、専門家が査定するので、格の高い着物や有名作家の着物、人気のある柄など、着物の価値をきちんと査定してもらえます。
1点1点、丁寧に査定してもらえ、査定額に納得がいかない場合は売却しない選択もできます。
キャンセル料や査定料が無料な業者もあるので、気軽に相談してみましょう。
遺品整理業者に依頼する
近年、遺品整理業者でも不用品の買い取りに力を入れています。
最近では、必要な資格や知識を持つスタッフが在籍する業者や、専門業者と提携している会社も増えています。
着物以外のさまざまな不用品も査定してもらえるので、買い取ってもらえれば結果的に遺品整理の費用が抑えられます。
また、僧侶に読経してもらったあとに適正に処分してくれる「お焚き上げ」を代行してくれるところもあります。
ただ捨ててしまうのが心苦しい人は、相談してみましょう。
さらに、遺品の片付けもできて、自分で不用品を運び出したり処分したりする必要がありません。
一気に全てを片付けたい場合や、遺品整理に時間をかけられない場合は、遺品整理業者に相談してみるとよいでしょう。
着物を売る際のチェックポイントは?
着物の価値を下げないために、事前に3つのポイントをチェックしておきましょう。
変質していないか
着物の保管には、多くの場合、防虫剤を使用しています。
防虫剤の薬品の種類によっては、変色や変質してしまっている恐れがあります。
着物を広げて、カビや変色がないか確認しましょう。
また、臭いを抜くため、一度陰干ししましょう。
着物の証紙はあるか
着物の証紙とは、着物の産地や種類などが書かれた、着物そのものの価値を表す証明書です。
伝統工芸品の組合などが発行しているもので、この証紙がその着物の価値の証明になります。
証紙があれば、品物によっては高額で買い取ってもらえます。
証紙は捨てないようにしましょう。
小物があるか
着物本体だけでなく、腰ひもや巾着など、小物もまとめておきましょう。
業者は小物も一緒に買い取ってくれる場合が多いようです。
また、かんざしや帯留めなどの装飾品には貴金属が使われていることもあります。
処分せずにまとめて査定に出すのが得策です。
リメイクする
自分では着ないけれど、母や祖母の思い出の着物を手放したくない、手放すのに罪悪感がある・・・そんな人は、着物をリメイクしてみてはいかがでしょうか。
手元に置けるくらいのサイズにリメイクできれば、精神的な負担を軽減できます。
着物は洋服と違ってパーツが少なく、布地の面積が広いのでリメイクしやすい素材です。
また、着物は生地の質が高いものが多く、現代にはない柄やデザインも相まって個性的に生まれ変わります。
代表的な着物の種類と、リメイクできるものをご紹介します。
黒留袖
裾に華やかな柄がある着物なので、シンプルなシルエットのワンピースやドレスに向いています。
振袖
若い世代に受け継いだり、柄によっては袖をカットすることで訪問着として着ることができます。
また、ワンピースタイプのドレスに作り変えれば、華やかな装いに変身します。
訪問着
柔らかい素材なので、体に優しくフィットするブラウスやワンピースにリメイクできます。
また、ハンドバックや日傘、マフラーにも向いています。
紬
紬の素材は、絹、木綿、麻などがあります。浴衣にも使われている涼しげな素材なので、夏用のワンピースやシャツなどに。
また、浴衣に合わせる巾着などを作ってもおしゃれです。
綿の紬は水に強いので、汚れたら家で洗濯できるのも嬉しいところです。
羽織
着物用なら和服用コートや帯、洋装ならシャツ、スカート、ジャケットなどにリメイクできます。
大きめのポーチや袱紗などの小物類に作り変えてもよいでしょう。
帯
生地が硬めなので、バッグやポーチ、カードケースなどに向いています。
また、長さを生かしてテーブルセンターやタペストリー、ペットを飼っている人は、犬用のリードなどにも。
着物のはぎれ
リメイク後のはぎれも活用できます。
大きめのはぎれなら、ランチョンマットやお弁当用バッグ、クッションカバーなど。
それほど大きくないものならペンケース、スマホケース、ブックカバーなどが作れます。
パッチワーク用のパーツにしてもいいですね。
また、テディベアなど和風のぬいぐるみを作ったり、ヘアバンドやシュシュなどアクセサリーにも向いています。
寄付する
リメイクが苦手な人は、リサイクル団体に寄附するという方法もあります。
寄附した着物は、着物が好きな人に着てもらうことができます。
団体によっては、着物の寄付によりポリオ・ワクチンなどへの募金活動も行えます。
また、地域で活動しているボランティア団体に寄付することもできます。
寄付した着物は、地区センターなどで催される手芸講習会で材料として使われたり、NPO法人と提携してリサイクルしたり、海外への支援活動に使われたりと、社会に貢献することができます。
まとめ
どのような方法を取る場合でも、着物はずっとタンスにしまっていると虫食いやシミなどができてしまいます。
ときどき着物ハンガーにかけて風を通しましょう。
着物は、女性の思いがこもるものです。供養の思いを込め、なるべくきれいな状態にしておきたいですね。