遺品の服を寄付して、誰かの役に立てたい

遺品の服を寄付して、誰かの役に立てたい

遺品整理で多く出る処分品に洋服があります。
特に大きなものではありませんが、量が多く、また重量もあるので処分が大変なもののひとつです。

中には、まだ十分着られるものもあるのではないでしょうか。日本の製品は、布地も縫製もしっかりしているので、海外で喜ばれるそうです。

被災地や途上国など、衣服を必要としている人に届けるNGO団体などに寄付をすると、故人の遺品が社会貢献になると同時に遺品の整理もできます。

今回は、洋服の寄付について、見ていきましょう。

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衣類を寄付する際に注意したいポイント

古着 遺品 寄付

着なくなったり、不要になったりしたものとはいえ、どんな状態のものでも寄付していいわけではありません。衣類を寄付する際の注意事項を紹介します。

 クリーニング、洗濯済みのものを送る

寄付した衣類は、それを受け取った人が身につけるものです。寄付とは、決して「捨てる」ことではありません。
衣類を自治体のごみに出すとき、洗濯済みのものを出すというルールがあります。これは、多くの自治体で集めた衣類を必要なところに送っているからです。

もし自分が着るなら・・・と考え、気持ちよく再利用できるよう、清潔なものを寄付しましょう。

 シミ・虫食い、伸び・縮み、色落ち、破れなどがある衣類は送らない

とても着られないような古びた衣類を寄付するのはナシです。
寄付とは善意の気持ちです。相手に喜んでもらえるような品を贈ってこそ、故人にも喜んでもらえるのではないでしょうか。

 寄付先が求めているものを送る

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寄付先によっては、個人の名入りものや、企業や学校の制服や作業着は受け付けていない場合があります。事前に確認しましょう。

 故人が遺言書を遺しているかどうか確認しておく

衣類の中にも高価なもの、価値のあるものがあります。確認なしで処分してしまうと、相続トラブルに発展する可能性があります。

また、遺言書などに「どの品物を誰に渡したい」と、遺品整理に関することが書かれている可能性もあります。
故人の意思をきちんと汲み取るため、遺言書やエンディングノートが残されていないか、十分確認をしましょう。
その上で、指定されていないものを送ります。

衣類の寄付先一覧

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では、衣類の寄付を受け付けている団体をご紹介します。

NPO法人 セカンドライフ

活動内容

まだ使えるけれど、処分しないといけなくなったものを、寄付として引き取り、リユース・リサイクルしています。また、引き取り料金の一部を、ワクチン募金として発展途上国の子供達に寄付しています。

寄付可能な品目

普段着、フォーマルウェア、作業着、子供服、マタニティ、タオル、毛布、バッグ・靴など服飾雑貨、ランドセル、和服・和装小物、ぬいぐるみ・人形など

回収方法・手数料

120サイズまで・・・1980円
160サイズまで・・・2480円
箱に寄付したいものを詰めて送ります。申し込み1箱につき、1件のワクチン募金を行っています。
郵送のほか、指定日に自宅まで引き取りに来てもらえます。

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国際社会支援推進会 ワールドギフト

遺品 服 寄付

活動内容

寄付された衣類は、発展途上国の団体と協力し、貧困地域や災害地域、学校や孤児施設、病院、自治体、社会福祉施設や災害支援ボランティア団体などへの物資として再利用しています。また、一部は国内の保育所、障害児施設、学校、動物保護施設などへも寄付しています。

寄付可能な品目

古着類、洋服、子供服、ベビー服、帽子、ベルト、赤ちゃんの抱っこベルト、子供靴、ぬいぐるみ、人形など
人形やぬいぐるみは、協力神社にて供養をした後、海外へ送られます。

回収方法・手数料

120サイズ以下かつ30kg以下・・・2400円(供養をする場合は3900円)
140サイズ以下かつ30kg以下・・・2900円(供養をする場合は4400円)
ゆうちょ銀行にて手数料を振り込みます。荷物は指定の時間帯に宅配業車が集配に来てくれます。

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古着deワクチン

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活動内容

不要な衣類やバッグ・靴・服飾雑貨を開発途上国でリサイクルします。また、あわせて1口につき5人分のポリオワクチンを届けることで子ども達の命を救うサービスです。

また、回収キットの封入作業は、東京都国立市にある福祉作業所「天成舎」の利用者がしているため、障がい者雇用にも貢献しています。

寄付可能な品目

衣類全般、バッグ、靴、マフラー・ハンカチ・手袋・帽子・アクセサリーなどの服飾雑貨、スタイなど。

回収方法・手数料

古着deワクチンのサイトから「古着deワクチン」(3240円)を申し込むと、専用回収キットが送られて来ます。
不要になった衣類を専用回収キットに詰め、指定宅配業者に集荷してもらいます。

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公益財団法人 民際センター Brand Pledge

活動内容

ブランド品買取サービス「ブランディア」と寄付プラットフォームサービス「Syncable」の運営する買取寄付サービスです。

国際協力、動物保護、自然保護、女性支援など、さまざまな活動を行う団体を選んで寄付することもできます。

 寄付可能な品目

ヴィトン、シャネル、エルメスなどの一流ブランドはじめ、カジュアルなブランドまで7000以上のブランド品を取り扱っています。

回収方法・手数料

寄付の申し込みをすると、ダンボールが送られてくるので、寄付したい衣類を詰めて返送します。
ブランディアからの査定結果を見て、査定金額を設定し、寄付します。

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 フクサポ

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活動内容

株式会社KurokawaとNPO法人テラ・ルネッサンスの共同プロジェクト。
衣料・服飾雑貨などをフクサポへ送ると、テラ・ルネッサンスへの寄付金になります。

テラ・ルネッサンスは、「地雷」「小型武器」「子ども兵」の3つの社会問題に向き合っているNPOです。衣類1箱で、1平方メートルの地雷や不発弾の除去、元子ども兵社会復帰支援センターでの給食2食分に利用されます。

こういった問題に関心がある人は、利用するとよいでしょう。

寄付可能な品目

衣類全般、子供服・スーツ、靴・カバン・アクセサリー・帽子など服飾雑貨。靴下・下着・タオルは新品のみ受付可能です。
制服や体操服、企業名の入っている作業着、ぬいぐるみやカーテン・布団などの着用できない布類は受付不可です。

回収方法・手数料

インターネットから申し込むと、指定した集荷日に取りに来てもらえます。着払いなので、送料は無料です。
ただし、個人的な寄付金がいくらになったかなどの連絡はありません。

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洋服ポスト(洋服ポストネットワーク協議会)

 活動内容

集まった衣類を海外の古着マーケットで販売し、リユースします。
また、集まった衣類の重量に応じて、環境保全や社会貢献などの活動をしている団体に支援金を寄付します。

 寄付可能な品目

着用可能な洋服、和服、下着、水着、靴・バッグ・ベルト・ネクタイ・スカーフなど服飾雑貨、毛布・シーツ・タオル、ぬいぐるみなど。

 回収方法・手数料

ビニール袋に詰めた衣類を、各地に開設される「洋服ポスト」に入れるだけ。
また「洋服ポストダイレクト」として、事務局に直接送ることもできます。その場合の送料は自己負担となります。

※ホームページはこちら

 NPO法人もったいないジャパン

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活動内容

「もったいない」の心を活動の軸とし、まだ食べられるのに廃棄される食品や、使用できる日用品などを広く集め、それを必要としている国内外の福祉団体や個人等に寄贈しています。また「もったいない精神」の普及にも努めています。

寄付できる品目

洋服全般、子供服、ベビー服、登山用衣類、ウェディングドレス、スキーウェア、和服、靴など。
また、食料品や介護用品、家電など、幅広い物資を募っています。

回収方法・手数料

直接、事務局に荷物を送ればOK。送料は自己負担となります。事前連絡は不要です。
また、クレジットカードによるお金の寄付や、Amazonの「もったいないジャパン ほしいものリスト」にある物資を購入し、事務局に送る形での寄付も可能です。

※ホームページはこちら

いかがでしたか。
近年は、従来のように衣類をダンボールに詰めて送るという方法だけではなく、寄付の仕方も多様化しています。
その分、寄付という行為のハードルは低くなっているのではないでしょうか。

自分に合った方法・タイミングで、社会貢献できるといいですね。元の持ち主である故人も、きっと喜んでくれることでしょう。

この記事の監修をしたゴミ屋敷の専門家

氏名:新家 喜夫

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長。