遺品整理では、様々な家電が出ます。
不要なものは処分することになりますが、家電はどのように処分すればよいかご存知でしょうか?
今回は、不要となった家電の処分に関する用語をまとめます。
不要になった家電をごみ収集に出す
小型の家電
小型の家電は、自治体のごみ収集に出すことができます。
アイロンやICレコーダー、小型の音楽プレイヤー、電動歯ブラシなどは自治体のルールに従って出しましょう。
自治体によっては、小型家電ボックスを置き、そこに出せるようになっているところもあります。
ただし大きさの制限がありますので、必ず確認してください。。
大型の家電
掃除機やステレオセットなど大型のものは、粗大ごみとして出します。
粗大ごみは、ほとんどの自治体で有料・事前申し込み制となっています。まずは電話やインターネットで申し込みましょう。
居住地域のごみ処理券を購入して貼り、指定の日・時間に指定場所へ出します。
自治体のごみ収集に出せない家電の処分
家電製品のうち、エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は、「家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)」に基づいてメーカーが回収しなくてはならないことが法律で決められており、自治体のごみ収集に出すことができません。
家電リサイクル法とは?
廃家電の減量とリサイクルを促進するため、一般家庭や事業所から出される特定の家電製品にリサイクル料金を払うことを義務づけた法律です。
正式な名称は「特定家庭用機器再商品化法」といい、1998年6月に制定・2001年4月に完全施行されました。
特定の家電について、小売業者には「排出者からの引き取りと製造業者への引き渡し」、製造業者には「引き取りとリサイクル(再商品化)」、消費者には「廃棄品の適切な引き渡しと料金の支払い」が義務づけられています。
なぜ、家電リサイクル法が必要なの?
ごみを減らし、資源を有効に使うため
以前は、廃棄物は自治体が処分を行っていました。家電製品には有用な資源が多く含まれていますが、自治体では適正なリサイクルが困難なために、せっかくの有効な資源の大部分が埋め立てられている状況にありました。
そこで、廃棄物の減量と資源の有効利用の観点から、廃棄物のリサイクルを促進するためにこの法律が制定されたのです。
不法な業者対策
家電製品には適正な処理が必要にも関わらず、不適正な処理や管理、また不法投棄をする無許可の業者があとを絶ちません。
無許可の廃棄物回収業者によって回収された廃家電や粗大ごみが、不法投棄された事例が数多く報告されています。
こういった廃棄物は環境対策を行わずに廃棄されるため、破壊されたり自然に壊れることでフロンガスや鉛などの有害物質を放出し、環境に悪影響を与えます。
また、廃家電は電池やプラスチックを含む場合もあるため、発火の危険性があり、不適正な管理による火災が発生しています。
家電リサイクル法は、こういった事態を改善するためにも必要な法律なのです。
家電4品目とは?
家電リサイクル法に従って処分しなくてはならない家電製品を「家電4品目」と呼びます。
家電リサイクル法の対象となるのは、家庭用として製造・販売され、通常、家庭で使用されている機器です。業務用として製造・販売されている機器は、家庭で使用されていても対象外となります。
逆に、家庭用機器を業務に使用していたものは家電リサイクル法の対象となります。
エアコン
- 壁掛け形(セパレート形、ガスヒーターエアコン、ハイブリッドエアコン)
- ウィンド型
- 床置き形(セパレート形、ハイブリッドエアコン)
- マルチエアコン
など。
また、電池を除いたワイヤレスリモコン、室外機、取り付け金具、取り付け部材、工事部材も対象となります。
テレビ
電源として家庭の電源を使うテレビが対象です。
携帯用テレビ、車載用液晶テレビなど、電源として一次電池や乾電池を使うものは対象外となります。
- ブラウン管式
- ブラウン管式VTR内臓テレビ
- 液晶・プラズマ式テレビ
- チューナー分離式テレビ
など。
また、電池を除いたワイヤレスリモコン、着脱式付属専用スピーカーも対象です。
冷蔵庫・冷凍庫
- 冷蔵庫
- 冷凍冷蔵庫
- チェスト形、アップライト形、引き出し形などの冷凍庫
- 保冷庫・保温庫(冷却や制御に電気をするものに限ります。ガス併用は可です)
- 冷媒にアンモニアを使用する吸収式冷蔵庫
- ベルチェ素子方式冷蔵庫(電子冷蔵庫)
また、製氷皿や野菜かごなどの付属品も同時に引き取ってもらえます。
洗濯機・衣類乾燥機
- 全自動洗濯機
- 二槽式洗濯機
- 洗濯乾燥機
- 電気衣類乾燥機(ドラム式)
- ガス衣類乾燥機
また、洗濯かごなど、商品同梱の付属品も同時に引き取ってもらえます。
家電リサイクル券とは?
家電4品目を法律に従って処分する際に必要となるのが」家電リサイクル券」です。家電リサイクル券には2つの役割があります。
リサイクルの証明
家電リサイクル法に基づいた正しい方法でリサイクルを行ったことを証明します。
廃棄物の引き取り状況の確認
家電リサイクル券には、13桁の問い合わせ管理票番号が記載されています。
この番号によって、自分が出した廃棄物が適正にリサイクルされたかどうかチェックすることができます。
家電4品目の処分方法
家電リサイクル法で定められた家電4品目の処分方法を知っておきましょう。
お店に引き取ってもらう
買い替えをする場合は、新しい製品を買うお店で引き取ってもらえる場合がほとんどです。新しい製品を買う際に、お店に依頼します。
買い替えをせず処分する場合は、購入したお店に相談しましょう。
購入したお店がわからない場合は、最寄りの小売店で相談してみましょう。いずれもリサイクル料金と収集運搬料金が必要です。
引き取りを依頼すると、指定の日時にお店のスタッフが訪問し、引き取ってもらえます。
回収時または、申し込みの際に「家電リサイクル券」に必要事項を記入します。
この券は引き取り店が発行し、引き取り時に控えを渡されますので、保管しておきましょう。
指定引き取り場所へ持っていく
まず、家電4品目の指定引き取り場所を確認しましょう。
指定引き取り場所は「一般財団法人 家電製品協会」のホームページで調べることができます。営業日や受付時間も確認しておきましょう。
次に、リサイクル料金を振り込みます。
振り込みはゆうちょ銀行のみです。最寄りの郵便局でリサイクル料金を振り込み、「家電リサイクル券」、「郵便振替払込受付証明書」、「払込金受領証」を受け取ります。
受け取った「家電リサイクル券」に「郵便振替払込受付証明書」を添付し、対象機器の右側面上部に貼り付けて、指定引取場所に搬入しましょう。
自治体に依頼する
自治体によりますが、リサイクル共同組合や家電リサイクル協力店を定めている場合があります。
たとえば、東京23区では東京二十三区家電リサイクル事業協同組合による「家電リサイクル受付センター」、横浜市では横浜家電リサイクル推進協議会が対象家電を収集したり、家電リサイクル協力店を定めたりといった取り組みを行っています。
居住自治体に問い合わせてみましょう。
自治体を利用する場合は、収集時に現金を渡し、引き換えに家電リサイクル券を受け取ることが出来ます。
リサイクル前のチェック事項
料金
リサイクル料金は、品目とメーカーによって異なります。処分の前に、まず料金を確認しておきましょう。
取り外しなどについて
家電リサイクル券システムでは、処理する場所までの運搬も含まれていますが、家電を取り外したり、家の外まで持っていったりする「運搬」は含まれていません。
つまり、壁に取り付けられているエアコンを外したり、重い冷蔵庫の移動などは、自分でするか、業者に依頼しなくてはならないわけです。
廃棄家電が、自分で取り外したり運んだりできない場合は、前もって相談して置くことが大切です。
廃棄品の中にあるものを出しておく
どの製品に関しても、もともと付属するものは引き取ってもらえますが、それ以外の異物は対象外です。
特に冷蔵庫や冷凍庫に生ごみや缶、びん、商品に付属しない容器などが入っている場合があります。
これらの異物は収集前に必ず取り出しておきましょう。
小型家電リサイクル法
使用済み家電のリサイクルは、「家電リサイクル法」に定められた4品目を中心に進められてきました。
これらに続き、平成25年4月より、新たに「小型家電リサイクル法」が始まりました。「小型家電リサイクル法」は、パソコン、携帯電話、デジタルカメラ、ゲーム機、時計、炊飯器、電子レンジなど、これまでの法律で対象外だったほぼすべての家電を対象として、リサイクルを進めていくための法律です。
小型家電には、鉄やアルミ、金・銀・銅、レアメタルなど有用な金属がたくさん含まれています。リサイクルが可能な貴重な資源です。
日本で、1年間に使用済みとなる小型家電は、なんと65万トンにものぼります。そして、そのうち、リサイクル可能な金属は28万トンあり、金額にすると約844億円にもなるのです。
この、いま日本にある小型家電に含まれる有用金属で、世界の年間消費量の複数年分をまかなえるとも言われています。
貴重な資源をもっと有効に活用するために「小型家電リサイクル法」が制定されました。
小型家電の回収方法は?
ボックス回収
公共施設や、家電量販店をはじめとした小売店などに回収ボックスを設置して回収する
ステーション回収
ごみ回収場所で、資源の回収と合わせて回収する
イベント回収
イベントなどを開催した際、その期間に限って回収する
ピックアップ回収
排出された不燃ごみの中から、清掃工場などで選別・回収する
認定事業者が、家電量販店や宅配便を利用して独自に回収を行う
回収の方法は自治体によって異なるので、自治体に確認しましょう。
回収対象品目は?
小型家電リサイクル法の回収対象となる品目は、パソコン、携帯電話、ゲーム機、デジタルカメラ、電子レンジなど約400品目にも及びます。主なものを挙げると、
- パソコン本体…ノート、デスクトップ、タブレット
- パソコン周辺機器…プリンタ、スキャナ、モニタなど
- 携帯電話…携帯電話、スマホ、PHS
- 通信機器…電話機、ファクスなど
- カメラ…デジタルカメラ、フィルムカメラ、ビデオカメラなど
- ゲーム機…ゲーム機本体、コントローラーなど周辺機器
- 音響楽器…オーディオプレイヤー・レコーダー、ステレオ、スピーカー、アンプ、ラジオ、ICレコーダーなど
- 映像機器…HDD、DVD、BD、ビデオなどのプレーヤー・レコーダー、衛星放送用アンテナ、チューナーなど
- キッチン用家電…電子レンジ、炊飯器、コーヒーメーカー、トースター、ホットプレートなど
- 生活家電…掃除機、加湿器・除湿機、扇風機、電気ストーブ、アイロン、ヘアドライヤー、電動歯ブラシ、電気カミソリ、電気カーペット、家庭用ミシンなど
- カー用品…カーナビ、カーステレオおよび周辺機器
- その他…時計、電卓、電動工具、換気扇、電子辞書など
小型家電リサイクル法では、どの品目について回収を実施するか、また、どのように使用済みの小型家電を回収するかは地域によって異なります。
まずは居住自治体に問い合わせましょう。
回収できない品目は?
家電リサイクル法で定められた家電4品目(テレビ、エアコン、冷蔵・冷凍庫、洗濯・乾燥機)は回収できません。
そのほかには、有害物質を含む蛍光管、フロンガス式除湿機、乾電池、充電池、石油ストーブ、木製の材質が多く使われる大型スピーカー、こたつなどは回収できない場合がほとんどです。
家電4品目以外は地域によって異なりますので、自治体に確認しましょう。