終活について相談したい時は、専門機関を頼ろう

終活について相談したい時は、専門機関を頼ろう

今後の人生を考えて「よし、終活をしよう!」と一念発起する人が増えているようです。 でも、よく考えたら、終活って何をすればよいのでしょうか。 また、何から始めるべきなのでしょうか。 終活したい気持ちはあっても、いざとなると困ってしまう人も多いかもしれません。 そんなとき、誰かに相談できたらいいですよね。 今回は、終活についてサポートしてもらえる専門家や専門機関について見ていきましょう。

終活とは?

終活の相談

「終活」とは、いつか来る人生の終わりに備えて行う活動のことです。 少子高齢化、生涯未婚率の増加などの社会状況を背景にして関心が高まり、近年、広く認知されるようになりました。 昔は「生きているうちから死ぬことを考えるのは縁起が悪い」という風潮が強く、自分の最期について考え、何かしようという人は多くありませんでした。 これには、昔は結婚率が高く、核家族が少なく、兄弟が多いのも珍しいことではなかったため、親に何かあっても兄弟が負担を分担できたり、家族で処理することができたからです。 もちろん、死後についても、葬儀を行ったりお墓を建てたりすることも、遺族が行ってくれることが普通でした。 そのため、死後のために特別何かを考えたり、終活を行ったりすることもなかったのです。 しかし、少子高齢化が進み、一人暮らしの高齢者も増えている現代では、自分の最期を自分で考える必要性が高まってきました。 残された家族に負担をかけないよう、自分自身で前もって備えておこうと考える人が増えたのです。 終活では、遺産相続、葬儀やお墓、介護についてなど、自分の希望を生前に整理し、準備しておきます。 主な活動内容は、生前整理、遺言書の作成、エンディングノートの作成をはじめとしてさまざまあり、何を行うかは人によって異なります。 このような活動を行うことによって、物だけでなく心の整理をすることもできます。 そのため、終活は、死後の準備という意味のみならず、残された時間をより充実して生きるという積極的な意味へ広がっています。

終活を始めたいけれど・・・困った時は?

終活をしたいけれど、何から始めればいいのか分からない・・・そんな時、終活に関する相談ができたら助かりますよね。 終活に関する相談は、葬儀社、弁護士事務所、遺品整理業者などをはじめ、さまざまな窓口があります。 気になっていることがあれば、その道のプロに相談しましょう。

終活カウンセラー

何から始めればいいのか分からない人や、終活でどんなことを行えばいいのか分からない人、誰に何を相談すればいいのか分からない人は、まず終活カウンセラーに相談してみましょう。 終活カウンセラーとは、一般社団法人終活カウンセラー協会が認定している資格で、終活に関する悩みや疑問、問題を一緒に解決していくことを目的としたものです。 終活に困っている人の話を「カウンセラー」としてじっくり聞き、終活に関する悩みがどの分野のものなのか、そして、どの専門家が必要なのかを見極めます。 終活カウンセラーは、終活に必要な幅広い知識を持ち、相談者の悩みがどの分野に当てはまるか的確に答えることができます。 相談者の話を聞いた上で、その人に合ったアドバイスをしてくれる終活カウンセラーは、終活の入り口のような存在です。 これから終活を始めようと思っている人、自分にどんな活動が必要か分からない人は、相談してみましょう。

終活イベント/終活セミナー

終活に関する様々な情報を知りたいなら「終活イベント」に参加してみ流のもよいでしょう。 主催者は、終活カウンセラー協会や葬儀社などさまざまですが、ほとんどが参加無料で行われています。 会場には、葬儀、供養、介護、保険など幅広い分野のブースが出展されており、多方面から終活を捉え、考えることができます。 そのほか、終活に関するさまざまなセミナーや、専門家や著名人による講演なども行われています。 最近は、コロナ禍で大規模なイベントはできなくなっていますが、人数限定の予約制セミナーや、オンラインでのセミナーも行われています。 終活に興味はあるけど、具体的なイメージがわかないという人は、このようなイベントに参加してみるとよいでしょう。

葬儀社

葬儀社に終活の相談

葬儀社でも、終活に関する相談をすることができます。 終活に関するセミナーやイベントを開催している他、個別の相談にも乗ってもらえます。 葬儀社によって内容は異なりますが、葬儀に関することはもちろん、相続、生前整理、永代供養、遺言書作成など、さまざまな疑問に答えてくれます。 特に葬儀関連に強いので、お葬式に関してきちんと準備しておきたい人におすすめです。

士業

弁護士、司法書士、会計士など、いわゆる「士業」の専門家でも、サービスの一環として終活に関する相談を行っているところが増えています。 最初の終活相談は無料で受け、遺言書の作成など具体的な業務が発生した際に費用がかかるところや、個別相談1時間につきいくらというように、相談段階から費用が発生するところなど、費用体系は様々です。 実際の業務は、ライフプラン作成、遺産分割協議書作成、公正証書遺言の作成支援、任意後見契約作成支援、死後事務委任契約作成など、専門家によって異ります。 任意後見契約書など公正証書で作成する必要がある書類に関してや、遺言書に関しての相談は、法律に明るい士業の専門家に相談すると安心です。

日本郵便

就活の準備

意外ですが、日本郵便では、暮らしのサービスの一つとして「終活サービス紹介」を行っています。 この終活紹介サービスでは、一人ひとりの異なる悩みに応じて、相談者自身や家族へ終活支援を行っている事業者を紹介してもらえます。 項目は、遺品整理、生前整理、自分史作成、お別れ会、メモリアルスナップ出張撮影、お墓選び、遺言書作成、思い出整理など多岐にわたります。 フリーダイヤルで相談できる他、ウェブにも相談窓口を設けています。

法人などによるマッチングサービス

高齢者に関する法人などが、個々の悩みに応じ、専門家を通じてサポートするマッチングサービスを行っています。 主な相談内容は、成年後見制度、身元保証制度、遺言・相続対策、事業継承・税務対策、葬儀・墓地準備、マイホームの活用、施設・住まい選び、生活支援など。 相談内容に応じ、医療、介護、士業、教育、民間企業など各プロフェッショナルが、永年にわたって追求してきた知識と経験を活用し、高齢者の悩みに寄り添いサポートします。

終活専門業者

葬儀会社などが別プロジェクトとして、ライフエンディングプロデュースと銘打ち、終活の相談や、高齢者の生活相談などを行っています。 利用するには会員になることが必要ですが、入会金や月会費などは無料です。 相談内容は、終活、資産の処分や運用について、家業の継続や売却、相続問題、葬儀やお墓など。 相談内容により得意な弁護士・司法書士を紹介してもらえます。 また、相談は、電話だけでなく、内容によっては自宅まで訪問してくれます。

遺品整理業者

遺品整理業者でも、終活に関する相談を行っています。 遺品整理業者の場合、もちろん遺品整理や生前整理に強いのはもちろんですが、その他の相談もすることができます。 遺品整理業者は、豊富な経験から、人が亡くなったあとに何が必要なのか、どのようなものに価値があるか、どんなものを残すべきなのか熟知しています。 そのため、終活を行う際に、このような経験を踏まえてアドバイスしてもらうことができます。 多くの遺品整理業者は、遺品整理の際に出た不用品でまだ使えるものがあれば買い取ってくれます。 そのため、生前整理をする際にも、どのようなものを処分して、どのようなものを残しておくべきなのかを的確にアドバイスします。 また、生前整理のサポートとして、エンディングノートを配布したり、書き方のサポートをしてくれる業者もあります。 特に、死後に遺品整理を依頼することを考えているのなら、事前に相談しておくのがおすすめです。

まとめ

終活の相談は専門業者に

終活の内容は、これをしなければならない、あれをするべき、と決まっているわけではありません。 その人の生活環境や、家族・親族との人間関係などによって違ってきます。 残りの人生を生き生きと自分らしく暮らしていくためには、自分にとって本当に必要なことを理解し、柔軟に対応していくことが大切です。 ひとりで悩まずに、専門家に相談して、よりよい終活を行いましょう。

この記事の監修をしたゴミ屋敷の専門家

氏名:新家 喜夫

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長。