生前準備

エンディングノートと遺言書の違いを正しく知って、スムーズな終活を

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「終活」を始める人が増えているようです。
終活の内容は、ものの片付けをはじめ、財産の整理、お墓や葬儀の手配、遺言書の作成、施設や入院時に関して決めるなど、多岐にわたります。
そこで、終活を行うため欠かせないのが「エンディングノート」です。
エンディングノートには、財産に関して整理したメモを書くのもOKですが、これがあれば遺言書は必要ないのでしょうか?
また、遺言書とは、どのような違いがあるのでしょうか。
今回は、遺言書とエンディングノートの違いについて見ていきましょう。

エンディングノート

 

終活とは?

近年、広く社会に浸透してきた「終活」ですが、具体的にどんなことを行うのでしょうか。
まずは、終活について、おさらいしておきましょう。

終活が広がった背景とは?

終活が社会に知られるようになったのは、2000年代初頭です。
終活に関する書籍の出版から始まり、映画の公開、「新語・流行語大賞」にノミネートされたことで、知られるようになりました。
少子高齢化、晩婚化、生涯未婚者の増加、核家族化など社会状況が急速に変わってきたことから、以前とは違った人生の幕引きを多くの人が考えるようになった時期です。
折りしも、当時は「第一次ベビーブーム」(1947年〜1949年)に誕生した「団塊の世代」が定年退職を迎える時期。
人生の最後について真剣に考える人が増えたことが、「終活」が広がるようになった一因と考えられます。

終活の目的とは?

年齢を重ねていけば、どうしても「死」について考える機会も増えるものです。
自分はどのように「死」を迎えたいのか、残された家族にできることは何か。
これらをきちんと計画するためには、自分がいま置かれている状況を客観的に把握することが必要です。
終活を行うことで、余生を通してできること・できないことを整理します。
また、断捨離をすることで身軽になり、死後に家族にできるだけ負担をかけないようにします。
こうして、死への準備をするとともに、残りの人生をより有意義なものにするために行うのが終活なのです。

終活のメリットとは?

終活には、いろいろなメリットがあります。
まず、遺産相続のトラブルに関するリスクが低くなることです。
自分が生きているうちに資産の整理をしたり、どう分配するかを決めておくことで、死後にトラブルになることを回避できます。
仲の良かった家族が争いからバラバラになったりしないように、相続についてはきちんと取り決めておきたいものです。

終活をすると、老後の生活を前向きに送れるようになります。
たとえばお葬式やお墓のこと、臓器提供の意思、延命治療についてなどを、今のうちに決めておきます。
自分の意思を家族に伝えておくことで、納得のいく最期を迎えることができます。

このような活動を行うことによって、残された人生は有意義になるでしょう。
不要なものを断捨離した清潔で風通しのいい住まいなら、健康な生活を送流ことができます。
これまでの人生を振り返り、本当にやりたいことをやれるように計画を立てましょう。

終活に必要なアイテムとは?

 

遺言書について考える夫婦

終活を行うにあたり、どんなアイテムが必要なのでしょうか。

遺言書

終活の中で最も重要なのは、遺産相続についてきちんと決めておくことです。
そのためには「遺言書」を作成しておきましょう。
遺言書がない場合、財産の分割は、法律で決められた人が、決められた割合で相続することになります。
もし、特定の資産を特定の人に譲りたい、法定相続人では何人に遺産を分割したいなどの希望があるなら、資産の分配について指定した遺言書が必要です。

エンディングノート

「エンディングノート」とは、死後に関するメモのようなものです。
書く内容は特に決まっておらず、何を書いても、何度書き直してもOKです。
たとえば

自分について

本籍や学歴、職歴、賞罰など、自分の人生について振り返ります。

友人関係について

友人・知人の連絡先などをまとめておきます。
これがあれば、死後に葬儀を行う際、家族が誰に連絡するか迷わずに済みます。

財産について

自分の資産は、どのようなものがどのくらいあるのか書き出しておきます。
クレジットカードなどのデータや、ネットバンキングなど本人以外にはわかりにくい財産の有無、またローンや借金などマイナスの財産の有無も全て書き出します。

病気や介護について

病気の既往歴や常用している薬、かかりつけ医の記録、将来、自分が病気になった時や介護が必要になった場合、どうしてほしいかの希望などを書いておきます。
特に、延命治療についてや臓器提供に関しては、生前に決めておかないと、不本意な結果になってしまうかもしれません。

葬儀・お墓について

死後、どのような規模・宗派・会場で、どんな人に参列してもらいたいか、また、どんなお墓に入りたいかの希望を書いておきます。

メッセージ

残される家族や親しい友人へのメッセージを書いておくのも良いでしょう。
「思い」だけでなく、通帳や印鑑、家や土地の権利書など重要書類の保管場所や、形見として受け取ってほしいものなども書いておきます。

遺言書とエンディングノートの違いとは?

遺言書とエンディングノートの違い

死後に家族に負担をかけないよう作成するという意味では、遺言書もエンディングノートも変わりません。
とはいえ、遺言書とエンディングノートには、異なる点もたくさんあります。
遺言書とエンディングノートの違いについて見ていきましょう。

内容

遺言書は、書ける内容が決まっており、それ以外のことについて書いてあっても、法的効力は持ちません。

遺言書に書ける(法的効力を発する)内容は、次の8つに定められています。

遺産分割方法の指定

 

誰にどの財産を相続させるかを指定できます。

遺産分割の禁止

 

遺言者が亡くなってからすぐに遺産分割を行うと家族がもめそうな場合、相続開始から5年以内の遺産分割を禁止することができます。

遺贈

 

法定相続人以外の人に財産を残すことを指定できます。

相続人の廃除

 

特定の法定相続人を相続人から除くことができます。

内縁の妻とその子の認知

 

認知することにより、隠し子に相続権を与えることができます。

後見人の指定

 

遺言者の死亡によって未成年の子の親権者がいなくなる場合、財産管理などを行うための後見人を指定できます。

祭祀主宰者の指定

 

遺言者の死後、葬式や法事を主催する人を指定できます。

遺言執行者の指定

 

遺産相続によって生じる名義変更などの事務処理を行う権限のある人を指定できます。

これに対し、エンディングノートに書く内容は自由です。
自身の記録のほか、思ったこと、書き留めておきたいことは何でも書くことができます。

書式

遺言書の書式

遺言書は、曖昧さを排除するため、決められた形式で書かなくてはなりません。
言葉の使い方に至るまで厳密に決まっており、「相続させる」という言葉を「託す」「管理させる」などと書いてしまうと間違いとなります。
定められた書式に則っていない場合、遺言書は無効になってしまうので注意が必要です。

一方、エンディングノートに書式はありません。
市販のノートに書いてもスマホで書いてもOKで、どんな言葉も文章も好きなように書くことができます。

法的効力

書式を守って作られた遺言書には「法的効力」があります。
したがって、相続財産の分割方法について、遺言書の内容に従わせることができます。
しかし、エンディングノートには法的効力がありません。
そのため、死後の希望について「お願い」することはできますが、強制力はないのです。

開封のタイミング

遺言書は、勝手に開封することはできません。
開封するタイミングは、遺言者の死後、家庭裁判所の検認を受けてからです。
またその時、相続人全員がそろっていないと開封できません。
もし勝手に開封してしまった場合、過料を科される可能性があります。

エンディングノートは、いつでも確認できます。
故人の希望をすぐに知ることができるので、意識不明や痴呆状態になってしまった場合や、葬儀の準備をする場合に家族が迷うことがなく、とても役立ちます。
ただし、エンディングノートという形式であっても、自筆証書遺言としての体裁を備えたものであれば、遺言として取り扱う必要がある可能性もゼロではありません。
エンディングノートの内容が遺言書となるかどうか分からない場合は、専門家に相談するのがおすすめです。

作成費用

遺言書の作成費用には、数百円~数万円かかります。
自分で全てを書く「自筆証書遺言」であれば、ほとんど費用はかかりませんが、公証役場で証人を立てて作成する「公正証書遺言」の場合は数万円〜の費用がかかります。

エンディングノートの作成に費用はあまりかかりません。
一般的な大学ノートなら100円〜200円ほどで買えます。
書店などで扱っている市販のエンディングノートを使っても、数千円ほどで作ることができます。

まとめ

終活に前向きな夫婦

終活を行う際に便利なアイテム、エンディングノートと遺言書。
似て非なる両者ですが、どちらも家族を大切に思う気持ちから作成することには変わりありません。
それぞれの特徴を理解し、上手に使い分けながら終活を進められるといいですね。

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