生前準備

経営者が知っておくべき従業員が死亡したときの対応

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もしも会社の従業員が亡くなってしまったら、会社側は以下の手続きが必要です。

  • 健康保険の資格喪失届
  • 雇用保険の資格喪失届
  • 給与の支払い
  • 源泉徴収票の作成

さらに、従業員の死亡が業務中や通勤途中など労災保険の対象であった場合、労働者死傷病報告を労働基準監督署に提出する必要があります。

今回は、従業員が死亡してしまった際の、会社側のとるべき対応について見ていきましょう。

従業員が死亡してしまった際の、会社側のとるべき対応

従業員死亡の一報を受けたら

遺族から、従業員が亡くなったという一報が入ったら、会社としてまず行うべきなのはどんなことなのでしょうか。

葬儀への参列

まずは、葬儀に参列します。

参列者は故人の役職や立場などによって変わってきますが、一般の社員だった場合、上司、同僚などが参列することになるでしょう。

弔慰金の支給

弔慰金の支給は法律的な義務ではありませんが、故人の功労に報い、遺族を慰めるために支給するのが一般的です。

支払う会社は弔慰金を損金算入することができます。

ただ、損金算入できる金額は、社会通念上妥当であると認められる金額の範囲内である場合に限られます。

社内における説明など

会社の人が亡くなったことで、社内には困惑や動揺が起きるでしょう。

従業員の不安を少しでもなくすため、会社からの報告が必要になります。

故人の死因や状況などにもよりますが、場合によっては従業員向け説明会を行う必要が出てくることもあります。

保険関係の手続きを行う

保険関係の手続き

従業員が死亡してしまった場合、退職するのと同じ扱いになるため、退職した場合と同様の手続きが必要になります。

死亡したことによって、保険の被保険者資格を失います。

また、給与から住民税を差し引く対象ではなくなるため、以下のような届け出をします。

健康保険・厚生年金の被保険者資格喪失届

死亡の翌日から5日以内に、管轄の年金事務所や事務センター、健康保険組合に資格喪失の届け出を行います。

このとき、本人や家族の健康保険証を提出する必要があります。

しかし、亡くなったばかりで難しかったり、どこにあるかわからなかったりするケースもあります。

そのときは「健康保険 被保険者証回収不能届」も提出します。

雇用保険の被保険者資格喪失届

死亡の翌日から10日以内に、ハローワークに届け出ます。

給与所得者異動届

住民税を給与から差し引いて納付することを「特別徴収」といいます。

亡くなった従業員が特別徴収によって住民税を払っていた場合、該当する市区町村に届け出る必要があります。

届け出の様式は、その市区町村によって異なるため、確認しましょう。

給与を支払う

亡くなったあと、支払うべき給与や賞与、退職金などがある場合、それらを計算して支払う必要があります。

亡くなった従業員の口座は凍結されてしまう可能性があるため、相続人の口座を確認して振り込むか、直接、現金を渡す必要があることです。

給与の支給

死亡後に支給する給与について、社会保険料は通常の退職と同様、亡くなった日に応じて控除します。

しかし、所得税については、亡くなった従業員本人の「所得」ではなく相続人が受け取る「財産」となるため、所得税は課税されません。

この場合、相続人が相続税として、税務署に応分の税金を支払うことになります。

源泉徴収票の発行

故人が亡くなった日までに支払った給与、賞与の総額から源泉徴収票を作成し、相続人に交付します。

たとえば「15日締め・当月25日給与支給」の会社で、5月17日に従業員が亡くなったとします。

この場合、5月25日に支給する給与は相続財産となり所得税はかかりません。

年末調整の計算は、4月25日までに支給された金額で行い、源泉徴収票を作成します。

このとき、還付金が発生したら、この還付金も相続人に支払わなくてはなりません。

傷病手当金や埋葬料などの案内

傷病手当金や埋葬料などの案内

人が亡くなった場合、「傷病手当金」や「埋葬料」など、受け取るお金があります。

しかし、これらのお金については、受けとる要件を満たしていても、役所から案内が届くわけではありません。

遺族が自分達で書類を準備し、申請する必要があります。

遺族は知識がなかったり、そこまで気が回らなかったりすることがあります。

本来は、会社にその義務があるわけではありませんが、申請漏れがないように、制度について遺族に案内し、申請のサポートをするとよいでしょう。

傷病手当金

「傷病手当金」は、従業員が病気や怪我で会社を休み、休んだ分の給与が会社から支給されない場合、被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度です。

手当金を受け取るには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 業務外の自由による病気や怪我のための療養のための休業であること
  • 就業できないと判定されたこと
  • 連続する3日間を含み、4日以上就業できなかったこと
  • 休業した期間について、給与が支払われていないこと

ただし、給与が支払われていた場合でも、傷病手当金の額より少ない場合はその差額が支給されます。

埋葬料・埋葬費

健康保険の被保険者が、業務外の事由によって亡くなった際、故人によって生計を維持されており、埋葬を行う人に対して「埋葬料」5万円が支給されます。

埋葬料を受けられる人がいない場合、実際に埋葬を行った人に対して、5万円を上限とする「埋葬費」として支給されます。

受給するためには、死亡日の翌日から2年以内に「健康保険 被保険者埋葬料(費)支給申請書」を全国健康保険協会に提出する必要があります。

この申請書は遺族などが自身で提出するものですが、事業主の証明も必要です。

そのため、会社としては提出の案内なども含め協力しましょう。

死亡が労災対象になる場合の対応とは?

死亡が労災対象になる場合の対応

従業員が、業務に関係ない病気や、突発的な事故などで亡くなった場合は、上記のような対応を行います。

しかし、もし、従業員の死亡が労災保険の対象となる者であった場合、どのような手続きが必要になるのでしょうか。

労災保険とは?

「労災保険」とは、業務上の事由や、通勤の際の負傷・疾病・死亡などに対して、被保険者やその遺族のために保険金が給付される制度です。

労災保険は、オフィスや工場などの就業場所での事故や、会社から交通費の支給を認められた勤務場所までの往復中に起きた事故や災害に適用されます。

死亡の届け出

従業員が業務中に死亡してしまったら、管轄の労働基準監督局に「労働者死傷病報告」を提出します。

通勤中の死亡は労災の対象にはなります。

その場合、届け出は必要ありません。

遺族補償年金

業務中の災害の場合は「労働者災害補償保険 遺族補償年金」が、通勤災害の場合は「労働者災害補償保険 遺族年金」が支給されます。

これらの支給を受けるためには、死亡した日の翌日から5年以内に、管轄の労働基準監督署に提出する必要があります。

支給額は、遺族の数によっても異なります。

遺族の人数

支給額

1

給付基礎日額の153日分、ただし、その遺族が55歳以上の妻、または一定の障害状態にある妻の場合は175日分

2

給付基礎日額の201日分

3

給付基礎日額の223日分

4

給付基礎日額の245日分

葬祭料・葬祭費

健康保険の埋葬料・埋葬費と同様のお金ですが、こちらは管轄の労働基準監督局に請求します。

業務災害の場合は「葬祭料」、通勤災害の場合は「葬祭給付」が支給されます。

遺族または葬儀を行った人に対して、故人の給与額のおおむね2ヶ月分が支給されます。

死亡の翌日から2年以内に請求する必要があります。

従業員の死亡が自死だった場合

近年、過労や会社でのハラスメントが原因で従業員が自死してしまうケースがニュースになっています。

従業員の死後、遺族から過重労働やハラスメントが原因であると主張された場合、どのような対応をとるべきなのでしょうか。

過重労働

もしも、会社が従業員に対して過重な業務をさせていたと証明されれば、「安全配慮義務違反」を問われてしまいます。

そのため、会社としては、過重な業務があったかどうかを調査しなくてはなりません。

この場合、過去1年分、可能なら2年分の勤怠記録と、業務に使用していたパソコンの稼働状況を確認し、上司や部下、同僚などへのヒアリングを行います。

ハラスメント

パワハラなどハラスメントが原因と考えられる場合は、上司や部下、同僚などへのヒアリングを行います。

また、故人が周りに相談していなかったか、匿名告発などがなかったかなど調査します。

このような調査を行った上で遺族側から聞き取り調査を行い、さらに社内での調査を行って対処することになります。

まとめ

従業員が業務中や通勤中などに死亡

従業員が業務中や通勤中などに死亡した場合、さまざまな手続きが必要になります。

遺族が自分たちで請求書を提出しなくてはならない支給金もあります。

多くの人は、このような制度について知識がないことが多いようです。

また、この請求を行う際、事業主の証明も必要になります。

このように、法律上では協力する義務のないことであっても、会社としてサポートするのがベターでしょう。

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