遺品の食器の処分や売却方法まとめ

遺品の食器の処分や売却方法まとめ

外出先でふと目にとまった食器。
素敵なお皿やカップを見ると、つい買ってしまったりしませんか。
また、季節ごとに、その時季らしい食器で食事をすると、一層おいしく感じるものですね。
こうして、気がつくと食器棚がいっぱいになっている・・・そんな人は多いようです。
遺品整理でも、故人が買い集めた大量の食器の処分に困ることがよくあります。
今回は、遺品で出た食器の処分方法について見ていきましょう。

捨てる

食器を捨てたい場合、まずは自治体の回収に出すのが一般的です。

出し方

一般的に、食器の回収方法は素材によって違います。
こちらをまとめてみましょう。

素材出し方出す際のポイント
陶器燃えないごみ新聞紙や厚紙で包んだり箱に入れたりし、素材名を書いておく。
「割れ物」「危険」などと書き添える
ガラス燃えないごみ新聞紙や厚紙で包んだり箱に入れたりし、素材名を書いておく。
「割れ物」「危険」などと書き添える
プラスチック燃えないごみ、またはプラごみ回収方法は自治体により異なる
木材燃えるごみ折れたり割れたりしているものは、まとめておく
金属金属ごみ新聞紙や厚紙で包んだり箱に入れたりし、素材名を書いておく。
30cmを超えるもの粗大ごみサイズの基準は自治体により異なる

自治体のルールに従う

ごみの出し方のルールは自治体によって違います。
特に不燃ごみは、新聞紙や厚紙に包まなくてはならない地域もあれば、中身が見えるごみ袋に入れればOKな地域もあります。
また、回収の回数や一度に出せる分量なども、地域によって違います。
事前にホームページなどで故人の居住地区のルールを確認し、それに従って出しましょう。

壊れているもの

割れている食器や、包丁やハサミなどの刃物には特に注意が必要です。
作業員のケガ防止のため、新聞紙や厚手の紙で包んだり、ダンボールなどに入れたりして「危険」と表示をしておきましょう。
こちらも自治体で指定されていますので、必ず守って出しましょう。

売る

食器にもブランド品や高級品があり、まだ使えるのに捨ててしまうのはもったいなものがあります。
そのような価値のある食器は、売って誰かに使ってもらうとよいでしょう。

リサイクルショップ

遺品整理で出てきた食器

リサイクルショップに売却しましょう。
近所にあれば、店頭に持ち込んで査定してもらいます。
その場で説明を聞くことができ、いくらで買い取ってもらえるかがわかります。

でも、量が多い場合は持ち込みが大変ですよね。
最近では、宅配便で送ると査定してもらえ、代金を銀行振り込みしてくれるショップもあります。
また、出張買い取りをしているところもあります。
あまりにも大量な場合は、利用するとよいでしょう。

骨董品店

年代物の食器やアンティークは、骨董品店に持ち込んでみましょう。
鑑定の結果、骨董品に相当する品であれば、買い取ってもらうことができます。
ただし、骨董品には定価や相場がありません。そのため、想像以上の値がつくこともあれば、全くつかないこともあるので注意が必要です。

フリマアプリ

手軽に売りたいなら、ネット上で売買できるフリマアプリが便利です。
自分で売りたい値段をつけ、商品の写真を撮影してアップするだけで、全国の人に販売することができます。
スマホがあればすぐに出来るので、手軽に始めることができます。
トラブルを避けるため、管理体制が整っているアプリを利用しましょう。

リサイクルする

遺品整理で出てきた食器をリサイクルに出す

陶磁器製の食器は、リサイクルすることができます。
ここで言うリサイクルとは、その食器をそのまま他の人が使うリユースという意味ではなく、不要な食器を「素材」として再利用し、新しい食器を作るものです。

食器リサイクルの方法は、不要となった陶磁器を粉砕して土に変え、そこから新しい食器を作るというものです。
この素材を集めるため、全国のさまざまな会社やカフェ、民間団体やネットワークなどが参加し、使用済み陶磁食器の回収が行われています。
また、自治体でも行政回収を行っています。
居住自治体でリサイクルを行っているか、問い合わせてみるとよいでしょう。

寄付する

使わない食器がたくさんあるけれど、捨てたり売ったりするのは心苦しいという場合は、寄付をするという方法もあります。
食器をリユースしているのは、日本国内だけではありません。
世界には、物資が不足しており食器を必要としている国がまだまだたくさんあります。
そのため、主に発展途上国に食器を寄付し、有効活用しようとする団体があります。

食器そのものを寄付

食器をリサイクルするのもエコではありますが、新しい食器を作るためには、古い食器を粉砕するなどの過程や、再び生まれ変わらせるためのコストがかかってしまいます。
しかし、食器をそのまま必要とする誰かに譲るのであれば、このような手間やコストを削減できることになります。
また、食器を必要としている人に無償で提供できるため、多くの人に喜んでもらえる方法と言えるでしょう。

ワクチンで寄付

また、このような団体では、食器そのものを寄付するだけでなく、集まった食器1箱について1件、というように「ワクチン」という形で寄付しているところもあります。
こちらは、全国から集まった食器などをリサイクル・リユースすることで利益をあげ、その収益を国連やユニセフを通じてワクチン募金という形で寄付しています。
遠く離れた世界では、ワクチンを必要としている人がたくさんいます。
このような方法で社会貢献できれば、故人にも喜んでもらえるのではないでしょうか。

業者に処分を依頼する

食器を処分する遺品整理業者

故人の自宅が賃貸の場合、退去日が迫っていて、早急に片付けなくてはならない場合も多いでしょう。
また、無駄な出費を省くためにもできるだけ早く明け渡したいものですね。
しかし、食器はかなり重く、特に大量にある場合はすべて自分で運び出すのは大変です。また、処分するのも手間がかかりますよね。そんなときは、業者への依頼を検討してみましょう。

不用品回収業者

不用品回収業者は、文字通り不要になった物を回収してくれる業者です。
食器だけでなく、家具・家電なども一緒に運び出してもらえるので、処分に困っていたものをまとめて処分することができます。
もちろん、食器しかなくても対応してもらえます。
フリマなどでもなかなか売れずに困っている場合や、割れたり壊れたりしたものは、業者に回収してもらうのもよいでしょう。

状況にもよりますが、即日対応してくれる業者もあります。
まずは、インターネットなどで業者を探しましょう。
時間がある場合は、複数の業者に問い合わせをし、相見積もりを取って比較検討するのがおすすめです。

注意点としては、市区町村の「一般廃棄物処理業」を持っている業者を選ぶことです。
家庭から出るごみは「一般廃棄物」です。しかし、中には、会社など事業者が出すごみ「産業廃棄物業」の許可しかないのに家庭ごみを回収するとうたっている悪質な業者があるのです。
このような業者は、不法投棄や不適切な処理などを行い、社会問題となっています。
不用品回収業者に依頼する場合は、その地域の「一般廃棄物処理業」の許可の有無を必ず確認しましょう。

遺品整理業者

遺品整理業者でも、食器の処分を依頼することができます。
遺品整理業者の場合は、遺品整理と同時に処分を依頼するのがおすすめです。
多くの場合、不用品の買い取りを行っているので、買い取ってもらえれば、結果的に遺品整理の費用が安くなります。

遺品整理業者は、不用品を運び出して処分するだけではありません。
遺品を全て要・不要に仕分けし、不用品を運搬・処分してくれるので、故人の住まいを一気に片付けることができます。
また、遺品の中で探してほしいものを捜索してもらうことや、遺品整理に関するアドバイスもしてもらえます。

オプションサービスでは遺品の供養も行なってもらえますので、不用品といえど、故人のものを処分するのが心苦しいという人に向いています。
また、不用品の中で使えるものを買い取り、外国でフリーマーケットを開いたり、必要としている人に寄付する活動を行っている業者もあります。不用品を役立てたい人やエコに関心のある人は、問い合わせてみるとよいでしょう。

まとめ

遺品整理で出てきた食器を使う女性

毎日の食事は、人にとってとても大切なもの。その食事に使う食器には、誰しも思い出や思い入れがあるのではないでしょうか。
それでも、処分しなくてはならない時がきたら、さまざまな方法の中から納得のいく処分方法を検討しましょう。

この記事の監修をしたゴミ屋敷の専門家

氏名:新家 喜夫

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長。