「3人の真ん中で写真を撮ると早死にする」――子供のころ、そんな話を聞いたことはありませんか?
「写真をまたいではいけない」と親に言われたことがある人もいるのではないでしょうか。
写真には、何か簡単に捨てられない、破ったりできない、そんな感じがありますね。
日本人には、ものには魂が宿るという考え方があるため、人が写っている写真に対して、何らかの力のようなものを感じるのかもしれません。
とはいえ、遺品整理で故人の写真や、現在では見るのが困難になったビデオテープの映像が大量に出て来たら、どうしますか?
こんなにたくさん、どうしよう・・・と思っても、見れば故人のことが思い出されて、なかなか捨てにくいですよね。
今回は、心理的にも抵抗なく写真が捨てられる方法をみていきましょう。
目次
大量の写真やビデオをとっておくと・・・
遺品整理で大量に出てきた写真やビデオテープ。
捨てる踏ん切りがつかず、そのままにしているけれど・・・。
こんなデメリットがあるのです。
保管場所を取る
写真1枚は小さな紙ですが、集まればかさばって場所を取ります。
大量の紙はそれだけで重量がありますが、さらにアルバムに整理された形で残っていると、ますますかさばって重くなり、段ボールを持ち上げるのも大変というようなことになります。
ビデオは、1つでもけっこう大きいですよね。こちらは数が少なくてもかなり場所を取ってしまいます。
それでも、自宅にスペースがあれば保管できますが、スペースにそれほど余裕がない場合、場所をふさいで大きな負担になります。
経年劣化する
紙焼きの写真は、時間が経てば色あせていきます。
また、湿気などで写真同士がくっついたりカビが生えたり、また虫に食われたりもします。
ビデオに関しては、長い間見ないで放置していると、中でテープがくっついてしまい、デッキに入れても回らなくなることがあります。
また、カビが発生することも。そもそも今ではビデオデッキ自体が少なく、内容を見ることができない人の方が多いのではないでしょうか。
長期にわたって負担となる
捨てられずに取っておいた親の写真やビデオテープ。
一体いつまで保管すればよいのでしょうか。
今、捨てられないからといって残しておけば、自分の死後、祖父母の分の遺品まで子供に処分させることになってしまいます。
問題を先送りせず、思い切って処分することを考えてもいいのかもしれませんね。
写真やビデオテープは、デジタル化して残そう! その前に・・・
大量の写真やビデオを処分しなくてはならない、けれど気が進まない・・・
そんな場合は、写真やビデオをデジタルデータ化しましょう。
デジタルデータは、色調補正やトリミングなどもでき、SNSにアップするのも簡単です。
そして、デジタルデータとしてCDやDVDに焼けばぐんと量が減り、保管が楽になります。
それでも、あまりに大量な場合は、事前に要不要を仕分けしておくのがコツです。
故人のものだからといって、全てが残しておかなくてはならないような大切なものとは限りません。
まず、写真を1枚1枚チェックし、故人が写っていない写真など重要度の低い写真をピックアップしていきましょう。
たとえば、風景のみの写真や知らない人の写真は、捨ててもいい候補に入るでしょう。
友人の写真は、故人が一緒でなければ捨ててもいいかも。
友人が存命であれば、差し上げてもいいですね。
そうすると、故人のワンショット、家族との写真が残ります。
それでも数が多い場合は、その中からさらに重要度を仕分けしていきましょう。
また、元がデジカメやスマホで撮影した写真なら、紙焼きは捨ててしまいましょう。
データさえあれば印刷し直すことができますし、パソコンやスマホで、いつでもどこでも見ることができます。
ビデオは、ケースや箱にタイトルが書いてあれば、それをもとに重要度を分けていきます。
ビデオデッキがあれば、早送りしながら内容を確かめます。
テレビで放映された映画などがあれば、処分しましょう。
今は、ほとんどの作品がインターネットやテレビなどで簡単に見られます。
よほどレアな作品でない限り、処分して大丈夫でしょう。
不要と決まった写真やビデオテープは、ごみとして処分します。
写真は紙なので、可燃ごみです。ただし、アルバムのまま捨てる場合は、金具やビニールなど異素材の扱いについて、居住地区の自治体にあらかじめ確認しておきましょう。
ビデオテープは可燃ごみとして扱う自治体が多いようですが、こちらも事前に確認しておきましょう。
ごみとして捨てることに抵抗がある人は、神社やお寺でお焚き上げをしてもらい、供養するとよいでしょう。
氏子になっている神社や、檀那寺があれば、問い合わせてみましょう。
写真をデジタルデータ化しよう!
では、残しておきたい写真を、デジタルデータに変換しましょう。
自分で行う場合
スマホのアプリでスキャンする
スマホに付属しているカメラで写真をスキャンします。
さまざまな無料アプリが出ているのでそれを利用するとよいでしょう。
手軽にスキャンを行え、アプリによっては自動で写真を適度な大きさにしてくれたり、光の補正などもしてくれます。
ただし、1枚1枚スキャンしなくてはならないため、大量に行う場合は非常に時間がかかります。
スキャナを使う
家庭用のプリンタに付属しているスキャナで読み取りましょう。
この方法では、1枚1枚読み取ることも可能ですし、アルバムなどに故人のメモや書き込みなどがある場合、ページごと読み取って残すことができます。
ただし、アルバムサイズには注意しましょう。
スマホに接続して使う専用スキャナを利用してもよいでしょう。
これなら、スマホに接続してプリンターの紙のように写真をセットすれば次々にスキャンしてくれるので、手間が大幅に削減されます。
業者に依頼する場合
自分でスキャンする場合、どうしてもパソコンなどによる作業は残ります。
時間がない人や、手間をかけられない人は、DPEショップや専門業者に依頼するとよいでしょう。
業者に依頼すれば、ゆがんだりすることなくきれいにスキャンしてくれます。
写真を渡すときは、アルバムに貼ってある状態のまま渡してOKなのもうれしいところです。
ただし、業者によって仕上がりに差が出たり、安いコースだと半年以上時間がかかることもあるようです。
また、いらない写真を捨てるなどの分別はできないため、注意が必要です。
業者の場合、素材を使って最近の葬儀で流されるようなスライドショーや、メモリアルビデオも作成してもらえます。
また、フォトブックなども作成してもらうことが可能です。
ビデオをデジタルデータ化しよう!
ビデオテープの中に入っている故人との思い出をデータ化し、DVDにダビングします。
この作業を自分で行う場合、ビデオを再生できるビデオデッキ、DVDのデッキと、2つをつなぐケーブルが必要です。
作業的には難しくありませんが、この機器がないとできないため、難しい場合が多いでしょう。
そこで、ビデオテープの場合は、専門業者に依頼するのがお勧めです。
一般的なビデオテープであるVHSはもちろん、ベータや8ミリビデオ、MiniDVなど、さまざまな規格のビデオテープのDVDへのダビングを行ってもらえます。
業者の場合、素材を利用したメモリアルビデオなども作成してもらえます。
そのため、生前整理をして、あらかじめビデオやスライドショーを作ってもらい、葬儀で流すといった使い方も可能です。
モノ自体を家に置きたくない時は?
写真やビデオテープは、CDやDVDにすることで大幅にスリム化できますが、それでも量が多かったり、捨てるのはいやだけど、モノとして持っているのもちょっと・・・などという場合は、データをクラウドストレージに保存するのがお勧めです。
クラウドストレージとは、Web上に存在するファイル倉庫のようなもの。オンラインストレージともいいます。
ユーザーは、Web上にファイルを置いておけるため、自分で実際にモノとして持っている必要がありません。
見たいときにいつでも見ることができ、必要に応じてダウンロードすることができます。
ただし、サービスが終了してしまうとデータも消えてしまうので、その場合は別のサービスに乗り換える必要があります。
まとめ
「形あるものは、いつか壊れる」とよく言います。
確かに、モノとしての写真やビデオテープは、いつか劣化し、なくなってしまうでしょう。
ですが、デジタルデータは無限にコピーすることができ、いつでも簡単に再現することができます。
困ったときは、遺品整理業者に相談するのもよいでしょう。
最近は、こうしたデジタル化をサービスの一つとして行う業者が出てきています。
また、モノの整理のプロなので、整理整頓のアドバイスから保存まで、アドバイスしてもらうことができます。