女性の生活必需品である化粧品。
故人が女性の場合、化粧品が大量に残されることは珍しくありません。季節ごとに出る新作や新色を買ったり、海外旅行で買ったり、街で配られるサンプルをもらったり、化粧品はいつの間にか溜まってしまうものです。
化粧品には、液状のものやスプレー状のもの、固形のものなど、様々な種類があり、捨て方にも違いがあります。今回は、使わなくなった化粧品の処分の方法をご紹介します。
目次
遺された化粧品は使えるの?
遺品の中に、ほとんど使っていないような化粧品や高価な化粧品があれば、使ってみようかな、と思うこともあるかもしれませんね。
開封された化粧品は、使っても大丈夫なのでしょうか?
そこで使用期限を確認してみると、外箱や容器を見ても期限が記載されていないケースがほとんどです。
実は、ほとんどの化粧品には「使用期限」の記載がありません。「製造から3年以上品質が安定している化粧品は、使用期限を記載しなくてよい」と「医薬品医療機器等法」で定められているからなのです。
でも、いつ製造・輸入されたかという記載がなければ、いつが「3年」なのかわかりませんよね。また近年、さまざまな販売ルートがあり、製造から長い期間が経ってしまったものを手にしている可能性もあります。
また、開封されているものは、使用中に中身が空気に触れたり、手で触れることで内部に雑菌が混入したりして、化粧品の品質が劣化・変質している可能性があります。
どうしても使ってみたい場合は
・変色や、液体の濁りがないか
・変な臭いがしないか
・中身が分離していないか
・手に取ったとき、ざらついたり油っぽくなっていないか
などを必ず確認しましょう。
化粧品の処分方法は?
化粧品を捨てる時に大切なのは、容器と化粧品を別々に捨てることです。
容器から中身を取り出し、まとめて捨てます。多くの自治体では可燃ごみに分類されます。
容器は素材ごとに分別して、居住地域のごみの区分に従って捨てましょう。
液体・クリーム状の化粧品
化粧水や乳液、クレンジング、クリーム、マニキュア、香水など液体やクリーム状のものを捨てるときは、新聞紙、キッチンペーパー、ティッシュ、古布などに中身を吸収させましょう。
まず、ビニール袋を用意し、その中に新聞紙、キッチンペーパーなど、吸わせるものを詰めます。
その中に化粧品を流し込み、吸収させたら、ビニール袋の口を粘着テープなどでしっかりとめましょう。
液体のものは、トイレやキッチンのシンクなどに流してはいけません。
サラッとしたものであっても、水質汚染の原因となります。また、とろみのある乳液やクレンジング、クリームなどは、配管の詰まりの原因にもなってしまいます。絶対にやめましょう。
口紅やリップクリーム
スティック状の口紅やリップクリームは、回して中身を出せるところまで出してから折ります。スティックの奥に残っている部分は、綿棒やリップブラシなどでかき出し、まとめて出します。
固形の化粧品
ファンデーションやアイシャドウなど固形の化粧品は、容器から取り出し、軽く砕きましょう。
爪楊枝や竹串などでつつくと崩れます。砕くのに力がいるようであれば、そのままの状態でもOKです。紙に包むかビニール袋に入れて出します。
チューブ入りのもの
中身を直接ビニール袋の中や新聞紙の上に絞り出して、まとめて出します。
ペンシルタイプのもの
ペンシルタイプのアイライナーやアイブロウは、中身とペンシル部分を分けて、中身はまとめて出しましょう。
スプレー状のもの
制汗剤やヘアスプレーなどは、中身を使い切るのが鉄則です。
そのままごみに出すと、ガスの圧力で爆発して処理場の施設を壊したり、職員がけがをしたりしてしまいます。
中身が残り少ない場合は、風通しのいい場所で噴射して、中身とガスを抜きましょう。大量に中身が残っている時は、ビニール袋に古布か新聞紙を入れ、そこに向かって吹き付けて出します。
化粧品の容器の処分方法は?
化粧品の容器は、ガラスやプラスチックなど、さまざまな素材で作られています。中身を取り出した容器は素材ごとに分別して、居住地域のごみの区分に従って捨てましょう。
プラスチックボトルやチューブ
容器がプラスチック製の場合、本体や外箱に「プラ」マークが付いています。この「プラ」マークが付いているものは、「容器包装プラスチック」に区分されます。
容器包装プラスチックとは、商品が入っていた容器や商品を包装していたプラスチック製品のことで、中身を使ったり取り出したりしたあと不要になるものをいいます。
「プラ」マークが付いていたら、容器包装プラスチックとして捨てましょう。
ただし、容器包装プラスチックは、『汚れを落としてから捨てる』というルールのある地域がほとんどです。
プラマークがついていても、汚れが落とせない場合や「プラ」マークが付いていない場合は、「プラスチックごみ」として捨てましょう。
「容器包装プラスチック」として捨てられないものの分別は、自治体によって異なります。必ず居住地域のルールを確認しておきましょう。
チューブ入りのクリームや洗顔料、乳液やリキッドファンデーションなどのプラスチック製容器は、洗っても汚れを完全に落とすのは難しいですね。
居住地域が汚れのあるプラスチックを可燃ごみに区分している地域であれば、わざわざ中身を出す必要はありません。そのまま可燃ごみとして決められた日に出してOKです。
ガラスびん
ガラスのびんも、自治体によって区分が異なります。化粧品のガラスびんを資源ごみとして、飲料などのびんと一緒に出せる地域と出せない地域があります。最近、ごみの区分を改定している地域も多いので注意しましょう。
ガラスびんを資源ごみに区分している地域の場合は、中身をあけ、びんの中を洗ってきれいな状態にしてから捨てましょう。
洗っても汚れが落ちないものは、ほとんどの自治体で「不燃ごみ」に区分されています。
スプレー缶
中身を出し切った缶は、地域によって穴を開けるところ、開ける必要のないところがあります。居住地域のルールを確認して従いましょう。
捨てずに処分する方法
化粧品を捨てずに処分するには、売るという方法もあります。
専門業者に買い取ってもらう
最近は、化粧品を買い取ってくれる業者が増え、インターネットでも盛んに査定や取り引きされています。
こういった業者では、使いかけの化粧品でも買い取ってくれます。例えば、限定もの、すでに廃盤となった商品、撤退してしまったブランドのもの、正規の値段が高額な一流ブランドの製品など、希少価値のあるものの人気が高いようです。
もちろん、未開封の新品も価値が高いとされます。
店舗での買い取りのほか、専用のボックスに詰めて送るだけの宅配買い取り、自宅に訪問してくれる出張買い取りもなども行っています。大量に処分したい人だけでなく、近くに店舗がない人も気軽に利用できます。
フリマアプリやオークションに出品する
インターネットのオークションや、フリマアプリで売る方法もあります。
オークションは、欲しい人が多ければ価格が上がる可能性がありますが、売れるまでに時間がかかることもあります。この点では、フリマアプリの方が短時間で売れる傾向があるようです。
フリマアプリやオークションでは、テスターや無料サンプルなども大量に取引されています。遺品整理を急いでいないなら、試してみるとよいでしょう。
業者に引き取ってもらう
故人宅が賃貸で、速やかに明け渡さなくてはならなかったり、遺品整理に時間をかけられなかったりする場合は、業者に引き取ってもらう方法もあります。
不用品回収業者に依頼する
不用品回収業者は、希望日に自宅まで引き取りに来てくれるため、手間も労力もかかりません。
しかし、無料回収と宣伝しているにもかかわらず、実際は料金を請求されたり、不法投棄されたりするなどのトラブルも多発しています。業者を選ぶ際は注意しましょう。
遺品整理業者に依頼する
遺品整理業者に依頼すれば、他の遺品と一緒に一度で処分できるという大きなメリットがあります。
遺品整理業者に依頼すれば、全てを遺品として丁寧に扱ってもらうことができるのが最も大きなメリットです。近年、市場価値のあるものの買い取りも行う業者が増えています。価値のあるものがあれば、遺品整理費用の節約にもなります。
買い取ってもらいたいものがあらかじめ分かっている場合は、遺品整理を依頼する際に買い取りが可能かを確かめましょう。
化粧品は、1つ1つが小さなものなので、整理や処分も大変です。
特に遺品整理をする人が男性の場合、とても困るアイテムと言えます。そんな時は、専門業者に依頼するのが安心なのではないでしょうか。