終活を始めるのに年齢は関係ありません。
終活は、最期に向けての準備だけでなく、自分の人生を振り返り、今後をどのように過ごしていくか考えることでもあります。
特に20代、30代は、就職・結婚・出産など、ライフイベントが多い年代です。
その意味では、終活は若いうちに始めるほど未来の人生設計をしっかり考えることができるのです。
より豊かな未来を過ごすため、終活を行なってみませんか。
目次
20代の終活とは?
「終活」とは、「人生の終わりのための活動」を略した言葉です。
これまでの人生を振り返って総括し、人生の最期を迎えるにあたって最後まで自分らしい人生を送るために、いろいろな準備を行うことです。
最近、20代や30代の若い世代にも、終活を考える人が増えているようです。
20代で自分の死なんて考えられない、早すぎる、という人もいるかもしれません。
でも、人間には必ず死が訪れます。
それは10年後でしょうか? それとも50年後? もしかしたら、明日かもしれません。
新型コロナウィルスの蔓延がおさまらない今、“死”について真剣に考えさせられた人も少なくないのではないでしょうか。
そして、“死”を考えたとき、自分の死後に、家族や周りの人に迷惑をかけたくない気持ちになるのも不思議ではありません。
このような理由から、20代での終活を考える人が増えているのです。
終活はネガティブではない
若い世代が終活を考えるのは、悲しい理由ばかりではありません。
身の回りを整理することは、自分を振り返ることです。
自分には何が必要で何が不要か、本当に大切でそばに置いておきたいものは何かを考えることは、自分がどんな人間であるのか見つめ直すことです。
また、自分の人生に向き合っていくだけでなく、先の人生をより良いものにしていくことにもつながります。
終活を通して、人生の目標を見つけ、実践に移しましょう。
未来の人生を考えていくという点では、20代という若い世代こそ、終活に取り組むべきではないでしょうか。
20代で終活を行うメリットとは?
20代で終活をすると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
心の整理ができる
終活は、これまでの人生を振り返る良い機会になります。
若いうちにモノや財産など身の回りの整理をすることで、今後の自分の人生に何が必要で何を大切にしたいのかが明確になり、自分の心を整理できます。
将来を明確にできる
将来、自分がどのような人生を送りたいのかが明確になると、それを実現するために何が必要かも明確になってきます。
人はいつ最期が来るかわかりません。
しかし、同様に、数十年健康に暮らしていける可能性もあります。
元気なうちにやっておきたいこと、行きたいところ、住みたいところなどを考えてみましょう。
理想の生活や理想の老後を思い描けば、それを実現するためにどんな準備が必要か明確になります。
女性の場合は結婚・出産など、人生を大きく変えるライフイベントについても考えておくとよいでしょう。
スッキリした生活を送れるようになる
終活で最も大きな活動は、不要なものを捨てることです。
使っていないもの、いつの間にか溜まってしまった不用品を処分しましょう。
部屋がスッキリし、気持ちよく生活することができます。
身の回りを整理整頓してどこに何があるかを把握すれば、余計なものを買うことがなくなります。
また、ものを探す無駄な時間もなくなるでしょう。
死後の不安を軽くできる
一人暮らしの人は、以下のようなケースを想定して不安を感じることはありませんか?
- もし急に病気になったら・・・
- 事故に遭って死んでしまったら・・・
上記のような事態に陥っても、対策をしていれば安心です。
見られたくないパソコンのデータは、自動的に消去されるアプリがあります。
死後に自分の身体をドナー提供したい、またはしたくないという希望があれば、保険証や免許証の裏にある意思表示欄に記入しておきましょう。
死後に解約などの手続きをしなくてはならないものがあれば、記録をしておきましょう。
自分の希望を記録しておくことで、もしもの場合に対する安心度が増します。
また、家族への負担も軽くできます。
20代の終活でやるべきことは?
若い世代での終活は、どんなことを行えば良いか、見ていきましょう。
ライフプランを立てる
将来、どのような生活を送りたいか、考えたことがありますか。
仕事に趣味に恋愛にと、20代は忙しい時期です。
そのため、なかなか、具体的なプランを立てるまではいかない人も多いかもしれません。
まずは「何を」やりたいかを考えてみましょう。
次に、それを「いつまでに」やりたいかを考えてみます。
そして、それを「どうやって」実現するかを考えてみましょう。
たとえば「30歳までに結婚したい」という希望があったとします。
そのためには、人と知り合ったり婚活をしたりする必要があります。
たとえば、異業種交流会などに積極的に参加したり、婚活パーティーなどに参加したりするなどの方法が考えられるでしょう。
このように、必要事項をリストアップして、理想の人生を実現する方法を考えましょう。
マネープランを立てる
20代で行う終活の場合は「将来の自分のためのマネープランを立てる」のがお勧めです。
一方、高齢者の終活では、所有している財産の目録を作ったり、遺産相続に関する「残す」ための作業が主になります。
結婚、マイホームの購入、夢の実現、趣味活動など、やりたいことをするにはお金が必要になります。
また、突発的な病気などにかかってしまうこともあるかもしれません。
そんな場合にも、まずお金のことが心配になる人も多いのではないでしょうか。
20 代の終活では、現在の貯金や生活を見直しましょう。
今後、起こり得るライフイベントを予想し、いつごろ、どのくらいのお金が必要になるかを試算してみます。
例えば、結婚を想定するのであれば、婚活・結婚資金を貯める必要も出てきます。
そのためには、毎月決まったお金を貯金する習慣をつけたり、社内預金や財形貯蓄の利用、資産運用など、さまざまな方法があります。
将来を見据えたマネープランを立てることで、金銭面での漠然とした不安が解消できるかもしれません。
また、具体的な目標や方法が決まれば、浪費もしなくなるでしょう。
これからの人生を見直し、整理していくことで、将来に向かってよりイキイキとした人生を送れるようになります。
生前整理
終活で最も大きな活動が生前整理でしょう。
若いうちから不要なものを処分する習慣をつければ、自分が本当に必要としているものが分かるようになります。
余分なものを捨て、溜め込まないでスッキリした生活を送りましょう。
また、ものが少なくなれば、死後に行う遺品整理が格段に楽になり、家族への負担を軽くすることができます。
デジタルデータの整理
デジタル遺品とは、パシコンやスマートフォンの中に残されているデータのことで、近年、遺品整理において大きな問題となっています。
利用者の死後も、SNSにアップしたデータや情報はずっと閲覧できます。
そのまま放置していると、他人がなりすまし、悪用されてしまう恐れがあります。
パソコンやスマートフォンに、他人に見られたくないデータがある人は対策しておく必要があるでしょう。
また、故人がFX(外国為替証拠金取引)を行なっていたことを家族が知らず、何千万円もの負債を抱えてしまった例もあります。
デジタル関係は、本人以外には分かりにくいため、SNSやインターネットバンク、そのほか課金サービスなどのアカウント、ID、パスワードはきちんと整理しておきましょう。
エンディングノートの作成
エンディングノートは、終活の便利なツールとして知られるようになってきました。
エンディングノートには法律的効力はありません。
しかし、決まった書式がなく、自由に書けるので、終活の1つとして書くのがお勧めです。
エンディングノートは、書く内容も自由です。
どんなものを家族に残したいとか、お葬式はこうしてほしい、家族への思いなど、何でも書いておきましょう。
そのほか、以下のような情報を書いておくのもお勧めです。
- 友人・知人の連絡先
- 利用している銀行口座やクレジットカードの情報
- 加入している保険
- 各種サービスのアカウント
- ID、パスワード
まとめ
終活は、これからの人生を見直す作業です。
20代で終活を始める意味は、人生で大切なものを探し、見極める作業であると言えるでしょう。
終活は、今すぐにでも始められますし、何から始めても構いません。
終活の進め方や方法に迷ったら、終活に詳しい遺品整理業者に相談するのも良いでしょう。
業者によってはエンディングノートの書き方も教えてもらうことができます。