遺品整理の際に処分に困るものはいろいろありますが、植物もその一つです。
手入れをするにしても、家を解体するにしても、庭木の処分は大変です。
また、家の中にある観葉植物の処分にも困る人が多いのではないでしょうか。
今回は、植物の手放し方について見ていきましょう。
目次
観葉植物の手放し方
遺品整理で観葉植物が出たけれど、引き取れない・・・そんなとき、どうすればよいのでしょうか。
可燃ごみに出す
観葉植物とひと口に言っても、そのまま捨ててOKなわけではありません。
処分の流れを見ていきましょう。
手順1:分別する
まずは、植物、土、容器の3種類に分類しましょう。
これらは、それぞれ捨て方が異なります。
捨てるために、まずは3つに分けます。
手順2:植物部分を処分する
観葉植物が大きく、ごみ袋に入らない場合は、カットします。
花切りバサミなどでカットできない場合は、のこぎりを使いましょう。
いくつかにカットして、捨てやすいサイズにします。
カットしたら、植物を薪のように束ねて、ヒモでしばるか、ごみ袋に入れて収集日に出します。
植物は、自治体によって一度に出せる量が決まっている場合があるので注意が必要です。
手順3:容器部分を処分する
観葉植物が入っている容器の素材を確かめます。
プラスチックか陶器かによって、処分の仕方が変わります。
プラスチックの場合、多くの自治体では燃えるごみ、陶器なら燃えないごみとして処分する必要があります。
自治体によっては、プラスチックごみを燃えないごみとして処分したり、「陶器・金属・ガラスごみ」と分類されるなど、処分の仕方が違います。
必ず自治体のルールを確認してから捨てましょう。
手順4:土を処分する
土の捨て方は、自治体によって異なります。
少量であれば燃えるごみとして処分できるところや、少量でも土を含んでいる場合は粗大ごみに分類されるところなど、さまざまです。
そのため、事前に自治体に問い合わせましょう。
粗大ごみに出す
植物があまりに大きかったり、カットできなかったりする場合は、粗大ごみに出しましょう。
多くの自治体では、粗大ごみセンターなどに電話連絡をし、収集日と料金を聞きます。
コンビニなどで料金分の粗大ごみ券を購入し、出したい植物に添付して、指定の収集日に出します。
ごみセンターなどに持ち込む
車などがあれば、地域のごみセンターなど処理場に直接持ち込むこともできます。
持ち込みなので料金も比較的安く済み、素材によって分ける必要もありません。
ただ、あまり時間のない人、車などがない場合はおすすめできません。
植物が好きな人に譲る
もし、近隣に植物が好きな人がいれば、引き取ってもらえないか打診して見ましょう。
引き取ってもらえれば、故人が大切にしていた植物を処分することなく育ててもらえます。
ただし、引き取り手が見つかるまで、自分から声をかける必要があります。
専門サイトで手放す
近年、観葉植物の専門サイトが増えています。
インターネット通販をしているお店では、観葉植物の下取りを行っているところがあります。
自宅に訪問してもらえるため、自分で運ぶ手間がありません。
ただし、下取りを利用するには、新しい観葉植物を購入する必要があります。事前にしっかり確認しましょう。
リサイクルショップで処分する
観葉植物は、リサイクルショップで引き取ってもらえる場合もあります。
この場合、植木鉢が大きかったり、価値のあるものだったりすると良いようです。
こちらも、自分で運ぶ手間がありません。
また、観葉植物以外にも処分したいものがあれば、まとめて買い取ってもらえる可能性があります。
インターネットで手放す
ネットオークションやフリマアプリなどでも観葉植物を売ることができます。
どちらも、スマートフォンやパソコンがあれば手軽に出品できます。
特に、フリマアプリは早めに売れる傾向があるようです。
ただし、自分で梱包・発送する手間がかかります。
処分を急いでいない人は利用してみるとよいでしょう。
不用品回収業者に依頼する
たくさんある植物を一気に処分したい場合には便利です。
自宅に訪問してもらえるので、自分で運ぶ必要がなく、自分の都合の良い時間に来てもらえます。
また、他にも処分したいものがあれば、まとめて運んでもらえるのも良いところでしょう。
ただし、悪質な業者に依頼すると、出したものが正しく処分されない、思わぬ高額請求をされるなど、トラブルも多発しています。
利用前に、複数の業者から見積もりを取り、信頼できる業者に依頼しましょう。
遺品整理業者に依頼する
遺品整理を依頼するのであれば、遺品整理業者に処分を任せることができます。
遺品整理業者は、故人が残したものを必要なものと不用品に仕分けし、不用品は引き取って処分してくれます。
また、処分だけでなく、まだ使えるものは買い取りサービスも行っているので、良い植物であれば買い取ってもらえるかもしれません。
そのほか、遺品の供養サービスなども行っているところが多いので、安心して手放すことができます。
庭木の手放し方
住人の死後、庭木を放っておくと、伸びて邪魔になったり、枯れ葉が落ちて近隣の迷惑になることがあります。
そのため、庭の植木を丸ごと処分したい場合、どのようにすればよいのでしょうか。
自分で処分する
庭木や植木は、基本的に家庭ごみとして処分することができます。
掘り返したり切ったりした木は、おおむね30cm以下になるようにカットしたり、折ったりし、まとめて出しましょう。
ただし、庭木や葉などは、一度に出せる量が決まっている自治体もあります。
大量に処分したい場合は、何度かに分けて出しましょう。
また、引っ越しなどのための「臨時ごみ」という回収をしている自治体もあるので、問い合わせてみるとよいでしょう。
業者に依頼する
庭木の処理は、個人で行うのはかなり大変です。
特に、遠方に住んでいる場合、何日もかけて行き来しながら片付けるのは、時間的にも手間も大きな負担になってしまいます。
そんな時は、庭のクリーニング業者に依頼しましょう。
プロの手で処理してもらえば、地面に雑草が生えないような処理や、伐採や抜根の薬剤処理、消毒作業などを行ってもらえます。
木の数や大きさ、庭の荒れ方によっては、素人では手に負えないこともあります。
また、大がかりな機械や伐採用具などが必要な状態であれば、道具を購入するよりも、業者に依頼する方が得策でしょう。
もちろん、伐採後の木は処分してもらえるので、一気に片付けることができます。
特に、家を解体して更地にする場合は、業者に依頼してきちんと処理してもらいましょう。
土の捨て方
植物関連のごみで一番厄介なのが、土ではないでしょうか。
一般的なサイズのプランター(65cm)1個で、使用済みの土は約12ℓ(約10kg)にもなります。
さらに、一度植物を育てた土は栄養がなくなっており、植物の根や茎が残って細菌繁殖の原因にもなることがあります。
このような土は、どう処分すればよいのでしょうか。
自治体で処分する
多くの自治体で、土や砂、石などは「自然物」のため、ごみとして出すことができません。
品川区や武蔵野市など、回収している自治体もあるので、まずは居住自治体に問い合わせてみましょう。
ただし、枯れた植物の根や石などは取り除く必要があったり、回収できる量が決まっていたりすることもあります。事前に確認しましょう。
販売店で処分する
園芸用の土を販売している園芸店やホームセンターなどで、不要になった土を回収してもらえるところがあります。
ただし、単に回収してもらえるところばかりではなく、新しく土を購入する場合にのみ同量の土を引き取ってもらえるなど、店舗によって対応が異なります。
近くにお店があれば、問い合わせてみましょう。
再利用する
土は再利用することもできます。
古い土をふるいにかけて、根や石などを取り除きます。
土をビニールシートなどの上に広げ、土に水をかけて湿らせてよくかき混ぜましょう。
土全体が湿ったら黒いポリ袋に入れ、天日干しで2〜3週間ほど乾燥させると殺菌・消毒ができます。
この土に肥料などを加えれば、再び園芸用土として使うことができます。
自宅の庭に捨てる
不要な土は、庭などがあれば自宅に捨てましょう。
公園などには絶対に捨ててはいけません。不法投棄となってしまいます。
まとめ
自分にとっては不要な植物でも、生命あるもの。
長い間、庭にあった植木は、ずっと家族を見守っていてくれた存在でもあります。
また、枯れてしまっていても、故人が生前、大切にしていたものです。
植物を処分する際は、供養の気持ちをもってしたいですね。
捨てる前にちょっと手を合わせるだけでもいいのです。
ありがとうの気持ちを込めて、お別れしましょう。