両親が孤独死しないために今からできる対策とは

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1人暮らしの高齢者が孤独死を引き起こしてしまう最も大きな原因は、「他人とのつながりが薄い」ということです。

他人と交流せず、1人で引きこもってしまうことで、異変に気づいてもらいにくくなってしまうのです。

孤独死を防ぐには、人や地域との交流を増やすのが一番です。

それには、地域の交流に参加してもらう、企業や地域、自治体で行っている見守りサービスを利用する、見守り家電を利用する、インターネットを利用するなどの方法があります。

孤独死とは?

「孤独死」または「孤立死」とは、どのような状態を指すのでしょうか。

孤独死とは

「孤独死」とは、主に一人暮らしの人が何らかの原因によって死を迎え、住居内で誰にも看取られず死亡することです。

「孤独死」のほか「孤立死」「独居死」と言われることもあります。

死に至る原因は、自殺、脳梗塞・心不全などによる突発性の疾患、老衰などさまざまです。

一人暮らしで誰かに助けを求められずに亡くなってしまうため、発見までに相当に時間がかかってしまうケースも少なくありません。

孤独死する人は高齢者とは限りませんが、特に高齢化社会の中で、独居老人の孤独死が社会問題となっています。

孤独死の原因とは?

孤独死の原因とは?

一人暮らしの高齢者が孤独死に至る原因は多岐にわたります。

社会の変化

昔と違い、現代の日本では少子高齢化・核家族化が進んでいます。

子どもが独立したあと、同居する家族が少なくなり、夫婦だけの生活になる人が増加し、配偶者が亡くなってしまうと1人きりの生活になってしまいます。

また、生涯未婚率も上がっています。

結婚することなく1人で生涯を終える人が増えているのです。

そのため、亡くなっても誰かに見つけてもらうことが難しいという状況が起こっています。

孤立

定年後、社会とのつながりがなくなってしまったり、日頃から家族や他人との交流が乏しい人が増えています。

内閣府の調査によれば、高齢者の日常の会話の頻度は、メールや電話も含め「2〜3日に1回」という人が最も多く、次いで「1週間に1回未満」となっています。

このように、ほとんど誰とも交流をしない高齢者が増えているのです。

また、個人主義が広がってきたことや、高齢化するニート・引きこもりの人が増えていることなど、人との関わりが薄くなっている傾向も、孤独死につながる要因となっています。

経済的問題

経済的問題も原因の1つです。

モノが溢れている現代で、高齢者が餓死したというニュースがあったように、高齢者の貧困は、近年、社会問題となっています。

両親の介護をするため退職し、両親の死後、職が見つからず生活保護を受けているという人、十分な蓄えを作れず老後を迎えてしまったなど、原因はさまざまです。

経済的に余裕があれば、もっと体のケアをできたかもしれません。

倒れた時に救急車を呼ぼうと思ったものの、その後の治療費を考えて呼べなかったなど、経済的問題は、高齢者の孤独死を招く要因の1つとなっています。

あなたの親は大丈夫? 孤独死しやすい人とは?

あなたの親は大丈夫? 孤独死しやすい人とは?

増加している高齢者の孤独死。

内閣府の調査「高齢期の暮らしの動向」(令和2年版)によると、孤立死を身近なものと考える人の割合は、1人暮らしの人で「とても感じる」15.9%、「まあ感じる」34.8%と、高い割合を占めています。

また、いずれ1人暮らしになると考えられる夫婦のみ世帯でも、「とても感じる」が7.5%、「まあ感じる」が23.6%となっています。

孤独死しやすい人には、特徴やポイントがあるのでしょうか。

社会とのつながりが薄い人

なんと言っても、孤独死が多いのは社会とのつながりが薄い人です。

たとえ、未婚や、配偶者・パートナーが亡くなって1人になったとしても、社会とつながっていれば、亡くなったことが誰にも気づかれない可能性はかなり低くなります。

日常的に誰かと会ったり、話をしたりしていれば、少し調子が悪そうな時に指摘してもらうことができます。

1人暮らしの場合、ちょっとした不調に気付かず、見過ごしてしまうことが多くなりがちなので、このような他人との交流は大切です。

脳梗塞など突発的な病気にかかった場合でも、普段から他人と交流している人であれば、早めに発見してもらえる可能性が高まります。

持病のある人

持病がある人も、孤独死の可能性が高いと言えるでしょう。

特に、糖尿病や高血圧など生活習慣病がある人は、他の病気を引き起こしやすく、また重症化しやすくなってしまいます。

健康管理ができていない人

今現在は病気にかかっていなくても、健康管理をしていない人ほど孤独死に近いと言えるでしょう。

肥満なのに好きなだけ食べたり、塩分を考えない食事をする、野菜を食べないなど、栄養や健康を考えない食事をしている人は要注意です。

お酒が好きな人も要注意です。

適度に楽しむのならいいのですが、お酒は度を越すと体に負担がかかり、肝硬変などさまざまな病気を引き起こしたり、突然死を招く要因となります。

また、依存症になってしまうケースも多く見られるので、注意が必要です。

さらに、日頃から運動を行っていない人も多く、インドアに引きこもりがちになる傾向があります。

経済的余裕がない人

高齢者の中には、年金だけでは暮らしていけないというケースも多く、働かなければ生活していけない人もいます。

また、年金を受給できる年齢に達しないうちに病気にかかってしまうこともあります。

金銭的な余裕がないために、病気になっても病院に通えずに亡くなってしまい、孤独死となってしまうことがあるのです。

男性

孤独死する人には、もちろん男女両方のケースがありますが、男性の方が多いことがわかっています。

現在の高齢者世代は、仕事中心の生活を送ってきたために料理や掃除などの家事が苦手で、健康管理やきちんとした生活を送ることが難しい場合があります。

また、人付き合いが苦手な人も、どちらかというと男性に多く、地域の活動やコミュニティに属したり、他人との交流を望まない人が多いことが原因と考えられます。

孤独死を防ぐ対策とは?

孤独死を防ぐ対策とは?

孤独死で最も大きなポイントは「人との交流がない・少ない」ということです。

1人暮らしであっても、親御さんが孤独死してしまわないよう、対策を立てておきましょう。

地域の交流に参加してもらう

地域の高齢者向けイベントや交流会に参加することで、周囲とのつながりを作り、孤立化させないようにします。

近年、地域でのおしゃべりサロンや、簡単なストレッチ、ウォーキング、ハイキングなどのイベント、趣味の講座、ボランティアなど、高齢者が参加できるさまざまなイベントが行われています。

こういったイベントに参加することで周りとの交流が生まれるだけでなく、趣味や生きがいを見つけることができます。

見守りサービスを利用する

民間企業では、高齢者の見守りサービスを行っています。

スタッフが直接利用者宅に訪問して生活状況を確認し、自治体や家族にメールや郵送で知らせるサービスです。

また、火災や何者かの侵入を察知した場合の駆けつけや、緊急通報に対応するサービスもあります。

このほか、地域や自治体で行っている見守りサービスもありますので、居住地域で探してみましょう。

見守り家電を利用する

見守り家電は、家に置くだけで親御さんの行動をスマートフォンに知らせてくれる家電です。

他人に訪問されたり、話したりするのが苦手な人に向いています。

ポットや冷蔵庫の使用時間や、テレビの視聴時間、いつ使用したかを知らせてくれるものや、部屋のドアを開閉したことが確認できる人感センサー、小型GPSでの位置確認など、親御さんの行動によって無事を確認できます。

また、簡単な受け答えができて話し相手になり、行動の様子をスマホに送ってくれるロボットや、姿の直接確認・会話もできる見守りセンサーなど、さまざまな家電があります。

親御さんに合った家電を探しましょう。

インターネットを利用する

近年は、高齢者もスマホやパソコンを使うことが当たり前になってきました。

インスタグラムやツイッターなどのSNSは、簡単に自分の考えや近況などをアップすることができるので、手軽に親御さんの様子を知ることができます。

SNSに定期的に投稿していれば、投稿が途絶えてしまった時、異変が起こった可能性があると伝わります。

実際、動画投稿サイトで、ライブ配信を行っていた人に異変が起きたことを、視聴者が通報したという出来事もありました。

SNSを通して、同じ趣味を持つ人と交流が始まったり、旧友と再び出会えたりするなど、他人との交流も増えるでしょう。

不特定多数の人との交流が苦手なら、家族でLINEを利用し、近況を伝え合うのも良いでしょう。

万が一のとき、気づきやすくなります。

まとめ

誰にも看取られることなく息を引き取り、誰にも気づかれず長期間放置される「孤独死」

誰にも看取られることなく息を引き取り、誰にも気づかれず長期間放置される「孤独死」。

近年、このような悲惨な事例が、頻繁に報道されるようになっています。

人間の尊厳を損なう孤独死。

誰もが、自分の親や身内には、このようなことになってほしくないと思うのではないでしょうか。

親御さんに合う方法を見つけて、孤独死を防ぎましょう。

この記事の監修をしたゴミ屋敷の専門家

氏名:新家 喜夫

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長。