身内が亡くなったあとの遺品整理。
故人を供養する意味でも、丁寧に行いたいですね。
しかし、大量にものが出てくると、かなり労力も時間もかかります。
そんな遺品整理を自分で上手に行う方法について、2回目です。
目次
遺品整理への罪悪感をなくすには?
遺品整理の下見をし、スケジュールも立てて、いざ遺品整理です。
でも、実際に遺品を手にとってみると、故人のものを処分することに罪悪感を持ってしまう人も多いようです。
それは人として自然な感情ですが、かと言って、いつまでも遺品をそのままにしておくわけにもいきません。
遺品の処分に対する罪悪感をなくすには、このように考えてみましょう。
思いは思い、モノはモノ
「故人の思いと品物は別もの」です。
遺品を見ると、故人のことを思い出しますね。
でも、本当の思い出は遺品にあるのではなく、自分の心の中にあるのではないでしょうか。
いつか自分が死んだあとのことを想像してみましょう。
大切な子供や孫は、自分の荷物が大量に残っている家で暮らすことになります。
遺品をとっておいても、いつかは自分の子供や孫、親族などが処分することになるでしょう。
それならば、思い切って今、処分してしまいましょう。
遺品そのものよりも、心にある思い出を大切にしましょう。
形見分けをしよう
遺品を全て処分してしまう必要はありません。
故人の愛用品などを少量だけ残し、親族や知人・友人などに形見分けをしましょう。
遺品の処分に気が引けるのは、遺品と一緒に故人の存在も捨ててしまうような気がするからです。
そこで、故人を思い出すよすがとなる遺品を少しだけ残し、大切にしていけば、罪悪感も少なくなります。
親族や親しい友人、ゆかりのある知人などに形見分けをし、思い出を残しましょう。
遺品を供養する
遺品の処分に罪悪感を感じてしまうのは、不要となった遺品をごみとして捨てるというところにも理由があります。
確かに、故人が愛用していたものをごみ扱いするのは心が痛みますね。
そんな時は、遺品をお寺や神社で供養してもらいましょう。
燃えるものは「お焚き上げ」という形で、天に還してもらえます。
また、燃やせないものも別の形で供養してもらえ、宿っていた魂を抜いてもらえます。
供養してもらえば、それはただの「モノ」に戻ります。
氏子になっている神社や、檀那寺がある場合は問い合わせてみましょう。
そのほか、箱に入れて送るだけで供養をしてもらえる寺社もあります。
また、遺品整理業者でも遺品の供養を代行しています。
不要となった遺品を、提携の寺社で合同供養したり、自宅に僧侶を招いて供養してもらう直接供養などがあります。
どうしても罪悪感が抜けない場合は、相談してみましょう。
遺品整理を始めよう!
では、いよいよ遺品整理を始めましょう。その手順をご紹介していきます。
必要なものを仕分け・確保する
まず最初に、絶対に捨てられない思い出の品、あとで形見として分ける品などを選別しましょう。
思い出の品のほか、宝石・貴金属などの貴重品、現金・通帳・印鑑、有価証券、写真・アルバム、各種契約書類など重要なものも仕分けして確保しておきます。
形見分けの品は、自分一人だけでなく、家族や親族と一緒に判断するとよいでしょう。
必要なものを入れるための専用ダンボールを作り、そこに入れていきます。
ダンボールには、間違って処分してしまわないよう、必ず「必要」「形見」「書類」などと明記しておきましょう。
間違えて廃棄してしまったら、もう取り返しがつきません。
必要なものの仕分けには十分注意しましょう。
リサイクル可能なものを仕分ける
次に、リサイクル可能なものや、資源として再利用できるものを仕分けます。
リサイクル家電
エアコン、テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は「家電4品目」と呼ばれ、家電リサイクル法に従って処分する必要があります。
また、パソコンはメーカーや家電量販店に持っていき、適正な処分をしてもらいましょう。
これらの家電は、製造日からだいたい5年以内のものであれば、リサイクルショップなどで買い取ってもらえる可能性があります。
自分で処分するのが大変な場合は、問い合わせてみるとよいでしょう。
一般家電製品
自治体のルール(品目・サイズなど)に従って処分しましょう。
一般家電製品も、製造日から5年以内のものなら、リサイクルショップなどに買い取ってもらえる可能性があります。
一般金属類
鍋やフライパン、釜なども、自治体のルールに従って処分します。
銅、アルミ、真鍮、ステンレスなどについては買取り市場もあるので、調べてみてもよいでしょう。
空き缶などは、自治体のルールに従って処分しましょう。
古紙
新聞、雑誌・書籍、ダンボールなどはまとめて、自治体で決まった回収日に出しましょう。
まとめ方にもルールがあるので注意が必要です。
量が多い場合は、自治体の回収センターに持ち込んだり、古紙回収業者に回収してもらうなどの方法もあります。
古布・衣類
古い布や衣類は、自治体で行っている回収に出しましょう。
また、町内会などで古布や古着の回収を行っているところもあります。
まだ着られる衣類(特にブランドもの)や着物などは、専門業者に買い取ってもらいましょう。
最近では、インターネットでも査定してもらえます。
また、衣類専門の慈善団体に寄付して社会貢献するという方法もあります。
家具類
状態にもよりますが、リサイクルショップなどで買い取ってもらえる場合があります。
問い合わせてみるとよいでしょう。
引き取ってもらえないものは、粗大ごみとして処分する必要があります。
自治体のルールに従って指定日に出すか、処分センターなどに持ち込みます。
ガラス類
アクセサリーや置き物、高価なグラスなどは、リサイクルショップなどに相談してみましょう。
買い取ってもらえる可能性があります。
ごみを仕分ける
必要なものとリサイクルできるものを仕分けすると、残るのは不要なものです。
自治体の回収に出したり、処分センターへ持ち込んだりする場合は、分別が必要です。
可燃ごみ
紙類、生ごみ、木製製品、革製品、再生できないビニール、プラスチック製品など
不燃ごみ
陶磁器の食器、植木鉢、金属類、その他の不燃雑品
粗大ごみ
家具、一般家電類、布団、カーペット、自転車など
一般廃棄物として出せないもの
ブロック、コンクリートがら、園芸用の土、金庫、消化器など
これらは、専門の業者に引き取ってもらいましょう。
ただし、自治体によってルールが異なりますので、事前に確認しましょう。
家屋・部屋の手続きや処理
部屋の中の遺品類や荷物がすべて片付いたら、次に、住まいに関する手続きをしましょう。
賃貸住宅の場合は、清掃や原状回復をします。
個人では掃除しきれないレベルの汚れや室内の破損などがあった場合は、管理会社と相談しましょう。
その後、退去手続きをします。公営住宅の場合は各市町村の担当窓口へ、民間住宅の場合は管理会社か大家さんに連絡をして退去します。
持ち家で、遺品整理後に売却したり賃貸に出したりする予定がある場合は、不動産会社に相談しましょう。
リフォームなどが必要な場合も相談に乗ってもらえます。
遺品整理で注意したいポイント
個人情報
遺品整理をするときに注意したいのが、個人情報の流出です。
たとえば、名前や住所などが記載されている公共料金のお知らせや、パスポート、健康保険証、免許証、年金証書、クレジットカードなどは大切な個人情報です。
封筒などを捨てるときは、シュレッダーにかけるか、個人情報保護スタンプを押す、情報部分をペンで塗りつぶす、細かく破るなどしておきます。
故人の健康保険証・年金証書・免許証・クレジットカードなどは、それぞれ役所や年金事務所、警察署などしかるべき場所で手続き・返却します。
クレジットカードは、クレジットカード会社に連絡をして解約し、廃棄するか返却します。
デジタル遺品
故人の「デジタル遺品」もきちんと処分することが大切です。
デジタル遺品とは、パソコンや携帯電話、デジタルカメラなどに残された情報のことです。
メールアドレス、写真、文章、SNS、ブログなどの情報は、放置しておくと、第三者に悪用されたり、法外なお金を請求されたりすることもあるので注意が必要です。
こうした機器を処分するときは、データをきちんと削除しましょう。
機器がリサイクルされたとき、個人情報が流出し悪用される恐れがあります。
データは完全に消去しておきましょう。
文章や写真、メールなどはそのまま保管するか、ハードディスクなどの外部メモリにコピーしておきます。
SNSなどのアカウントは、なりすましや乗っ取り防止のため閉鎖・解約します。インターネットバンキングも解約しましょう。
まとめ
不用品を処分する際は、分別に注意します。
自分で処理できない場合や、不用品の運搬・廃棄に困った場合は遺品整理業者に相談してみましょう。
不用品の買い取りなどの相談にも乗ってもらえます。