あなたのお家のお墓は、どこにありますか?
お墓参りには、欠かさず行っていますか?
近年、郊外に大規模な霊園などができているため、お墓が遠くてなかなか行けない人は多いかもしれませんね。
また、高齢化による体力の低下などから、なかなか定期的に行けないという人も増えています。
お墓参りができないと、ご先祖様をないがしろにしているようで気になるものです。
そんな人は、お墓参りをどうすればよいのでしょうか?
目次
お墓参りとは?
まず、お墓参りについて見直してみましょう。
- お墓参りは何のためにするの?
- お墓参りの時期は?
- お墓参りの仕方
お墓参りは何のためにするの?
お墓参りとは、何のためにするのでしょうか?
一言で言えば、ご先祖様に感謝し、魂を供養するためです。
お墓の中にいるご先祖様たちは顔も知らない昔の人かも知れません。でも、その人が存在しなければ、今あなたはここにいないのです。
お墓参りの時は、あなたをこの世に送り出してくれたご先祖様のことを大切に思い、感謝して手を合わせたいものです。
お墓参りの時期は?
お墓参りは、必ずいつ行かなくてはならないという決まりはありませんが、代表的なお墓参りの時期を挙げてみましょう。
お盆
お盆は、7月または8月の13日~15日(地域によっては16日)、亡くなったご先祖様が家に帰って来る期間とされています。
故郷を遠く離れていても、この時期は実家に帰省して、ご先祖様の供養のためにお墓参りをする人が多いのではないでしょうか。
お彼岸
年に2回、春分の日、秋分の日を中日とする前後3日間、計1週間を「お彼岸」といいます。
一般的にお彼岸のお墓参りは、中日か、その前後に行きます。
年末年始
お正月は、年神様とご先祖さまをお迎えする魂祭りの行事。お正月はお墓参りのよい機会です。
「お正月にお墓まいりをするのは縁起が悪い」ともいわれますが、明治時代の廃仏毀釈の名残りというだけで、実際に悪いことが起きるわけではありません。
年末にはお墓をきれいに掃除し、新年にはご挨拶をして一年の無事を祈願しましょう。
ご先祖様の命日
故人の命日にはお墓まいりをしましょう。
亡くなった日の同月同日を祥月命日、毎月の同日を「月命日」といいます。
たとえば、亡くなった日が9月10日なら、9月10日が祥月命日、他の月の10日が月命日です。
一周忌、三回忌などの法要がない年もぜひお墓参りしたい日です。
法事や法要
四十九日や納骨式、一周忌など法事・法要の時にお墓参りをします。
家族、親族揃ってお墓に手を合わせる良い機会ですね。
人生の節目
お墓参りをしてはいけない日はありません。受験合格、結婚、出産、新築などお祝いごとがあったら、ご先祖さまにぜひ報告してください。
迷いや悩みがあるときなども、お墓参りをしましょう。静かな気持ちで手を合わせると、道が開けてくるかもしれません。
お墓参りの仕方
お墓参りをした経験はあっても、そのやり方が正しかったかどうかと聞かれると「あれ?」と思う人もいるかもしれませんね。
ここでは、正しいお墓参りの作法をみていきましょう。
お墓参りの時間
お墓参りに好ましくない時間帯は夕方です。
昔、黄昏時は、魔物に遭遇したり、災禍を被ったりする時間と考えられていたことから、お墓参りにはよくないとされています。
現代でも、お墓は暗くて人けがないところが多いので、足元も危なく、避けたほうがよいでしょう。
墓地で訪問時間が決まっていれば、その範囲内にお参りをしましょう。
お墓参りの服装
一周忌などの法要や新盆の時は喪服を着ましょう。それ以外の時は自由な服装でOKですが、あまり派手な服装や華美なアクセサリーは避けます。
また、あまりくだけすぎた服装も考えものです。
特に野外にあるお墓では、お墓掃除の邪魔にならず、節度ある服装が好ましいでしょう。
お墓参りに必要なもの
ほうき、ちりとり、ごみ袋など掃除用具と、仏花、ろうそく、線香、ライター、供物、供物をのせる半紙、数珠などを持参しましょう。
お墓参りの手順
僧侶や管理人がいる墓地であれば、お参りの前に一声かけます。
次に、バケツに水を汲み、自分の家のお墓に行きます。
伸びてきた雑草を抜き、枯れ草や落ち葉、蜘蛛の巣などを取り除きます。
暮石のまわりを箒で掃き、墓石に付いている苔や汚れを丁寧に落としましょう。
バケツの水をひしゃくですくい、墓石にたっぷり丁寧にかけます。
掃除が済んだら、花立てに仏花を飾り、半紙を敷いて供物をお供えします。
ろうそくと線香に火を灯し、心を落ち着けてお墓に手を合わせましょう。
この時、暮石より高い位置から拝んではいけません。暮石が低い場合は、しゃがんで手を合わせます。
お参りが済んだら、供物を片付けます。供物をそのままにしておくと、ネコやカラスなどに狙われ、お墓が汚されてしまいます。
また、線香やろうそくの火は必ず消しましょう。
口で息を吹きかける行為は失礼にあたります。必ず、手で仰いで消しましょう。
最近のお墓参り事情
お盆や年末年始、また、学校の合格や卒業を報告に行くなど、お墓参りをする機会というのは意外とあるものです。
でも、気になっていながら、なかなかお墓に行けない人が増えています。それはなぜなのでしょうか?
- お墓が遠い
- 高齢のため
お墓が遠い
近年、大規模な郊外型墓地が増えています。
お墓を買ったものの、電車を乗り継いだり、車を長時間運転しなければならないために、お墓参りが一日がかりになってしまうケースが増えているようです。
また、実家から遠方に就職して、なかなか帰れない人も。こういう理由から、お墓になかなか行けない、行っても1年に1回くらいになってしまうのです。
高齢のため
現代日本は超高齢化社会です。年齢を重ねたために、体力が弱くなったり、体の調子がすぐれず、お墓になかなか行けない高齢者が増えています。
手を合わせるだけならまだしも、お墓に行けば、掃除をしたり、水を入れた重いバケツを運んだりしなくてはなりません。
こういったことを定期的にするだけの体力がなくなり、なかなかお墓に行けないというわけです。
「お墓参り代行サービス」を活用する
近年、事情でお墓参りができない人や家族に代わってお墓の掃除をしたり、線香やお花を添えてお参りするサービス「お墓参り代行」が生まれました。
- 「お墓参り代行サービス」とは?
- どんなサービスが受けられるの?
- どんな業者を選べばいいの?
- 費用の目安は?
「お墓参り代行サービス」とは?
お墓参りを家族以外の人がする、という選択肢は今までなかったこと。
家族以外では、よほど親しい知人や友人でもなければ、他人のお墓の世話をするなど考えられませんでした。
しかし、そのため、お墓が荒れ放題になってしまうことがあります。
お墓はご先祖様の眠る場所ですから、いつもきれいにしておきたいもの。
そこで、なかなか行けないけれど、お墓がどうしても気になるという人のために生まれたのが「お墓参り代行サービス」なのです。
どんなサービスが受けられるの?
お墓参り代行サービスの基本的なサービス内容は、お墓の掃除です。
墓地や墓石を掃除し、周辺のゴミを集めます。また、花立てや線香皿などの水洗いや拭き掃除をします。
また、その家のお墓の敷地にある植木を剪定したり、伸びた雑草をむしったりして、墓所をきれいに整えます。
「お墓参り代行サービス」という名前ですが、どちらかというと、ハウスクリーニングのような感覚かもしれません。
希望すれば、仏花を生けたり、供物をお供えしたりもしてもらえます。
このようなサービスを使えば、いつもお墓をきれいに保つことができます。
その上で、大切な時には自分でお参りに行くということができるわけです。
業者と年間契約を結べば、常にお墓をきれいにしておくことができます。
どんな業者を選べばいいの?
お墓参り代行サービスは、まだ新しい業種です。
資格などもなくすぐに始められるため、お墓や仏事について十分な知識がないまま起業することができてしまいます。
そのため、お墓の掃除方法が適切でなく、墓石に傷やシミをつけてしまったり、墓地管理者や菩提寺とトラブルを起こしたりという問題が起きています。
このようなトラブルを避けるためには、どのような点に気をつけて業者を選べばよいのでしょうか?
業務内容を公開しているか
ホームページを検索すると、たくさんの業者が上がってきますが、その中で、手順で掃除を行っているかを公開しているところを候補にしましょう。
また、写真や報告書を作成してメールなどで送付してくれる業者なら、依頼した内容をきちんと遂行したかがわかるので安心です。
墓石などに関して専門的知識があるか
墓石を、薬品や洗浄機を使ってクリーニングする必要がある場合は、その内容を質問してみましょう。汚れや薬品の特徴をきちんと説明できるか見極めます。
業者によっては、石のプロである石材店と提携し、専門的なクリーニングを依頼しているところもあります。
大切な墓石を守るため、特殊なクリーニングをする場合は注意しましょう。
宗旨・宗派の特徴を心得ているか
たとえば、浄土真宗なのに般若心経を唱えたり、日蓮宗なのに「南無阿弥陀仏」と唱える業者があります。
浄土真宗では般若心経を唱えませんし、日蓮宗の場合は「南無妙法連華経」と唱えます。このような間違いは、大変失礼に当たります。
業者を選ぶときは、どのような基本理念で取り組んでいるかを重要視しましょう。
お墓を丁寧に扱い、心を込めてサービスを行ってくれる業者を選びたいものです。
費用の目安は?
お墓参り代行サービスの料金は、1回7~8千円から2万円くらいのところが主流のようです。墓石の区画の広さや、地域によって異なります。
専門的な墓石の洗浄や、植木職人による剪定が必要な場合は、別途料金が加算されます。
また、コースやプランが設定されている業者がほとんどです。
仏花と線香をお供えするだけのコースや、通常の簡単な掃除をするコース、専門的なクリーニングをするコース、また、お墓が現在どんな状況になっているかの確認をしてもらうコースなどもあります。
台風などや地震などがあったときに、様子を見てもらうと便利です。
コース内容によって料金が異なりますので、自分のやってほしい内容を相談してみるとよいでしょう。
現在では、100あまりの市町村が、ふるさと納税の特典メニューに加えているほど人気の「お墓参り代行サービス」。
今後はますます需要が高まっていくことでしょう。どうしてもお墓に行けない時は、利用するのもアリではないでしょうか。