遺品整理をしていると、どう処分したらいいのか困るものが出て来ます。
特にサイズが大きいものは、見ただけで「これ、どうしたらいいの……」という気分になりますよね。
そんな、処分に困るものの一つが、故人が使用していた寝具です。
とにかく重くてかさばる布団やベッド本体。また、古く汚れているのは気持ちのよいものではありません。特に、故人が長い間使い込んでいたような場合は、再利用するのもちょっと……と思うこともあるかもしれません。
とは言っても、遺品は遺品。故人が長く愛用したものを捨てたら失礼ではないかと悩む人が多いのです。今回は、そんな布団やベッドの処分についてお話します。
目次
布団を処分する
故人が使っていた布団や、葬儀までの間、ご遺体を寝かせていた布団をどうするか。布団そのものが新しければ、干したり丸洗いしたりして使うこともあるでしょう。
しかし、布団が古く、処分したい場合、どのようにすればよいのでしょうか?
- 粗大ごみに出す
- 可燃ごみに出す
- 不用品回収業者に依頼する
粗大ごみに出す
引っ越しシーズンなど、外に出された布団が捨ててあるのをよく見かけますよね。布団は粗大ごみとして処分することができます。
回収してもらう
布団は、自治体に粗大ごみとして回収してもらえます。
自治体の粗大ごみ受付センターに問い合わせて、回収日と場所、料金を確認し、予約します。
次に、スーパーやコンビニなどで粗大ごみ処理券を購入しましょう。料金は300円~500円のところが多いようです。
回収日になったら、指定のゴミ置き場まで布団を運び、粗大ごみ処理券を貼っておけば、回収してもらえます。
ごみ処理場に持ち込む
ごみ処理場に直接持ち込むこともできます。
回収の場合と同様、自治体に問い合わせ、指定日時を確認し、持ち込みます。持ち込みの場合、回収よりさらに100円ほど料金が安くなる場合もあります。
持ち込み・回収ともに、指定日時まで布団が処分できないこと、大きなものなので、指定場所やごみ処理場まで運ぶのが大変というデメリットがあります。
可燃ごみに出す
実は、布団は可燃ごみに出すことができます。
ほとんどの布団は、燃やせる素材でできていますから、可燃ごみとして処分することができるわけです。ただし、その際には注意しなくてはならないポイントがあります。
それは、「布団は大きい」ということです。
ほとんどの自治体では、30cm四方以上のものは粗大ごみとして扱われます。そのため、布団を可燃ごみに出すためには、解体し、30cm以下にしなければならないわけです。
道具を用意する
大きめのハサミ(洋裁用の裁ちバサミ)やカッターナイフ、マスク、ごみ袋を用意します。
布団の内部には綿や羽毛などが詰められています。
長く使っていたものの場合、ダニやカビで汚染されていたり、ほこりが舞うことがありますので、マスクは必須です。
解体する
ハサミまたはカッターナイフで布団の縫い目に沿って切り、布と中身を分けます。
綿は小さく切断してごみ袋に入れます。羽毛の場合は、そのまま袋に入れてOKです。
ダニやほこりを吸い込まないよう、部屋の換気をしながら行いましょう。また、解体が終わったら、必ず室内を掃除しましょう。
布団を可燃ごみに出す最大のメリットは、費用がかからないことです。また、自分のタイミングやペースで出来ることもメリットと言えましょう。
しかし、布団の解体作業は非常に大変です。厚い布団などは、時間も手間も相当かかり、女性1人ではかなり困難でしょう。
また、自治体によっては1回に出せるごみの量を制限しており、一度では処分できないこともあります。どうしても費用を抑えたい、自分で処理したい場合以外はお勧めできません。
不用品回収業者に依頼する
スムーズに布団を処分したい人は、業者に依頼しましょう。
出張してくれる不用品回収業者であれば、自分の都合のいい時に電話1本で自宅まで来てもらえ、重い布団を運び出す必要もありません。
業者によって廃棄料金は異なりますが、およそ1000円~3000円ほどが目安になるようです。また、別途、出張費がかかることもあるので事前に確認しておきましょう。
布団以外にも処分したいものがあるときは、まとめて出せるので便利ですが、布団のみ処分したい場合はかなり割高になってしまうことは否めません。
布団を再利用する
布団は、大きいから捨てにくいということだけではなく、気持ち的にも捨てにくいという人もいます。
かつては嫁入り道具とされていた布団。中高年の人の中には、両親が子供の幸せや健康を祈り、仕立てて持たせてくれたという人もいるのではないでしょうか。
また、ご主人や奥様を亡くされた人は、「配偶者の布団を捨てるにしのびない」とおっしゃる人も少なくありません。
そんな布団を再利用する方法があります。
- 打ち直す
- 寄付する
打ち直す
布団は、仕立て直して再利用することができます。これを「打ち直し」といいます。
布団は、長年使用しているうちに、ボリュームがなくなり硬くなってしまいます。それを一度解体し、中の綿をほぐしながらゴミやほこりなどを取り除いて、新品のようにふっくらとさせます。そして、新しい生地に包み直して布団をリフレッシュさせるのです。
高価なものであるほど、中綿や羽毛も上質な物が使われているので、打ち直せば再利用できる可能性が高くなります。こうすれば、故人が愛用してきた布団も、引き続き大切に使っていくことができますし、環境にも優しいですよね。
布団の打ち直し費用は1万円前後が相場のようです。ただし、大きさや素材によっても変わるので確認してください。
布団の寿命は、敷布団で3~5年、掛布団で7~10年ほどが目安です。あまりにも中綿や羽毛などの材質が劣化していると、打ち直しは難しくなります。
寄付する
まだ使えるけれど、自分が使うには抵抗がある。こういった布団は、寄付してはいかがでしょうか。
日本では、中古の布団がリサイクルされたり再利用されたりすることは多くないですが、開発途上国の支援を行っている団体のなかには、布団の寄付を募っているところもあります。
メールで問い合わせ・依頼をし、段ボールなどに梱包して集荷してもらいます。手数料は団体に問い合わせましょう。
こういった団体では、中古の布団だけでなく、古着やぬいぐるみ、家電なども受け付けています。
ただし、生地が破れていたり、あまりにも使い古された布団は引き取りできないこともあります。こちらにとっては捨てるものでも、相手の使用に耐える品でなければ寄付の意味がありません。事前に条件を確認しましょう。
不要な布団が海外で誰かの役に立てば、故人にも喜ばれるのではないでしょうか。
布団を供養する
故人の布団を処分したいけれど、ただ捨ててしまっていいものか?
供養などはしなくてもいいのか?
こういった悩みを持つ人がいます。
布団は仏壇などのように供養できるのでしょうか。はい、できるんです。
- 布団供養専門業者に依頼する
- 遺品整理業者に依頼する
布団供養専門業者に依頼する
布団を供養してくれる専門業者があります。
業者で用意くれる布団袋に故人の布団を入れ、引き渡すだけでOK。合同供養になりますが、業者が提携の寺院から僧侶を招き、依頼者に代わって供養をします。
布団袋の中には、布団だけでなく、衣類やぬいぐるみ、人形、写真など、布団以外のものも入れられます。供養終了後に、供養証明書が発行されます。
布団袋代金・引取運送料・処理料を含み、3万円ほどかかるようです。希望の日時に引き取ってもらえるので便利です。
遺品整理業者に依頼する
遺品整理業者も不要になった布団の回収・供養を行っています
遺品や荷物の整理・仕分けや室内清掃のほか、不用品の回収やリサイクル品の買い取りなどと併せて、布団の回収を依頼すれば、費用も割安になるでしょう。
遺品整理業者は、回収したものは全て故人の遺品として大切に取り扱います。
孤独死など、ご自宅の布団の上で亡くなる方も増えてきました。こういった布団であっても、遺品整理業者は回収・供養いたします。ぜひお問い合わせください。
ベッドの処分
大型家具の中で最も処分が大変なのは、何と言ってもベッドではないでしょうか。
使用状況や素材などにもよりますが、ベッドの寿命は長くて10年程度だそうです。意外と短いですね。
ベッドを処分したい場合、どんな方法があるのでしょうか?
- 粗大ごみとして処分する
- 可燃ごみとして出す
- 家具専門店で回収してもらう
- 不用品回収業者に依頼する
- 遺品整理業者に依頼する
粗大ごみとして処分する
自治体のルールに従い、粗大ごみとして出します。
自治体に収集日と収集場所を確認し、当日、粗大ごみシールを貼ったベッドを出します。
最もスタンダードな処分方法ではあるのですが、ベッドは大きいため、回収場所へ運ぶのが非常に大変です。また、決められた指定日が遠い場合は、回収を申し込んでから収集までに時間がかかってしまうこともあります。
高齢者や障害のある方などを対象に、回収のサポートをしている自治体もあります。また、自治体によっては粗大ごみの日に持っていくだけで処理手数料は無料というところもあります。お住まいの自治体へ問い合わせてみましょう。
可燃ごみとして出す
どうしてもお金をかけたくない。そんな場合は、ベッドを解体し、小さくして可燃ごみと不燃ごみに分けて捨てる方法があります。
ただし、解体するための工具と広いスペースが必要です。また、回収できるサイズにするため小さくしなくてはなりません。時間も手間も、非常に大掛かりな作業となります。
家具専門店で回収してもらう
ベッドの回収を行っている家具専門店があります。
ベッドを購入すると、不要になったベッドを、配送時に3000円ほどで回収してくれます。
また、新しく購入する家具がベッドでなくても購入した家具の搬入時にベッドの回収を行ってくれることもあります。
ベッドまたは家具の買い替えを検討しているなら、利用するとよいでしょう。
不用品回収業者に依頼する
スムーズな処分をしたいなら、不用品回収業者を利用するとよいでしょう。
ベッド以外にも多くのものを回収してくれるので、処分したいものがたくさんある場合は便利です。
自分の都合の良い日時に処分できること、自宅まで引き取りに来てくれるため、手間がかからないことがメリットです。
遺品整理業者に依頼する
遺品整理業者も、もちろんベッドの処分を承っております。
遺品整理を専門とし、必要な知識・資格を持つスタッフが、依頼者の気持ちを尊重しながら対応いたします。故人が残された品は、全てが大切な「遺品」です。たとえ最終的に廃棄するものであっても、心を込めて丁寧に扱います。
介護用ベッド
故人が自宅療養されていた場合、介護用ベッドが不用となることがありますね。普通のベッドよりも大きくて重い介護用のベッドは、どのように処分すればよいのでしょうか?
介護用品業者に買い取ってもらう
中古介護用品を扱っているお店を探してみましょう。まだ使用できる状態であれば、買い取ってもらえます。再利用はエコにも繋がります。
ちなみに、介護ベッドは普通のリサイクルショップでは買い取ってもらえません。
人に譲る
親戚や知人に、介護ベッドを必要としている人はいませんか? また、地域の福祉施設などに、寄付できるかどうか問い合わせるのもよいでしょう。
また、インターネットでは、近隣に住む人に、家具などをもらってくれる人を探すサイトがあります。
今後、介護用ベッドの需要は増えていくと考えられるため、欲しい人が見つかる可能性は高いでしょう。ただ、個人的取引きでは業者を挟まないため、トラブルにつながりやすい面があります。相手をよく見極め、慎重に利用しましょう。
捨てる
介護ベッドは、粗大ゴミとして捨てられない自治体や、分解しなければ収集してもらえない自治体が多いようです。
しかし、仮に介護ベッドを粗大ゴミとして捨てられる地域に住んでいたとしても、重い介護ベッドを回収場所まで運ぶのは大変です。
こういったことにならないよう、介護ベッドを購入せず、初めからレンタルするという手もあります。
ぜひ遺品整理業者にご相談ください
遺品整理は、賃貸の場合は特に早く済ませてお部屋を空けなくてはなりません。そんなとき、布団やベッドのような大物の処分は、大きな悩みになります。
ここでは様々な処分の方法をご紹介しましたが、お困りの時は、ぜひ遺品整理業者にご相談ください。お客様のご意向を尊重しながら、ベストな方法をアドバイスさせていただきます。