遺品整理をすると、個人の趣味のものや道具が出てくることが少なくありません。
なかでも、高齢者の遺品となると、スポーツ系のなかではゴルフクラブが圧倒的に多いです。
ワンセット揃うほど大量のゴルフクラブが残っている場合もあります。
しかし、ゴルフをやらない人にとっては、大きくて重くて置き場所にも困るもの。
処分するにも、判断に困ることが多い遺品のひとつです。
この記事では、ゴルフクラブやゴルフバッグの処分方法について詳しく解説します。
お得に手放す手段もありますので、ぜひ捨て方の参考にしてください。
目次
ゴルフ用品は処分方法に悩みやすい
ゴルフクラブを始めとするゴルフ用品は、種類や大きさ・形状がさまざまです。
普通の家庭ごみには出せないくらいサイズが大きなものもあれば、ゴルフ用品によって素材が異なります。
ゴルフクラブの材質を見ても、様々です。
ゴルフクラブ箇所 | 材質 |
---|---|
ヘッド | 軟鉄、ステンレス鋼、チタン合金、アルミニウム合金、タングステンなど |
シャフト | スチール、コンポジット素材、セラミック系素材など |
グリップ | 天然ゴムやエラストマーなど |
このように、ヘッド・シャフト・グリップ部分で材質に違いがありますし、ゴルフクラブの種類が変われば素材はまた変わります。
このように、ゴルフ用品には様々な材質が使われているため、「何ゴミで出すべきか」判断が難しいです。
しかし、そんな捨て方に悩みやすいゴルフクラブやその他の用品も、適切な処分方法はいくつかあります。
ゴルフクラブを処分する5つの方法
ここでは、ゴルフクラブを含む“ゴルフ用品全般”の処分方法を5つまとめました。
用品や形状・サイズによって正しい処分方法が異なりますので、ひとつずつじっくり見ていきましょう。
(1)燃えるゴミに出す
繰り返しになりますが、サイズが大きい上に金属やゴムなど素材が混在しているゴルフクラブは、普通の家庭ごみとして処分できません。
自治体によって定義は異なりますが、一般的には「30cmを超えるごみ」については、燃えるゴミや燃えないゴミの対象外です。
しかし一部の地域では、「燃えないごみ」としてゴルフクラブを処分できる場合もあります。
例えば東京都町田市では、“40リットルの指定袋に入れて、「リサイクル広場」に持ち込む”ことで、無料で「燃えないごみ」として処分可能です。
このように、ゴルフクラブを家庭ごみとして捨てられる自治体もありますが、ゴルフバッグは粗大ごみ扱いなど、すべてのゴルフ用品が該当するとは限りません。
とはいえ、家庭ごみとして処分できれば、費用も0円で済みます。
まずは、お住まいの地域のゴミ出しルールや家庭ごみの定義を、市町村の公式HPで確認してみましょう。
(2)粗大ごみに出す
家庭ごみに出せる地域は限られている一方、不要になったゴルフクラブは多くの自治体で「粗大ごみ」として処分できます。
ゴルフクラブを捨てる方法としては、粗大ごみが一番手っ取り早い方法でしょう。
粗大ごみに出す場合は当然費用がかかりますが、処分料はそれほど高額ではありません。
安価な自治体の場合の相場は200~400円、高い地域でも1,000円以内で処分が可能です。
ただし、ゴルフクラブを含むゴルフ用品の粗大ごみ回収については、1セットあたりの定義があります。
例えば「神奈川県横浜市」の場合、ゴルフ用品の処分料金は200円と安価ですが、バッグとゴルフそれぞれ処分料金がかかります。
一方、「東京都目黒区」では、処分料金は300円でゴルフクラブ20本を上限に、一括処分が可能です。
また、ゴルフバッグに入る場合は、クラブ込みでバッグを回収してもらえます。
参考:主な粗大ごみ処理手数料一覧 (趣味・スポーツ・レジャー用品)(目黒区)カ行
このように、クラブとゴルフバッグは別に出すところもあれば、バッグごと回収してもらえる自治体もあります。
一度に回収してもらえる本数も自治体によって違いますので、こちらもあらかじめ確認しておきましょう。
粗大ごみは事前受付が必要
粗大ごみ回収は、ほとんどの自治体が申込制です。
ゴルフ用品を粗大ごみで処分できることが確認できたら、自治体の粗大ごみ回収窓口に電話かメールで連絡し、回収を依頼します。
その際に、回収してもらえる日時と場所と料金も確認しておきましょう。
回収の前に、コンビニなどで「ゴミ処理券」など各自治体の処理券を購入し、必要事項を記入し、処分するゴルフ用品の確認しやすい場所に貼っておきます。
後は、当日に指定された回収日時に、処分するゴルフ用品を出しておけばOKです。
粗大ごみは手順を踏む必要があるため、処分にやや時間がかかること、回収日時がこちらの希望通りにいかないなどのデメリットもありますが、処分費用が安いというメリットもあります。
ゴルフクラブを含むゴルフ用品を粗大ゴミに出す場合、早めに申し込むとスムーズです。
(3)クリーンセンターに自己搬入する
「処分費用を少しでも浮かせたい」「いらないゴルフクラブが大量にある」という方は、クリーンセンターへ直接持ち込み処分がおすすめです。
クリーンセンターでは不用品をまとめて処分することが可能なため、まとめて処分できる点は大きなメリット言えるでしょう。
自己搬入が必要ですので、持ち込む手間と労力はかかりますが、処分したいゴルフ用品が多いほど処分料が安く済むためお得です。
ただし、クリーンセンターの数はそれほど多くなく、郊外にあることが多いため、移動だけで時間がかかる場合があります。
また、粗大ごみと同じく、クリーンセンターの自己搬入も申込制の場合が多く、その場合は事前受付が必要です。
(4)不用品回収業者に依頼する
一刻も早く処分したい方や、手間をかけたくない方は、「不用品回収業者」への依頼がおすすめです。
不用品回収業者であれば、早ければ即日対応できる場合もあります。
さらに、自宅から自力で運び出す必要がなく、搬出から積み込み・回収までスタッフがすべて対応します。
そのため、スピーディーな回収を求める方や自分で処分するのが面倒な方にとっては、最適な方法です。
引っ越し等で時間がない場合や、自分で運び出すのが難しい方にも向いています。
ただし、処分する手間がかからない分、人件費など含め料金はそれなりに掛かります。
粗大ごみなら数百円で済みますが、業者へ依頼すると数万円単位でお金が出ていきます。
「お金がかかってもラクに処分したい」と割り切れる人には、よい方法でしょう。
また、不用品回収業者では、家中のあらゆる不用品の回収に対応しています。
もし、ほかにも処分したいものがある場合は、一度にすべて回収してもらえるので手間が省けて一石二鳥です。
優良な不用品回収業者を見極めて
不用品回収業者を利用する場合は、違法な業者に注意しましょう。
“格安”を謳っておきながら、実際は取引後に高額な回収費用を請求されてしまうケースや、回収したものが不法投棄されていたというケースは少なくありません。
違法業者に引っかからないために、以下5つのポイントを確認しておきましょう
- 廃棄物処理等の許可及び提携
- 実際に利用した人の意見・クチコミ
- 写真付きの作業事例
- 公式HPの完成度
- 見積り書
一般家庭の廃棄物を回収・運搬するには「産業廃棄物処理業」ではなく「一般廃棄物処理業」の許可が必要です。
「産業廃棄物処理業」では一般家庭の不用品を回収することはできません。
また、実際の作業事例の他、クチコミなどの生きた意見は非常に参考になります。
実際に見積もりを取ってみて、詳細が書かれているか、オプション等は発生しないかどうか確認することも大切です。
違法な業者にだまされず、優良な不用品回収業者しっかり見分けましょう。
(5)遺品整理業者や片付け者に依頼する
もし、処分したいゴルフクラブが故人の物だった場合、遺品整理業者や片付け業者に依頼するのもひとつの方法です。
すべての遺品を一気に片付けることができるので、急いでいる人や手間をかけられない人、また供養サービスを行っている業者もあるので、相談してみるとよいでしょう。
ゴルフクラブをお得に手放す方法も4つある
まだ使えるゴルフクラブは、売ってお金に換えられる可能性もあります。
早急に手放す必要がない場合は、捨てる前に売却することを検討しましょう。
ゴルフクラブを含むゴルフ用品を売る方法は、主に4つあります。
オークションサイト・フリマアプリで売る
まだ使える状態のゴルフクラブなら、オークションサイトで売却する方法もあります。
インターネットオークションは自分で開始価格が決められるので、入札者が競れば価格が上がる可能性もあります。
フリマアプリは自分で販売価格を設定できるので、納得いく金額で売ることができます。
オークションサイトでもフリマアプリでも、スマートフォンひとつで出品~取引が簡単に行えるので、売る手続き自体はお手軽です。
フリマサイト「メルカリ」では、初心者用のメルカリ教室も開いており、完全無料で参加できます。
出品方法や発送方法まで、アプリの使い方を手取り足取り教えてもらえるので、メルカリ初心者の方も安心です。
ただし、高値で売れる可能性がある分、出品・取引・梱包・発送の手間がかかりますので、時間に余裕がある方に向いています。
すぐに売れるとは限りませんし、確実に売れる保証がないので、すぐに手放したい場合はおすすめできません。
リサイクルショップで売る
お金に換えたいしすぐに手放したいという方は、リサイクルショップがおすすめです。
リサイクルショップは店舗へ直接売りに行くため、オークションやフリマアプリのような面倒な手続きが必要ありません。
かかる手間と言えば、リサイクルショップに持っていくことくらいですが、売りたいものが大量にある場合は、自宅へ出張査定・買取に対応している店舗もあります。
ただし、お店によってスポーツ用品の買取に強いお店もあれば、家電に特化したリサイクルショップありますので、必ずしも納得のいく値段で買ってもらえるとは限りません。
そもそも、ゴルフクラブ自体を扱っていない場合もあるため、お店へ持ち込む前に買取可能な品目の確認は必須です。
また、基本的にリサイクルショップでは高額買取は望めません。
値段がつくとも限らないため、売れなかったものは持ち帰ってこなくてはなりません。
ゴルフ用品の買取専門業者へ売る
ゴルフクラブは、買取専門業者へ売るのもおすすめです。
専門業者のため高値で売れる可能性があるのはもちろん、お店によっては壊れているものでもジャンク品として引き取ってもらえるケースもあります。
買い替えをする場合であれば、下取りしてもらえることもあるため、新しいゴルフ用品を買い替えたい方にも向いています。
不用品回収、遺品整理業者の買取サービスを利用する
近年、多様な要望に応える形で、不用品回収業者や遺品整理業者も進化しています。
不用品回収・遺品整理ともに大量の不用品が出ることが多いため、その中からまだ使えるものを探す「買取サービス」を行っている業者もあります。
価値のある不用品や遺品は買い取り、その分を差し引くことで、作業料金を浮かせることができます。
要らないものは処分しながらも、価値のあるものはお金に換えることができるため、効率面でも経済的にもメリットが大きいサービスです。
ただし、すべての業者が買取に対応しているとは限りません。
サービスの有無については、作業を依頼する前に必ず確認しておきましょう。
高値で売るコツ
ゴルフクラブやゴルフ用品を売る場合は、できるだけ高値が付いてほしいものです。
買取価格や査定金額は状態によって変わります。
売却する前に以下3点を行うだけで、買取額がアップする可能性がありますよ。
- グリップの交換含む
- 付属品を探す
- ゴルフシーズンに売る(夏またはボーナス時)
ゴルフクラブの買取価格は、メンテナンスをするかしないかで大きく差がつきます。
汚れがあれば拭き取り、新品のようなツヤが出るよう磨きあげましょう。
また、付属品はすべて揃っていた方が査定額もアップします。
売却前に探し、小さな備品も見落とさずにまとめておくことが大切です。
そしてゴルフシーズンである夏とボーナスの時期は、需要とともに買取額も上がりやすい傾向があります。
このように、ゴルフクラブは「メンテナンス」「付属品」「シーズン」の3つをおさえることが高額買取のコツと言えます。
こんなゴルフクラブは売れない
ゴルフクラブとして売るためには、中古としての需要があることが大前提です。
そのため、状態によっては買取不可の場合もあります。
あまりに古いもの
ゴルフクラブも服と同じで、流行りがあります。
人気もその時によって変動しますので、あまりに古い型のゴルフ用品は売れません。
売れなくなる年数は、10年が目安です。
製造・販売から10年を超えると買取・取り扱い不可となる場合が多いため、売ると決めたら早めに手放すことが望ましいです。
状態が悪く、保証書がない
傷や汚れが多く、年期が入ったゴルフクラブは、元がどんなに良いものでも売れない傾向があります。
また、ブランドのゴルフ用品については保証書がないと、買取金額がガクンと下がる、もしくは売れない可能性もあります。
まとめ
不要なゴルフクラブは、捨てる以外に「売る」手段がたくさんあります。
新しい持ち主の元で活躍できれば、ゴルフクラブも報われる上に、お金に代わるメリットもあります。
もし故人の愛用した物でも、ゴルフクラブは基本的にお棺に入れることはできません。
それならば、少しでも故人に喜んでもらえる方法で処分をしたいものですね。
大切なゴルフクラブ、処分を検討の方はぜひ最適な手放し方を見つけてください。