実家の片付けで悩む人が増えています。現代は、実家に何世代も同居する時代ではなくなっています。そのため、親にもしもの時のことがあった場合は、実家を片付けなくてはなりません。
古い家に長年溜まったものを片付けるのは、想像しただけでも「疲れた!」と言ってしまいそうですね。実際、実家の片付けに疲れてしまい、途中でやめてしまうケースは少なくありません。今回は、実家の片付けについて見ていきましょう。
目次
実家を片付けるには、どんな方法がある?
実家の片付けには、大きく分けて2つの方法があります。
遺品整理をする
親が亡くなったあとに、遺品整理として実家を片付ける方法です。親が生前に使っていた衣類や生活道具、趣味のもの、家具・家電など、さまざまなものがあります。
遺品整理は、まさに親の生活していたそのままの状態を片付けなくてはなりません。
特に、ものの多い家ではかなりの時間や労力が必要で、「疲れた・・・」と挫折してしまう人も多いようです。
生前整理をする
親がまだ元気なうちに身の回りを片付け、整理する方法です。もので溢れている実家は疲れやすく、健康に悪影響を及ぼすリスクが高まります。そのため、親が普段から「疲れた・・・」とならないために、家を片付けて暮らしやすくしましょう。
また、子世代にとっても、介護などが始まった場合、介護スペースに困らないよう早めに片付けておきたいところです。近年は、自ら生前整理をする高齢者も増えているようですが「まだ元気なのに縁起でもない」と、親の気持ちを傷つけてしまう可能性もあります。親の気持ちを尊重しながら進めましょう。
実家の片付け、何が大変なの?
ものが多すぎる
高齢者の家には、ものがたくさんあることが多いようです。ものが少なかった時代を生きてきたために、ものを捨てない、捨てられない人が多いのです。
こうして実家にはどんどんものが溜まっていき、疲れる家になってしまいます。その分、片付けも大変で「疲れた・・・」となってしまうのです。
体力・気力が衰えている
年齢を重ねると、体力や気力が衰えてきて、片付けや掃除をすることが億劫になってきます。親御さんは、普段から「疲れた」「疲れた」と口にしていませんか?
高齢になると、本当に疲れてしまうのです。片付けたい気持ちがあっても、重いものを持てなかったり、腰痛や手足の痺れから、掃除できないままになってしまいます。
考えの違い
生前整理の場合、親子の考えの違いが大きな壁となることがあります。親は特に不自由を感じておらず、片付けの必要も感じていない。でも子世代は、先のことを考えて早く実家を片付けてほしい。
子世代からすれば、実家はいつまでも自分の家かもしれません。しかし、いったん出れば、以前と同じようにはいかなくなるものです。親を立て、親の気持ちを傷つけないよう配慮しましょう。
実家の片付け、親をやる気にさせるには?
実家の片付けに、なかなか腰を上げてくれない親。親にその気になってもらうには、どうすればよいのでしょうか。
まず自分の部屋を片付ける
親に片付けてと言う前に、まず自分が以前使っていた実家の部屋を片付けましょう。学生時代のものや衣類、アルバムなどが置きっぱなしになっていませんか?実家を出ているのであれば、自分の部屋から片付けましょう。片付けている姿やきれいになった部屋を親に見せることは、やる気が芽生えるきっかけになります。
親のためであることを伝える
ものでいっぱいの部屋は疲れやすくなるといわれています。また、風通しが悪くなりカビや雑菌が発生しやすくなるほか、ホコリが電気タップなどに溜まって火災を引き起こすリスクも高くなります。
もし床にものが転がっているようであれば、動きやすい動線を作れば、つまずいて転んだり怪我をしたりするリスクも減らせます。ずっと健康で過ごしてほしいから、そのための環境作りとして片付けをしたいと伝えましょう。
片付けたあとの生活をイメージしてみる
実家のものが多ければ多いほど、片付けることを寂しく感じるものです。このような気持ちが強いと、片付けに対して前向きな気持ちになれません。
たとえば、「この部屋が空いたら、趣味に使えるよ」「窓を開けて、風や光をたくさん入れれば、疲れにくく健康になるよ」など、片付け後の実家に対してプラスのイメージを持ってもらいましょう。
実家の片付けを上手に行うためのポイントとは?
実家の片付け、特に生前整理を上手に進めるためには、どのようなポイントに気をつければよいのでしょうか。
ものを捨てる時は、必ず親の許可を取る
実家にあるものは、全て家の持ち主である親のものです。つまり、親の持ち物を触るわけなので、勝手に処分してはいけません。勝手に片付けを進めてしまうと、親の気持ちを傷つけてしまいます。
そこから親子間の感情のもつれが生まれ、関係が悪化してしまう可能性も十分にあります。主役は住んでいる親と心得、親を立てながら片付けを進めましょう。
片付けのルールを決める
片付けようと一念発起しても、実際にものを手に取るといろいろなことを思い出して処分しづらくなってしまいます。
そこで、たとえば
- 1年以上使っていないものは捨てる
- 今現在サイズが合わない服は捨てる
など、捨て方のルールを決めましょう。
小さなスペースから始める
部屋の一部でもいいですし、トイレや洗面所などの狭いスペースでもいいので、小さなスペースから片付けを始めましょう。いきなり広い部屋から始めると時間がかかり、ものも多くて時間がかかってしまいます。
なかなか進まないと、そこで片付けが嫌になってしまいます。まず小さなスペースから始めて、成功体験を積み重ねていきましょう。
楽しみをプラスする
ただ黙々と片付けるだけでは、疲れたり嫌になったりしてしまいます。そこで、何か楽しみをプラスしましょう。近年、高齢者もスマホを持つのは普通です。
そこで、家にある不要だけどまだ使えるものを、フリマアプリで売るのです。スマホさえあれば簡単に出品できますし、お小遣い程度ですがお金も入ってきます。落札者と交流もできるため、フリマアプリを楽しむことで疲れも吹き飛ぶかもしれません。
これは1つの例ですが、片付けに何か楽しみをプラスできると続けやすくなります。
無理はしない
実家を片付けるには、非常に時間がかかります。高齢者には疲れやすい人が多く、また体調を崩しやすい場合も多いので、無理はせず疲れたら休憩しましょう。ゆるめの計画を立てて、休む日を入れながらゆっくり進めて行くと疲れにくいでしょう、
貴重品を1ヵ所にまとめる
貴重品はまとめておくようにしましょう。たとえば通帳と印鑑、キャッシュカード、土地の権利書など重量書類が該当します。まとめておけば、自然災害の起こったときなどに、サッと持と出して避難することができ、必要な時にない!と探索に疲れることがなくなります。
また、親と一緒に貴重品をまとめておくことで、子世代はどのような財産がどのくらいあるのかを知ることができます。
「疲れた!」「もうやりたくない」となってしまったら?
遺品整理にしろ、生前整理にしろ、家の片付けというのは大変な作業です。片付けても片付けても、ものが減らない・・・疲れて嫌になってしまうこともあるでしょう。そんな時は、片付けの専門業者に依頼する選択肢もあります。
遺品整理はもちろん、生前整理に関しても遺品整理業者は対応してくれます。遺品整理業者は、遺品整理のプロ。全てを大切に扱い、必要なものと不要なものを素早く仕分けてくれます。大切な書類や、探していたものなども、片付けの中で捜索してもらえます。
さらにうれしいのは、時間をかけずに片付けが完了することです。自宅の間取り・広さやものの量によっても多少違いはありますが、一戸建てでも1〜2日で片付けから不用品の搬出、処分まで全て終了します。もちろん立ち会いも可能なので、疲れることなく自分の目で確かめながら片付けを進めることもできます。
業者に依頼すれば、重いものや大きなものを自分で運んだり処分したりする必要がないので、疲れません。すぐ疲れてしまう人や、早く片付けたい人は検討してみるとよいでしょう。
まとめ
実家の片付けには、親が亡くなってから行う「遺品整理」と、親が元気なうちに行う「生前整理」の2通りの方法があります。生前整理の場合は、親の気持ちを傷つけないように配慮しながら一緒に片付けを進めていきましょう。
遺品整理の場合も、生前整理の場合も、実家を片付けるには大変な労力が必要です。「疲れた」「もう無理」と投げ出しそうになったら、専門業者に依頼する方法もあります。無理せず進めましょう。