遺品整理で出るものの中でも、ベッドの処分は大きな悩みではないでしょうか?
とにかく大きくて重い。
それも、新品ならいざ知らず、故人が長く使っていたものだったりすると、いくら親子でもちょっと……とためらってしまいます。
なかには、そのベッドで長く闘病されていたようなケースもあるので、古びているだけでなく汚れていたり、ニオイが染み付いていたりするものもあります。
そういった理由から、遺品整理で出たベッドは処分するしかない……ということになるわけです。
そんな遺品のベッド、処分の仕方をみていきましょう。
ベッドにはどんな種類があるの?
遺品整理では、どんなベッドを処分することになるかわかりません。
ベッドにはどんな種類があるのか、整理しておきましょう。
ベビーベッド
新生児から2歳くらいまでの子どもが使う、サイズの小さいベッドです。
脚付マットレスベッド
いわゆる「ベッド」です。脚のついたフレームに、マットレスを載せて使うタイプです。
パイプベッド
脚や骨組みがスチール製のパイプで組まれているベッドです。
「床板」と呼ばれる部分に布団やマットレスを敷いて使います。
収納ベッド
床板の下に引き出しがついていて、衣類などを収納できるベッドです。
すのこベッド
床板に「すのこ」を使ったベッドです。通気性が良いという特徴があります。
折りたたみベッド
真ん中で2つに折りたためるベッド。パイプやすのこを使っています。
テレビの通販番組で見かけることも多いのでは?
使わないときは部屋を広く使えるのが特徴です。
ソファーベッド
一見ソファーなのですが、背もたれ部分を倒すとベッドとしても使えるものです。
ワンルームなど、あまり広くない部屋に向いています。
ロフトベッド
立体的な構造になっており、2階がベッドになっています。
ベッドの下には机や収納をセットし、狭いスペースを有効利用できます。
二段ベッド
ベッドが二段になっているタイプです。
リクライニングベッド
床板の高さや角度を調整できるベッドです。
背もたれの角度が変えられるので、病気で寝ている人がテレビを見たり食事をしたりするときなどに便利です。
介護用ベッド
介護を必要とする人が、起き上がりや立ち上がりなどを補助するための機能を備えたベッドです。
介護保険制度において貸与される福祉用具のひとつで、特殊寝台とも呼ばれています。
介護を必要とする人がベッド上で起き上がったり、ベッドから立ち上がる際の動作を補助すると同時に、介護する人の負担を軽減してくれます。
ベッドの処分方法① 自分で捨てる
では、まず、自分で処分する方法をみていきましょう。
- 粗大ごみとして処分する
- 可燃ごみとして捨てる
粗大ごみとして処分する
自治体のルールに従い、粗大ごみとして出すやり方です。
東京都品川区を例にとると、シングル1000円、セミダブル1400円、ダブル1800円、パイプベッド600円ほどの費用で処分してもらえます。
粗大ごみを出すときは、故人の居住地区の自治体に収集日と収集場所を確認し、当日、粗大ごみシールを貼ったベッドを出します。
ベッドは大きくて重いため、回収場所へ運ぶのが非常に大変です。
さらに、指定日が遠い場合は、回収を申し込んでから収集までに時間がかかってしまうこともあります。
高齢者や障害のある方などを対象に、回収のサポートをしている自治体や、粗大ごみの日に持っていくだけで処理手数料は無料という自治体もあります。
お住まいの自治体へ問い合わせてみましょう。
ベッドを粗大ごみとして処分するメリット
- 費用が安い
- 地域によっては無料回収もあり
- 回収サポートを行っている場合あり
ベッドを粗大ごみとして処分するデメリット
- 事前連絡・予約が必要
- 粗大ごみシールの購入が必要
- 申し込んでから回収までに時間がかかることがある
- 自分で指定場所まで運ぶ必要がある
可燃ごみとして捨てる
どうしてもお金をかけたくない場合は、ベッドを解体し、小さくして可燃ごみと不燃ごみに分けて捨てる方法があります。
ただし、解体するための工具と広いスペースが必要です。
また、回収してもらえるサイズにするためには、小さくしなくてはなりません。時間も手間も非常に大掛かりな作業となります。
さらに、実際に捨てる時には、部品を可燃ごみと不燃ごみに分ける必要があります。
自治体によっては一度に大量のごみを収集してくれないこともあるので、捨て終わるまでに時間がかかることもあります。
ベッドを可燃ごみとして捨てるメリット
- 費用がかからない
- 自分のペースで捨てることができる
ベッドを可燃ごみとして捨てるデメリット
- 莫大な時間と労力がかかる
- 工具が必要
- 一気に捨てられない場合がある
ベッドの処分方法② 引き取ってもらう
ベッドは大きいだけに、自分で処分するのはなかなか大変です。
では、業者などに依頼して引き取ってもらう方法をみてみましょう。
- 家具専門店で回収してもらう
- リサイクルショップに売る
- 不用品回収業者に依頼する
- 遺品整理業者に依頼する
家具専門店で回収してもらう
家具専門店でベッドの回収を行っているところがあります。
新しくベッドを購入する際、不要になったベッドを回収してくれます。費用は3000円ほどのようです。
また、新しく購入する家具がベッドでなくても、購入した家具の搬入時にベッドを回収してくれるお店もあります。
もしもベッドまたは家具の買い替えを検討しているタイミングであれば、利用するとよいでしょう。
また、通販サイトなどでも、新しく同社・同種の商品を購入する場合、古い商品を無料で引き取ってくれるサービスを行っているところがあります。
タイミングが合えば、利用しましょう。
ベッドを家具専門店で回収してもらうメリット
- 回収しに来てもらえる
- 買い替えのタイミングなら無料回収の場合もある
ベッドを家具専門店で回収してもらうデメリット
- 買い替えでない場合は費用がかかる
リサイクルショップに売る
リサイクルショップの中には、ベッドの買い取りをしているところもあります。もし近くにショップがあれば、引き取ってもらえるか問い合わせてみましょう。
お店によって、持ち込みのみか回収しに来てもらえるかが異なります。問い合わせの際に併せて確認するとよいでしょう。
ベッドをリサイクルショップに売るメリット
- エコである
- ブランド物であれば高値がつくこともある
ベッドをリサイクルショップに売るデメリット
- 値がつかない場合が多い
- 持ち込みのみの場合がある
不用品回収業者に依頼する
故人の家が賃貸だった場合、1日も早く明け渡す必要があります。
そんな時は、不用品回収業者を利用するとよいでしょう。
希望日に来てもらえるだけでなく、ベッド以外にも多くのものを回収してもらえること、また、自宅まで引き取りに来てくれるため、手間がかかりません。
逆に、自宅の位置が車の入りにくい場所だったり、エレベーターのないアパートの上階だったりする場合は追加料金が発生します。
また、作業員の人数によっても料金が変わりますので、複数の業者から相見積もりを取り、比較検討しましょう。
ベッドの処分を不用品回収業者に依頼するメリット
- 回収までに時間がかからない。早いケースで当日来てもらえることも
- 回収日や時間を指定できる
- 自分で運び出す必要がない
ベッドの処分を不用品回収業者に依頼するデメリット
- 回収費用の相場がわかりにくい
- 回収の条件(家の位置やエレベーターの有無など)によって、料金が高くつくことがある
遺品整理業者に依頼する
遺品整理業者にも、ベッドの処分を依頼することができます。
遺品整理の際に、さまざまな遺品と一緒に処分してもらえ、ベッドがまだ使える状態であれば買い取ってもらえる可能性もあります。
自分でベッドを移動させる必要がないので楽ですし、買い取ってもらえた場合は遺品整理の費用節約にもなります。
スタッフは、遺品整理を専門とし、必要な知識・資格を持っています。
故人が残した品は全てを大切な「遺品」として認識し、依頼者の気持ちを尊重しながら対応してもらえるのが大きな特徴です。
さらに、近年では、遺品の供養・お焚き上げサービスをしている業者も増えています。
供養の方法は業者によって異なります。
提携寺院で合同供養をしたり、自社の供養施設で供養するなどさまざま。
最近は、環境問題からお焚き上げをできなくなっている寺院もあるので、遺品を供養したい気持ちのある遺族にとってはメリットが大きいのではないでしょうか。
また、ベッドと一緒に、人形や写真、お札や仏具など、処分しにくいものも供養してもらえます。
故人の住居が賃貸だったり、遺族が遠方に住んでいて遺品整理が難しい場合など、遺品の整理と供養が同時にできるところが便利です。
遺品整理をする際に、ぜひ問い合わせてみましょう。
複数の業者に相見積もり取って検討することも忘れないでくださいね。
ベッドの処分を遺品整理業者に依頼するメリット
- 遺品整理と同時に行うため、全てが一気に片付く
- 自分で運ぶ必要がない
- 買い取ってもらえる場合がある
- 遺品の供養など、きめ細かいサービスを受けられる
ベッドの処分を遺品整理業者に依頼するデメリット
- 古物商の許可を持っていない業者は買い取りができないなど、希望のサービスをするための資格があるかの確認が必要
ベッドのサイズを確認しておきましょう
いろいろな処分方法がありますが、意外と盲点なのがベッドのサイズです。
ベッドには、シングル、セミダブル、ダブル、ダブルよりさらに大きいクイーンサイズなどのサイズがあります。また、二段ベッドなどは高さもありますね。
時として、これらのベッドが、家の間口から出せないというケースがあるのです。
自分で処分する場合は、ベッドを解体してからでないと、外に出すことができません。
業者に依頼する場合は、あらかじめベッドの大きさを測って、問い合わせの際に伝えるとよいでしょう。