少子高齢化や核家族化が進む現代、専門業者による遺品整理は珍しいことではなくなってきています。
遺品にはさまざまなものがあります。
素人目にはわからなくても、相続で気になってくるような市場価値を持つものが含まれているかもしれません。
そこで今回は、遺品整理をする際にどんなものを鑑定・査定するべきなのか、また、どのような手段で鑑定すればよいかについて見ていきましょう。
目次
鑑定・査定するべき遺品とは?
遺品として出てきたものの中で、専門家の目で鑑定・査定してもらうべきものには、どんな品目があるのでしょうか。
ブランド品
いつの世も人気の高いブランド品。
人気のあったモデルや希少なモデルは、古くても思わぬ高値がつくことがあります。
洋服やバッグ、靴、アクセサリー、財布やキーケースなど、ブランド品が出てきたら鑑定してもらうと良いでしょう。
貴金属・宝石
ジュエリーやアクセサリーは、石が大きくても見た目ほど価値がなかったり、アクセサリーとしてデザインが古いなど、それほど値がつかない場合もあります。
しかし、金やプラチナを使っている場合、ジュエリーとしてではなく地金として値が付くことがあります。
また、ジュエリーのほかに、金をふんだんに使った金縁のメガネも高値がつくことがあります。
金の含有率と純度によって違いはありますが、金の含有率が高いものなら貴音が期待できます。
金よりさらに高値がつくのがプラチナです。
結婚指輪はプラチナの場合が多いので、裏側を見てみましょう。
「PT」「Pt」と刻印があれば、プラチナ製です。
骨董品・美術品
骨董品や美術品は、良いものであればかなりの高額となることがあります。
しかし、素人には判別が難しいものです。
以下のような希少価値のありそうな古美術や古道具が出てきたら、鑑定してもらいましょう。
- 古い食器
- 古道具
- 装飾品
- 家具
- 日本刀
- 美術刀剣
また、掛け軸や絵画、書なども鑑定しておきたい遺品です。
これらは、高値がつけば遺産相続の対象となるケースがあります。
あとでトラブルにならないよう、きちんと鑑定してもらっておいたほうが良いでしょう。
高級時計
高級時計は、基本的にどのブランドもよく売れるようです。
以下のようなブランドの時計が出てきたら査定してもらいましょう。
- オーデマ・ピゲ
- ロレックス
- オメガ
- カルティエ
- フランクミュラー
- タグ・ホイヤー
- グランドセイコー
高級時計の場合、クオーツ式よりも高い技術が必要な機械式時計の方が高値がつきやすいようです。
着物・毛皮
着物や毛皮などは、素人には保管が大変です。
着る予定がないのであれば、査定してもらいましょう。
もしも故人が着物に詳しい人だったら、伝統工芸品、人間国宝作、有名作家のものなど価値の高いものがあるかもしれません。
毛皮のコートなども高く売れる可能性があります。
毛皮は手入れが大変なうえ、経年劣化しやすい物です。
着ないものであれば少しでも早く売却する方が良いようです。
切手・コイン
切手では、プレミア感のある特殊切手や記念切手に高値がつきやすい傾向があります。
状態にもよりますが、エラー切手や手彫切手、お年玉切手などの希少な切手も高値がつくでしょう。
コインは、昭和62年の500円玉、平成21~25年の5円玉などは発行枚数が少ないため、プレミア硬貨として値段がつきやすいようです。
そのほか、製造エラーのコインや記念硬貨なども、プレミア硬貨として高く売れることがあります。
鑑定・査定はどこですればいい?
故人が大切に愛用してきた遺品たち。
処分してしまうのは簡単ですが、それを必要としている方に使ってもらい、故人の思いを引き継いでもらえれば、故人も喜んでくれることでしょう。
そのためには、適正な価格を査定してもらうことが大切です。
遺品を適正に査定してもらうためには、どこに依頼すれば良いのでしょうか。
リサイクルショップ
どこの街にもあるリサイクルショップ。
近くにあるお店に持ち込めば、査定してもらえます。
リサイクルショップの良いところは、気軽に持ち込めるところでしょう。
近年は自宅での査定を行ってくれるところもあります。
ただし、さまざまな品目を扱っているため、お店によっては得意でないものもあるようです。
すぐにたくさん売りたいのであれば良いですが、本来よりも安い価格を付けられてしまうこともあります。
中古品買い取り業者
中古品の買い取りと販売を専門に行っている業者です。
さまざまなジャンルを扱っている専門店があります・
専門店ならではの深い知識と経験から、適正な鑑定・査定が期待できます。
売りたいものがあれば、その品目の専門店に査定を依頼すると良いでしょう。
近年では、ネット上での査定や、宅配による査定、自宅での査定など、さまざまな方法で査定を行っています。
買い取りと再販売を専門としているため、不用品の回収や遺品整理作業のサポートはしていません。
不用品回収業者
不用品回収業者でも、遺品の買い取りを行っているところがあります。
回収した品のリユースに取り組んでいる業者も多いです。
利用する際には買い取りをしているか問い合わせてみましょう。
ただし、買い取り価格はそれほど高くないこともあるようです。
遺品整理では大量の不用品やごみが出ます。
不用品回収業者であれば、不要なものを全て運搬・処分してもらえるのもメリットです。
しかし、残念ながら、必要な許可を持たずに営業している悪質な業者も多くあります。
依頼する場合には、作業内容に見合った以下のような資格や許可を持っていることを必ずチェックしましょう。
- 一般廃棄物収集運搬業の許可
一般家庭で遺品や不用品を回収・処分するために必要です。- 「産業廃棄物収集運搬業」の許可
事務所や工場などの不用品を回収する許可- 古物商許可
買い取りを行うために必要です。
遺品整理業者
遺品整理業者は、遺品の仕分けから不用品の回収・処分まで、遺品整理に関する作業をトータルで行います。
それで、遺品に関する全ての作業が一度で任せられるのが最大のメリットです。
また、近年ではほとんどの業者が遺品の買い取りサービスを行っています。
売れるものがあれば、遺品整理の費用を抑えられます。
遺品整理業者では、民間資格である「遺品整理士」「遺品査定士」などの資格も設けています。
最近は、これらの資格を持っている業者も増えているようです。
そのため、安心して査定や買い取りを任せることができます。
3. 遺品査定士とは?
遺品査定士とは?
遺品査定士とは、2014年に遺品整理士認定協会が認定を始めた資格です。
近年の遺品整理の需要の増加に伴い、遺品の査定や買い取りの需要も増えています。
まだ新しい業界である遺品整理業者は、業者の質も玉石混交といった状態です。
その中で、遺品整理や遺品の査定・買い取りに関して、従事者の知識・経験不足という問題が発生することになりました。
その結果、悪質な業者がはびこり、不当な買い取りなどのトラブルを起こすケースもありました。
このような問題を改善するため「遺品査定士」が設けられました。
「遺品査定士」は、遺品の査定や買い取り、関係する法律などを含めた専門知識を持っています。
さらに、知識だけでなく依頼者に寄り添う心を身につけたプロであるという証明なのです。
遺品整理士と遺品査定士の違いは?
「遺品整理士」も「遺品査定士」も、遺品整理士協会によって設けられた資格です。
遺品整理士は、おもに遺品を整理することに関する専門の資格です。
遺品の仕分けに始まり、不用品の処分など、法律を含む知識を備えていると認定された人に与えられます。
これに対し「遺品査定士」は、遺品の査定と買い取りに特化した資格です。
遺品の査定と買い取りのノウハウや専門知識、商品知識、また法令に関する理解を兼ね揃えます。
遺品の買い取りに関するさまざまなジャンルの査定士と関係を結びながら、依頼者が安心できる査定を行います。
遺品査定士に依頼するメリットとは?
遺品整理の依頼を考えている人のうち、遺品の査定・買い取り依頼をしたいと考えている人は約75%もいると言われています。
遺品整理と同時に、不用品の査定や買い取りをすれば全てが一度で済みます。
結果的に遺品整理の費用を抑えられるでしょう。
また、依頼者は誰でも優良業者を利用したいものです。
遺品整理は、一生のうちにそう何度もあることではないので、初めてという人も少なくありません。
そこで、業者選びの要素のひとつとなるのが「遺品査定士」の資格の有無です。
勉強や研修を経てこの資格を持っているという業者は、安心して利用できる可能性が高いでしょう。
まとめ
近年、不要な遺品を売却したいと考える人が増えています。
遺品を売却するにはさまざまな手段があります。
もし遺品整理業者に依頼すれば、全ての作業を一度で終えることができます。
また、最近では「遺品査定士」の資格を持つスタッフがいる業者も増えているようです。
ですから、適正な査定で買い取ってもらうことができます。
特に遺品整理を急いでいる人や、遺品整理に不安がある人は任せてみてはいかがでしょうか。