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親が残した土地や建物の相続を放棄したい!方法や制度について解説

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親が亡くなったあと、相続財産として土地や建物など不動産が遺されたらあなたは相続しますか?
都心の一等地など価値の高い場所であれば、もちろん相続するでしょう。
しかし、遺された土地が資産運用も売却もできないような土地だったらどうしますか?
どう考えてもいらない・・・
もし、そんな土地を相続してしまったら、持っているだけで活用もできないのに、管理や税金でお金が出て行くばかりです。
そんな時、浮かぶのが「相続放棄」です。
不動産を相続放棄することはできるのでしょうか?
今回は、不動産の相続放棄について見ていきましょう。

不動産を相続放棄することはできるのでしょうか?

相続放棄とは?

相続放棄とは、相続人が故人の財産を一切引き継がないことです。
「相続」と言えば、現金や預貯金、不動産などの財産を受け継ぐこと、というイメージがあるのではないのでしょうか。
しかし、実際には、現金・不動産などの「プラスの財産」のほか、借金やローンなども相続財産に数えられます。
これを「マイナスの財産」といいます。
「遺産を相続する」ということは、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も丸ごと引き継ぐことになります。
関連記事:不動産を相続したらどうすればいい?知っておくべき相続税の評価とは?

マイナス遺産とは?

マイナス遺産とは?

たとえば、遺産で現金が1千万円あったとしましょう。
マイナスの遺産がなければ、相続はこの1千万円を引き継ぐだけです。
しかし、もし故人が借金を残していたら、相続した人がこの借金を返すことになるのです。
もし借金が500万円あったら、引き継ぐことができる財産は1千万円−500万円=500万円となります。
しかし、もし借金が2千万円あったとしたら、1千万円−2千万円=−1千万円です。
相続人は遺産がもらえるどころか1千万円の借金を背負うことになってしまいます。

このようなケースのために「相続放棄」という制度があります。
相続を放棄して故人の財産を一切引き継がないのです。

期限内に手続きしないと相続放棄できない

相続放棄を行う場合は、相続開始を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所へ必要書類を提出しなくてはなりません。
まず故人の相続財産を調査し、相続放棄をすることに決めたら、戸籍謄本など手続きに必要な書類を取り寄せます。
「相続放棄申述書」を作成し、家庭裁判所へ郵送するか、直接提出します。
後日、家庭裁判所から「照会書」が届いたら、「回答書」に記入して返送しましょう。
家庭裁判所から「相続放棄申述受理通知書」が届けば、相続放棄の手続きは完了です。

相続放棄は取り消せないが決定期限延長はできる

相続放棄は、一度認められたら取り消すことはできません。
相続放棄後にプラスの財産が見つかったとしても、やっぱり放棄はやめます、というわけにはいかないのです。
そのため、財産の調査や相続放棄の意思決定は慎重に行いましょう。
調査や意思決定が3ヶ月以内で難しい場合は、家庭裁判所に期限延長を申請することができます。
これが認められると、相続放棄の期限がさらに3ヶ月延長されます。

微妙なケースのために選べる3つの相続方法

マイナス遺産の方が多い場合は、相続放棄をしたほうが良いでしょう。
ただ、相続放棄をするべきかどうか、微妙なケースもあります。
民法では、財産の相続について、3つの方法を定めています。

  1. 単純承認
    プラスの財産もマイナスの財産も、すべての財産を受け継ぐこと。
  2. 限定承認
    プラスの財産を相続したことによって得た財産の範囲内で、債務を引き継ぐこと。
  3. 相続放棄
    プラスの財産もマイナスの財産も、一切受け継がないこと。

相続放棄は、マイナス遺産とプラス遺産の差し引きだけで決めることもあります。
さらに、ほかの相続人と関わりたくない、もめごとに巻き込まれたくないといった理由から選択する人もいるようです。

不要な土地は相続放棄できる?

不要な土地は相続放棄できる?

相続財産に土地や建物などの不動産が含まれていることがあります。
この時、あまり考えずに単純承認(普通に相続すること)してしまうと、のちに管理や固定資産税などで大変な目にあうことがあります。
たとえば、以下のようなケースでは不動産を相続したくないという人が多いでしょう。

  • 遠方で維持・管理ができない
  • 利用価値がなく売却も困難

自分が住んでいない土地・建物を維持・管理するのは大変です。

家の手入れをするために通うにも、交通費がかかります。
また、一戸建てであれば、家の補修だけでなく庭木の手入れなども必要です。
さらに、固定資産税の支払いや建物の火災保険もあります。
空き家であっても年間数十万円もの維持・管理費用がかかることもあるのです。
このような土地・建物を相続放棄することはできるのでしょうか。

関連記事:田舎の土地を相続する際の必要書類や手続き、期限について解説!

不動産の相続放棄は可能

結論から言うと、土地や建物など不動産を相続放棄することは可能です。
ただし、不動産だけ相続する、またはしない(放棄)というように資産種類ごとに相続方法を分けることはできません。
家庭裁判所に相続放棄を申し立てて認められれば、その不動産の固定資産税を支払う義務はなくなります。

不動産の相続放棄を検討中のNG行為とは?

相続放棄を検討している間は、以下のような相続したとみなされるような行為をしないよう注意しましょう。

  • 土地建物の名義を変更する
  • 故人の預金を引き出したり解約したりして故人の債務を返済する

上記に加えて、以下のような行為もしがちですが、相続を単純承認したとみなされる場合があります。

  • 故人の勤務先からの未払い分給与や死亡退職金を受け取る
  • 故人の携帯電話の解約や名義変更を行なう

相続放棄を申し立てる場合は、相続したとみなされる行為を行わないよう十分注意が必要です。

不動産を相続放棄できなくなる具体的なケース

次のような場合、不動産の相続放棄ができなくなるので注意しましょう。

被相続人の不動産を処分してしまった場合

建物を取り壊したり、売買・解約したりするなど、何らかの処分をした場合は相続放棄できなくなります。
ただし、建物の修繕は、管理行為と解釈されるため処分にはあたりません。
また、不動産を一定期間賃貸する行為も処分とはみなされません。

被相続人の不動産を隠匿した場合

不動産・現金・株券などプラス遺産の一部、またはすべてに対して以下のような行為があった場合、相続放棄はできなくなります。

  • 他の相続人に隠す
  • 消費する
  • 相続財産の目録に記載しない

相続放棄したらその不動産はどうなる?

相続放棄したらその不動産はどうなる?

相続放棄が認められれば、その不動産の固定資産税を支払う義務はなくなります。
しかし、相続放棄をされた不動産は、誰かが相続しない限り故人の名義のままです。
たとえば、実家の相続を放棄すると、固定資産税を払う義務はなくなります。
しかし、家をそのまま放置していると、老朽化し倒壊することも考えられます。
また、庭木や草が伸びたり、放火されたりして近隣に迷惑をかけることもあるかもしれません。

相続人が決まるまで管理義務は残る

民法は、第940条で以下のように定めています。

「相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない」

つまり、次の引き継ぎ先や管理者が決まらない限り、相続放棄した不動産であってもそこを管理する義務が残ってしまうのです。
そのため、もし空き家を放置していることによって何らかの事故やトラブルが起きた場合、管理責任を問われ、損害賠償を請求される可能性もあるのです。

管理義務はどこまで残る?

相続放棄をすると、その人は、法律上「最初から相続人ではなかった」とみなされます。
すると、次の順位の相続人が自動的に相続人となります。
相続人は、故人の配偶者→故人の子供→故人の親→故人の兄弟姉妹・・・というように、順位が決まっています。
もしも、相続人全員が不動産の管理義務を逃れるために放棄をしたい場合、かなり広範囲にわたる親族の認知と協力が必要となってくるわけです。

相続人がいなくなったらどうなる?

仮に相続人全員が放棄できたとしても、それで完全に終わったわけではありません。
繰り返しになりますが、民法第940条の規定により、次の引継ぎ先が決まるまでは、放棄した相続人が管理義務を継続しなくてはなりません。
もしも相続人全員が相続放棄をしたとしても、不動産の管理義務はそのまま残ってしまうのです。
つまり、管理義務からも完全に免れるためには、その不動産を管理する人を探す必要があります。

相続財産管理人の選任が必要

相続人及び、その利害関係者が家庭裁判所へ「相続財産管理人」の選任を請求します。
そこで選任された「相続財産管理人」が次の管理者となり、ここでやっと「この不動産には相続人がいない」ということが法律的に確定します。

相続財産管理人には、弁護士や司法書士などの第三者が選ばれることが多いようです。
相続財産管理人選任の申し立ては、裁判所への予納金や手続きの費用などで数十万円以上の費用がかかります。

最終的に不動産は国庫へ

相続放棄された不動産は、最終的には国庫に帰属することになり、相続財産管理人はそのための作業を行っていきます。

まとめ

不動産は一定の決まりを守れば相続放棄できます

不動産は一定の決まりを守れば相続放棄できます。
しかし、相続財産管理人が決まるまでは、不動産の管理義務は残ります。
完全に不動産を手放すためには、相続財産管理人を選任し管理義務を移しましょう。
放棄手続きは、一人の力でやるのは大変です。
費用はかかりますが、相続放棄手続きに詳しい弁護士への相談がお勧めです。
依頼費用はかかりますが、手続きが確実・迅速に行えます。

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