近年、メディアでも頻繁に取り上げられる「ゴミ屋敷」ですが、実際にどの程度の割合で存在し、どのような人たちが当事者となっているのか、その実態は意外に知られていません。
中には「自分の部屋も予備軍ではないか」「近所のあの家はどうしてあんな状態に」と、不安や疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ゴミ屋敷の発生割合や全国的な件数、男女比や年齢層の実態について詳しく解説します。
目次
ゴミ屋敷住民の男女割合は女性が6割

私たち「ゴミ屋敷片付け七福神」が日々現場で多くのお客様と接している実務上の印象では、男性が4割、女性が6割といった割合で、女性からのご相談が上回っていると感じています。
全国民生委員児童委員連合会の「民生委員・児童委員による社会的孤立状態にある世帯への支援に関する調査」でも、ゴミ屋敷かつ近隣トラブルが発生しているのは女性のほうが多いというデータが見られました。ゴミ屋敷のみのトラブルなら、男性のほうが多いものの「男性の方が片付けが苦手」と感じさせるようなデータはありません。
実際には性別に関わらず、どのようなライフスタイルの方でもゴミ屋敷の当事者になり得るのが実態です。
むしろ「女性であれば部屋を綺麗にしているはずだ」という世間的な固定観念が、当事者にとって大きな心理的負担となっている側面があります。片付けができないことに対して強い恥じらいや罪悪感を抱き、周囲に助けを求められなくなることで、かえって事態が悪化し、ゴミ屋敷化を進行させてしまうケースも少なくありません。
ゴミ屋敷住民の年齢割合は65歳以上が7割

「民生委員・児童委員による社会的孤立状態にある世帯への支援に関する調査」によると、ゴミ屋敷や近隣トラブルを抱える事例では65歳以上が7割以上を占めるとされており、高齢者の割合が高いことは確かです。
特に、認知機能の低下や身体機能の衰え、年金生活、単身世帯といった要素が重なりやすく、加齢とともにゴミ出しや片付けが困難になっていく実態がうかがえます。
とはいえ、ゴミ屋敷は高齢者だけの問題とは限りません。横浜市による「横浜市の「ごみ屋敷」対策――福祉的な支援を通じて課題解決へ」では、50代が27%となっており、中年層でも十分ゴミ屋敷になるケースはあるといえます。
「ゴミ屋敷は高齢者がなるもの」という認識は改めて、誰でもなり得るという危機感を持つことが大事です。
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ゴミ屋敷の全国の数は?

ゴミ屋敷の全国件数については、明確な「総数」は存在していません。これは、ゴミ屋敷の定義が法律で統一されておらず、各自治体ごとに判断基準が異なるためです。
環境省が公表した最新の調査「令和6年度「ごみ屋敷」に関する調査報告書」によると、
令和2年度~令和6年度の5年間で、自治体が認知したゴミ屋敷は累計6,054件にのぼることが確認されています。
ただし、この数値はあくまで「自治体が把握している件数」に限られます。実際には以下のようなケースが多く存在するため、実態はさらに多いと考えられています。
- 外から見えない集合住宅内のケース
- 近隣トラブルに発展しておらず通報されていないケース
- 家族内で問題が閉じているケース
そのため、実際のゴミ屋敷は公表数の数倍規模で存在する可能性が高いでしょう。
実際、私たちゴミ屋敷片付け七福神では、年間2万件以上の実績があり、この時点で自治体が把握している件数よりも多いことが分かります。具体的な数は分からないものの、外から見えないものも含めれば、日本には数十万のゴミ屋敷があると考えられるでしょう。
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ゴミ屋敷が多い都道府県は?

環境省が公表した「令和6年度「ごみ屋敷」に関する調査報告書」によると、自治体が認知したゴミ屋敷から、都道府県別にどこが多いのか、どこが改善できているのかを確認できます。
もちろん、前述したように自治体が認知している件数なので、実際の数とは違いがありますが、参考程度に見ていきましょう。
都道府県別の件数ランキング
都道府県別の件数をランキングにすると以下の通りです。
1位:愛知県(578件)
2位:高知県(540件)
3位:東京都(508件)
4位:千葉県(327件)
5位:神奈川県(311件)
6位:兵庫県(262件)
7位:北海道(248件)
8位:大阪府(237件)
9位:三重県(224件)
10位:埼玉県(217件)
このランキングで注目すべきなのは、「人口が多いほど件数が多い」という傾向は確かにあるものの、それだけでは説明できない地域差が存在する点です。たとえば高知県は540件と全国2位ですが、人口規模を考えると相対的に非常に高い水準です。
つまり、ゴミ屋敷の発生は単純な都市問題ではなく、地域ごとの社会構造が色濃く反映される問題であるといえます。
ゴミ屋敷が最も多いのは愛知
認知件数が最も多いのは愛知県で、5年間で578件にのぼります。
注目すべきは、愛知県は単に件数が多いだけでなく、改善件数も387件と全国最多であり、改善割合も67.0%と高い点です。このことから、愛知県は「問題が多い地域」であると同時に、問題の把握と対応が進んでいる地域とも評価できます。
つまり、件数の多さは必ずしもネガティブな意味だけではなく、「行政が積極的に把握している結果」である可能性もあります。
ゴミ屋敷を改善できた都道府県ランキング
改善状況については「改善件数」と「改善割合」の2つの指標で見る必要があります。
まず改善件数の多い都道府県は以下の通りです。
1位:愛知県(387件)
2位:東京都(248件)
3位:高知県(221件)
4位:神奈川県(180件)
5位:兵庫県(134件)
一方、改善割合で見ると、上位は以下の通りです。
1位:長崎県(79.1%)
2位:広島県(71.0%)
3位:愛知県(67.0%)
4位:京都府(60.2%)
5位:神奈川県(57.9%)
改善状況を見ると、長崎県(79.1%)、広島県(71.0%)、愛知県(67.0%)などで改善割合が高くなっています。ここで重要なのは、改善割合は行政の関与度や支援体制の成熟度を反映している指標だという点です。
一方で、福井県(0.0%)、奈良県(4.8%)、香川県(6.5%)など、改善割合が極めて低い地域も存在します。これらの数値からは、単に対応が遅れているというよりも、そもそも介入が難しいケースが多い、あるいは把握後の支援体制が十分でない可能性も読み取れます。
また、認知件数が多い都道府県ほど改善件数も多い傾向にあることから、ゴミ屋敷問題は「発見されなければ解決も進まない」性質を持っていることも分かります。
ゴミ屋敷が増加する社会的な背景とは?

ゴミ屋敷の問題は、単なる片付けの問題ではなく、社会構造の変化と密接に関係しています。近年は、個人の生活環境や心理状態だけでなく、日本全体の社会的な変化によってゴミ屋敷が増加していると考えられています。
特に大きな要因として考えられるのは「貧困」「精神的問題」「孤立」の3つです。
若者や高齢者の貧困の増加
近年、日本では相対的貧困の問題が広がっており、特に高齢者や単身世帯でその傾向が顕著です。
収入が限られることで、ゴミ処理にかかる費用や手間を負担できず、結果としてゴミが蓄積していくケースが見られます。また、若年層でも非正規雇用の増加などにより生活が不安定になり、生活管理が行き届かなくなることでゴミ屋敷化するケースがあります。
つまり、ゴミ屋敷は「だらしなさ」ではなく、経済的余裕の欠如による生活維持の困難さが背景にある場合も少なくありません。
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ストレス社会による精神疾患・セルフネグレクトの増加
ゴミ屋敷の多くの事例では、うつ病や認知症、発達障害などの影響が関係しているとされています。
特に問題となるのが「セルフネグレクト(自己放任)」です。これは、自分の生活環境や健康状態に対する関心が低下し、掃除やゴミ出しができなくなる状態を指します。
現代社会では、仕事や人間関係によるストレスが蓄積しやすく、精神的に疲弊した結果、日常生活の基本的な行動すら維持できなくなるケースが増えています。
このような状態では、本人に片付ける意思があっても実行できず、結果としてゴミ屋敷化が進行してしまいます。
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孤立・単身世帯で隠れゴミ屋敷が増加
もう一つの大きな要因が、社会的孤立です。
単身世帯の増加、ネット環境の充実などにより、周囲と関わらずに生活する人が増えていることは間違いないでしょう。その結果、ゴミが溜まっても誰にも気づかれず、問題が長期間放置されるケースが増えていきます。
特に集合住宅では、室内の状況が外から見えにくいため、「隠れゴミ屋敷」として深刻化することは珍しくありません。近隣との関係が希薄な地域では、異変に気づいても介入が遅れる傾向があり、結果として問題が大きくなりやすいです。
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ゴミ屋敷化しやすい人の特徴

女性の家がゴミ屋敷化しやすい理由は、以下の5つです。
- ストーカーや近隣からの目が怖くてゴミを捨てられない
- 家のことを人に頼むのが苦手な方が多い
- 買い物でストレスを発散する方が多い
- 重いものを片付けるのが大変
- 不規則な勤務時間や長時間労働
それぞれ詳しく解説します。
ストーカーや近隣からの目が怖くてゴミを捨てられない
ゴミ屋敷化の要因として見落とされがちなのが、「ゴミを出すこと自体への不安」です。
特に、過去にストーカー被害や近隣トラブルを経験している場合、「ゴミを漁られるのではないか」という不安から、ゴミ出しを避けるようになるケースがあります。実際、ゴミの中にはレシートや郵便物、個人情報が含まれることが多く、そこから生活状況が知られるリスクはゼロではありません。
こうした不安が強い人ほど、「外に出すくらいなら家に置いておいた方が安全」と考えるようになり、結果としてゴミが蓄積していきます。また、一度ゴミが溜まり始めると、「今さら出すのは恥ずかしい」「周囲に知られたくない」といった心理も働き、さらに状況が悪化する傾向があります。
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家のことを人に頼むのが苦手な方が多いから
ゴミ屋敷を放置すればするほど、自分一人で片付けるのは大変になります。
床が見えないほどゴミが溜まってしまうと、自分一人での片付けは難しいでしょう。
そんな状況でゴミ屋敷を片付けるには、周りに頼るしかありません。
親族や知人を頼ったり、ゴミ屋敷片付け業者に依頼をしたりしてゴミ屋敷を片付けます。
しかしゴミ屋敷で生活をする人の中には「ゴミ屋敷を他人に見られたくない」と考えている方が一定の割合でいます。
そしてその割合は、男性よりも女性の方が高いです。
確かに親族や知人に自宅を見られるのが恥ずかしいという気持ちは分かります。
しかしゴミ屋敷片付け業者は日常的にゴミ屋敷を片付けているので、その心配は不要です。
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買い物でストレスを発散する方が多いから
買い物でストレス発散をする人の割合は、女性の方が多いです。
男性は、一般的に目的を持って買い物をする方の割合が高いとされています。
一方で女性の中には、買い物をすること自体が目的となっている方が一定の割合でいるとされています。
買い物をすれば、一時的なストレス発散になるかもしれません。しかし購入したものは自宅に溜まっていきます。
買い物自体が目的となっている場合、自宅に置かれている購入したものには興味が湧きません。
よって次第に自宅が物で溢れるようになり、足の踏み場がなくなっていき、自宅がゴミ屋敷化してしまいます。
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重いものを片付けるのが大変だから
男性と女性では、筋力差があります。
女性の方が、一人で重たいものを片付けるのは大変です。
例えば粗大ゴミを捨てるには、家具や家電を指定の場所まで運ばなければなりません。
自宅までゴミを引き取りに来てもらうには、追加で料金がかかります。
自宅がゴミ屋敷化しやすい男性や女性の特徴については、以下の記事で詳しくまとめています。
大量のペットボトル処分方法4選!ゴミ屋敷での放置は爆発の危険も!
不規則な勤務時間・長時間労働・ストレスが溜まる仕事
ゴミ屋敷にしてしまう女性に多い職業は、看護師などと言われています。
不規則な勤務時間で忙しく、生活リズムが不安定なことからストレスも溜まりやすい仕事です。
忙しい仕事とストレスはセットになっていることが多くあります。
毎日忙しく働く女性は、1日の時間の中で部屋を片付ける時間を確保したほうがいいでしょう。
ほんの数十分でも、片付けの時間を確保するだけで、女性の極端なゴミ屋敷化を免れることができます。
ゴミ屋敷の問題点や問題の解決策とは?

ゴミ屋敷は、自身の生活のみならず、周囲にも悪影響を及ぼします。
まず自身の生活においては、以下のようなリスクがあります。
- キッチン、風呂、トイレが使えなくなる
- 火災のリスクがある
- 害虫が大量発生するリスクがある
また周囲の住民には、以下のようなリスクがあります。
- 害虫
- 異臭
- 火災
ゴミ屋敷問題を放置していると、最悪の場合立ち退きをしなければなりません。
そうなる前にゴミ屋敷は何とかしましょう。
具体的には、少しゴミが溜まり始めている程度であれば自力で、床が見えないほどゴミが溜まっているのであればゴミ屋敷片付け業者に依頼をしましょう。
ゴミ屋敷は火事になりやすい?出火原因5選と実例から学ぶ火災リスク
ゴミ屋敷問題解決への対応策

ゴミ屋敷の問題は、単に片付ければ終わるものではありません。背景には、経済的問題や精神的問題、社会的孤立などが複雑に絡んでいるため、状況に応じて複数の対応策を組み合わせる必要があります。
主な解決方法としては、「行政による対応」「福祉的な支援」「専門業者による片付け」の3つが挙げられます。
ゴミ屋敷条例による強制撤去
近年では、多くの自治体が「ゴミ屋敷条例」を制定し、問題のある住宅に対して行政が介入できる体制を整えています。
基本的な流れとしては、まず住民への指導や助言が行われ、それでも改善が見られない場合には勧告や命令へと進みます。最終的には、行政が強制的にゴミを撤去する「行政代執行」が行われるケースもあります。
ただし、強制撤去はあくまで最終手段です。本人の生活環境や人権への配慮が必要なため、実際には段階的な対応が取られることが一般的です。
そのため、「すぐに強制的に片付けられる」というよりも、時間をかけて改善を促す仕組みと理解しておくべきです。
包括的支援センターによるゴミ屋敷解決支援
ゴミ屋敷の多くは、高齢者や生活困窮者、精神的な問題を抱えている人が関係しています。そのため、福祉的な支援が重要な役割を果たします。
地域包括支援センターなどの機関では、本人の状況に応じて以下のような支援が行われます。
- 生活状況の把握や見守り
- 福祉サービスの紹介
- 家族や関係機関との連携
- 片付けに向けた段階的な支援
単に片付けるだけでなく、その後の生活を維持できるよう支援する点が特徴です。
ゴミ屋敷問題は再発しやすいため、継続的なサポートを前提とした対応が重要になります。
ゴミ屋敷へ4つの福祉的支援!自治体が実施する具体的な取り組み
ゴミ屋敷片付け専門業者による片付け
短期間で確実に環境を改善したい場合には、専門業者への依頼が有効です。ゴミ屋敷片付け業者は、大量のゴミの分別・搬出・清掃を一括で対応できるため、自力では難しいケースでも短期間で原状回復が可能です。
業者によっては依頼をした当日中に自宅に来てくれて、その日のうちにすぐに片づけをしてくれます。ゴミの状況にもよりますが、ワンルームや1LDKなどの部屋なら、早ければ1~2時間で片付けてもらうことも可能です。
このように思い立った時にすぐに片付けられるのは、専門業者ならではの魅力といえます。
ただし、業者によって料金や対応範囲に差があるため、事前の見積もりや比較が重要です。
ゴミ屋敷の片付けは七福神にご相談を

私たち七福神では、ゴミ屋敷の片付けに特化したサービスを提供しており、大量のゴミの分別・搬出から清掃まで一括で対応しています。
ゴミ屋敷というのは、「思い立った時にすぐ対応できるか」が大きな分かれ目になります。対応が遅れるほどゴミは蓄積し、結果として自力での解決が難しくなっていきます。
実際、全国データでは認知されたゴミ屋敷事案のうち、改善されているのは約40.3%にとどまっており、約6割は解決に至っていないのが現状です。つまり、多くのケースで対応の遅れや、片付けのハードルの高さが影響していると考えられます。 ゴミ屋敷片付け七福神では、依頼した当日中に対応することも可能で、作業も数時間から1日で完了します。まずは現状を整理するためにも、一度無料相談をご検討ください。
まとめ
ゴミ屋敷住民の男女割合や年齢割合、ゴミ屋敷になる理由や対策方法について解説しました。
片付けが苦手で自宅がゴミ屋敷化しないか心配な方は、本記事で紹介した内容を参考に、ゴミ屋敷化を防ぐための対策を行いましょう。
またすでに自宅がゴミ屋敷化してしまっている方は、一度生活をリセットするためにも、ゴミ屋敷専門の片付け業者に相談してみましょう。