離れて暮らしていた親族が亡くなり、故人宅を相続したものの、使い道に困っている方は少なくないでしょう。相続で得た建物がゴミ屋敷だった場合、事態はさらに深刻です。
故人宅がゴミ屋敷になっていたというケースは珍しくなく、こういった問題は年々増えつつあります。建物にゴミがたくさん積みあがっていては、自分が住むことはもちろん、誰かに貸すことも難しいです。
このように、所有物件がゴミ屋敷化している場合、どのように売却すればいいのか、そもそも買いたい人がいて、売却はできるのか、不安に思う方はきっと多いはずです。
この記事では、ゴミ屋敷を売りたい方向けに、売却方法や手順について詳しく解説します。
目次
ゴミ屋敷を売却する4つの方法
どんな状態のゴミ屋敷でも、売却は可能です。ゴミ屋敷を売却する方法は、以下の4つです。
- ゴミを処分せずに不動産業者へ買取を依頼する
- ゴミを処分してから不動産業者へ売却する
- ゴミ屋敷を解体し、土地として販売する
- ゴミ屋敷をリフォームして売却する
各売却方法のメリット・デメリットについてまとめました。それぞれ詳しく見てみましょう。
ゴミを処分せずにゴミ屋敷を買いたい不動産業者へ買取を依頼する
ゴミ屋敷を売却する1つ目の方法は、「建物内にゴミを残したままゴミ屋敷を売却する」です。
ゴミ屋敷の状態にもよりますが、あまりにもゴミや不用品の量が多いと、処分するのも手間がかかります。ゴミが積みあがった室内に入るのは危険を伴いますし、悪臭やダニなどが原因で健康に害を及ぼす恐れも……。
また実家や所有している空き家がゴミ屋敷化した場合は、現地に行って片付け作業をするのが困難なケースもあるでしょう。
そのような場合は、建物内にゴミが残ったままの状態で売却することも可能です。
建物内にゴミが残ったままの状態でゴミ屋敷を売却するメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・自分でゴミを片付ける必要がない ・ゴミ処理費用や清掃費用がかからない ・業者に依頼するだけで手放すことができる ・ゴミ屋敷であることが周囲にばれにくい | ・査定額が低い ・専門業者への依頼が基本 ・依頼できる専門業者の数が限られている |
ゴミ屋敷のゴミは、自力でも片付けられます。しかし床が見えないほどゴミが溜まっていて、自力で片付けるのが難しい場合は、プロの力を借りましょう。
ゴミ屋敷専門の片付け業者なら、天井まで積みあがった大量のゴミや不用品も、数時間〜数日でキレイな状態にしてくれます。あまりにも大量にゴミがある場合は、専門業者へ依頼した方が、売却までの流れが段取り良く進みます。
自力でゴミを片付けた場合、どんなに片付けをしても、一度ゴミ屋敷となってしまった以上、元通りの状態にすることは困難です。ゴミを片付けても、臭いや汚れが残ることもあります。
しかしゴミ屋敷片付け業者に依頼をすれば、ゴミを搬出した後のハウスクリーニングまで行ってくれます。
ゴミ屋敷片付け業者を入れればその分の費用も必要となり、出費がかさみますので、ある程度支出が多くなることは避けられません。しかし高値で元ゴミ屋敷を売却できれば、ゴミ屋敷片付け業者への依頼にかかった費用は回収できます。
ゴミ屋敷を解体し、土地として販売する
ゴミ屋敷を売却する3つ目の方法は、「ゴミ屋敷を解体して土地として販売する」です。
一度ゴミ屋敷化してしまった建物は、ゴミ屋敷片付け業者を入れても完全に綺麗にはなりません。よって建物の価値はどうしても低くなります。
「早く売却したい」「できるだけ高値で売却したい」という場合は、ゴミ屋敷を解体し、更地にしてから売るというのも選択肢の1つです。
ゴミ屋敷を解体して土地として販売するメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・建物を残すよりも、早く売却できる場合がある ・相場に近い価格で売却できる | ・ゴミ処理費用がかかる ・解体業者へ依頼する費用も必要 ・一戸建てのみ、マンション売却の場合はほぼ不可能 |
ゴミ屋敷を解体して売却すると、建物を残すよりも売却相場に近い価格で手放せるケースがあります。またもともとゴミ屋敷として有名だった物件の場合、なかなか買取先が見つからないケースも少なくありません。
そのため思い切って解体し、更地にしてから売り出した方が、スピーディーに売却できるメリットもあるのです。
ただし建物を解体するには、解体業者への依頼はもちろん、ゴミ処理費用もかかります。また、更地にできるのは一戸建てのみです。
持ち家であっても、集合住宅であるマンション売却の場合は難しい方法です。
ゴミ屋敷をリフォームして売却する
ゴミ屋敷を売却する4つ目の方法は、「ゴミ屋敷をリフォームして売却する」です。
ゴミ屋敷となった物件に再び住む場合や、賃貸物件として貸し出す場合、リフォームするという手段もあります。
一度ゴミ屋敷化してしまうと、臭いはもちろん、クロスや床もボロボロです。そのため、もう一度住むには、ゴミ屋敷のリフォームが欠かせません。
ゴミ屋敷をリフォームして売却するメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・ゴミ屋敷を再利用できる ・賃貸に出せば、家賃収入を得ることも可能 ・ゴミ屋敷化したマンションでもOK | ・ゴミ処理費用がかかる ・リフォーム費用がかかる |
ゴミ屋敷をリフォームすれば、再び人が住めるようになります。そのため自分の住居費が浮くほか、賃貸に出せば家賃収入が得られるメリットもあります。
また解体が難しいマンションでも、リフォームすることでゴミ屋敷問題を解決できる場合があります。ただしゴミ屋敷のリフォームは、いくつか注意点もあります。
例えばゴミ屋敷をリフォームする場合にも、事前にゴミを処分しなければなりません。そのためリフォーム費用とは別に、ゴミ処理費用も必要です。
またリフォーム業者選びも重要なポイントです。
中には悪質な業者も存在しており、過剰な請求やずさんなリフォームなど、さまざまなトラブルが発生しています。
こういった悪質なリフォーム業者の被害にあわないよう、複数の業者から見積もりを取るようにしましょう。
ゴミ屋敷は所有しているだけで固定資産税がかかる
ゴミ屋敷かどうかにかかわらず、所有をしている不動産には、固定資産税がかかります。
空き家となっているゴミ屋敷を放置していると、賃貸の場合は家賃を、持ち家の場合は固定資産税を支払わなければなりません。
よってできるだけ早く、ゴミ屋敷は売却してしまうべきです。
ゴミ屋敷の売却手段は「仲介業者」と「不動産買取」の2通りある
ここまで、ゴミ屋敷を売却する4つの方法について解説しました。ゴミ屋敷を売却する方法を決めたら、次は「どこに売却するか」を決めます。
ゴミ屋敷の売却先は、主に以下の2つです。
- 仲介
- 不動産買取
どちらでも物件の売却は行うことは同じですが、「仲介」と「不動産買取」では売却の流れが少しずつ異なります。
それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
仲介
「仲介」とは、不動産会社を介して、住宅を一消費者に売却する方法です。買主は個人客が多いため、売却相場に近い価格で売ることができます。
ただし、不動産会社に支払う仲介手数料が必要です。
また買主を一から探さなければならないため、売却するまでに時間を要します。そしてゴミ屋敷を購入したがる一般消費者はいないため、ゴミの片付けや建物の修繕をしなければなりません。
不動産買取
「不動産買取」とは、不動産買取業者に住宅を購入してもらう方法です。この場合「仲介」と比べて、住宅をすぐに買い取ってもらえます。
売却までスピーディーに終わるのが、不動産買取のメリットと言えるでしょう。
またゴミ屋敷であっても買取をしてくれる業者はあるので、無理にゴミの片付けをする必要がありません。買主を探す必要もないため、手間をかけずに売却したい方は不動産買取が向いているでしょう。
ただし買取の場合、仲介と比べて、売却価格が安くなってしまいます。不動産買取は物件を購入した金額より、高く販売することで利益を出しているため、致し方ありません。
一般消費者に売却する場合と比べて、売却価格が安くなってしまう点は、不動産買取のデメリットと言えるでしょう。
不動産買取の相場は、市場価格(仲介の場合の売却価格)の6〜7割と言われています。例えば住宅の市場価格が5,000万円の場合、売却価格は3,000〜3,500万円程度にしかなりません。
さらにゴミ屋敷の状態で売却した場合、ここからゴミの撤去費用や、建物の修繕費が引かれます。
ゴミ屋敷の売却は仲介業者と不動産買取のどちらにすべき?
ゴミ屋敷を仲介業者に売却すべき人と、不動産買取をしてもらうべき人の違いについてまとめました。
「仲介業者」が向いている人
仲介は、以下の条件に当てはまる人に向いています。
- ゴミ屋敷をできるだけ高く売却したい
- お金に余裕がある
仲介の場合、住宅を市場価格で売りに出せます。しかし仲介の場合、ゴミ屋敷の片付けは必須です。
ゴミ屋敷の状態で売れる確率もゼロではありませんが、その場合、売却価格を大幅に下げなければ購入者は見つからないでしょう。
そのため仲介でゴミ屋敷を売却する場合、ゴミを片付けるなどして、他の人が住める状態にしなければなりません。
そのためには、ゴミ屋敷の清掃費用と、リフォーム費用がかかります。これらの費用を捻出する余裕がないという人は、不動産買取でゴミ屋敷を売却するといいでしょう。
「仲介業者」でゴミ屋敷を売却する手順
仲介でゴミ屋敷を売却する手順は、以下のとおりです。
- ゴミ屋敷片付け業者にゴミを片付けてもらう
- 必要に応じてリフォームする
- 不動産会社と媒介契約を結んで、住宅を売りに出す
まずはゴミ屋敷にあるゴミを片付けるところから始めますが、ゴミの程度にもよりますが、家中に積もったゴミを自力で片付けるのは、ほぼ不可能です。
そのため自力で片付けることができない場合は、ゴミ屋敷片付け業者を利用しましょう。
ゴミ屋敷片付け業者に依頼すれば、宅内のゴミや不用品を全て、1日のうちに回収してもらえます。
宅内の物を全て片付けたら、必要に応じてリフォームを施しましょう。ゴミ屋敷の床や壁は、ゴミ屋敷だった期間が長いほど、傷んでいる可能性が高くなります。
また建物の基礎部分に、ゴミの悪臭が染み付いていることもあります。この場合表面的な消臭では効果がないため、建材を変えるなどの大規模なリフォームが必要です。
片付けやリフォームが済んで、他の人が住める状態になったら、住宅を売りに出す準備に入ります。
複数の不動産仲介会社に査定をお願いして、査定額に納得したら、その会社と「媒介」契約を結びましょう。(媒介は、複数の会社と結ぶことも可能です)
媒介とは、不動産物件の売主と買主の間に入って、双方の契約を成立させることです。不動産仲介会社と媒介契約を結べば、インターネットやチラシなどで、住宅の購入希望者を探してもらえます。
「不動産買取」が向いている人
不動産買取は、以下の条件に当てはまる人に向いています。
- ゴミ屋敷をできるだけ早く売却(換金)したい
- ゴミ屋敷を片付けるだけの費用がない
不動産買取は、仲介に比べて売却価格が3〜4割ほど安くなるものの、即金性に優れているというメリットがあります。
またゴミ屋敷の状態でも、買取をしてくれる業者は存在します。こうした業者に買い取ってもらえば、ゴミを片付けたり、建物を修繕したりする必要もありません。
買取後、買取業者では、ゴミ屋敷を一般消費者に売りに出せるようにゴミの片付けやリフォームを行います。ここでかかる費用は、売却価格から差し引かれ、売主には残った金額が渡されます。
つまり仲介と異なり、売主は自分でこれらの費用を負担する必要はありません。そのため買取は、お金にあまり余裕がないという人にも相性がいい方法と言えるでしょう。
「不動産買取」でゴミ屋敷を売却する手順
不動産買取でゴミ屋敷を売却する手順は、以下のとおりです。
- 複数の不動産買取業者に買取価格を出してもらう
- 不動産買取業者にゴミ屋敷を売却する
同じ住宅でも、不動産買取業者によって買取価格は異なります。複数の業者に査定してもらって、買取価格が一番高い業者に買い取ってもらうようにしましょう。
ゴミ屋敷の売却にかかる費用
ゴミ屋敷の売却にかかる費用は、以下の3つに分けられます。
- 自力でゴミを処理する際にかかる費用
- ゴミ屋敷の片付けを業者に依頼する際にかかる費用
- 戸建てを解体する際にかかる費用
それぞれおおよそいくらかかるのか、詳しく見てみましょう。
自力でゴミを処理する際にかかる費用
自力でゴミ屋敷を片付ける際は、以下の費用がかかります。
- 掃除用具の購入費
- ゴミを運ぶためのトラックのレンタル費
費用相場としては、10万円以内です。
床の大半が見えるレベルで、それほど深刻なゴミ屋敷でない場合は、自力での片付けもおすすめです。しかしそうでなければ、いくら費用を抑えられるとはいえ、次の項目で紹介するゴミ屋敷片付け業者に依頼すべきです。
ゴミ屋敷の片付けを業者に依頼する際にかかる費用
ゴミ屋敷片付け業者に依頼をすれば、数時間〜1日でゴミ屋敷のゴミを全て片付けられます。
しかし当然、自力で片付ける場合と比べると、費用がかかります。
ゴミ屋敷片付け業者への依頼にかかる費用は、間取りやゴミの量、業者などによって様々です。
ここでは、ゴミ屋敷片付け業者七福神の、間取り別最低費用を紹介します。
間取り | 費用(税込) |
---|---|
1R/1K | 33,000円〜 |
1DK | 55,000円〜 |
1LDK | 88,000円〜 |
2DK | 121,000円〜 |
2LDK | 154,000円〜 |
3DK | 187,000円〜 |
3LDK | 209,000円〜 |
4DK | 242,000円〜 |
4LDK | 264,000円〜 |
ゴミの量が多かったり、作業に必要なスタッフが多かったり、仕分けする物が多かったりすると、費用は高くなる傾向にあります。
以下は七福神がゴミ屋敷の片付けを行っている様子です。
七福神のこれまでのゴミ屋敷/汚部屋の清掃実績については、以下のリンクにてまとめています。
戸建てを解体する際にかかる費用
ゴミ屋敷を解体して、土地を販売する場合には、土地の解体費用がかかります。
一軒家の解体費用は坪数で決まります。例えば木造の場合は3〜5万円/坪、鉄骨造の場合は5〜7万円/坪のような形です。
家が何坪あるのか、その場合解体費用はいくらになりそうなのかを計算してみましょう。
まとめ
ゴミ屋敷を売却する4つの方法や、ゴミ屋敷の売却手段などについて解説しました。
ゴミ屋敷は、建物内にゴミが残ったままでも売却できます。しかしゴミが残ったままの状態では、売却相場で手放すことが難しいです。
ゴミ屋敷を高値で売却する手段も、建物の状態によって異なります。それ程汚れがひどくなければ、ゴミの処分と清掃のみで済む場合もありますが、リフォームをしてキレイにしてから売却した方が望ましいケースもあるでしょう。
ゴミ屋敷の売却は、普通に物件よりも時間がかかり、売却までの流れも段取りが多いです。
「仲介」と「不動産買取」でも、メリット・デメリットが異なりますので、ご家族や親戚と相談しながら進めていきましょう。
ゴミ屋敷を片付けてから売却することを選択された場合は、ゴミ屋敷片付け業者の七福神にお任せください。