離れて暮らしていた親族が亡くなり、故人宅を相続したものの、使い道に困っている方は少なくないでしょう。相続で得た建物がゴミ屋敷だった場合、事態はさらに深刻です。
故人宅がゴミ屋敷になっていたというケースは珍しくなく、こういった問題は年々増えつつあります。建物にゴミがたくさん積みあがっていては、自分が住むことはもちろん、誰かに貸すことも難しいです。
このように、所有物件がゴミ屋敷化している場合、どのように売却すればいいのか、そもそも買いたい人がいて、売却はできるのか、不安に思う方はきっと多いはずです。
この記事では、ゴミ屋敷を売りたい方向けに、売却方法や手順について詳しく解説します。
目次
ゴミ屋敷を売却する前に知っておきたいこと
ゴミ屋敷を売却する際は「事前に片付ける」ということを特に意識しましょう。
これだけで、より理想に近い売却ができるようになります。
ゴミ屋敷を片付けた方が早く売れる
ゴミ屋敷は、片付けてから売却する方が圧倒的に有利です。汚れた状態のままだと、買主に「すぐには住めない」「余計な片付け費用がかかる」といった不安を抱かれ、購入を敬遠されやすくなります。
その結果、相場より大幅に値引きされるだけでなく、売却までに時間がかかってしまうケースが多いです。
一方で、しっかり片付けられた物件は「すぐに住める家」として前向きに評価され、内見後にすぐ購入を決める人も増えます。
高値で、かつ早期に売却を成功させるには、専門業者に依頼して整理を済ませ、万全の状態で市場に出すことが大切です。
ゴミ屋敷を売却する4つの方法
ゴミ屋敷を片付けた方が早く売れるものの、基本的にはどんな状態のゴミ屋敷でも、売却は可能です。ゴミ屋敷を売却する方法は、以下の4つです。
- ゴミを処分せずに不動産業者へ買取を依頼する
- ゴミを処分してから不動産業者へ売却する
- ゴミ屋敷を解体し、土地として販売する
- ゴミ屋敷をリフォームして売却する
各売却方法のメリット・デメリットについてまとめました。それぞれ詳しく見てみましょう。
ゴミを処分せずにゴミ屋敷を買いたい不動産業者へ買取を依頼する
ゴミ屋敷を売却する1つ目の方法は、「建物内にゴミを残したままゴミ屋敷を売却する」です。
ゴミ屋敷の状態にもよりますが、あまりにもゴミや不用品の量が多いと、処分するのも手間がかかります。ゴミが積みあがった室内に入るのは危険を伴いますし、悪臭やダニなどが原因で健康に害を及ぼす恐れもあります。
また実家や所有している空き家がゴミ屋敷化した場合は、現地に行って片付け作業をするのが困難なケースもあるでしょう。
そのような場合は、建物内にゴミが残ったままの状態で売却することも可能です。
建物内にゴミが残ったままの状態でゴミ屋敷を売却するメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・自分でゴミを片付ける必要がない ・ゴミ処理費用や清掃費用がかからない ・業者に依頼するだけで手放すことができる ・ゴミ屋敷であることが周囲にばれにくい | ・査定額が低い ・専門業者への依頼が基本 ・依頼できる専門業者の数が限られている |
ゴミ屋敷のゴミは、自力でも片付けられます。しかし床が見えないほどゴミが溜まっていて、自力で片付けるのが難しい場合は、プロの力を借りましょう。
ゴミ屋敷専門の片付け業者なら、天井まで積みあがった大量のゴミや不用品も、数時間〜数日でキレイな状態にしてくれます。あまりにも大量にゴミがある場合は、専門業者へ依頼した方が、売却までの流れが段取り良く進みます。
自力でゴミを片付けた場合、どんなに片付けをしても、一度ゴミ屋敷となってしまった以上、元通りの状態にすることは困難です。ゴミを片付けても、臭いや汚れが残ることもあります。
しかしゴミ屋敷片付け業者に依頼をすれば、ゴミを搬出した後のハウスクリーニングまで行ってくれます。
ゴミ屋敷片付け業者を入れればその分の費用も必要となり、出費がかさみますので、ある程度支出が多くなることは避けられません。しかし高値で元ゴミ屋敷を売却できれば、ゴミ屋敷片付け業者への依頼にかかった費用は回収できます。
ゴミ屋敷を片付けてから不動産業者へ売却する
ゴミ屋敷を売却する2つの方法は「ゴミ屋敷を片付けてから不動産業者へ売却する」です。
前述のように、ゴミ屋敷のままだと買主にとって不安要素が残るため、売却が難しくなります。
そのため、よっぽどの理由がない限りは、ゴミ屋敷の片づけを検討しましょう。
片付けてから売却をするメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・物件の資産価値が正当に評価される ・早く売却できる可能性が高い | ・片付けに時間と手間がかかる ・大量のゴミの場合は精神的負担が大きい |
最大のメリットは、物件の資産価値が正当に評価される点です。汚れたままの状態では「住める状態にするための費用がかかる」と判断され、どうしても相場より大幅に値引きされてしまいます。
対して、きれいに片付けられた物件は本来の価値をしっかり見てもらえるため、高値での売却が期待できます。また、印象が良くなることで購入希望者の検討が進みやすくなり、早く売却できる可能性が高いのも大きな魅力です。
ただし、片付けには時間と手間がかかるというデメリットもあります。特に大量のゴミがある場合、分別や搬出、清掃などの作業は大きな負担になります。さらに、汚れや悪臭がひどいケースでは精神的なストレスも大きく、途中で挫折してしまう人もいます。
そのため、片付けを進める際は無理をせず、必要に応じて専門業者に依頼することが重要です。
ゴミ屋敷を解体し、土地として販売する
ゴミ屋敷を売却する3つ目の方法は、「ゴミ屋敷を解体して土地として販売する」です。
一度ゴミ屋敷化してしまった建物は、ゴミ屋敷片付け業者を入れても完全に綺麗にはなりません。よって建物の価値はどうしても低くなります。
「早く売却したい」「できるだけ高値で売却したい」という場合は、ゴミ屋敷を解体し、更地にしてから売るというのも選択肢の1つです。
ゴミ屋敷を解体して土地として販売するメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・建物を残すよりも、早く売却できる場合がある ・相場に近い価格で売却できる | ・ゴミ処理費用がかかる ・解体業者へ依頼する費用も必要 ・一戸建てのみ、マンション売却の場合はほぼ不可能 |
ゴミ屋敷を解体して売却すると、建物を残すよりも売却相場に近い価格で手放せるケースがあります。またもともとゴミ屋敷として有名だった物件の場合、なかなか買取先が見つからないケースも少なくありません。
そのため思い切って解体し、更地にしてから売り出した方が、スピーディーに売却できるメリットもあるのです。
ただし建物を解体するには、解体業者への依頼はもちろん、ゴミ処理費用もかかります。また、更地にできるのは一戸建てのみです。
持ち家であっても、集合住宅であるマンション売却の場合は難しい方法です。
ゴミ屋敷をリフォームして売却する
ゴミ屋敷を売却する4つ目の方法は、「ゴミ屋敷をリフォームして売却する」です。
ゴミ屋敷となった物件に再び住む場合や、賃貸物件として貸し出す場合、リフォームするという手段もあります。
一度ゴミ屋敷化してしまうと、臭いはもちろん、クロスや床もボロボロです。そのため、もう一度住むには、ゴミ屋敷のリフォームが欠かせません。
ゴミ屋敷をリフォームして売却するメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・ゴミ屋敷を再利用できる ・賃貸に出せば、家賃収入を得ることも可能 ・ゴミ屋敷化したマンションでもOK | ・ゴミ処理費用がかかる ・リフォーム費用がかかる |
ゴミ屋敷をリフォームすれば、再び人が住めるようになります。そのため自分の住居費が浮くほか、賃貸に出せば家賃収入が得られるメリットもあります。
また解体が難しいマンションでも、リフォームすることでゴミ屋敷問題を解決できる場合があります。ただしゴミ屋敷のリフォームは、いくつか注意点もあります。
例えばゴミ屋敷をリフォームする場合にも、事前にゴミを処分しなければなりません。そのためリフォーム費用とは別に、ゴミ処理費用も必要です。
またリフォーム業者選びも重要なポイントです。
中には悪質な業者も存在しており、過剰な請求やずさんなリフォームなど、さまざまなトラブルが発生しています。
こういった悪質なリフォーム業者の被害にあわないよう、複数の業者から見積もりを取るようにしましょう。
ゴミ屋敷を売却する流れ
ゴミ屋敷を売却する大まかな流れは以下の通りです。
- 不動産会社や買取業者に相談する
- 必要であればゴミ屋敷の片付けや解体をする
- 不動産会社や買取業者経由で売りに出す
- 購入希望者と交渉を行う
- 売買契約を結び引渡し・決済を行う
それぞれの手順を確認し、よりスムーズな売却を目指しましょう。
1.不動産会社や買取業者に相談する
ゴミ屋敷を売却するときは、最初に不動産会社や買取業者に相談することが大切です。
現状のまま売るか、片付けてから売るかなど、状況に応じた最適な方法を提案してもらえます。資産価値の把握や売却の方向性が明確になれば、余計な不安を減らし、後悔のない選択ができます。
まずは複数の業者に連絡し、信頼できるパートナーを見つけるところから始めましょう。
2.必要であればゴミ屋敷の片付けや解体をする
より良い条件で売却したいなら、片付けや解体を検討すべきです。
片付けることで物件の印象が大きく変わり、買主に「すぐに住める」という安心感を与えられるためです。
実際、片付けた物件は相場に近い価格で売れる可能性が高まり、売却期間も短縮できます。
少しでも高く売りたいなら、専門業者に依頼して徹底的に片付けを進めましょう。
3.不動産会社や買取業者経由で売りに出す
片付け後、または現状のままでも、物件を市場に出すと多くの買主にアプローチできます。
専門業者を通すことで広告掲載や内見対応、価格交渉など煩雑な作業を任せられるため、売主の負担が大幅に軽減されます。
自分だけで進めようとすると時間もコストもかかりやすいため、必ず専門業者の力を活用して効率的に売却活動を進めてください。
4.購入希望者と交渉を行う
買主が見つかったら、価格や引渡し条件などを交渉します。このステップは、最終的な売却価格を左右する重要な場面です。
片付けた物件は印象が良いため、強い値引き要求を受けにくく、条件を有利に進めやすいです。納得できる契約にするためにも、焦らず冷静に条件を詰め、専門家のアドバイスを受けながら進めましょう。
5.売買契約を結び引渡し・決済を行う
条件が整えば、売買契約を締結し、引渡しと決済を進めます。これが完了すれば、正式に売却が成立します。
契約書の内容や決済条件をしっかり確認しないと、後からトラブルになる恐れがあります。最後まで気を抜かず、専門家と一緒に最終確認を行い、安心して手続きを終えましょう
ゴミ屋敷を放置するリスク
ゴミ屋敷を放置すると以下のようなリスクが生まれます。
- 所有しているだけで固定資産税がかかる
- 悪臭や害虫が発生しつづける
- 近隣トラブルの元になる
- 行政代執行の対象になる
- 特定空き家に指定される
- 相続放棄してもゴミ屋敷の管理責任からは逃れられない
もしゴミ屋敷を放置しているなら、リスクを確認し早急な対処をしましょう。
ゴミ屋敷は所有しているだけで固定資産税がかかる
ゴミ屋敷かどうかにかかわらず、所有をしている不動産には、固定資産税がかかります。
空き家となっているゴミ屋敷を放置していると、賃貸の場合は家賃を、持ち家の場合は固定資産税を支払わなければなりません。
よってできるだけ早く、ゴミ屋敷は売却してしまうべきです。
不動産を相続したらどうすればいい?知っておくべき相続税の評価とは?
悪臭や害虫が発生しつづける
ゴミ屋敷は、放置するほど室内に湿気が溜まり、ゴミが腐敗して悪臭が発生します。この悪臭は建物内部だけでなく、周囲の住宅にも広がり、深刻な被害を及ぼします。
また、ゴキブリ、ハエ、ダニ、ネズミなどの害虫・害獣の温床となり、周囲の住民に不快感や健康被害を引き起こす原因にもなりかねません。
害虫が増えると、壁や床の損壊、配線被害、さらには火災リスクまで高まるため、修繕コストが莫大になる前に、早めの対応が必要です。
ゴミ屋敷は近隣トラブルの元になる
前述のように、ゴミ屋敷は悪臭や害虫などが発生して、周囲にとって大きな迷惑となり、近隣住民とのトラブルを引き起こします。
近隣からの苦情が増え、繰り返し自治体への通報があれば、改善命令や訴訟問題に発展する恐れがあります。また、イメージの悪化によって周囲の不動産価値が下がり、地域全体の住環境が悪化するなど、社会的信用を失うリスクも大きいです。
大きな賠償責任を負わないためにも、周辺住民との関係が悪化する前に片付けや売却などの対策を考えましょう。
行政代執行の対象になる
長期間放置されたゴミ屋敷は、自治体から「改善命令」や「指導文書」が届くことがあります。これに従わないと行政代執行が行われ、行政が強制的に片付けを実施します。
この代執行費用はすべて所有者負担となり、数百万円単位に上るケースも珍しくありません。また、行政代執行が行われると、強制的に片付けられるだけでなく、所有者の経済的・社会的信用にも大きなダメージを与えます。
ゴミ屋敷の行政代執行が行われた場合の費用はどうなる?これまでの事例の費用についても紹介
特定空き家に指定される
ゴミ屋敷は「特定空き家」に指定される可能性があり、指定されると固定資産税の優遇措置が撤廃されます。これにより、課税額が通常の6倍に増加し、経済的負担が一気に重くなります。
特定空き家指定は、地域の景観や安全を守るために導入された制度ですが、一度指定されると取り消すのは容易ではありません。税負担を減らすためにも、早めに対応することが必要です。
相続放棄してもゴミ屋敷の管理責任からは逃れられない
相続が発生すると、相続人は被相続人の財産や負債、そして不動産の管理義務を引き継ぐことになります。ゴミ屋敷を含む不動産の場合、「相続放棄をすればすぐに責任がなくなる」と考える人が多いですが、実際にはそうではありません。
相続放棄をしても、次の管理者(国や他の相続人など)が正式に決まるまでの間は、放棄した相続人が管理責任を負うとされています。この期間にゴミ屋敷から悪臭や害虫被害が広がったり、近隣トラブルが発生した場合、放棄した側にも管理責任が問われるリスクがあります。さらに、自治体からの改善命令や行政代執行の費用負担など、予想外の責任を求められるケースも少なくありません。
問題を先送りにせず、相続が発生したら早い段階で専門家に相談し、売却や片付けといった具体的な対応を進めることが重要です。
相続放棄する家でもゴミ処分はOK?相続放棄ができなくなることも!
ゴミ屋敷の売却手段は「仲介業者」と「不動産買取」の2通りある
ゴミ屋敷を売却する方法を決めたら、次は「どこに売却するか」を決めます。
ゴミ屋敷の売却先は、主に以下の2つです。
- 仲介
- 不動産買取
どちらでも物件の売却は行うことは同じですが、「仲介」と「不動産買取」では売却の流れが少しずつ異なります。
それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。。
仲介
「仲介」とは、不動産会社を介して、住宅を一消費者に売却する方法です。買主は個人客が多いため、売却相場に近い価格で売ることができます。
ただし、不動産会社に支払う仲介手数料が必要です。
また買主を一から探さなければならないため、売却するまでに時間を要します。そしてゴミ屋敷を購入したがる一般消費者はいないため、ゴミの片付けや建物の修繕をしなければなりません。
不動産買取
「不動産買取」とは、不動産買取業者に住宅を購入してもらう方法です。この場合「仲介」と比べて、住宅をすぐに買い取ってもらえます。
売却までスピーディーに終わるのが、不動産買取のメリットと言えるでしょう。
またゴミ屋敷であっても買取をしてくれる業者はあるので、無理にゴミの片付けをする必要がありません。買主を探す必要もないため、手間をかけずに売却したい方は不動産買取が向いているでしょう。
ただし買取の場合、仲介と比べて、売却価格が安くなってしまいます。不動産買取は物件を購入した金額より、高く販売することで利益を出しているため、致し方ありません。
一般消費者に売却する場合と比べて、売却価格が安くなってしまう点は、不動産買取のデメリットと言えるでしょう。
不動産買取の相場は、市場価格(仲介の場合の売却価格)の6〜7割と言われています。例えば住宅の市場価格が5,000万円の場合、売却価格は3,000〜3,500万円程度にしかなりません。
さらにゴミ屋敷の状態で売却した場合、ここからゴミの撤去費用や、建物の修繕費が引かれます。
ゴミ屋敷の売却は仲介業者と不動産買取のどちらにすべき?
ゴミ屋敷を仲介業者に売却すべき人と、不動産買取をしてもらうべき人の違いについてまとめました。
「仲介業者」が向いている人
仲介は、以下の条件に当てはまる人に向いています。
- ゴミ屋敷をできるだけ高く売却したい
- お金に余裕がある
仲介の場合、住宅を市場価格で売りに出せます。しかし仲介の場合、ゴミ屋敷の片付けは必須です。
ゴミ屋敷の状態で売れる確率もゼロではありませんが、その場合、売却価格を大幅に下げなければ購入者は見つからないでしょう。
そのため仲介でゴミ屋敷を売却する場合、ゴミを片付けるなどして、他の人が住める状態にしなければなりません。
そのためには、ゴミ屋敷の清掃費用と、リフォーム費用がかかります。これらの費用を捻出する余裕がないという人は、不動産買取でゴミ屋敷を売却するといいでしょう。
「仲介業者」でゴミ屋敷を売却する手順
仲介でゴミ屋敷を売却する手順は、以下のとおりです。
- ゴミ屋敷片付け業者にゴミを片付けてもらう
- 必要に応じてリフォームする
- 不動産会社と媒介契約を結んで、住宅を売りに出す
まずはゴミ屋敷にあるゴミを片付けるところから始めますが、ゴミの程度にもよりますが、家中に積もったゴミを自力で片付けるのは、ほぼ不可能です。
そのため自力で片付けることができない場合は、ゴミ屋敷片付け業者を利用しましょう。
ゴミ屋敷片付け業者に依頼すれば、宅内のゴミや不用品を全て、1日のうちに回収してもらえます。
宅内の物を全て片付けたら、必要に応じてリフォームを施しましょう。ゴミ屋敷の床や壁は、ゴミ屋敷だった期間が長いほど、傷んでいる可能性が高くなります。
また建物の基礎部分に、ゴミの悪臭が染み付いていることもあります。この場合表面的な消臭では効果がないため、建材を変えるなどの大規模なリフォームが必要です。
片付けやリフォームが済んで、他の人が住める状態になったら、住宅を売りに出す準備に入ります。
複数の不動産仲介会社に査定をお願いして、査定額に納得したら、その会社と「媒介」契約を結びましょう。(媒介は、複数の会社と結ぶことも可能です)
媒介とは、不動産物件の売主と買主の間に入って、双方の契約を成立させることです。不動産仲介会社と媒介契約を結べば、インターネットやチラシなどで、住宅の購入希望者を探してもらえます。
「不動産買取」が向いている人
不動産買取は、以下の条件に当てはまる人に向いています。
- ゴミ屋敷をできるだけ早く売却(換金)したい
- ゴミ屋敷を片付けるだけの費用がない
不動産買取は、仲介に比べて売却価格が3〜4割ほど安くなるものの、即金性に優れているというメリットがあります。
またゴミ屋敷の状態でも、買取をしてくれる業者は存在します。こうした業者に買い取ってもらえば、ゴミを片付けたり、建物を修繕したりする必要もありません。
買取後、買取業者では、ゴミ屋敷を一般消費者に売りに出せるようにゴミの片付けやリフォームを行います。ここでかかる費用は、売却価格から差し引かれ、売主には残った金額が渡されます。
つまり仲介と異なり、売主は自分でこれらの費用を負担する必要はありません。そのため買取は、お金にあまり余裕がないという人にも相性がいい方法と言えるでしょう。
「不動産買取」でゴミ屋敷を売却する手順
不動産買取でゴミ屋敷を売却する手順は、以下のとおりです。
- 複数の不動産買取業者に買取価格を出してもらう
- 不動産買取業者にゴミ屋敷を売却する
同じ住宅でも、不動産買取業者によって買取価格は異なります。複数の業者に査定してもらって、買取価格が一番高い業者に買い取ってもらうようにしましょう。
ゴミ屋敷の売却にかかる費用
ゴミ屋敷の売却にかかる費用は、以下の3つに分けられます。
- 自力でゴミを処理する際にかかる費用
- ゴミ屋敷の片付けを業者に依頼する際にかかる費用
- 戸建てを解体する際にかかる費用
それぞれおおよそいくらかかるのか、詳しく見てみましょう。
自力でゴミを処理する際にかかる費用
自力でゴミ屋敷を片付ける際は、以下の費用がかかります。
- 掃除用具の購入費
- ゴミを運ぶためのトラックのレンタル費
費用相場としては、10万円以内です。
床の大半が見えるレベルで、それほど深刻なゴミ屋敷でない場合は、自力での片付けもおすすめです。しかしそうでなければ、いくら費用を抑えられるとはいえ、次の項目で紹介するゴミ屋敷片付け業者に依頼すべきです。
ゴミ屋敷片付けは自力でできる?失敗しない判断基準や手順も解説!
ゴミ屋敷の片付けを業者に依頼する際にかかる費用
ゴミ屋敷片付け業者に依頼をすれば、数時間〜1日でゴミ屋敷のゴミを全て片付けられます。
しかし当然、自力で片付ける場合と比べると、費用がかかります。
ゴミ屋敷片付け業者への依頼にかかる費用は、間取りやゴミの量、業者などによって様々です。
ここでは、ゴミ屋敷片付け業者七福神の、間取り別最低費用を紹介します。
間取り | 費用(税込) |
1R/1K | 14,900円~ |
1LDK | 30,000円~ |
2LDK | 60,000円~ |
3LDK | 105,000円~ |
4LDK | 165,000円~ |
ゴミの量が多かったり、作業に必要なスタッフが多かったり、仕分けする物が多かったりすると、費用は高くなる傾向にあります。
以下は七福神がゴミ屋敷の片付けを行っている様子です。
七福神のこれまでのゴミ屋敷/汚部屋の清掃実績については、以下のリンクにてまとめています。
戸建てを解体する際にかかる費用
ゴミ屋敷を解体して、土地を販売する場合には、土地の解体費用がかかります。
一軒家の解体費用は坪数で決まります。例えば木造の場合は3〜5万円/坪、鉄骨造の場合は5〜7万円/坪のような形です。
家が何坪あるのか、その場合解体費用はいくらになりそうなのかを計算してみましょう。
ゴミ屋敷を売却するときにかかる税金
ゴミ屋敷を売却すると、特に注意すべきなのが譲渡所得税です。売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いた利益部分に課税され、所有期間によって税率が変わります。短期所有(5年以下)の場合は約39%と高く、長期所有(5年超)の場合は約20%に軽減されますが、それでも数百万円単位の負担になるケースがあります。
また、売買契約書には契約金額に応じた印紙税が必要です。印紙税を貼付せずに提出すると、後から過怠税を課される可能性があります。
さらに、所有権移転登記に伴って登記費用や司法書士報酬などの費用もかかります。これらを怠ると買主への引渡しが進められず、トラブルの原因になります。
費用・税金 | 内容 | 目安金額 |
譲渡所得税 | 売却益に対して課税される税金。所有期間によって税率が異なる。 | 数十万円~数百万円以上 |
印紙税 | 売買契約書に貼付する税金。契約金額により変わる。 | 1万円 (1,000万超5,000万円以下の場合) |
登記費用 | 所有権移転登記に必要な登録免許税や司法書士報酬など。 | 数万円~数十万円 |
これらの税金や費用を事前に把握しておかないと、思わぬ出費に悩まされる恐れがあります。売却を検討する段階で税理士や不動産会社に相談し、正確に試算することが重要です。
納得して売却を進めるためにも、専門家のアドバイスを活用しましょう。
ゴミ屋敷の売却はゴミ屋敷バスター七福神にご相談ください
ゴミ屋敷の売却をする際は、ゴミの片づけが重要です。それだけでなく、各種手続きに加えて、どのように不動産を活用するのか、解体をするべきなのか、といった判断も必要になります。
そんなゴミ屋敷の売却でお困りの方は、ぜひゴミ屋敷バスター七福神にご相談ください。
ゴミ屋敷バスター七福神では、ゴミ屋敷の片づけはもちろんのこと、不動産売却のお手伝い、不動産の活用例のご提案、住所の名義変更や税金に関する手続きの代行など、ゴミ屋敷の片づけに関わる幅広い業務を承っております。
ゴミ屋敷の売却というのは想像以上に大変な作業になります。
手間がかかるというだけでなく、精神的な負担も計り知れないため、まずはお気軽にご相談いただき、今後どのように作業を進めていくのか決めていきましょう。
相談・見積もりは無料ですので、気軽にお問い合わせください。
まとめ
ゴミ屋敷を売却する4つの方法や、ゴミ屋敷の売却手段などについて解説しました。
ゴミ屋敷は、建物内にゴミが残ったままでも売却できます。しかしゴミが残ったままの状態では、売却相場で手放すことが難しいです。
ゴミ屋敷を高値で売却する手段も、建物の状態によって異なります。それ程汚れがひどくなければ、ゴミの処分と清掃のみで済む場合もありますが、リフォームをしてキレイにしてから売却した方が望ましいケースもあるでしょう。
ゴミ屋敷の売却は、普通に物件よりも時間がかかり、売却までの流れも段取りが多いです。
「仲介」と「不動産買取」でも、メリット・デメリットが異なりますので、ご家族や親戚と相談しながら進めていきましょう。
ゴミ屋敷を片付けてから売却することを選択された場合は、ゴミ屋敷片付け業者の七福神にお任せください。