トラブルから新サービスまで・・・遺品整理2018年最新ニュース

トラブルから新サービスまで・・・遺品整理2018年最新ニュース

遺品整理という仕事が社会的に認知され、需要が拡大していくにつれて、遺品整理に関するニュースもよく目にするようになりました。
そこで2018年1月に報道されたニュースをピックアップします。

1. 女優・高畑淳子の長男、遺品整理のアルバイトをしていた

週刊誌の報道によると、女優・高畑淳子さんの長男で元俳優の高畑裕太さんが、現在、遺品整理のアルバイトをしているそうです。

高畑裕太さんは、2016年、強姦致傷容疑で逮捕されました。示談が成立し不起訴処分となったものの、俳優業を続けて行くことはできず、将来を嘱望されながら表舞台から姿を消していました。

遺品整理業を始める人も多い?

舞台関係者の話によると、裕太さんは騒動後、母と話し合い、数ヶ月間インドへ放浪の旅に出かけていたそうです。帰国後は母の女優業の雑用を手伝いながら、舞台鑑賞には欠かさず足を運んでいるとのこと。

2017年には都内に豪邸が完成し、母と姉とともに暮らしているそうで、2017年9月には週刊誌で、遺品を整理する業者でアルバイトをしている姿が報じられました。

母の淳子さんも、テレビで知った遺品整理に興味を持ち、自ら企画を持ち込んでテレビドラマにもなっています。その影響なのでしょうか、裕太さんも「もともと興味があった」と取材に答えています。
また、裕太さんが働いているのは、テレビドラマ制作の際、監修などで協力してくれた業者のようです。

裕太さんは、事件に関する反省を口にしつつも、どうやら芸能界復帰の意思があるよう。その時はやはり、母が主演を務める遺品整理ドラマでの復帰となるのでしょうか。

2. 株式会社レリック、全国初の「相続支援整理」サービス開始

株式会社レリック(本社・愛知県東海市、以下レリック)は、1月30日、全国初のサービス「相続支援整理」を開始すると発表しました。

レリックは、中部・東海地方を中心に、関西、沖縄まで幅広い地域で活動する遺品整理・特殊清掃の会社です。これまでも、遺品整理のほか、生前整理の支援も行ってきましたが、このたび「相続支援整理」というサービスをスタートしました。

このサービスは、親族間での相続トラブル防止の為に、家の中に遺された貴重品・遺言書・現金・エンディングノートなどを探しながら目録をつけ、相続開始前に家の中に遺されていた財産を遺族に届けるというものです。

遺品の中から財産にあたるものが見つかることも・・・

これまでは、相続を終えてから遺品整理を始めるというケースが大半を占めていましたが、遺品の中から財産となるものが発見されることも多く、レリックでは一つの現場で総額7000万円にもあたる、遺族が知らない遺産を見つけたことがあるそうです。

相続が終わってから発見されてしまう遺産ほど面倒なものはありません。これによって、家族間で争いに発展してしまうことも多々あります。
そこで、レリックは、遺品整理と相続を同時進行していくこのシステムを作り上げたということです。

相続に関して、司法書士や弁護士などと連携・提携している企業はたくさんありますが、このような内容のサービスは珍しく、今後も拡大していくと思われます。

3. 横須賀市で遺品の合同供養会

神奈川県横須賀市の葬儀社・辰若中央斎苑が、2月23日に遺品の合同供養会を行いました

故人の思い出が詰まった衣服や大切にしていた愛用品に関して、処分はしたいけれど、気持ちの整理がつかず頭を悩ませている人は少なくありません。また、ただ処分するだけでなく、きちんと供養をしたいと思っている遺族も多いのです。

遺品整理業のなかでも供養は大切なものです

そんなニーズに応えるため、地元葬儀社の「辰若」(横須賀市米が浜通)は、遺品を引き取り合同で供養する「遺品供養会」を企画しました。

供養してもらえる遺品は、指定の段ボール(50cm四方)2箱までで、不燃物の遺品もOKです。ただし、位牌や仏壇などの宗教物は対象外に。
遺品を詰めた段ボールは、供養会への出席・欠席を問わず、同社のスタッフが自宅などに出向いて回収。今後はこのような合同供養会が増えるかもしれませんね。

4. 不動産業が遺品・生前整理に参入

不動産業のネクステップ(札幌市)が、遺品・生前整理事業に本格参入すると発表しました。少子高齢化の進展でニーズが増えるとみて、事業多角化の柱にするとのこと。

生前整理のニーズも高まっています

新しいのは、作業現場のインターネット中継です。依頼主が作業当日に立ち会えなくても安心して利用できるよう、ジャパンメディアシステム(東京・千代田区)のシステムを使い、依頼主だけがパソコンや携帯電話で見られる中継技術を導入しました。

水口千秋社長は「離れた場所でも作業の様子を確認できるなど、透明性を高めることで、より安心してできる事業を目指したい」と話しています。

また、同社では、遺品整理後に住宅の売却や賃貸の仲介サービスを手がけるほか、3月からは遺品の買い取り専門店も設立し、貴金属や家具などをワンストップで買い取れるようにするそうです。

5. 遺品整理で遺体発見!?

1月24日、茨城県水戸市のアパートから一部白骨化した性別不明の遺体が発見され、大騒動になったニュースをスポーツ紙が伝えています。

居住者である女性(57歳)から「自宅にある衣装ケースの中身を確認してほしい」と水戸署に電話があり署員が駆けつけたところ、押し入れの中にあったプラスチック製の衣装ケースから、ブルーシートにくるまれ、一部白骨化した遺体が見つかったそうです。

遺品整理の現場では思わぬことも起こり得ます

女性は昨年からこの部屋で一人暮らしをしていたとのこと。この女性は「物言わぬ同居人」と長期にわたって住んでいたことになるわけです。

このように、家から死体が出てくるケースは多いのでしょうか?
この事件を報じたスポーツ紙では、事故物件に詳しい一般社団法人「遺品整理士認定協会」副理事長の小根英人氏に話を聞いています。

小根さんは「遺体が見つかるのは、中古の一軒家の地下や、建物の床下に埋めていた場合が多い。建物を解体して更地にしようとしたら白骨遺体が出てきたこともある。衣装ケースに入れた遺体が、部屋から出てくることは珍しい」と話します。

遺体を部屋に隠すことができる可能性があるのは、部屋の入居者、貸主、第三者です。
「賃貸物件なら管理者やオーナーは部屋の原状回復をしたうえで、新しい入居者に部屋を渡す必要がある。それを怠るのはとても乱雑な貸主」と同氏は言います。つまり、入居者が住み始める以前から部屋に遺体があったとは考えにくいというわけです。

また「部屋に住んでいない人間が持ち込んだ可能性も少なからず考えられる。たとえば、家族や交際相手。別の場所で遺体を保管しておいて、臭いがなくなった段階で合鍵を使ってコッソリ隠すこともできなくはない」とも言いますが、おそらくこれも非常にレアなケースで、基本的にはその家の居住者の手によるものが多いようです。

高齢化社会

遺体を隠すのは、とても大変なこと。捨てようとしても、発覚してしまうケースがほとんどです。
そこで、遺体を隠した者が取る行動は「隠し切れなくなって、自ら見つかるように仕向ける」ことだと言います。自己申告した方が怪しまれないと思うのが人間の心理なのでしょうか?

このため、遺体が発見されてニュースになるようなケースでは、警察は入居者を丹念に調べるとのこと。つまり、今回の事件の発見者の入居者の女性も警察から事情を詳しく聴かれているでしょう。

さらに、小根氏によると、認知症にかかった入居者が遺体を隠したことを完全に忘れ「部屋から遺体が出てきて怖い」と警察に通報するケースもあるといいます。
犯罪のみならず、高齢化社会の影を感じざるを得ない事件です。

6. 青森県で遺品整理協同組合発足、業種超えて連携

高齢者の独居世帯が増え、近年、孤独死はますます身近な問題となっています。
そんななか、青森県内でも遺品整理や生前整理への関心が高まっており、その需要に応えルため、県内の清掃業者やリサイクル業者など9社が業務連携をすることを決めました。
「あおもり遺品整理協同組合」(齋藤靖守代表)で、昨年12月に設立。作業の質の確保や料金の均一化を図り、業界全体の信用向上に努めていきます。

同組合は、発起人の齋藤代表が社長を務める新仏具の洗浄・修復の「合祥」(弘前市)に事務局を置き、県南では産業廃棄物処理の「第一清掃」(八戸市)や、清掃・廃棄汚物処理の「加澤商店」(三沢市)、再生資源回収の「遠藤商店」(十和田市)、ハウスクリーニング、警備・管理、清掃・廃棄物処理の「大信産業」(むつ市)が加盟しています。
これは青森県内市町村の半数以上をカバーしており、事務局が受けた依頼を地域の加盟社につなぐ仕組みとなっています。

遺品整理業者

関係者は一様に現場で遺品整理の需要が増得ていると肌で感じているといいます。
第一清掃の榊純哉常務は「以前はほとんどなかった遺品整理後の廃棄物処理の依頼が最近は月4、5件ある」。
これにより、ハウスクリーニングや仏壇の供養など、これまでやっていなかった業務に参入できる余地があると感じており、組合を通じて情報共有していくことを目指しています。

さて、皆さんよくおわかりのように、遺品整理とは、単に残された物を廃棄することではありません。遺品に対する故人や親族の思いを汲み取った上で、処分・売却する必要があります。また、物を整理する上でも様々な知識が必要です。

齋藤代表はもともと神仏具のクリーニングが本業でしたが、葬儀業者からの依頼をきっかけに遺品整理業をスタートしました。遺品整理業を営んでいく上で、一般廃棄物処理業の許可を取得し、遺品整理士認定協会の講座も修了しました。

需要が高まっている遺品整理ですが、現状ではサービスにばらつきがあり、一部の業者による強引な貴金属買い取りなどから、残念ながら遺品整理に悪いイメージを抱いている人も少なくありません。そのイメージを払拭するには、料金の明確さや透明性をアップすることが第一です。

そこで、1月25日、あおもり遺品整理協同組合は青森市内で初会合を開きました。会合には加盟7社の代表者が出席。家の間取りや広さ、作業人数ごとに料金の目安を設定したほか、ホームページを開設して周知を図る方針を確認しました。

齋藤代表は「これからの時代、遺品整理の必要性は一層増す。葬儀業者や行政とも連携を図り、質と量の適正化を図りたい」と意欲を燃やしています。

遺品整理の需要が高まるなか、他業種の遺品整理参入が増えています。
遺品整理には幅広い知識や技術、経験が必要なので、専門知識や技術を持っている他業種が遺品整理に携わるのは良いことと言えるでしょう。
ただし、知識や技術だけでなく、遺品整理に最も必要な、故人や遺族を思いやる心をもって業務にあたる業者が増えて欲しいものです。

この記事の監修をしたゴミ屋敷の専門家

氏名:新家 喜夫

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長。