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生命保険金は相続財産になるのか?受取人によって異なる税金とは。

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あなたは生命保険に加入していますか?
保険は、急な病気や怪我、入院の時などに心強いですね。
でも、生命保険は、自分のためだけに入るものではありません。
生命保険は、商品にもよりますが、被保険者が亡くなると、死亡保険金(生命保険金)が下ります。
死亡保険金は、自分の死後も家族が困らないように暮らしていくための愛情でもあるのです。
生命保険をかけるときには保険金の受取人を指定します。
受取人は誰でも指定できますが、これによって相続手続きに違いはあるのでしょうか?
生命保険金は相続財産になるのでしょうか?
今回は、生命保険金の相続について見ていきましょう。

生命保険金は相続財産になるのか?受取人によって異なる税金とは。

生命保険金は相続財産なの?

生命保険金は通常の相続財産ではありません。
故人の固有財産ではなく「受取人の固有財産」として扱われるからです。
家族が他界すると「相続」が発生します。
通常の相続は、故人の持っている現金・預貯金・不動産などさまざまな財産を相続人が分割して引き継ぎます。
故人の遺品やお金などは「故人の固有財産」であり「相続財産」です。
しかし、生命保険の保険金の場合、故人の固有財産ではなく、「受取人の固有財産」として扱われます。
そのため、生命保険金は相続財産ではありません。

生命保険金を受け取れるのは?

相続人全員で分割することはなく、受取人として指定されている人のみが受け取ることになります。
生命保険の受取人は、以下のような場合でも生命保険金を受け取れます。

  • 相続財産に関して相続放棄した
  • 受取人が法定相続人ではない

生命保険金に相続税はかかるの?

生命保険金に相続税はかかるの?

生命保険金にも相続税が発生します。
生命保険金は「みなし相続財産」として扱われます。
みなし相続財産とは「相続や遺贈で取得したものではないが、相続税法上では相続財産として扱う財産」のこと。
生命保険金や死亡退職金などがこれにあたります。
そのため、受取人は受け取った保険金に対して相続税を納めなくてはなりません。
相続税の詳細、及びその他の関係する税金については「生命保険金に関する税金とは?」で説明します。

生命保険金は遺産分割や遺留分の対象外

生命保険金は相続財産ではないため、遺産分割の対象になりません。また、遺留分請求の対象にもなりません。
生命保険金の受取人が相続人であった場合、生命保険金とは別に、故人が残した財産を法定相続分だけ相続できます。

生命保険金の受け取り方は?

被保険者が亡くなったあと、保険金受け取りの流れは次のようになります。

  1. 保険契約者または保険金の受取人が生命保険会社に書面や口頭で連絡します
  2. 生命保険会社から必要書類の案内・請求書が送付されます
  3. 保険金の請求に必要な書類は、請求書、被保険者の住民票、受取人の戸籍抄本、受取人の印鑑証明、医師の死亡診断書または死体検案書、保険証券です。
  4. 保険証券に記載されている保険金の受取人が請求手続きを行います
  5. 生命保険会社に書類を受付すると、保険会社が支払いの可否を判断します
  6. 生命保険金を受け取ります

保険金の受け取りは、一時金として全額受け取るほか、全額または一部を年金で受け取ることや、据え置くこともできます。
取り扱いは生命保険会社により異なるため、確認が必要です。

「年金受取」とは

「年金受取」とは、保険金の全額または一部を、年金を受け取るための原資に充当して年金で受け取る方法です。
年金の種類は「確定年金」「保証期間付終身年金」などがあります。

「据置」とは

「据置」とは、保険金の全額または一部を所定の利率で生命保険会社に据え置くことをいいます。

生命保険金に関する税金とは?

生命保険金に関する税金とは?

生命保険から受け取る保険金は、以下条件によって所得税、相続税、贈与税のいずれかの課税の対象になります。

  • 被保険者(生命保険をかけられている人=故人)
  • 保険料を支払っていた人が誰か
  • 保険金受取人が誰か

相続税が課税される場合

被保険者と保険料の負担者が同じ人である場合、相続税が課税されます。
つまり、故人が自分にかけた生命保険の掛け金を自分で支払っていた場合、受取人に指定されている人が相続税を支払うことになります。

所得税が課税される場合

保険料の負担者と保険金の受取人が同じ場合、所得税が課税されます。
たとえば、妻が夫にかけた生命保険の掛け金を支払っており、なおかつ受取人に妻を指定している場合、妻に所得税が課せられます。
この場合、受け取りの方法によって「一時所得」または「雑所得」として課税されます。

一時所得となる場合

生命保険金を一時金で受け取った場合、「一時所得」となります。
年間50万円を超える利益が出ると、一時所得として課税の対象とされるのです。
たとえば、被保険者が夫、保険金の支払いと保険金受取人が妻であるとしましょう。
この場合、夫が亡くなっても、その時点で保険の掛け金を払っている妻は生存しています。
そのため、生命保険金は相続税の対象にならないのです。
このような場合には「一時所得」という所得区分になります。

一時所得の特別控除とは?

一時所得には、年間50万円の特別控除が設けられています。
つまり、受け取った保険金から支払った保険料を差し引いた額が50万円以下であれば非課税となります。
もし、年間50万円を超えるような保険金を受け取った場合に課税対象となるのは50万円を超えた分の2分の1のみです。
この額が、一時所得として所得税・住民税の対象になります。

雑所得となる場合

死亡保険金を年金で受領した場合には、公的年金等以外の「雑所得」となります。
雑所得の金額は、その年内に受け取った年金の額に対応する払い込み保険料または掛金の額です。

贈与税が課税される場合

被保険者、保険料の負担者、保険金の受取人がそれぞれ異なる場合、贈与税が課税されます。
たとえば、夫が被保険者で、妻が保険料を支払っており、夫婦の子供が受取人となっているような場合です。
その場合は受け取る子供が贈与税を支払うことになります。

年間110万円(基礎控除)を超過して受け取ると贈与税の対象です。
支払った保険料相当額は差し引くことができます。
また、基礎控除を超えた分が贈与税の対象です。
たとえば、受け取った保険金が600万円、支払った保険料350万円だったとします。
この場合は以下のようになります。

600万円−350万円-基礎控除110万円=140万円
上記の140万円(課税価格)に対して贈与税が課税されます。
基礎控除額を差し引いたあとの課税価格が200万円以下の場合、税率は10%です。
ですから、保険金を受け取る子供は14万円を贈与税として支払うことになります。

生命保険金に関する税金、知っておきたいポイントとは?

生命保険金に関する税金、知っておきたいポイント

では、生命保険金を受け取る際に知っておきたいポイントや注意点を見ていきましょう。

基礎控除額以下なら相続税はかからない

生命保険金は「みなし相続財産」として相続税の対象となります。
しかし、相続税には基礎控除が設けられているため、受け取る生命保険金が控除額以下なら、相続税を支払う必要はありません。
相続税の基礎控除額は、3000万円+法定相続人1人につき600万円です。
たとえば、夫婦と子供2人の家族の場合で考えてみましょう。
夫が死亡し、妻と子供2人が残されたとします。
この場合、基礎控除額は以下です。
3000万円+600万円×3人=4800万円
不動産や預金、保険金の合計額が4800万円以下なら、相続税はかかりません。

生命保険金の非課税枠とは?

生命保険金には、法定相続人(民法で定められている、被相続人の財産を相続できる人)1人につき500万円の非課税枠がもうけられています。
夫が亡くなり、妻と2人の子どもが残されたケースでは法定相続人は「3人」ということになります。
従って、以下の額を生命保険金から差し引くことができます。
500万円×3人=1500万円
たとえば、夫の保険金が2千万円だったとしましょう。
この場合、以下のように生命保険金から非課税枠を差し引けます。
2千万円-1500万円=500万円
相続財産に加算されるのは500万円だけになります。

定期預金などの場合は、亡くなった日の残高がそのまま相続財産に加算されてしまいます。
しかし、生命保険金は非課税枠分だけ差し引けるため、相続対策にもなります。

収入保障保険にかかる税金とは?

生命保険金を一括で受け取るのではなく、年金のような形で受け取る方法を「収入保障保険」といいます。
収入保障保険の場合には、課税の仕組みが少し異なるので注意が必要です。

被保険者が亡くなった時点では、「年金受給権」(年金を受給する権利)が相続税の対象になります。
年金受給権は、死亡時点の年金額を金額で評価したものです。

収入保障保険は一定期間の保障で保険料が安く、経費にできる保険料が少なめです。
ですから、多くの場合課税される利益としてみなされる分が多くなります。
翌年以降については、受け取った年金は「雑所得」として所得税と住民税の課税対象です。
しかし、所得税・住民税との二重課税にならないように相続税の対象分に関しては、所得税や住民税を課せられないことになっています。

まとめ

生命保険金は、被保険者・契約者・受取人が誰であるかによって、支払う税金が変わります

生命保険金は、被保険者・契約者・受取人が誰であるかによって、支払う税金が変わります。
また、受け取りの方法によっても税金の種類が変わってくるので注意が必要です。
生命保険金には控除枠が設けられています。
そのため、節税対策として利用することもできます。

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