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相続税対策になる土地活用法

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人が亡くなると「相続」が発生します。
その額が一定以上あれば、「相続税」を支払う義務が発生します。
子孫のためにせっかく作った遺産ですが、この相続税が相続人の負担になってしまうことがあります。
そこで、多くの人が考えるのが相続税対策です。
資産として土地を持っている人の中には、相続税対策を目的として積極的に土地活用している人も多いようです。
不動産は、状況によっては有効な相続税対策のポイントとなる場合があります。
そこで今回は、不動産と相続税について見ていきましょう。

 

不動産が節税対策になる理由とは?

相続税について考える男性

不動産は相続税の節税対策になると聞いたことがありますか?
その理由は、法律で「相続税評価額の引き下げ」という仕組みが定められているからです。

現金を相続する場合は、その金額そのままが課税対象となります。
しかし不動産の場合は、まず、その価値がいくらぐらいなのかを評価して金額を算出し、その結果によって相続税を決定します。
不動産の場合、この時「相続税評価額の引き下げの仕組み」という評価方法が採用されており、実際の時価(売却価格)よりも相続税の評価額を低くすることができます。
そのため、資産を現金で持っているよりも、不動産に替えておいたほうがよい場合があるのです。

現金1億円の場合

財産として、現金1億円を持っている人が亡くなったとしましょう。
この1億円を、故人の配偶者が1人で引き継ぐとします。
現金の相続税評価額は1億円のままですね。
税金を計算すると、

1億円×30%―700万円=2300万円

配偶者は、2300万円の税金を支払うことになります。
現金として持っているので、納税のための資金の心配もなさそうですね。

1億円の土地の場合

では、1億円の価値がある土地を持っていた場合はどうなるでしょうか。
この土地が1億円の7割で評価されたとすると、相続税評価額は7000万円になります。
税金を計算すると、

7000万円×30%―700万円=1800万円

1億円の現金と比べると、支払うべき税金は500万円も少なくて済むことになります。
ただ、注意したいのは、この場合、土地という資産はあるものの、納税のための現金は自分で用意しなくてはなりません。
そのため、資産をどこまで不動産に変えるかは慎重に検討する必要があります。

上手な土地活用の方法とは?

相続対策で売られた土地

土地には資産性があります。
土地というものは、何らかに利用することができるからです。
土地があれば、建物を建てて住んだり賃貸物件を建てて人に貸したりできます。
畑などを作れば作物を生み出してもくれます。
また、現在は使用されていなくても、なんらかの価値がある土地なら、担保に入れて銀行などから融資を受けることもできます。
このように、さまざまな価値がある「土地」という資産。
相続税対策を踏まえて、どのような活用方法があるのか見ていきましょう。

賃貸物件を経営する

持っている不動産を他人に賃貸することは、節税対策の1つになります。
賃貸物件には「借家権」が発生し、相続税評価額を下げることができるのです。
「借家権」とは、借地借家法に基づき、賃貸物件を借りている人を保護する法律です。
そのため、貸す側は一方的に立ち退きを要求したり、契約更新を拒否したりすることができません。
すると、貸す側は、建物に関する権利を制限されることになります。
そのため、制限がある分だけ建物の相続税評価額を下げる「借家割合」という仕組みがあります。
これは、全国一律で30%と決められています。
自分が住む場所を確保できれば、そのほかの不動産はアパートなど賃貸に切り替えれば、不動産の評価額が低くなり、節税につながります。

また、賃貸経営は、土地の用途が「宅地」となり、さまざまな税制メリットを受けられる可能性があります。
ただ、賃貸経営の収益性は物件により左右される点が大きく、必ずプラスになるとは限りません。
賃貸経営を考えるなら、不動産賃貸事業の調査や勉強をして慎重に検討しましょう。

不動産を生前贈与する

価値が将来的に上がることが予測される不動産を持っている場合、「相続時精算課税制度」を利用することで節税できる可能性があります。
これは、「相続時精算課税制度」を使って不動産を生前贈与する方法です。
相続時精算課税制度とは、親や祖父母からの贈与に対して2500万円までの特別控除が適用される制度です。
贈与財産の種類には制限はないので、現金のほか不動産でも利用できます。
また、贈与回数にも制限はありません。
控除額の上限は、贈与者1人ごとに2500万円です。
たとえば、父、母、両方の祖父母4人からそれぞれ2500万円贈与を受けたとします。
贈与を受けた側は合計1億5000万円を手にすることになりますが、すべての贈与者についてこの制度を選択すれば、贈与税が課税されないのです。

贈与額が2500万円を超えた場合には、超えた額に対して一律20%の贈与税が課税され、贈与時に支払います。
その後、親などが亡くなった後に発生する相続時に、生前に贈与された財産とその他の相続財産を合計した価額を基に、相続税額を計算します。
すでに支払った贈与税はこの相続税額から差し引かれ、差額があれば還付されます。

このような形で課税されるため、将来的に価値が上がる不動産なら、大きな節税につながる可能性があるのです。
また、現在住んでいる親名義のマンションに将来も住み続けたい人は、この制度を利用して早めに贈与してもらうのも良いでしょう。
2500万円を超えた分には贈与税がかかりますが、購入するより安く済むケースも多く、住居の確保もできて安心です。

高齢者施設を経営する

相続税対策で作った高齢者施設

高齢化が急速に進む現在、多くの需要を見込める高齢者施設の経営は、上手な父活用法の一つと言えるでしょう。
高齢者施設には「サービス付き高齢者向け住宅」や「有料老人ホーム」などがあります。
これらの施設経営においては、固定資産税や不動産取得税に軽減制度があります。
また、一括借り上げ(サブリース)で運営した場合、賃貸割合が100%と評価額が大きく減額されます。
さらに、自治体によっては、建設にあたり一定の条件を満たすことで補助金が出ることもあります。

ただし、施設の運営には広い土地が必要で、設備などの条件もあります。
初期費用が多額になること、医療・介護スタッフの確保も必要です。

太陽光発電施設を経営する

太陽光発電の施設経営は、保有する土地に太陽光発電設備を建設し、国に電気を売って収入を得るものです。
国には固定買取価格制度(FIT)があり、20年間一定の価格で電気を買い取ってもらえるので、定期的に一定額の収入が得られます。

太陽光発電の施設は、設備自体と、土地をそれぞれ評価します。
設備の評価額は、取得価格から「減価償却費」を差し引いたものです。
減価償却費は、太陽光発電装置の耐用年数である17年間分が計上できます。
耐用年数に応じた償却率で計算するので、設備が新しければ新しいほど償却率は高くなります。
しかし、設備部分が100%償却した場合、設備に対しては相続税が課されない場合もあります。
土地は、賃貸と同じく相続税路線価で評価されます。そのため公示価格の80%程度となります。

太陽光発電施設は、自分で経営をするほか、業者に業務を委託する方法もあります。
多忙や遠方在住など、自身で管理ができない人は検討してみると良いでしょう。

不動産の保有が経済的負担となることも・・・

相続税の負担

相続税の節税対策となる不動産ですが、場合によっては、不動産の存在がかえって経済的に大きな負担となってしまう場合があります。

リタイア後にも長期ローンが残っている場合

定年退職までに住宅ローンの返済が終わっている場合はいいのですが、定年を超えても終わらない場合、老後資金に不安が残ります。
退職後のローン返済は、経済的に大きな負担となります。
できる限り早めに繰り上げ返済し、老後資金に影響が出ないようにしましょう。

建物の修繕・メンテナンス費用がない場合

持ち家・賃貸物件にかかわらず、建物には修繕やメンテナンスが必要です。
一部のリフォームでも数十万円〜100万円を超えるような金額になることも。
特に賃貸では、賃借契約の終了時には、敷金などの預かり金を返還しなくてはなりません。
常に大きなお金を用意しておかないと、不具合が出ても対処できなくなる場合があります。

売りたくなっても・・・

土地や建物は、いざとなったら売ればいいと考えている人も多いのではないでしょうか。
しかし、いざという時、思うように売れない可能性は十分に考えられます。
建物の築年数、状態などによっては希望する金額で売れないこともあります。
また、特に自宅の場合、売れても次の住まいをどうするかという問題も出てきます。

まとめ

不動産は、

  • 現金よりも不動産の方が評価額が下がる
  • 建物は、自分用より賃貸の方が評価額が下がる

という理由から、節税対策として有効です。
しかし、土地活用にリスクはつきものです。慎重に検討しましょう。
さらに、不動産を所持し続けることは、経済的負担となるケースもあります。
早い段階で、売却や次の住まいを検討することも選択肢に入れておきましょう。

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