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相続税の申告期限、過ぎたらどうなる?注意して正しく申告を

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家族などが亡くなると、相続が始まります。
「相続税」は、一定以上の金額の遺産を相続するときに発生する税金です。
この相続税は、納税義務者の申告によって納付を行います。
たとえば、所得税のように源泉徴収されたり、住民税のように納税額が通知されたりすることはありません。
そのため、自分で申告が必要かを判断し、必要な場合は自分で申告しなくてはなりません。
その際、特に注意すべきなのが「相続税の申告期限」です。
申告義務があるのに期限までに申告をしていないと、思わぬ不利益を被ることにもなってしまいます。
もし、故意ではないにせよ、申告期限を過ぎてしまったらどうなるのでしょうか。
今回は、相続税の申告期限に間に合わなかった場合に生じるデメリットや期限を超えそうなときの対処法について見ていきましょう。

相続税の申告期限を過ぎないように準備する

相続税の申告期限とは?

相続税の申告期限を過ぎないように話し合う夫婦

相続税の申告期限は「被相続人(故人)が死亡したことを知った日の翌日から10ヵ月以内」です。
たとえば、4月20日に亡くなって当日に死亡を知った場合は、翌年の2月20日が申告期限となります。
遠方にいて3日後に死亡を知ったというような場合は、翌年の2月23日が期限です。
あくまで「知った日」が基準なので、亡くなった日当日から数えるとは限りません。

また、相続人が複数いる場合、もしも被相続人の死亡を知った日が相続人によって違えば、相続人ごとに相続税の申告期限が異なります。

もしも、申告期限にあたる日が土日祝日などの場合は、税務署や金融機関が休日で申告手続きができません。
その場合は、その次の平日が相続税申告の期限日となります。
上の例で言えば、申告期限の2月20日が日曜日なら、翌21日が期限日です。
この期限日は、原則として延長されることはありません。

申告書を提出するのは、被相続人の死亡時の住所地を管轄する税務署です。

また、相続税は申告だけでなく、納付も10ヵ月以内に済ませる必要があります。
申告だけ済ませても、納付をしていなければ延滞税が課されたり、無申告と同様のペナルティを負うことになるため注意しましょう。

もし申告期限に間に合わなかったら? ペナルティはある?

相続税の申告期限を過ぎないために

相続税の申告期限を過ぎてしまった場合、どんなデメリットがあるのでしょうか。

相続税の特例制度が使えなくなる

相続税にはさまざまな特例制度があり、うまく活用すれば節税につながることがあります。
そのため、その条件を満たしていれば、ぜひ活用したいですね。
しかし、特例制度の中には「申告期限までに相続税の申告をすること」が条件となるものがあるのです。

小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例は、被相続人または被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族が居住用・事業用などの目的で使っている土地が相続財産に含まれる場合に、相続税が安くなるという制度です。
細かい条件がありますが、土地の相続税が最大で80%減額されます。

そして、制度を活用するためには、申告期限内に相続税の申告を行わなければなりません。
制度の適用要件を満たしているのに申告期限を過ぎてしまうと、できたはずの節税ができなくなって損をしてしまいます。

農地の納税猶予の特例

農地の納税猶予の特例は、一定の相続人が農地を相続して農業を引き継いだ場合などに、農地にかかる相続税の納税が猶予される制度です。
高額な相続税の支払いのために農地を売却する必要がなくなるため、先代から続く大切な農業を継続することができます。

これらの特例制度を利用するためには、申告期限内の相続税申告が必須条件です。
申告期限を過ぎてしまうと、特例制度が活用できなくなってしまいます。
特例の条件に該当する場合には、必ず申告期限内に相続税の申告を行いましょう。

デメリット②:ペナルティを科される

相続税の申告義務があるのに申告期限を過ぎてしまうと、さまざまなペナルティを科されてしまいます。

申告期限を1日でも過ぎてしまうと、期限の翌日から延滞税が課されます。
そのほか、ケースに応じて無申告加算税・過少申告加算税・重加算税などを課される可能性もあります。

無申告加算税

無申告加算税は、申告期限内に申告をしなかった場合に、本来納付すべき税額に対して課されます。
期限を過ぎたことに正当な理由があると認められればかかりませんが、さまざまな条件によって5%〜20%の割合で課せられることになります。

過少申告加算税

過少申告加算税は、本来の相続税よりも少なく申告した際に科されるペナルティです。
申告漏れがあった場合、税務調査で過少申告が発覚した際に課税されることがあります。
過少申告加算税は、追加納付した税金の5%~10%(期限内に申告した額と50万円のどちらかの多い金額を超える部分に対しては追加で5%〜15%)です。
税務調査で指摘される前に自主的に修正申告を行えば課税されません。
もし申告漏れに気づいたら、速やかに手続きを行いましょう。

延滞税

延滞税は、納付期限を過ぎても相続税を納付しなかった場合に課されます。
無申告加算税は相続税の納税額によって金額が決まりますが、延滞税は延滞した期間によっても変わります。
延滞税額は

納税額×延滞税の割合×滞納日数(滞納を開始した日から完納までの日数) ÷365

と計算します。

延滞税の割合については、国税庁のホームページで確認できます。

重加算税

重加算税は、財産を隠して申告したり、書類を偽装したりするなど特に悪質と判断された場合に科されるペナルティで、税率が30%を超える高額な罰金です。
そもそも、相続税はそれ自体の税額が大きく、重い負担になることも多い税金です。
そこへ、さらに罰金まで科されてしまうと、かなり重い負担になるでしょう。
せっかく大切な遺産を受け継いでも、罰金のために手元に残る資産が減ってしまっては元も子もありません。
相続税の申告・納税の義務がある場合は、必ず申告期限までに手続きを終えるようにしましょう。

申告が遅れそうな場合はどうする?

相続税の申告期限が過ぎてしまわないために

相続税の申告期限は10ヶ月ですが、案外短いもので、期限までに相続税の申告手続きがどうしても間に合わないこともあるでしょう。
しかし、相続税の申告期限の延長は一部のケースを除き、原則認められていません。
どのような対策をすればよいのでしょうか。

概算額で相続税申告を行う

財産調査に時間がかかり、相続税の計算を正確にできない場合、申告期限内にとりあえずの概算額で申告・納税をしておく方法があります。
あとで正確な税額計算ができたら申告内容の修正を行います。
再度、申告手続きをしなくてはならず、手間はかかりますが、もし正規の金額より多く支払っていれば、その分は還付を受けられます。

申告期限後3年以内の分割見込書を提出する

相続税の申告が遅れてしまう原因の一つに、遺産分割協議がなかなかまとまらないケースがあります。
遺産の分割の仕方が決まっていなければ、相続税の計算ができません。
そこで、このような場合は「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出するという方法があります。
分割見込書を提出した段階では、法定相続分で遺産を相続したものと仮定して相続税額を計算し、いったんその金額で各相続人が納税します。
のちに遺産分割協議がまとまり、各自の相続財産の価格や相続税額が計算できたら、その際に改めて申告をし直します。
差額は納税し、多く払っていた分は還付を受けられます。

配偶者の税額軽減の特例や小規模宅地等の特例は、この分割見込書を提出しておけば、遺産分割協議の完了後、相続税の申告をやり直す際に適用できます。
分割見込書を期限内に提出していない場合、期限後に小規模宅地等の特例を受けることはできません。

延納や物納を行う

相続税の申告期限は10ヶ月ですが、同時に納税もこの期限までに納付する必要があります。
しかし、納税するための資金の準備が期限までに間に合わない場合もあります。
このような場合、相続税の延納や物納と呼ばれる制度を使うことができます。

金銭で納付することが困難な事由があり、一定の条件を満たした場合には、相続税を年賦で納める「延納」を申請することができます。
ただし、延納をするには担保の提供が必要で、利子税がかかるため、負担は大きくなります。
さらに、延納によっても納税が困難な事由があり、一定の条件を満たしている場合には、金銭での納付ではなく「物納」を申請することもできます。

とは言え、延納や物納には細かい条件が定められているため、誰でも利用できるというわけではありません。
延納や物納の検討は慎重に行うべきです。
そして、相続が開始したときにあわてないためにも、納税資金の確保など相続対策は早めに始めておきましょう。

まとめ

相続税の申告期限を過ぎないように準備する老夫婦

相続税の申告期限は10ヵ月。
10ヵ月という時間は、長いと感じる人もいるかもしれません。
しかし、資産の調査には時間がかかります。
そのため、直前になってから準備を始めていては、申告期限に間に合わなくなる可能性もあります。
申告は早めに準備を始め、余裕をもって行いましょう。

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