遺品整理をと思った時、進め方がよく分からない方も多いのではないでしょうか。日常生活の中で何度も行うものではないだけに、遺品整理の都度、進め方に迷うものです。そこで遺品整理の進め方について、いつから始めると良いのか、自分自身でできるのかなど、様々な角度から解説していきましょう。
目次
遺品整理の進め方の手順は?
遺品整理の進め方・手順は、まず、遺言書の確認から始まり、おおむね以下のようになります。
- 進め方1:遺言書の確認
- 進め方2:遺品整理に必要な道具等の準備
- 進め方3:遺品の仕分け作業
- 進め方4:遺品の分配
- 進め方5:不要な物を処分する
このそれぞれの手順について、流れと共に解説していきましょう。
遺言書の確認
遺品整理の進め方として、いきなり作業を始めるのではなく、遺言書を確認しましょう。遺言書は法的根拠となるものです。つまり、進め方のベースとなります。
遺言書に、残しておいてもらいたい物や、誰に譲るのかが記載されている物は、遺族側の意志で勝手に処分することはできません。
遺言書が進め方を決める
遺品整理の進め方はあくまでも遺族が決めるものではありますが、もしも遺言書に遺品整理について事細かく指示があるようであれば、遺言書に従うことになります。
遺言書の中に遺品に関する文言がないのかを確認し、あれば遺言書に従って、なければ自分で遺品整理に基づいた進め方にて遺品整理を行います。
遺品整理に必要な道具等の準備
遺品整理を行うにあたって必要なものがあります。段ボール、ゴミ袋といった資材です。軍手やマジックテープ、ガムテープ、メモ帳、ハサミやカッターもあると便利です。
遺族のお部屋の状態次第ではありますが、家が広い、部屋が多い、物が多いといった場合、ゴミ袋や段ボールは多めに用意しておきましょう。ゴミ袋や段ボールがなくなると遺品整理を進めることができなくなってしまいます。
遺品の仕分け作業
遺品整理の進め方の肝となる部分です。処分するものと残すものを分別・仕分けします。進め方のコツとして、判断に迷う物は後回しにしましょう。
判断に迷っていると時間だけが過ぎてしまいます。遺品整理が捗らないと、遺品整理のモチベーションが低下してしまい、時間がかかるだけではなく遺品整理を終えることができません。
即決できるものを優先
進め方としては、即決できるものから判断し、捨てるものはゴミ袋に、残すものは段ボールにと仕分けしながら、徐々に遺品を減らし、最後に判断に迷うものをどうするのか、他の遺族と共に相談しましょう。
仕分けの進め方
遺品整理の仕分けの進め方のポイントは、自治体のゴミ出しルールの確認です。遺品だからと勝手な進め方で処分できません。処分する際には遺族がお住まいの自治体のゴミ出しルールの順守が必須です。
同じ自治体であればゴミ出しルールも同じなので把握していることでしょう。しかし遺族と異なる自治体に住んでいる場合、ゴミ出しルールが異なりますのでゴミ出しルールを事前に把握しておきましょう。
遺品の分配
遺品整理で残すと判断した物を、遺族で分配します。遺書に記載されているものがあれば、遺書に則って分配しますが、遺書に記載されていないものに関しては遺族で話し合うことになります。
分配の進め方はそれぞれ異なりますが、しっかりと話し合い、遺族全員が納得することが大切です。
不要な物を処分する
遺品整理にて、不要だと判断したものを処分します。遺族がお住まいの自治体のゴミ出しルールに基づいて分別し、処分します。
箪笥や食器棚等、ゴミ収集車に依頼できない不用品は業者に依頼するなどして処分しましょう。
遺品整理はいつから?49日前がいいらしい?
遺品整理の進め方として、49日の前が良いとされています。親族一同が集まる「49日」の前に遺品整理を始めると比較的スムーズに遺品整理を進めることができます。
なぜ49日前からが良いのか、そこにはいくつか合理的な理由が隠されていますのでご紹介しましょう。
気持ちを整理できる
故人への想いが強ければ強いほど遺品整理はおろか、日常生活にも支障をきたしてしまうことでしょう。しかし、49日の前であれば、それまでにある程度気持ちを整理することができるのではないでしょうか。少し時間を置くことで、冷静・客観的な気持ちにて遺品整理を進めることができます。
49日の前に気付けることが多々ある
49日の前に遺品整理を行うことで気付けることが多々あります。例えば故人が加入していたサービスの請求書が送付されるので、確認・解約ができます。遺品整理だけではなく、相続の手続きを行う必要もあります。ですから、資産もある程度把握する必要があるだけに、支払う必要のなくなるものを把握するタイミングとして適しています。
49日で親族が集まる
遺品整理を行うことで、故人の資産を把握できます。その後、49日で親族と顔を合わせた際、遺品の形見分けが行えます。相続すべき遺産の話し合いも行えます。
顔を合わせての話し合いの方が、後に電話、あるいは文面・書面だけで話を進めるより、トラブルリスクが低下します。
遺品整理で捨ててはいけないもの
遺品整理の進め方はお伝えした通りです。進め方からも分かるように、決して難しい作業ではありません。でも気を付けなければならないことの一つに、捨ててはいけないものがあります。
遺言書に記載されていないとしても、捨ててはいけないものがいくつかあるので進め方だけではなく、こちらも覚えておきましょう。
金融資産情報
遺品整理ではお金に関するものは捨ててはいけません。現金や通帳は「遺産」となります。「遺産」と聞くと、多額の遺産をイメージする方も多いことでしょう。しかし、1円はおろか、借金も「遺産」です。
遺産は遺族が相続するのか、放棄するのかを決めるものです。遺産を正確に把握するためだけではなく銀行等の金融機関に残されているお金を引き出す時に必要になります。捨てることのないよう気を付けましょう。例え残高が0円の通帳ではあっても残しておきましょう。
身分証明書
故人の身分証明書も、遺品整理で捨ててはなりません。身分証明書は、「故人」であることはもちろんですが、故人の代わりに何かを行う際、「故人の身内・家族」であることを証明することにもなります。
また、もしも捨ててしまった場合、拾われたり偽造されたりといったリスクもありますので、作業の進め方を守りつつ、捨てないよう気を付けましょう。
保険関連書類
遺品整理で保険関連の書類を見つけたら捨てずに残しておきましょう。場合によっては死亡保険が支払われる可能性があるからです。受取人が遺族の場合、関連書類が必要になるケースもありますので、大切に保管しておきましょう。
印鑑
印鑑はさほど大きくはないので、遺品整理の際、つい捨ててしまうかもしれません。印鑑と身分証明書を合わせることで故人の身内であることを証明する機会があるかもしれませんので、印鑑も必ず残しておきましょう。特に金融機関に提出している届出印は必ず残しておきましょう。作業の進め方以上に大切な部分です。
支払通知書
遺品整理で故人への支払通知書が出てきた場合も捨ててはなりません。支払通知書は、故人が生前利用していたサービスです。そのようなサービスは故人が亡くなってしまったと告げない限りは請求が続きます。しかし、よほど密に連絡を取り合っていない限り、故人が生前に加入していたサービスは把握できないことでしょう。
支払通知書は「生前加入していたもの」を遺族に知らせてくれる貴重なものです。遺族としてそれらを解約しなければなりませんので、こちらも必ず残しておきましょう。
レンタル品
レンタル品と思われるものも遺品整理で捨ててはなりません。レンタル品は判別が難しいです。wifiルーター、ウォーターサーバーといったよくあるものから、近年は家具や介護用品のレンタルサービスもあります。もしも故人が自営業者だった場合、車や会社関連でのレンタル品があることも予想されます。
レンタル品は要注意
進め方の説明の際「分からないものは後回し」とお伝えしましたが、少しでもレンタルの可能性のあるものも後回しにし、レンタル品なのか、故人の所有物なのか確証を得られるものを探しましょう。レンタル品がある場合には、レンタル品の解約の進め方も覚えておきましょう。
デジタル遺品
スマートフォンやPC内のデータなので、遺品整理ではスマートフォンやPC、タブレットといったデジタル端末も無暗に処分せずに残しておきましょう。記念になるだけではなく、加入していたwebサービスのIDやパスワードが保管されているからです。先にお伝えしたように、加入しているサービスは解約する必要があります。
近年、WEBで完結するサービスは書面を発行せず、メール等で済ませているケースが多いようです。スマートフォンやPCにて、加入していたサービスがないのかを確認するためにも、捨てないよう気を付けましょう。
解約の進め方も覚えよう
解約する必要があるサービスに関しては、解約の進め方を調べておきましょう。基本的に、webサイトに解約の進め方が記載されていますので、記載されている通りの進め方にて解約しましょう。
遺品整理は進め方さえ理解できれば自分でできる?
先に遺品整理の進め方についてご紹介させていただきましたが、では進め方さえ分かれば自分で遺品整理ができるのかというと、少々話は変わります。進め方を覚えることも大切ですが、それ以上に大切なことがいくつかあります。
進め方の知識だけではなく労力が必要
遺品整理の進め方を理解することで自分で遺品整理ができるかというと、残念ながら「NO」です。確かに進め方の知識も大切ではありますが、実際に体力・労力を必要とします。特に遺品が多ければ多いほど体力的負担が増します。
自分での処分が難しいものもある
先に遺品整理の進め方の中で、箪笥や食器棚は不用品として処分しなければならないとお伝えしました。日用的なゴミであれば、自治体の指定するゴミ収集に任せることができますが、粗大ゴミとなれば個別に申し込みが必要なケースが多いです。実はこの点が遺品整理の難しさの一つです。
進め方そのものは決して難しくはありません。しかし、粗大ゴミが多ければ多いほど、自治体への問い合わせ、運搬負担が増えてしまいます。
意外と厄介な衣類の処理
遺品整理の進め方は決して難しいものではありません。しかし、少々厄介な遺品があります。それは衣類です。衣類が多い場合、まとめて処分したいと思うことでしょう。しかし、衣類は故人の思い出があるのも事実。心情面が絡み、処分に迷うケースが多いです。
近年はスマホやデジカメ等で撮影し、データとして残して現物は処分という方が多いです。現実的に、衣類はどうしてもかさばります。しかし思い出もあるでしょう。この悩みを解決するために、データとして保存することをおすすめします。
遺品整理業者に任せた方が良い理由
遺品整理の進め方を見れば、自分だけでできると思うことでしょう。しかし、遺品整理業者に任せるのも手です。遺品整理業者に任せるメリットは多々ありますので、いくつかご紹介しましょう。
粗大ゴミの処分
遺品整理の進め方の中でお伝えしたように、自分で遺品整理する場合、粗大ゴミの処分がネックとなります。使い続けるにせよ処分するにせよ運搬には手間がかかります。その点遺品整理業者に依頼することで、運搬にせよ処分にせよ自らは手間をかけることなく、臨んだ形に手配してくれることでしょう。
手間がかからない
遺品整理の進め方を見て、「面倒」だと思った方もいるのではないでしょうか。自分で行えば費用は掛かりませんが、手間がかかります。その点、遺品整理業者に依頼することで手間がかかりません。
捨ててはいけないものを説明しましたが、それらを頭に入れての遺品整理は面倒に感じる人もいることでしょう。その点遺品整理業者に依頼することで、自らの手間はかかりません。依頼するだけで、遺品整理業者が最後まで作業し、綺麗にします。
費用を含めたコストパフォーマンス
遺品整理業者に依頼すると、進め方を把握する必要はありませんが費用がかかります。しかし、費用さえ支払えば確実に遺品整理を行ってくれますし、捨ててはいけない物を捨ててしまったがためにトラブルになるようなこともありません。進め方を覚える必要もないなど、後にトラブルに発展するリスクが低いです。
遺品整理の進め方についてのまとめ
遺品整理の進め方は49日の前に、故人の住んでいる自治体のゴミ出しルールを確認し、用具を揃えて残すもの・捨てる物を仕分けます。
その際、捨ててはならない物がある点には気を付けましょう。
また、粗大ゴミのように処分のために自治体に手続きが必要な物もあります。
そのため、進め方そのものは決して難しくはありませんが、実際の作業は面倒だと感じる人もいることでしょう。
その場合、遺品整理業者に依頼した方が面倒がありません。
進め方を覚える必要もなければ手間をかける必要もありません。捨ててはならない物を間違って捨ててしまい、後々面倒になることもありませんので、確実性を考えるのであれば遺品整理業者への依頼を検討してみてはいかがでしょうか。