老人ホームや介護施設の種類・費用・入居条件を知っていますか?

老人ホームや介護施設の種類・費用・入居条件を知っていますか?

高齢化社会における課題の一つとして、高齢者の住居問題があります。

未婚率や高齢者の独居率が高くなる中、高齢者であるという理由で賃貸物件に入れないというケースが増えているのです。
両親の介護や自分の老後の生活を考えたとき、老人ホームや介護施設は当然、選択肢の一つとなるでしょう。

とはいえ、高齢者向けの住宅への入居には多額の費用が必要な場合もあるので、施設選びには慎重にならざるを得ません。
そこで、高齢者向け住宅にはどんなものがあり、どのようなサービスを受けられるかについて見ていきましょう。

高齢者向けの施設にはどんなものがあるの?

高齢者向け施設にはたくさんの種類がありますが、カテゴリーとしては大きく3種類に分けることができます。

住宅系施設

サービス付き高齢者向け住宅、分譲型シニアマンションなど。
賃貸借や分譲によって住まいのみを手に入れるものです。介護や生活支援などは、外部のサービスを個別に契約して利用します。

福祉系施設

ケアハウス、グループホーム、有料老人ホームなど。

住まいと介護・生活支援サービスがセットになっている施設です。
比較的低額で利用できますが、施設によって違いがあります。

介護保険施設

特別養護老人ホーム、老人保険施設など。
住まいと介護・生活支援サービスがセットとなっている施設です。
年齢や健康状態によって利用できる施設が違ってきます。

では次に、それぞれの施設について見ていきましょう。

住宅系施設

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サービス付き高齢者向け住宅

シニア向けの賃貸住宅です。
バリアフリーなど設備の基準が設けられており、安否確認や生活相談などのサービスがあります。

サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者向けの「住宅」です。
生活相談や見守りサービスのほか、食事提供やコンシェルジュサービスなどがある場合もありますが、基本的に介護サービスは受けられません。
介護サービスが必要な場合は、利用者が外部の訪問介護事業者やデイサービスと契約します。

ただし「特定施設入居者生活介護」の指定を受けているところは、介護保険サービスも受けられます。
契約は賃貸で、月額は10〜30万円ほどで、入居時には家賃の2~5ヶ月分の敷金が必要です。
初期費用が定額なため、住み替えしやすいのがメリットです。

分譲型シニアマンション

民間事業者が販売・運営する分譲住宅です。
生活しやすいよう、手すり付きやバリアフリー、コンシェルジュの常駐など、さまざまな生活支援サービスが整っています。

シニア向け分譲マンションには設備基準や届け出の義務がありません。
しかし、訪問介護事業者やクリニックなどの高齢者向けサービスを提供する事業者をテナントに入れるなど、高齢者が生活しやすいよう工夫しています。

また、プールやジムなどを併設するなど豪華な施設付きの物件もあります。

賃貸ではなく購入する形で、1500万円ほどから数億円の物件までさまざまです。

そのほか、管理費や修繕積立金などで月額10〜30万円ほどが必要です。
賃貸物件として他人に貸したり、売却やリフォームも自由にできますが、固定資産税がかかります。

健康型有料老人ホーム

健康型有料老人ホームは、食事サービスが付いた高齢者施設で、自立している状態の高齢者を対象としています。
温泉やジムなど、健康な状態の維持を目的とした設備が充実しています。

しかし、介護が必要になったら契約解除し、退去しなければなりません。

初期費用は数千万円と高額です。月額費用は15~50万円と施設により異なります。

福祉系施設

ケアハウス

身体機能の低下や、家族からの援助が受けられないなどの理由で困難を抱える人を対象とした施設。
その主旨から、比較的安い利用料でサービスが受けられます。主に地方自治体や社会福祉法人などが運営しています。

ケアハウスには、「A型・B型・C型」という3タイプがあります。

ケアハウス A型

食事が提供され(給食型)、介護サービスは含まない。60歳以上、所得が月34万未満の人が対象。費用は6万円~17万円程度

ケアハウス B型

食事は提供されず(自炊型)、介護サービスは含まない。60歳以上、所得が月34万未満の人が対象。費用は3〜4万円程度

ケアハウス C型

生活支援サービスが提供され(一般型)、一部のC型では特定施設としての介護保険を使った介護サービスを利用できる(介護型)。
一般型は60歳以上の人、介護型は65歳以上で要介護1〜2の人が対象。費用は6〜17万円程度

グループホーム

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グループホームとは、認知症の高齢者に特化した小規模の介護施設で、住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスの1つです。
認知症の高齢者が9人までの少人数を1単位(ユニット)として共同で生活します。

認知症介護の知識と技術を持ったスタッフが、入居者と一緒に食事作りや、家事などをして、認知症の進行を少しでも遅らせるようケアします。

グループホームの入所条件は以下の5つです。

  • 65歳以上の高齢者で、要支援2または要介護1以上の認定を受けている人
  • 65歳未満の若年性認知症、初老期認知症と診断された、要支援2または要介護1以上の認定を受けている人
  • 医師から認知症の診断を受けた人
  • 施設と同じ市区町村に住民票がある人
  • その他、集団生活に支障のない人

グループホームの費用は、保証金や入居金などが0~100万円程度、利用料金は月額15万円~20万円程度です。

介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームは主に民間企業が運営しています。
大きく「介護付き有料老人ホーム」と「住宅型有料老人ホーム」の2種類に分けることができます。

介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームは、介護が必要になったとき、ホームのスタッフがサービスを提供する施設です。
定められた基準をクリアし、「特定施設入居者生活介護」と呼ばれるサービスを提供する認可を受けて初めて「介護付き有料老人ホーム」として運営することができます。

要介護1~5の認定を受けた要介護者のみが入居できる「介護専用型」と自立・要支援と要介護の方を対象にした「混合型」があります。
食事サービス、清掃・洗濯などの生活支援、入浴・排せつ介助などの介護サービス、リハビリ・機能訓練、レクリエーション・イベントなどが入居者の状態に合わせて受けられます。

入居金0円〜数億円と、月額利用料15万円程度〜50万円がかかります。

住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームとは、主に民間企業が運営し、要介護者や、自立・要支援状態の高齢者を受け入れる施設です。
自立・要支援・要介護の方が入居でき、食事サービス、清掃・洗濯などの生活支援サービス、医療機関提携・緊急時対応などの健康管理サービス、レクリエーションなどが受けられます。

介護が必要になった場合は、訪問介護や通所介護などの外部サービスを利用して介護サービスを受けられますが、医療依存度が高くなると退去しなくてはならないケースもあります。

初期費用は0~数千万円、利用料は月額12万~30万円程度と施設によって異なります。

介護保険施設

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特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、主に自治体や社会福祉法人が運営する介護保険施設です。
食事・入浴介助などの身体介護、清掃・洗濯など日常的な生活支援、リハビリ、レクリエーションなどのサービスを受けることができます。

部屋のタイプには、ユニット型個室となっている「新型」と、従来型個室・多床室からなる「旧型」があり、利用料は「新型」で月額15万円前後、「旧型」で10万円前後です。
初期費用はなく、所得に応じ費用の減免制度もあります。

入居の基準は、65歳以上で要介護3以上の高齢者、40歳~64歳で特定疾病が認められた要介護3以上の人、特例により入居が認められた要介護1~2の人です。

入居は先着順ではなく、介護度以外に家族状況なども考慮して必要度が点数化され、緊急度の高い人が優先されます。
長期入所が前提で、終身にわたり介護を受けることができます。

しかし、待機者が非常に多く、地域によっては入居まで数ヶ月~数年待ちのところもあります。

老人保険施設

介護老人保健施設は、医療法人や社会福祉法人などが運営する施設です。
食事・入浴などの身体介護、医師や看護師による医療的管理、リハビリなどが受けられ、退院後すぐの在宅生活が難しい要介護1以上の人を対象に、自立生活復帰を目指します。

入居期間は3~6ヶ月ですが、例外もあります。

初期費用はかかりません。
利用料は4人部屋で月額9~12万円前後、2人部屋や個室は特別室料が加算されます。

介護療養型医療施設

介護療養型医療施設は、医療法人が運営する施設です。
医学的管理が必要な要介護1以上の人が対象です。

比較的重度の要介護者に対し、食事・入浴などの身体介護、医師・看護師による医療的管理、リハビリなどが受けられます。

本来、急性疾患からの回復期にある寝たきり患者に対するケアが中心のため、終身制ではなく、心身の状態が改善すると退所を求められるケースもあります。

利用料は4人部屋で月額9~17万円前後、個室には特別室料が加算されます。初期費用はかかりません。

まとめ

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どの介護施設を利用する場合でも、介護保険制度の知識は大切です。

介護保険は、介護が必要な高齢者を社会全体で支える仕組みで、40歳になると国民全員が加入します。
介護サービスが使えるのは、原則的に介護や支援が必要と認定された65歳以上の人です。

介護保険法は3年ごとに改正され、自己負担額も変わるため、最新の情報をチェックしておきましょう。

この記事の監修をしたゴミ屋敷の専門家

氏名:新家 喜夫

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長。