広く知られるようになってきている遺品整理。
遺品整理は、故人が遺した遺品を仕分けし、必要なものを残し、不用品を処分して部屋を片付ける作業です。
こうして文字で書くと簡単ですが、実際にはかなりの重労働になることがほとんどです。
このため、遺品整理業者に作業を依頼する人が増えています。
近年、業者の数は急増しており、遺品整理業界はまさに玉石混交の状態となっています。
こういった状況の中、どんな業者を選ぶべきなのかは大きな問題ですね。
業者選びのポイントはいろいろありますが、今回は費用の面に焦点を絞り、遺品整理業者選びについて見ていきましょう。
目次
遺品整理にかかる費用は?
遺品整理を業者に依頼する場合、まず気になるのが費用ではないでしょうか。
実際、遺品整理は人生の中でそう何度も経験することではありません。
そのため、実際の作業や、かかる費用について見当がつかない人が多いようです。
家族が亡くなると、お葬式をしなくてはなりません。
また、法事を行ったり、場合によってはお墓の準備をしたりなど、何かとお金が出て行きます。
そんな中で行わなくてはならないのが遺品整理です。
お葬式などとは違い内々で済ませることなので、少しでも安く済めば・・・と思ってしまいますよね。
そこで、遺品整理を依頼した際にかかる費用の相場について知っておきましょう。
遺品整理の費用は、どのように決まるのでしょうか。
遺品整理の基本サービス
遺品整理業者の基本料金には、主に
- 残すものと不用品の仕分け
- 貴重品の捜索
- 不用品の回収
の3つのサービスが含まれています。
素人目には不用品にしか見えないような品物でも、プロの目によって適切に仕分けてもらえます。
間取り
一般的に、遺品整理をする家、マンションなどの間取りや広さによって、基本の料金が決まります。
間取り | 費用の目安 |
1K・1DK | 3万円〜10万円 |
1LDK〜2DK | 8万円〜20万円 |
2LDK〜3DK | 12万円〜25万円 |
3LDK〜4DK | 17万円〜30万円 |
公営住宅(市営・都営など) | 20万円〜45万円 |
一戸建て | 30万円〜80万円 |
※あくまで目安であり、実際の料金とは異なります
立地・建物の状況
遺品整理では、不用品を運搬するため、トラックで現場に向かいます。
その際、作業現場近くに駐車できるかどうかは大きな問題です。
すぐ近くに停めることができる場合はいいのですが、離れた場所にしか停められない場合、それだけ労力や時間が必要になるため、費用はどうしても高めになってしまいます。
マンションなどの場合、エレベーターがあるかどうかも費用に関係してきます。
荷物が多いのに階段しかない場合、費用は高めになります。
また、出入り口の間口が狭い、荷物の出し入れがしにくいような造りである場合も、料金が高くなることがあります。
室内の状況
常識的なものの量でなく、いわゆる“汚部屋”、“ごみ屋敷”のような状態である場合、割増料金になることがあります。
さらに、孤独死の発見が遅れ、特殊清掃が必要な場合も、料金はプラスされます。
出張料金
現場から遠いところに事務所のある業者の場合、出張料金や交通費(ガソリン代、高速料金など)がかかる場合があります。
オプションサービス
基本のサービスに加え、オプションサービスもあります。
遺品の買い取り
大量に出る不用品。素人目には価値が分からないものでも、プロがしっかり査定し、適正価格で買い取ってくれます。
作業料金から買い取り金額を値引きしてもらえるので、費用を安く抑えることになります。
ハウスクリーニング
作業後、簡単な清掃はしてもらえますが、賃貸物件などの場合、キッチンや浴室など水回りの清掃や脱臭などのハウスクリーニングを利用するとよいでしょう。
このオプションを利用すると、賃貸契約を解除する際に発生するクリーニング料金を抑えられる可能性があります。
特殊清掃
孤独死の発見が遅れたりした場合、特殊清掃が必要となります。
特殊清掃とは、壁や床に染み込んだ故人の体液や臭いを除去する専門サービスです。
遺体が腐敗してしまったような場合、このサービスを利用する必要があります。
遺品の供養
自分にとっては不要でも、故人が大切にしていた品は捨てづらいものです。
そんな場合、故人の愛用品を寺院や神社で供養してもらいましょう。
業者によってサービス内容は異なりますが、無料の合同供養をしてくれるところや、故人の宗派に合わせ、現場に僧侶を呼び、供養するサービスを行っているところもあります。
供養された遺品は、お焚き上げをし、天国の故人のもとに帰されます。
このほか、エアコンの取り外し、家の解体やリフォーム、形見分けの配送、お墓や霊園の相談、遺産相続に関する相談など、さまざまなオプションサービスがあります。
各社、行っているサービスはさまざまなので、遺品整理を依頼する際に相談してみましょう。
費用が安い=優良業者ではない!
もし遺品整理を依頼する必要ができた時、インターネットで検索をかける人が多いのではないでしょうか。
たくさんヒットするさまざまなホームページ。
気になる料金を比べてみると、実にさまざまです。
さまざまな業種において価格破壊が起こっている昨今ですが、遺品整理にも価格破壊は起こっているのでしょうか。
費用で業者を比べる場合、注意すべきポイントをご紹介します。
「コミコミ」に注意!
料金を紹介するページで、「全てコミコミ」とうたっている業者があります。
安さを前面に押し出し、閲覧者の注意を引く金額を記載することで、この会社は安いと錯覚させているケースがあります。
しかし、「コミコミ」という言葉に惑わされてはいけません。
先ほどご紹介したように、遺品整理とは、人が1つ1つ丁寧に遺品を仕分けて行く、決して機械にはできない作業であり、豊かな経験や知識が必要とされる作業です。
さらに、建物や部屋の状況によっては、通常よりも手間や時間、人手が必要となる現場もあります。
そのような作業をすべてコミにして、あまりにも安い料金をうたっている業者には要注意です。あとから不当な追加請求や高額請求をされる可能性大です。
何社かのホームページを比較すると、怪しい業者はなんとなく分かってくるので、少し時間をかけても複数の業者を比較しましょう。
見積もりに注意!
通常、遺品整理を依頼する際は、現場に来てもらい、部屋の状況や荷物の量を実際に見てから見積もりを出してもらいます。
依頼者がその金額や内容に納得すれば、契約の運びとなります。
つまり、基本的には、見積もりに書かれた以上の料金は発生しないはずなのです。
しかし「想定より物量が多かった」などと理由をつけ、見積もりになかった料金を勝手に追加請求する業者や、そもそも見積もり書自体を出さない悪徳業者も存在しているのです。
あとから不当な請求を受けないためには、どんな作業にいくらかかるのかという詳細な見積もりを出してもらいましょう。
そして、分からないことは、納得いくまで質問します。優良業者なら、依頼者の疑問にとことん答えてくれます。
その上で、追加請求はない旨を契約書に盛り込んでおけば安心です。
これらを拒否する業者には依頼しないようにしましょう。
買い取りに注意!
遺品整理業者の中には、貴金属や美術品など、価値の高い遺品を買い取ってくれる業者もいます。
きちんと査定を行い、適切な価格をつけてくれるならいいのですが、相場以下の値段をつけられてしまうことがあるのです。
まずは、その業者が、買い取りに必要な「古物商許可証」を持っているかを確認しておきます。
遺品を業者に買い取ってもらう場合は、即断を避け、見積もりをもらっていったん考えましょう。
良心的な遺品整理業者であれば、見積もりの際に買い取れる品の査定額を出してくれます。
そして、遺品整理の当日までに、リサイクルショップなどで鑑定を依頼し、比較してみましょう。
最近は、インターネットやLINEなどで査定を行っている買い取り専門業社もあります。
遺品整理の前にこういった査定を利用し、大体の価値を知っておくとよいでしょう。
まとめ
最初は安く見積もっておいて、あとから法外な追加料金を請求するというのが、悪質な遺品整理業者の手口です。
その言い分はさまざまで、「見積もり内容以外のことを当日に依頼されたので、その費用が加算される」「予想以上にごみが多く、処分費用が加算される」などといったものです。
悪質な業者ほど、料金設定が複雑でわかりにくかったり、見積もり内容が曖昧だったりして、サービスと料金の内容を明確にしません。
いくら費用が安くても、このような悪質な業者に引っかからないよう、最初に料金設定と見積もり内容を必ず確認し、見積もり以上の料金が発生しないことを確約することが大切です。