「父親がひとりで暮らす実家がゴミ屋敷になってきた……」
「片付けたいけれど、どう説得すればいいの?」
など、父親が暮らす実家のゴミ屋敷化についてお悩みではありませんか?
高齢になると片付けやゴミ出しが難しくなり、物を溜め込むケースは少なくありません。とくに、パートナーに先立たれた高齢男性が家をゴミ屋敷化してしまう事例は多く見られます。ゴミから湧いた害虫や悪臭による近隣トラブルや火災リスクなど、家族としては見過ごせない問題です。
そこで今回は、父親が暮らす実家がゴミ屋敷になる原因や放置による危険性、解決策などを解説します。原因別の対処法などもお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
<この記事で分かること>
- 父親の家がゴミ屋敷化する原因
- 父親のゴミ屋敷を放置した際の5つの危険
- ゴミ屋敷を片付けるための4つのアプローチ
父親がゴミ屋敷にしてしまったのはなぜ?
父親がゴミ屋敷を作り出してしまうのには、さまざまな事情があります。代表的な背景は次の3つです。
- パートナーとの死別や別れ
- アルコール依存症などの精神疾患
- 身体的な病気
これら単独または複数重なり合うと、ゴミ屋敷化が加速しやすくなります。父親への接し方や解決への糸口を見極めるために、それぞれをくわしく見ていきましょう。
パートナーが亡くなってしまったから
父親が家をゴミ屋敷にしてしまう大きな理由のひとつが、長年連れ添ったパートナーとの死別です。結婚生活の中で掃除や整理整頓を妻に任せきりにしてきた男性は多く、妻の死後には家事をひとりで担うことに困難さを感じます。結果として片付けやゴミ出しが後回しになり、住環境が急速に悪化してしまうのです。
さらに、喪失感や孤独感がつのって気力を失うと、「何もかもどうでもいい」と生活そのものを投げ出してしまう人もいます。片付けに限らず、食事や入浴まで放棄する「セルフネグレクト」状態になってしまうケースもあるので注意が必要です。
配偶者の死は生活リズムと心の支えを同時に奪い、急激なゴミ屋敷化のきっかけとなるため、家族が定期的に見守るなどのアプローチが大切です。
ゴミ屋敷はなぜ生まれる?ゴミをため込んでしまう心理とゴミ屋敷からの脱却法について解説
アルコール依存症など精神疾患を患っている
父親が精神的な問題を抱えていると、ゴミ屋敷問題はより深刻化しやすくなります。具体的な疾患を表にまとめました。
<ゴミ屋敷化に関連しうる精神疾患・障害>
精神疾患・障害 | 具体的な症状 |
アルコール依存症 | 過度の飲酒による判断力や身体機能の低下、生活リズムの崩壊 |
うつ病 | 片付ける気力が湧かない |
認知症 | 物を捨てる判断ができない、ゴミ出しの日を忘れる |
セルフネグレクト | 生活全般への気力が喪失 |
統合失調症 | 判断力低下や被害妄想によるゴミ出しへの抵抗 |
溜め込み症 | 物を集めたがる、捨てることに拒否感を示す |
ADHD | 片付けに集中できない |
ASD | こだわりが強くて片付けが進まない |
これらの疾患・障害は、日常生活の管理能力を大きく低下させます。心身の機能低下でゴミを出せなくなったり、片付けなければという意欲そのものが消失してしまったりと、それぞれの事情によってゴミ屋敷化を加速させてしまうのです。
ゴミ屋敷の原因は心の病気?可能性のある8つの原因と対処法とは
身体的な病気を患っている
加齢だけでなく身体的な病気を抱えていると、片付けや掃除などの日常動作が難しくなります。たとえば、腰や膝が痛んで重いゴミ袋を運べない、心臓や呼吸器の病気で動くとすぐに息切れしてしまうなど不調のせいで「やりたいのにできない」状況になってしまうのです。
結果として、出しそびれたゴミが溜まって家全体が荒れていきます。また、病気のために外出を控えてご近所との接触が途絶えると、地域のゴミ出しルールにも無頓着になって生活環境が悪化するおそれがあります。
身体の衰えは誰しも避けられませんが、とくにひとり暮らしの高齢者にとってはゴミ屋敷化に直結しがちなので注意が必要です。
父親がゴミ屋敷を片付けない理由
なぜ父親は、ゴミ屋敷状態の家を改善しようともせずに住み続けてしまうのでしょうか。子どもからすると「こんなに汚くて住みにくいのに、なぜ!?」と思えるような状況でも、本人にとっては深刻な理由があるケースが多いです。ここでは、父親が片付けられないリアルな背景を解説します。
精神的に疲れ切っている
父親がゴミ屋敷を片付けられない要因として、重要なのが精神的な疲労です。長年の仕事や家庭での役割を終えた父親は、配偶者を失った喪失感や孤独感で疲れ切っていることが多いです。
疲労感から生きる気力そのものが低下して、掃除や片付けをする気分にもなれずに放置してしまいます。そしてどんどん物がたまり続け、ゴミ屋敷化が進行してしまうのです。この場合、家が散らかる原因は父親本人の怠慢ではなく、心のエネルギーが枯渇していることだと言えます。
ゴミ屋敷を片付ける体力がない
年齢を重ねると、ゴミ屋敷を片付けることは想像以上の重労働になってしまいます。昔はすぐできたゴミの仕分けや移動も、筋力が低下したり身体機能が衰えたりすると困難になるからです。
とくに重いゴミ袋を運ぶ、高い場所に手を伸ばす、かがんで作業するなどの動作は体に大きな負担をかけます。ゴミ屋敷状況だと足の踏み場もないので、転倒やケガにも注意しながら動かなければなりません。そのため、「片付けたくても行動に移せない」、「片付け途中で体力が尽きて挫折する」という悪循環に陥りがちです。
ゴミ屋敷を片付けたい気持ちはあるが、お金がない
ゴミ屋敷を片付けたくても、お金がなくてできないという父親もいます。自力で片付けるには粗大ごみの処分費用がかかりますし、専門の清掃業者に依頼するとなると数十万円単位の費用が必要になることも珍しくありません。年金生活を送る父親にとって、費用の捻出は大きな負担となります。
高齢者は将来への不安から「お金を使いたくない」という心理が働きがちで、必要な出費であってもためらってしまうことがあります。また、「子どもに負担をかけたくない」、「子どもにお金の相談をするなんてみっともない」などと考えて、ひとりで抱え込んでしまうケースも少なくありません。結果として、片付けたいのにお金がないから片付けられないという板挟み状態に陥りがちです。
お金がない時にゴミ屋敷を片付ける方法|プロが教える価格交渉のコツ
ゴミ屋敷が当たり前になっている
ゴミ屋敷に長く住み続けていると、劣悪な環境が父親にとっての「日常」になってしまうことがあります。散らかっていても不快感が湧かず、鼻が麻痺して悪臭も感じず、ゴキブリやネズミに出くわしても日常茶飯事と考えてしまうのです。
また、認知症が進行していると、現状を正しく認識する力を失っている可能性もあります。認知症で判断能力が低下すると、ゴミと必要な物の判断が付かなくなって何もかも溜め込んでしまうことがあります。本人がゴミ屋敷状態でも何とも思わない場合には、父親だけの力で片付けてもらうのはほぼ不可能です。
父親がゴミ屋敷に住み続けた末路
「ゴミ屋敷化した実家に近寄りたくない」、「父親とできるだけ関わりたくない」と思う方もいるかもしれませんが、父親のゴミ屋敷を放置するのは危険です。何も手を打たなかった場合に起こる、5つのリスクを解説します。
ゴミ屋敷生活はケガや病気になりやすい
ゴミ屋敷で暮らしていると、父親が健康を損ねる可能性が高まります。足の踏み場がないほど物だらけなのでつまずいて転びやすく、骨折などの大ケガをするおそれがあります。とくに高齢者は、一度骨折すると寝たきりになる可能性もあるため非常に危険です。
また、ゴミ屋敷にはホコリやカビ、ダニなどのアレルゲンが大量にあるため、それらを吸い込んで喘息やアレルギー疾患になる人もいます。さらに、ゴキブリやウジ、ネズミなどがいる不衛生な環境で食事を摂っていると、食中毒や感染症にかかるリスクも高まります。
ゴミ屋敷は父親自身の健康を脅かすだけでなく、入院や介護が必要となれば家族にとっても大きな負担は避けられません。ゴミ屋敷を片付けることは、父親の健康と生活を守る第一歩と言えます。
ゴミ屋敷は火事になりやすい
ゴミ屋敷は、ちょっとした不注意で大規模な火災になる危険をはらんでいます。散乱したゴミや衣類は燃えやすいため、火元があると瞬く間に燃え広がってしまうのです。
タバコの不始末やホコリの溜まった電源プラグのショート、ガスコンロの消し忘れなどが火災の原因となるケースが後を絶ちません。ゴミが通路をふさいでいると、火災のときに逃げ遅れる可能性も高まります。近隣の家に延焼することもあり、甚大な被害につながりかねない事態です。
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ご近所からの苦情で住みづらくなる
ゴミ屋敷化が進むと近隣住民との関係が悪化して、父親が暮らしづらい環境になってしまいます。ゴミの山から発生する強烈な悪臭が近所に広がるばかりか、ネズミやゴキブリ、ハエなどが近隣の家にも侵入して衛生環境を悪化させるからです。
被害が続けば近隣住民から苦情が寄せられ、ご近所からの孤立は避けられません。場合によっては行政指導が入ったり、近隣住民から損害賠償を請求されたりする可能性も出てきます。そのような事態を父親がひとりで対処するのは難しく、子どもが対応を迫られるおそれがあります。
重要書類・貴重品の捜索が難航
ゴミ屋敷の中に埋もれた重要書類や貴重品を見付け出すのは、極めて困難です。今後もし父親が緊急入院したり、死亡して行政手続きが必要になったりしたときに貴重品探しが難航するのは目に見えています。
父親の家には年金手帳やマイナンバーカード、保険証、印鑑、預金通帳、クレジットカード、実印などの貴重品があるはずで、もしものときには急きょ提出を求められる場面も出てきます。ゴミ屋敷だと捜索に苦労するばかりか、最悪の場合にはゴミにまぎれて捨ててしまう可能性も出てきます。貴重品のありかを把握するためにも、ゴミ屋敷状態を早めに解消することが欠かせません。
ゴミ屋敷の片付けが子供に降りかかる
父親が亡くなると、ゴミ屋敷を片付ける負担は残された子どもに降りかかります。物だらけのゴミ屋敷を片付けるには、通常の遺品整理とは比べ物にならないほどの時間と手間が必要です。ゴミを撤去するだけで1~数か月の時間がかかり、人手もひとりでは到底間に合いません。また、ゴミ屋敷清掃をプロの業者に頼むと数十万円前後の費用になるのが一般的で、子どもにとっては大きな出費となります。
死後は葬儀や役所の手続きで忙しく、相続税の申告・納税には死後10か月以内という厳格な期限が設定されています。多忙な時期に過酷な片付け作業や清掃費用を強いられることは、遺族にとって深刻な問題です。父親の生前に少しずつでも片付けを進めておくと、将来の負担軽減へとつながります。
父親の住むゴミ屋敷を片付けたい
近隣トラブルや相続時の負担を避けるためには、ゴミ屋敷解消に向けて早めに行動することが大切です。しかし、ただ父親を感情的に責めても揉めるばかりで解決には向かいません。ここでは、子どもが取るべき具体的な対処法について解説します。
父親がゴミ屋敷にしてしまった原因を探る
まず大切なのは、父親がなぜゴミ屋敷にしてしまったのか原因を理解することです。原因が分かると「なぜ片付けないのか」という怒りや疑問が「だから片付けられないのか」という理解に変わって、根本的な解決策も見えやすくなります。
<父親が抱える問題と対処例>
おもな問題 | 代表的な対処法 |
パートナーが死別して家事がストップしている | 外部サポートの導入(ヘルパーサービス、宅配弁当)家族の補助家事のやり方を教える |
アルコール依存症などの精神疾患 | 心療内科で治療やカウンセリングを受ける |
身体的な病気や体力不足 | 市区町村の「地域包括支援センター」に相談して介護保険サービスにつなぐ |
精神的に疲れて片付ける余裕がない | 心療内科の受診家族の連絡による孤立感緩和片付けを小さなステップに分ける |
ゴミ屋敷を片付けるお金がない | 行政の生活支援や補助制度の活用専門業者に分割払いを相談する |
ゴミ屋敷に馴れて何とも思っていない | 家族が説得して危機感を持たせる医師や第三者から説得してもらう |
ゴミ屋敷の片付けと並行あるいは先行してこれらの問題に対処することが、スムーズに片付けへとつなげる第一歩と言えます。
父親と話し合いゴミ屋敷片付けを説得する
ゴミ屋敷解消には、父親本人との話し合いも必要です。子どもが強引に片付けを進めても、抵抗されて信頼関係が崩れるだけになることが多いので注意しましょう。健康被害や火災などのリスクを伝えて、父親自身に「ゴミ屋敷を何とかしなければ」という気持ちになってもらうことが大切です。
父親が少し体調を崩して治ったばかりのときや、知り合いが亡くなったときなど、本人が危機意識を感じていそうなタイミングに説得すると比較的聞き入れてもらいやすいです。
ゴミ屋敷を片付けようという提案とともに、「医療機関を受診しよう」「地域包括支援センターにつないでケアマネに相談しよう」などの環境整備についても説得を進めましょう。話し合いには時間がかかることが多いですが、今後の負担を考えると放置するよりも今のうちに介入するほうが理想的です。
ゴミ屋敷に住む親を説得するコツと具体的な片付け方・料金を徹底解説
医療機関や行政に相談
ゴミ屋敷の背景に精神的・身体的な不調や病気があると感じたら、医療機関や行政に相談しましょう。とくに認知症の兆候が見られる場合は、早めに医師の診断を受けることが進行予防に直結します。
お住まいの市区町村にある地域包括支援センターに相談するのも極めて重要です。原則65歳以上の高齢者と家族の困りごとを幅広く相談でき、ゴミ出しや掃除ができないなどの問題も介護保険のサービスや福祉制度につなげてくれます。
さらに、孤独死の懸念がある場合は、安否確認のための見守りサービスやGPSの導入を検討することをおすすめします。少なくとも3日に一度は電話で連絡を取るなどのコミュニケーションを心がけると、父親のメンタルケアと孤独死予防に効果的です。
ゴミ屋敷片付け専門業者に依頼
自力で片付けきれないゴミだらけの状態ならば、ゴミ屋敷片付けの専門業者に依頼するのが現実的な解決法です。自分が片付けると1か月以上かかるゴミ屋敷でも、プロなら1日~数日内にきれいにできます。
片付け業者の中には遺品整理や生前整理のノウハウを持つところもあるので、父親の思い出の品を大切に扱いながら作業を進めてもらいたい場合も安心です。自力で片付けるのに比べて費用が高くなることは避けられませんが、父親の死後に切羽詰まった状態で依頼するよりも今片付けるほうがメリットは多いです。
<清掃業者への依頼時期による比較>
比較項目 | 父親が元気なうちに片付ける | 父親の死後に片付ける |
費用 | ゴミが少ない分だけ安くなる | ゴミが増え切っているため高額 |
父親への影響 | 安全に片付いた家で暮らせる | 本人への影響なし |
死後の負担 | 清掃時に貴重品も把握済みなので相続がスムーズ | 死後の手続きと同時にゴミ屋敷清掃・遺品整理をしないといけない |
家の状態 | 数年早く片付けられるので劣化が少ない | ゴミ屋敷状態が数年長くなるので劣化が進みやすい |
父親の同意 | 同意がなければ片付けられない | 死後なので同意不要 |
業者を選ぶときは見積もりやサービス内容を複数業者で比較検討し、納得のいく形で依頼することが大切です。
ゴミ屋敷片付けはゴミ屋敷バスター七福神へお任せください
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まとめ
父親の家がゴミ屋敷化する背景には、配偶者との死別や精神疾患、身体的衰えなど多くの要因があります。放置すると健康被害や火災、ご近所トラブル、貴重品紛失などの問題が生じ、死後には子どもに大きな負担がのしかかるおそれもあるため早めの対処が肝心です。
父親のゴミ屋敷問題をひとりで抱え込まず、医療機関や地域包括支援センターに相談することも検討しましょう。また、家の状態を一度リセットして暮らしの安全を確保する上で、ゴミ屋敷清掃の専門業者は心強い味方と言えます。ゴミ屋敷バスター七福神に、ぜひお気軽にご相談ください。