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青森県六戸町のゴミ屋敷に関する条例(六戸町環境美化条例)の内容とは

青森県六戸町のゴミ屋敷に関する条例(六戸町環境美化条例)の内容とは

青森県六戸町は、青森県東部に位置する人口およそ1万人の町です。
のどかな町ではありますが「六戸町環境美化条例」と呼ばれる、ゴミ屋敷に関する条例が制定されています。

ゴミ屋敷対策だけを想定した条例ではなく、名称からも分かるように環境美化のための条例です。

ゴミ屋敷対策に該当する部分や、他の自治体のゴミ屋敷条例と比較等を見てみるとしましょう。

六戸町環境美化条例におけるゴミ屋敷を想定した条項

六戸町環境美化条例におけるゴミ屋敷を想定した条項

青森県六戸町が制定する六戸町環境美化条例は、ゴミ屋敷を含めた環境対策の条例です。

そのため、ゴミ屋敷以外に関する環境美化のための条例も含まれています。

以下で、ゴミ屋敷対策と成り得る条例を抜き出して解説します。

第一条

第一条では条例の目的が制定されています。

町民の環境美化に対する意識向上や責任・役割を明確にすることで、安心して暮らせる町づくりをすることが目的として定義されています。

つまり、ゴミ屋敷を生むことなく、快適な環境を維持することの責任が明記されていると考えてよいでしょう。

第二条

第二条では必要な施策の実施が記載されています。

以下の項目に関して、青森県六戸町が積極的に要請できることが明文化されています。

  • 第三項 環境美化パトロール
  • 第四項 自主的な美化活動の推進
  • 第五項 環境美観に必要と認める事項

つまり、ゴミ屋敷を生まないために町が動くことは条例に則ったものとなります。

第三条

第三条では町民の責務が記載されています。

自宅周辺の清潔を保ち、地域の環境美化に推進すること、さらには六戸町が行う施策に協力することが記載されています。

つまり、ゴミ屋敷を生むことはこの条例に反していることになります。ゴミ屋敷を生まないよう六戸町が行う施策に協力しなければなりません。

第五条

土地占有者は所有、あるいは管理している土地や建物、さらにはその周辺をきれいにすることで、地域の生活環境の保全に努めることが規定されています。

ちなみに第二項では、目的達成のために六戸町が実施する施策に協力するとあります。

ですから、ゴミ屋敷対策にも協力することが求められます。

第十四条

青森県六戸町の町長は、第三条から第十二条までの規定に違反している町民に対し、必要な指導・勧告を行えると規定されています。

ゴミ屋敷化された家屋のゴミ屋敷居住者に対し、改善のための指導や勧告を行えます。

第十五条

第十四条に基く指導や勧告に従わなかった町民に対し、改善や必要な措置を講ずるよう命令することができると定められています。

指導や勧告はいわば町民の自主性を促すものですが、命令には強制力があります。

第十六条

第十五条に基づく措置命令を下した町民が、命令に基いて改善しているのか、報告を求めることができることが制定されています。

つまり、命令して終わりではありません。

ゴミ屋敷が改善されているのか、報告を求めることが可能です。

第二十二条

第十五条に基づいて命令した町民が命令に従わない場合、その旨を公表できます。

条例に基づいて六戸町の町長が改善命令を下したものの、命令に従わずにいつまでもゴミ屋敷を改善しない場合には事案を公表することが可能です。

第二十五条

条例で定めていること以外で必要なことは町長が別に定めるとの記載があります。

つまり、その都度必要なことは町長が別に定めることができます。ゴミ屋敷問題解決のために六戸町環境美化条例ではカバーできないことは、町長が別に定めることで解決を目指せます。

六戸町環境美化条例でゴミ屋敷問題は解決できるのか

六戸町環境美化条例における、ゴミ屋敷問題の対策・解決に関連する部分をピックアップして説明しました。では、六戸町環境美化条例でゴミ屋敷問題を解決できるのか、他の自治体の条例等との比較等、様々な角度から検証してみましょう。

具体的施策に関しては設定がない

青森県六戸町の環境美化条例は、ゴミ屋敷対策に関して、命令や公表までは明文化されています。しかし、その先に関しては具体的施策がありません。

命令に従わない場合には行政代執行、さらには行政代執行で生じた費用を居住者に請求できる点まで制定している自治体もあります。

それらと比較すると、命令に従わなかった場合にどうすればいいかう懸念もあります。

問題解決「後」に関しては何もない

六戸町環境美化条例は、ゴミ屋敷を生み出さないための予防目的としては効果が見込めます。しかし、ゴミ屋敷問題を解決した「後」に関しては、条例では何も記載がありません。

例えば再発防止策、地域との連携や支援等、解決した後のことに関しては具体的記述が見当たりません。

柔軟性のある条例と考えることもできる

六戸町環境美化条例は、行政代執行や再発防止、支援等、他の地域のより強制力の大きいゴミ屋敷条例で制定されている文言はありません。ですが、先にご紹介したように、第二十五条では「必要な事項は町長が定める」と制定されています。

つまり、行政代執行、再発防止策は、その時に必要になれば六戸町の町長が新たに定めることが可能だと解釈できます。

その点では汎用性の高い条例だと考えることができるでしょう。

青森県六戸町とゴミ屋敷問題

青森県六戸町とゴミ屋敷問題

青森県六戸町に限らず、地域の条例は町の状況を踏まえたものです。

つまり、六戸町環境美化条例から六戸町の環境が見えてきます。

六戸町ではゴミ屋敷問題が顕在化していない

もしもですが、既に六戸町でゴミ屋敷問題が顕在化していたり、これまでに何件ものゴミ屋敷問題で悩まされていた場合、もう一歩進んだゴミ屋敷に関する条例が制定されていたことでしょう。

しかし、実際には行政代執行や再発防止策等は見当たりません。つまり、青森県六戸町では今はそこまで制定する必要がないことが分かります。

ゴミ屋敷リスクが低い町

青森県六戸町は人口およそ1万人で、多くが田畑ののどかな町です。

他の自治体同様、高齢化が進んでいますが住人同士の関係性も強い点から、ゴミ屋敷リスクの低い町と考えることもできます。

そのため、事細かく制定するゴミ屋敷条例が不要な町だと考えることもできます。

少しゴミが堆積気味なら、不用品回収業者を呼んで掃除してもらうだけでゴミ屋敷化を防げると考えられます。

六戸町環境美化条例についてのまとめ

青森県六戸町の環境美化条例は、25条からなる環境美化のための条例

青森県六戸町の環境美化条例は、25条からなる環境美化のための条例で、ゴミ屋敷を未然に防ぐ施策が盛り込まれています。

しかし行政代執行や再発防止策は見当たりませんので、実際にゴミ屋敷が出現した時には、具体的な対策は町長判断になります。

柔軟な条例だと考えることもできますが、一方では甘い部分があるとの指摘もあるでしょう。しかし、ゴミ屋敷問題がまだ顕在化していない状況での条例としては妥当な条例との声もあります。

つまりは青森県六戸町の現状に合わせた条例だと考えてよいでしょう。

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この記事の監修者

ゴミ屋敷片付けの専門業者「ゴミ屋敷バスター七福神」代表

監修者 竹本 泰志

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。

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