引っ越しなどで大量に出る段ボール。
新型コロナウイルスが流行してからは、通販やネットショッピングの利用が増え、自宅に段ボールが溜まりっぱなしになっている方も少なくないかと思います。
1枚でもかさばる段ボール、量が増えれば増えるほど捨てにくくなるものです。
家に溜まった大量の段ボールを、簡単に捨てられる方法はあるのでしょうか。
この記事では、段ボールの適切な処分方法と注意点の他、捨てやすいまとめ方についても詳しく解説します。
目次
段ボールの処分方法は?
地域ごとにゴミ出しルールが異なるように、段ボールの処分方法も自治体によって違いがあります。
市区町村ごとに定められたルールに沿って出さないと、回収してもらえない可能性があるため注意が必要です。
まずは、お住まいの地域の「段ボールの正しい捨て方」について確認しておきましょう。
ほとんどの自治体が「資源ゴミ」
段ボールは、ほぼ100%再利用できます。
全国段ボール工業組合連合会の公式HPに掲載しているデータによると、段ボールの古紙回収率・利用率は、どちらも90%を超えています。
そんな“リサイクルの優等生”とも言われている段ボールは、リサイクル可能な「資源ゴミ」として回収している自治体がほとんどです。
地域によっては、町会やPTAが行う「集団回収」に出すよう促しているところもあります。
集団回収の頻度は、週1回程度、決められたゴミ集積所や自宅前の朝に出しておく必要があります。
「結束」または「まとめて」出すのが基本
段ボールを大量に処分する際、バラバラで回収に出すのはNGとしている自治体が大半です。
バラのまま段ボールを出すことは、様々なアクシデントを引き起こすリスクがあります。
回収車の荷台で段ボールが崩れてしまった場合、後続車に被害を及ぼしたり、交通状況の悪化を招いたりする恐れもあります。
こういった最悪の事態を防ぎ、安全に運搬するためにも、必ず結束しまとめて出す必要があるのです。
段ボールを簡単にまとめる3つの方法
多くの自治体で、段ボールの捨て方に「紐でまとめて出す」というルールがありますが、コツさえつかめば簡単にまとまります。
参考までに、段ボールを紐で簡単に束ねる方法を3つ紹介します。
段ボールをまとめる際は、あらかじめ「紙紐」と「はさみ(またはカッター)」を準備しておきましょう。
ケガ防止のために、軍手をはめて作業すると安心です。
十字縛り
段ボールを見映えよく、しっかり固定できるのが「十字縛り」です。
最後に中心で紐を結んで束ねる、段ボールの一般的なまとめ方です。
手順も簡単で、コツさえつかめば失敗せずさっと縛れます。
十字縛りの手順は以下です。
- 紐を切らずにつないだまま、漢数字の「十」の形になるように紐を置きます
- 紐が交差している部分の真ん中に、束ねたい段ボールを置きます
- 左上の輪になっている紐を持ち上げて、少し前に持ってきたら、段ボールの右側から出ている紐の下をくぐらせます
- 段ボールの中央でぎゅっと締め付けたら、下から出ている紐と結んで完成です
十字縛りは手順がシンプルなので、段ボールの結び方の中では一番難易度が低いです。
また、大きな段ボールでも基本的には1人で束ねられるため、人の手を借りられない方にも向いています。
ただし、紐を結ぶ場所は締め付け具合によっては、上手くまとまらずバラバラになる場合もあります。
最後はぎゅっと紐を引っ張り、形が崩れないように仕上げましょう。
4の字縛り
4の字縛りは、名前の通り“数字の4”のように紐を置いてまとめる方法です。
手順さえ守れば、初めての方でもスムーズにまとまります。
4の字縛りも段ボールをひっくり返すことなく、比較的簡単に行えます。
- 紐を切らずにつないだまま、数字の4の形になるように置きます
- 紐の上に、段ボールをまとめて重ねます
- 4の右上にある輪っか状の紐を、右横の紐に通します
- 3で通した紐を、下の紐と結べば終了です
段ボールのサイズはある程度合わせると、束ねた時バラバラになりにくいです。
大小さまざまな大きさの段ボールをひとまとめにする場合は、大きい段ボールの中に小さい段ボールを入れると◎
段ボールがコンパクトになり、まとめた後に飛び出すのも防げます。
キの字結び
しっかり固く結ぶのであれば、「キの字結び」がおすすめです。
4の字縛りと比べると、少し手順が増えますが、よりしっかりとまとまります。
- 段ボールの幅よりも気持ち長めに、紐を縦に伸ばします(※紐は切りません)
- 段ボールの1/3部分が紐の上に来るように置きます
- 一度紐をしっかり結びます
- 紐を反対側へくぐらせて1周まわしたら、さきほど結んだ紐の先端と交差させます
- さらに、逆側も1/3の部分で交差させて、紐をぐるりと巻きます
- 紐の先端と結んで切れば完成です
紐を結ぶ場所さえ注意すれば、それほど難しくありません。
キの字縛りは、紐を交差させて、段ボールの1/3に当たる部分を2か所しっかり止めるのがポイントです。
紐を絡ませてしっかり結ぶため、大きさが異なる段ボールを束ねたい時にも向いています。
ガムテープで結束するのはNG
段ボールをまとめて処分する際は、基本的に「紙ひも」を使います。
処分ルールは市区町村によって異なるものの、紙以外のものは資源ゴミの日に出せない
としている地域がほとんどです。
ここで注意しておきたいのが、「ガムテープ」です。
ガムテープは紙製ですが、強い粘着性があり、資源ごみではありません。
そのため、多くの自治体はガムテープで段ボールをまとめることを禁止としています。
段ボールの捨て方としては、「紐で縛って出す」というルールが全国的です。
ガムテープ以外にも、結束バンドやビニール紐、ハンディラップもNGです。
基本的には、段ボールと一緒に再利用できない「紙以外のもの」は利用不可としている自治体が多いため、捨てる際は注意してください。
梱包のガムテープもはがして出すのが正解
ネットショピングで届いた荷物は、口を閉じるためにガムテープが貼ってあるものもあります。
ですが段ボールを捨てる際は、こういった梱包用のガムテープも、すべてはがしてから資源ゴミに出すのが適切です。
封を開けた後はすぐにガムテープをはがしておくと、捨てる際のひと手間を省けます。
段ボールを上手くまとめるコツ
せっかく段ボールを束ねても、運ぶ途中で緩んでしまうこともあります。
段ボールの枚数が多ければ多いほど、バラつきやすくなるため注意が必要です。
どの方法で束ねる場合でも、次のポイントを押さえて縛ると上手にまとまります。
- 段ボールの枚数は欲張りすぎない
- 段ボールのサイズや大きさはできるだけ揃える
- 重ねる時はすき間を埋めるように意識する
- 運べる重さにとどめておく
段ボールを重ねて厚みが出ると、紐をきつく結ぶことが難しくなります。
一度にたくさんの段ボールをまとめたい気持ちは分かりますが、欲張りすぎると段ボールから紐が外れてしまう可能性もあります。
重さ・厚みともに運べる程度にとどめておき、段ボールはすき間なく重ねてしっかりと固定しましょう。
段ボールを処分する際の注意点
段ボールは基本的に資源ゴミなのですが、段ボールを資源として再利用することを前提としているため、状態の良さが求められます。
また、段ボールの材質によっても、リサイクルできない場合があるため注意です。
汚れ・水濡れがあるもの
再利用する目的から、水に濡れてしまったものや、汚れ・破れが目立つ段ボールは、回収してもらえない場合があります。
悪天候時には段ボールの回収を行わない地域や、あるいは袋に入れて濡れないようにしてゴミとして出すよう指示している市区町村があるのはそのためです。
こういった地域では、再利用が難しく状態の悪い段ボールに限り、資源ゴミではなく「可燃ゴミ」として回収している場合もあります。
ただし、すべての自治体にあてはまるわけではありません。
地域によっては、汚れ・破れなどがあっても、一貫して「資源ごみ」としているところもあります。
また、雨天でも回収を行う自治体もあるため、出し方のルールはさまざまです。
このように、状態の悪い段ボールについては回収方法や判断が地域によって異なりますので、自治体ごとのゴミ出しルールの詳細を確認しておきましょう。
伝票や金具も忘れずにはがす
段ボールにはガムテープだけではなく、他にも以下のようなものが付着していいる場合があります。
- 商品伝票、宅配伝票等
- ラップによる梱包
- 強度のための金具
こういった付属品も、資源ごみ回収に出す前に、必ず取り外す必要があります。
こういった、段ボール以外にものについては、それぞれの材質に合う正しい方法で処分しましょう。
段ボールに貼り付けてある商品伝票や配達伝票は、剥がさず回収に出してしまうと個人情報が悪用される恐れもあるため危険です。
伝票が紙製であれば、そのまま捨てもルール的には問題ありませんが、商品・配達伝票に記載された住所や氏名、電話番号等を他人に知られれば、何らかのトラブルやアクシデントに見舞われるリスクもあります。
自治体のルールを守るのは大前提ですが、自分自身の身を守るためにも、個人情報が記載されている物は段ボールから剥がしておきましょう。
まとめ
段ボールの捨て方は、自治体によって様々です。
基本的に、段ボールは再利用が期待できるものですが、ガムテープは再利用が難しい素材です。
そのため、再利用を考えてガムテープを剥がした方が良いのですが、剥がすのが困難な段ボールがあるのも事実です。
どうしても剥がすのが難しい場合や、分からないことがある場合には、自治体に遠慮なく問い合わせましょう。