ゴミ部屋や汚部屋は生活様式や価値観によってもたらされるものです。
そのまま放置するとゴミ屋敷へと発展する可能性が高く、当事者であっても「改善しなければ」と思っていても、なかなか改善できないものです。
そこで、ゴミ部屋となってしまう心理を紐解くことで、ゴミ部屋の防止策を見出してみてはいかがでしょうか。
ゴミ部屋にしてしまう人の心理
ゴミ部屋にしてしまう理由は様々なですが、考えられる心理面としては、主に以下が挙げられます。
ゴミ部屋にしてしまう心理その1:「後で片付ける」
忙しい、気が乗らない、まだ汚いとは思っていない等、理由は様々ですが、「後で」と考え結局そのまま後回しを続けてゴミ部屋にしてしまうケースは多いです。
掃除を面倒だと思う人も多いですし、仕事で忙しい場合、仕事と家事の優先順位を考え、掃除を後回しにしてしまう心理はよく分かります。
しかし、「後で」との思いは、いわば現実逃避の一環です。
後で掃除をしたいのではなく、今掃除をやりたくない言い訳です。
汚くなれば掃除のモチベーションも低下する
いずれ掃除をと思っても、汚くなるにつれ簡単な掃除では綺麗にならなくなります。
掃除のモチベーションが低下し、掃除を放置してゴミ部屋にしてしまうこともあります。
ゴミ部屋にしてしまう心理その2:「汚くない」
ゴミ部屋とは、明確な定義がありません。
汚すぎる部屋をゴミ部屋だと定義できますが、そもそも汚さの価値観も人それぞれです。
そのため、同居人等、他の人が汚いと思っても、本人が汚くないと思っていれば掃除をすることはありません。
ゴミ部屋はおろか、ゴミ屋敷に近い状態であっても、本人が汚くないと思えば掃除はしませんので、部屋は汚くなる一方です。
実際、ゴミ屋敷でも「汚くない」「どれもゴミではなく大切なもの」だと主張する住居人がいます。
ゴミ部屋にしてしまう心理その3:「自分に必要なスペースは問題ない」
汚い部屋ではあっても、自分のポジションが確保されている場合、機能面で支障がないので掃除を行わず、ゴミ部屋化を加速させてしまうケースも見られます。
例えばベッドの上にいることが多い人であれば、ベッド周辺だけは綺麗だったり、あるいはPCと向き合う時間が長い人はPCデスク周辺だけは綺麗だったりします。
他の部分がどれだけ汚い状態でも、部屋の中で大半の時間を過ごすパーソナルスペースさえ綺麗であれば、掃除をとは思いません。
結果、ゴミ部屋が加速します。
また、似た心理として「汚くとも誰にも迷惑をかけていない」と考える傾向も見受けられます。
ゴミ部屋にしてしまう心理その4:「何をすればよいのか分からない」
部屋の状態を見て、良い状態ではないとは自覚しているものの、何をすればよいのか分からないという場合もあります。
結局はそのまま何もできずに仕事等の日常生活に追われ、ゴミ部屋化させてしまうケースもあります。
この場合、他と異なるのは危機意識を持っている点です。
何とかしなければという心理が働くものの、何をしてよいのか分からないのです。
収納場所がない、ゴミ出しのルールが良く分からない、何から手を付けてよいのか分からないなど、危機感を行動に移す術が分からず、ゴミ部屋化させてしまうケースもあります。
ゴミ部屋防止のためにはどのような心理が必要なのか?
ゴミ部屋防止のために意識しておくべき点も把握しておきましょう。
まずは地域のゴミ出しルールの確認
ゴミを捨てないことでゴミが蓄積されゴミ部屋化します。
つまり、ゴミを適切に捨てることでゴミ部屋化は防げます。
しかし、昨今は自治体の多くが環境問題対策として、独自にゴミ出しルールを策定しています。
ルールの把握が面倒でゴミ捨てが億劫になってしまっている人もいます。
そこでまずは住まいの地域のゴミ出しルールを確認しましょう。
ゴミ出しの曜日や時間、分別の種類などルールを把握しておくことで、どのゴミをいつ捨てるのかを把握できます。
少なくとも「どうすればよいのか分からない」を防げます。
コツコツ掃除を行う方がゴミ部屋化防止になる
掃除はまとめて大掛かりに行うよりも、こまめにコツコツ行った方が常に部屋を清潔な状態に保てます。
毎日が忙しい人は、掃除を後回しにしてしまいがちですが、後回しにするとさらに大変なものになります。
すると、余計掃除が面倒な心理に陥るものです。
目に入ったゴミはすぐに捨てる等、こまめに掃除を行うことでゴミ部屋化防止に繋がります。
ゴミ部屋は周囲に迷惑をかけていると自覚する
ゴミ部屋は周囲に迷惑をかけるものだと自覚することもまた、ゴミ部屋化防止に繋がります。
ゴミ部屋と呼ばれるような汚い部屋でも、誰にも迷惑をかけていないと思う人もいますが、ゴミ部屋は周囲こそ迷惑です。
同居していれば汚い光景が目に入るだけでゲンナリすることでしょう。
自分自身では気付かないとしても、周囲は異臭を不快に思っているかもしれません。
このように、周囲にとってゴミ部屋は良いものではありません。
災害時により甚大な被害をもたらすケースも
地震等の自然災害が起きた時、ゴミ部屋がより大きな被害をもたらす可能性があります。
例えば地震が起きて物が散乱し、ゴミ部屋の扉がゴミで塞がれて開かなくなったり、火災が起きた際、ゴミ部屋の引火リスクは高いです。
ゴミ部屋の解決方法は?
様々な心理が考えられるにせよ、ゴミ部屋が勝手に綺麗になることはありません。
自分だけでは解決が難しいと感じている場合、いくつかの方法があります。
行政に相談してみる
ゴミ屋敷問題に対して本腰を入れている行政が増えています。
ゴミ屋敷問題解決のために、場合によっては行政代執行を行えるよう条例を策定している自治体もあります。
ゴミ部屋くらいでと思うかもしれませんが、一度行政に相談してみましょう。
状態に応じたサポート・対策を講じてくれる行政もあります。
行政によって条例が異なる点は注意が必要
行政・自治体への相談は効果的ではありますが、そこでの対応は行政・自治体によって異なります。
なぜなら、策定している条例が異なるからです。
対応範囲は条例に基づくものとなりますので、事細かに条例を制定している行政・自治体と、大まかな条例しか制定していない自治体とでは、対応は異なります。
友人・知人に相談する
ゴミ部屋にまで発展させてしまうと、一人での解決は難しいです。
そこで、恥を忍んで友人や知人、家族に相談してみましょう。
心理的拒否感が強いかもしれませんが、何もしなければ解決しません。
しかし、親身になって相談に乗ってくれる友人・知人や家族がいない人もいれば、むしろ知っている人だからこそ相談できないという方もいることでしょう。
不用品回収業者に依頼する
不用品回収業者など、外部業者に依頼する方法もあります。
外部業者への依頼の場合、お金はかかりますが友人や知人への依頼とは異なり、人間関係がありません。
あくまでもその場限りの依頼になりますので、心理的に楽なのではないでしょうか。
但し、業者も様々です。
業者によって対応や費用が異なりますので、どの業者に依頼するのか考えなければなりません。
ゴミ部屋にしてしまう心理を踏まえて対策を講じよう
ゴミ部屋にしてしまう心理は様々です。
そのため、対策も様々です。
既にゴミ部屋で悩んでいる方は、自分がどのような心理でゴミ部屋にしてしまったのかを理解しましょう。
ゴミ部屋にしてしまった心理によって、対策・解決策も変わります。
また、ゴミ部屋にしてしまうのではとの恐怖感を抱いている人は、ゴミ部屋になってしまう理由や心理を理解し、ゴミ部屋にしないための行動を心掛けましょう。